部下のモチベーションを上げるには?原因分析から具体的な方法、NG行動まで徹底解説

目次
職場において「部下からやる気が感じられない」「仕事への意欲が足りない」と感じている管理職は少なくないのではないでしょうか。
もしかしたら、部下のモチベーションが上がらない原因は管理職にあるのかもしれません。
なぜならば、マイクロマネジメントや指示の頻繁な変更といった管理職の言動が、部下のモチベーションを低下させる可能性があるからです。
この記事では、部下のモチベーションを上げる具体策から、低下につながるNG行動までご紹介します。
なぜ今、部下のモチベーション向上が重要視されるのか?
モチベーションとは、日本語では「動機付け」と呼ばれ、目的や目標に向けて行動を起こす動機ややる気を指します。
昨今、部下のモチベーション向上が管理職の役割として重要視されています。
モチベーション向上がもたらす効果として、生産性の向上が挙げられます。
仕事に対する意欲が高ければ、積極的に業務に取り組み、創意工夫を凝らすでしょう。
結果的に、成果物の質が向上します。
さらに、モチベーションが高く仕事にやりがいを感じている従業員は、エンゲージメントも高く、離職率が低い傾向にあります。
つまり、部下のモチベーションが向上すれば、会社にさまざまな恩恵がもたらされるため、管理職は部下のモチベーション管理に努めなければならないのです。
要注意!部下のモチベーションが低下する代表的な原因
部下のモチベーションが低下する原因は、多岐にわたります。
モチベーション低下を防ぐために画一的に対処するのではなく、部下一人ひとりと向き合って原因を探し、対処する必要があります。
そのためにも、モチベーション低下につながる原因についての理解が大切です。
代表的な原因をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
原因1: 適切な評価・承認・フィードバックの不足
上司が自分の成果を認めてくれないと感じると、部下のモチベーションは低下します。
部下に対するフィードバックが少ない上司も、注意が必要です。
また、企業の評価制度に対する不満も、部下のモチベーションを下げる要因です。
評価基準があいまいなだけでなく、「あの人より私のほうが結果を出しているのに、評価が低い」といった不公平感も不満につながります。
原因2: コミュニケーション不全と関係性の悪化
モチベーション低下の要因として、チームメンバーとの関係も見逃せません。
コミュニケーションが不十分だったり、関係性が悪化したりしている職場では、ストレスが溜まり仕事に対する意欲が減退します。
職場の人間関係は離職の原因にもなるため、コミュニケーション不全が明らかになった場合は早急に対処しましょう。
原因3: 目標設定や業務内容への不満・ミスマッチ
業務内容とモチベーションには密接な関係があります。
本人にとって興味のない業務を任されたケースや、そもそも会社の事業内容に関心が持てないケースでは、やる気を維持できません。
やりがいを感じられない業務も同様です。
また、興味や関心がある業務に従事していても、掲げている目標が本人に合っていないとモチベーションが低下します。
目標が高すぎると「頑張っても無理」と諦めてしまい、低すぎると仕事に手ごたえを感じられないでしょう。
原因4: 成長機会やキャリアパスの不透明さ
成長機会が与えられない職場やキャリアパスが見えにくい職場で働いていると、モチベーションは低下しがちです。
成長実感が持てないと、従業員はより成長できる職場への転職を考え始めるかもしれません。
キャリアパスが不透明だと、部下は自分の将来像を描けず不安を感じてしまいます。
仕事を頑張っても昇進できる見込みがなければ、やる気を失い、仕事に対して消極的になってしまうでしょう。
原因5: 心理的安全性の欠如と職場環境の問題
心理的安全性とは、職場で他者から否定される心配がなく自由に発言できる状況を指します。
心理的安全性が損なわれていると、部下は発言するたびに否定や無視を恐れなければなりません。
ストレスが溜まり、仕事に対する積極性も失われてしまいます。
職場環境もモチベーションに影響します。
どこに何があるのかわからないような雑然としたオフィスや、騒音で集中できないオフィス、作業スペースが不足したオフィスは、部下のやる気をそいでしまうため改善が必須です。
部下のモチベーションを上げる具体的な方法【実践編】
ここからは、部下のモチベーション向上につながる具体策をご紹介しましょう。
すぐに実践できるものばかりなので、部下のモチベーションを向上させたいと考えている管理職はぜひご一読ください。
方法1: 「聴く」を重視した1on1ミーティングと日々のコミュニケーション
部下のモチベーションを向上させるには、まず部下について知る必要があります。
