ファミリービジネス(同族経営)とは?特徴やメリット・デメリットを解説

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ファミリービジネス(同族経営)とは?特徴やメリット・デメリットを解説

目次

ファミリービジネスとは、「同族経営」や「家族経営」ともいい、家族や親族で経営している企業や運営をしている事業のことを指します。

株式の大部分を家族が保有している場合や、創業者やその家族が経営陣に名を連ねている場合などが該当します。

ファミリービジネスにはメリットとデメリットがあるため、それぞれを把握し、経営の失敗リスクを回避しましょう。

ファミリービジネスの意味と特徴、メリット・デメリット、成功させるポイントを解説します。

ファミリービジネスとは

ファミリービジネスとは、家族や親族で企業経営や事業運営をおこなっていることを意味し、「同族経営」や「家族経営」ともいいます。

ファミリービジネスの法人税法上の定義は、「持ち株比率の合計が上位3株主のグループによって50%を超えている会社」です。

企業が家族や親族などで構成されていたり、特定の一族が実権を握り、経営への影響力が大きかったりする場合は「ファミリービジネス」と位置づけられます。

日本のファミリービジネスの割合

日本のファミリービジネスの割合は、上場企業では約50%、非上場企業も含むと90%以上といわれています。

諸外国のファミリービジネスの割合を見てみると、アメリカ96%、イタリア93%、フランス65%、イギリス70%のように、国によって割合に違いがあることがわかります。[※1]

日本企業のファミリービジネスとして、トヨタ自動車株式会社や株式会社星野リゾート、サントリーホールディングス株式会社などがあげられます。

また、海外の企業では、アメリカのウォルマート、ドイツのフォルクスワーゲン、韓国のサムスン電子などがあります。

ファミリービジネスの特徴

国内の数多くの企業がファミリービジネスといわれていますが、以下のような特徴があります。

  • 株式の保有者と経営陣が同じ
  • 経営理念が浸透しやすい
  • 長期経営に向いている
  • 世代交代の準備がしやすい

それぞれの特徴をくわしく解説します。

株式の保有者と経営陣が同じ

ファミリービジネスの特徴として、株式の保有者と経営陣が同じことが挙げられます。

企業の経営方針などを決定する株主総会では、株の保有数によって賛成・反対票の数が決まるため、経営に携わっている人物が株をもっていないと、予期せぬ事柄が決定されてしまう恐れがあります。

株主の所有者と経営陣が同じであるファミリービジネスの場合は、重要事項の決定ミスを避けられるでしょう。

経営理念が浸透しやすい

家族や親族などの特定の一族で経営がおこなわれているファミリービジネスは、経営理念が浸透しやすいです。

考え方や意見は個々人で異なっても、育ってきた環境や周りの影響などから、経営理念や企業文化、伝統などを受け入れやすいでしょう。

企業の方針を定める経営理念は重要なため、一貫性のある経営につながります。

長期経営に向いている

長期経営に向いていることも、ファミリービジネスの特徴のひとつです。

日本には、ファミリービジネスで100年以上経営している老舗企業が3万社あるといわれており、短期ではなく長期の経営に向いていることがわかります。[※2]

ファミリービジネスが長期経営できる理由として、何世代にもわたって企業が継続していくことを重視し、長期的な成長を目指していることがあげられます。

世代交代の準備がしやすい

ファミリービジネスの経営者は、非ファミリービジネスの経営者と異なり、トップに就いている期間が長いです。

一般的な経営者は3年から5年ほどで交代しますが、ファミリービジネスの場合は20年以上経営者として活動することもあります。

次世代の経営者になる同族の人材は、企業内の重要なポジションに就き、長期にわたって経営に関する知識や経験を積めるため、短期的な世代交代による失敗リスクを避けられるでしょう。