挑戦したい仕事や希望するキャリアパス、現在抱えている不満などを把握し、本人の希望を叶え、不満を解消することで、モチベーションを向上できます。
そのためには、1on1ミーティングや日々のコミュニケーションが重要です。
普段から積極的にコミュニケーションをとり、何でも話せる関係性を構築しましょう。
ほかの従業員の前では話しにくい事柄もあるので、定期的に1on1ミーティングを実施し、仕事の悩みや希望についてヒアリングします。
1on1ミーティングを実施するにあたっては、「聴く」を重視してください。
部下の話を傾聴する姿勢を見せなければ部下との信頼関係は築けないので、部下の話を遮ったり否定したりせずに、じっくりと部下の話を聴きましょう。
方法2: 納得感を醸成する目標設定と期待値の明確化
部下の能力や経験に合わせて具体的な目標を設定しましょう。
売上や契約件数など具体的な目標があると、達成に向けて努力でき、その過程で成長を実感できます。
目標は上司が設定して一方的に部下に押し付けるのではなく、部下と話し合いながら、部下が納得できる目標を設定しましょう。
部下と話し合う際は、部下に対する期待値も伝えてください。
「期待されている」と感じれば、部下の仕事への意欲も増します。
方法3: 成長実感を与える業務の委任とキャリア支援
部下に今任せている業務よりも、少し難易度が高い業務や未経験の業務を任せると、部下のモチベーション向上につながります。
あまり難易度が高すぎると、不安や負担を感じる部下もいるため、部下の性格や能力を見定めることが肝要です。
任せた後も定期的に面談を実施して進捗を確認し、必要に応じてフォローしましょう。
部下の希望するキャリアへの支援も、モチベーション向上には効果的です。
希望する職種に就くために必要な資格の取得や経験の蓄積ができるように、業務を調整するなどして後押ししてください。
方法4: 公平でタイムリーな評価と「承認・称賛」の文化づくり
承認欲求が満たされると、モチベーションは向上します。
部下の頑張りを見つけたら、きちんと褒めましょう。
具体的に良かった点を挙げて褒めると、より効果が期待できます。
上司だけが褒めるのではなく、全社で承認・称賛の文化を醸成すると、会社全体の雰囲気もよくなります。
褒めるだけでなく、評価にもつなげてください。
評価で重要なのは、公平性です。
評価基準として売上やクレーム件数など具体的な数値を設け、協調性や積極性など数値化しにくい項目についても評価基準を用意しましょう。
また、良かった点はできるだけタイミングを逃さずに評価します。
時間を置いてしまうと、本人が忘れてしまったり、「今さら評価されても」と不満に感じたりするおそれがあります。
方法5: 発言しやすい「心理的安全性」のある環境整備
心理的安全性の確保は、部下のモチベーション向上に欠かせません。
周囲に気兼ねすることなく安心して発言できれば、やる気が上がり、挑戦もしやすくなります。
心理的安全性を確保するには、多様性を受け入れるとともに、失敗を責めない姿勢が求められます。
チームメンバー間に信頼関係がなければ心理的安全性は確保できないため、コミュニケーションの促進や感謝を伝えあう文化の醸成などに努めましょう。
方法6: 個々の価値観に合わせた動機付け(内発的動機付けの尊重)
内発的動機付けとは、本人の好奇心や興味など内面から生じる動機を意味します。
動機付けには内発的動機付けだけでなく外発的動機付けもあり、外発的動機付けは金銭などの報酬や他者からの称賛、リスク回避などが含まれます。
外発的動機付けと比較すると、内発的動機付けは自分の好奇心や興味が原動力となるため、モチベーションが継続しやすいのがメリットです。
ただし内発的動機付けの形成は、簡単ではありません。
部下によって興味や関心の対象は異なるため、一人ひとりの価値観や興味、関心を聞き出し、内発的動機付けを形成していく必要があります。
モチベーション向上のつもりが逆効果?避けるべきNG行動・注意点
部下のモチベーションを上げようと取り組んだものの、かえってモチベーションが下がってしまった経験はありませんか。
ここでは、部下のモチベーションを下げる上司の行動を解説します。
マイクロマネジメント
マイクロマネジメントとは、上司が部下の行動をつぶさに観察し、細かく指示を出す管理方法です。
部下に業務を任せたにもかかわらず、上司が進捗を逐一確認し事細かに指示を出すと、部下は「信頼されていない」と感じます。
自分の頭で考えて行動するのを止め、指示待ち人間になってしまうかもしれません。
上司と部下の信頼関係が損なわれ、部下のモチベーションは低下してしまいます。
指示や方針の頻繁な変更・矛盾
上司からの指示や会社の方針がころころと変わり、朝令暮改が当たり前の職場は要注意です。
いくら部下が仕事を頑張ろうと思っても、頻繁な方針変更に対応しなければならず、疲弊してしまいます。
上司の指示が会社の方針と矛盾していると、上司に対する不信感が芽生え、部下は仕事への意欲を失いがちです。