ファミリービジネスのメリット

家族の絆や価値観を基盤としてビジネス運営をおこなうファミリービジネスですが、いくつかのメリットがあります。

  • 意思決定が迅速にできる
  • 長期的な経営戦略を立てることができる
  • 後継者を育てやすい

どのようなメリットがあるのか、それぞれを見ていきましょう。

意思決定が迅速にできる

株式の保有者と経営陣が同一であるファミリービジネスは、迅速な意思決定ができます。

ビジネスチャンスを掴んだり、被害拡大を防いだりするには、意思決定を迅速におこなうことが重要です。

株主総会での決定権などが強いファミリービジネスの場合、意見のまとまりが早く、重要な決定を即座に下せる可能性があります。

長期的な経営戦略が立てられる

ファミリービジネスには長期的な経営戦略があるため、安定した経営や長期的な企業成長を実現できます。

ファミリービジネスは、短期的な利益を目指して果敢な挑戦をするよりも、長期的な成長を目指した経営戦略を重視しています。

目先の利益にとらわれると事業の失敗リスクがあるため、経営を長期的にとらえられることは企業の将来的な存続につながります。

後継者を育てやすい

世代交代の準備期間があるファミリービジネスは、後継者を育てやすいです。

ファミリービジネスは、経営者が20年以上務めたり、世代交代の時期を予期しやすかったりするため、世代交代の時期までに必要な事柄を事業承継者へ伝えられるでしょう。

後継者の経営者としてのスキルを高めるだけでなく、後継者を取り巻く環境も整備しやすいと考えられます。

ファミリービジネスのデメリット

安定した経営の維持や、長期的な視野をもちやすいファミリービジネスですが、マイナスな影響を及ぼすこともあります。

  • 経営がワンマンになりやすい
  • 新しい挑戦がしにくい
  • 後継者や相続に関する問題が発生しやすい

ファミリービジネスのデメリットを解説します。

経営がワンマンになりやすい

ファミリービジネスは、経営がワンマンになりやすいです。

経営者の権力が大きいため、他者の意見を聞かずに独断で物事を決めたり、企業の備品や従業員を自分のもののように扱ったりするケースがあります。

また、同族の人材の能力がほかの従業員より劣っていても昇級させるなど、身内びいきの人事をおこなうこともあります。

ワンマン経営は、従業員から不満が出たり、離職者が相次いだりする恐れがあるでしょう。

新しい挑戦がしにくい

ファミリービジネスのデメリットのひとつとして、新しい挑戦がしにくいことがあげられます。

ファミリービジネスは保守的な経営になりやすく、周りが同族に囲まれていることから、斬新な意見が出なかったり、出ても否定されたりするケースがあります。

長年にわたり同じ経営者がトップにいて、経営に関する考えが変わる機会が少ないことも、現状維持につながりやすいです。

後継者や相続に関する問題が発生しやすい

後継者や相続先が身内になるファミリービジネスは、後継者を誰にするか、遺産をどのように分割するかなどの問題が発生しやすいです。

後継者になるはずの人材が家を継がない、複数人いて誰に継がせるかすぐに答えを出せないといった状況に陥り、経営が傾く恐れがあります。

また、後継者を巡る派閥などができ、争いが生じて、社会からの印象が悪くなることも考えられるでしょう。

ファミリービジネスを成功させるポイント

ファミリービジネスのデメリットを抑えるために、以下のようなポイントを踏まえた経営が大切です。

  • ガバナンスを整える
  • 経営人としてのコミュニケーションをおこなう
  • 業務のDX化を図る

ファミリービジネスを成功させるポイントを紹介します。

ガバナンスを整える

ワンマン経営になりやすいファミリービジネスを公正なものにするには、ガバナンスの整備が重要です。

ガバナンスとは「統治」を指し、「コーポレートガバナンス」で「企業統治」を意味します。

外部の第三者機関に経営状態を監視してもらったり、社内規定を明確化したりして、ガバナンスを強化できると、誰もが働きやすい職場になるでしょう。

>コーポレートガバナンス(企業統治)に関する記事はこちら

経営人としてのコミュニケーションをおこなう

安定した経営には、企業内でトラブルを起こさないことが大切ですが、衝突を避けて意見をいわない、悪いことを見て見ぬふりをするといった行為は、企業成長につながりません。

身内だからといって甘えたり遠慮したりするのではなく、ときには厳しい態度や意見も必要です。

日ごろから相手のことを尊重する気持ちで接すれば、信頼関係が芽生えて多様な意見も出やすくなるため、活発で気持ちのよいコミュニケーションを意識しましょう。

業務のDX化を図る

同じ経営者が長年トップに立ったり、保守的な経営をしたりするファミリービジネスは、経営に改革を起こすために業務のDX化を図りましょう。

デジタル技術が発展し続けている現代では、昔ながらの経営や業務にこだわっていると時代の流れに取り残され、競争市場で優位に立てなくなる恐れがあります。

業務効率化できるシステムの導入や、顧客が使いやすいアプリの開発などをして、経営を時代にマッチさせていくと、求職者や顧客から選ばれる企業でいられるかもしれません。

コミュニケーションの活性化に「Chatwork」

日本企業のほとんどが該当するファミリービジネスには、意思決定が迅速にできるメリットがある一方で、ワンマン経営になりやすかったり、後継者問題で揉めたりするデメリットもあります。

安定して経営をおこなっていくには、同族間や従業員同士の信頼関係を築くことが重要なため、ビジネスチャット「Chatwork」の導入をおすすめします。

「Chatwork」は、チャット形式でコミュニケーションがとれるオンラインツールのため、直接伝えにくいことでもテキストでなら気軽に伝えられる可能性があります。

絵文字機能やリアクション機能もついており、感情を表しながらテキストを送ることで朗らかなコミュニケーションを実現できるでしょう。

>Chatworkのリアクション機能に関する記事はこちら

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[※1]出典:フィデア情報総研「ファミリービジネス成功術」
https://www.fir.co.jp/fs_bk/200902/32-35.pdf
[※2]出典:商工総合研究所「老舗企業の研究」
https://shokosoken.or.jp/chousa/youshi/25nen/25-5.pdf

※本記事は、2024年8月時点の情報をもとに作成しています。


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