実現不可能な約束や期待
上司との信頼関係は、部下のモチベーションに大きく影響します。
「契約をとってきたら賞与を倍増する」など実現不可能な約束をすると、部下のモチベーションは上がるどころか、下がる可能性があります。
なぜならば、上司の言動が信じられなくなるからです。
また、努力すれば達成できる目標はやる気を生み出しますが、過度な期待はプレッシャーとなり、意欲減退につながります。
えこひいき・不公平な扱い
上司が部下によって態度を変えたり、公平性を欠く姿勢を見せたりすると、部下のモチベーションは低下します。
頑張っても報われないと感じてしまうためです。
一方、えこひいきされている側も、モチベーションを保ち続けられません。
チーム内で居心地の悪さを感じてしまううえ、努力の有無にかかわらず評価されるため努力する意義を見出せなくなってしまいます。
人前での叱責や欠点の指摘
改善や成長のためには、叱責や欠点の指摘が必要な場合もあります。
しかし、ほかのメンバーの前で声を荒らげて感情的に叱ると、部下は反発したり傷ついたりして、モチベーションを下げてしまいます。
欠点を指摘する際も同様です。
叱責や欠点の指摘をするときは、ほかのメンバーがいない場所を選び、客観的な態度で行いましょう。
改善に向けたアドバイスをすれば、部下は成長のチャンスだととらえてくれます。
問題の放置・見て見ぬふり
職場やメンバーの問題を解決せずに放置していると、部下のモチベーションは低下します。
評価制度など、すぐに改善できないものもありますが、まずは手を付けられるところから改善しましょう。
部下の不満に耳を傾け改善する姿勢を見せると、部下からの信頼も高まり、仕事への意欲につながります。
コミュニケーション不足・一方的な伝達
上司やチームメンバーと十分なコミュニケーションがとれていない職場は、モチベーションの低下を引き起こしやすいです。
上司が会社や部署の方針を一方的に伝達し、部下の意見や要望を聞かない職場も同じです。
上司と部下の間には権力勾配があるため、部下は上司に対して意見を言いづらい傾向にあります。
加えて、忙しい職場はコミュニケーションがおろそかになりがちです。
上司は意識的に部下に対してコミュニケーションをとりましょう。
Chatworkを使って部下のモチベーションを向上させよう!
コミュニケーションツール「Chatwork」は情報の共有に役立つだけでなく、部下のモチベーション向上にも貢献します。
Chatworkの具体的な機能を取り上げながら、モチベーションを向上させる方法をお伝えしましょう。
部下の発言を即座に評価できてモチベーション向上につながる
Chatworkはパソコンだけでなく、モバイル端末からもアクセス可能です。
リモートワーク中や外出中でも部下のメッセージに対してすぐに反応ができるため、部下の行動についてタイミングを逃さずに承認・評価できます。
操作もシンプルなので、メッセージの送信にも時間がかかりません。
そのため、部下の承認欲求を満たし、モチベーションを向上できます。
発言しやすい心理的安全性を担保できる
Chatworkはメールのような堅苦しさがなく、口頭でのやりとりと変わらない気軽さでメッセージを送りあえます。
メッセージに対しては絵文字でリアクションできるので、親近感も生まれやすいのが特徴です。
導入企業のなかには、雑談用のグループチャットを用意し、従業員が日々のたわいのない話を投稿しているところもあります。
肩ひじ張らずに発言できるため、自然と心理的安全性が高まる効果が期待できます。
1on1ミーティングの議事録をタイムリーに共有できる
Chatworkはファイル管理機能を搭載しており、アップロードできるファイルはワードやエクセル、画像ファイルなどさまざまです。
1on1ミーティング後に議事録をアップロードし、部下と迅速に共有することも可能です。
部下のキャリア支援につながる資料の共有もできるため、部下の仕事への意欲増進が見込めます。
部下のモチベーションを上げるためには?のまとめ
生産性の向上や離職率低下のためには、部下のモチベーション管理が欠かせません。
モチベーションは職場環境や評価制度、本人の好奇心や興味など、さまざまな要因で変化します。
部下にモチベーションを高い状態で維持してもらうには、部下のキャリアプランや希望、不満などを把握することが必要不可欠です。
しかし、リモートワークやシフト制の導入などで、対面でのコミュニケーションがとれない職場も少なくありません。
コミュニケーションを活性化させるには、ツールの活用がおすすめです。
Chatworkは操作性に優れ、誰でも簡単にメッセージの送受信ができるツールです。
コミュニケーション活性化に注力したいと考えている企業は、ぜひ導入をご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。