コミュニケーションコストとは?高い組織の特徴と削減方法を解説
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コミュニケーションは、日常生活を送る上ではもちろん、業務を進める上でも欠かせない作業です。ビジネスに必要なスキルとしてもコミュニケーション力は重要視されています。
そんな中、コミュニケーションに関する概念のひとつとして、コミュニケーションコストという言葉が使われはじめています。企業が効率よく業務をすすめるためには、コミュニケーションコストを意識する必要があります。
コミュニケーションコストとは何か、コミュニケーションコストが高い組織の特徴や、コミュニケーションコストを下げる方法について解説します。
コミュニケーションコストとは
コミュニケーションコストとは、発信者側が発信した内容について受信者側が受け取り、理解をする過程に発生するコストのことです。
ビジネスの場では、商談や業務連絡、何気ない社内の会話などにおいて、相手に必要な情報もしくは意思を伝えるために必要とする、労力や手間、時間などを指します。
コミュニケーションコストが高い状態の例
コミュニケーションは必要不可欠なものですが、目に見えづらいため、意識しなければ大きなコストを生む要因にもなりえます。
コミュニケーションコストが高い組織の状態を具体的に紹介します。
情報伝達に時間がかかる状態
コミュニケーションコストが高い状態として最も一般的であるのが、情報伝達に時間がかかる状態です。
業務上、組織の上長や責任者から発表やアナウンスがあることはよくあるでしょう。コミュニケーションコストが高いと、重要な情報がいつまでも届かず、組織としての動きが遅くなってしまいます。
また、お客様との関係でもコミュニケーションコストが高いと問題が生じます。たとえば、お客様からクレームが発生した場合、その情報を担当者が受け取るまでに時間がかかると、お客様は放置されたと感じ、満足度を大きく毀損してしまうかもしれません。
情報発信や受信する作業に手間がかかる状態
コミュニケーション手段として代表的なものは、メールや電話、口頭などです。しかし選択する手段によっては、多大な手間がかかってしまいます。
たとえば、大量のメールを違う宛先に送ろうとすると、メールの本文を作成する手間に加えて、宛先を設定し、その宛先が正しいかどうかを確認する手間が生じます。
受信者側としても、届いたメールの内容を確認し、適切なフォルダに振り分けている作業は手間であるといえるでしょう。
伝達したはずの内容に齟齬がある状態
ある発信者から発信した情報が受け手に正確に伝わらなかったり、受け手によってばらばらの受け取り方をされてしまう場合もコミュニケーションコストが高い状態であるといえます。
トラブルが生じれば対応しなければならないだけではなく、齟齬が明らかになった場合の訂正や、齟齬が生じないようにするための確認にもコストを消費します。
伝達した内容が理解されない場合
発信者が発信した内容を、受信者側が理解できない場合もコミュニケーションコストが高いといえます。
たとえば、発信者がある業務連絡をした場合に、受信者側がその意図を理解できず、何の行動もできない場合などがあります。
このとき、発信者側は意図を理解させるために繰り返し発信をしなければなりません。このような往復も、コミュニケーションコストを高めているといえるでしょう。
コミュニケーションコストが高いことで発生する問題
コミュニケーションコストが高い組織にはどのようなリスクがあるのでしょうか。コミュニケーションが高い組織が直面しやすい問題を紹介します。
業務効率が落ちる
コミュニケーションに時間や労力を奪われると、その間ほかの業務をすることができません。
一方、コミュニケーションの内容に齟齬があったり、ばらつきがあるにも関わらず、それを放置していると思わぬトラブルを招くことがあります。
トラブルの解決にさらにコストをかけることになり、業務効率が落ちていく可能性があります。
業務連携がとれない
コミュニケーションコストがかかると、業務を進める上で必要な連携をうまくとることができません。
業務はひとりで進めることができない場合が多いです。コミュニケーションによって連携がとれていなければ成果をあげることは難しいでしょう。
意思決定ができない
組織で意思決定をするためにもコミュニケーションは必須です。コミュニケーションコストがかかると、意思決定に時間がかかったり、そもそも意思決定ができない事態に陥ってしまいます。
従業員が疲弊する
コミュニケーションコストは時間や手間だけではなく、精神的コストも指します。
コミュニケーションコストが高い職場では、精神的負荷も大きくかかり、結果として業務全体に対するモチベーションや生産性を下げてしまうかもしれません。
コミュニケーションコストが高くなる原因
コミュニケーションコストが高くなる原因はなんでしょうか。コミュニケーションコストを高める原因について具体的にみていきましょう。
コミュニケーション手段が統一されていない
コミュニケーション手段が統一されておらず、ばらばらであることは、もっとも起こりがちな原因のひとつです。
たとえば、ある情報はメール、ある情報は電話など、情報によって多数の手段を使い分けていると、受信側は情報を確認するのに時間がかかったり、連絡そのものを見逃してしまうこともあります。
発信者側としても、どの手段が適切であるのか迷い、無駄な時間を使ってしまう可能性もあるでしょう。
不要な情報発信をしている
コミュニケーションをしようとする内容そのものが不必要である場合もあります。たとえば、内容と照らして不釣り合いな大量の資料を作成している場合などです。
不要な情報を共有しようとすると、情報を資料などの形に成形する手間がかかるだけではなく、情報の受け手も混乱させてしまう原因となります。
紙に印刷している
必要な情報であっても、共有する手段によってはコミュニケーションコストを上げてしまいます。
たとえば、資料をすべて紙で印刷している場合、その印刷やファイリングに時間と手間をかけてしまいます。
メールや電話で情報共有している
紙だけではなく、メールや電話での情報共有もコミュニケーションコストをあげる原因です。
メールは作成に時間がかかるだけではなく、宛先の設定や確認に慎重にならなければなりません。ときには受信したメールを整理する手間が膨大になることもあります。
電話はメールに比べて手軽なコミュニケーション手段として使われていますが、受信者側からすると、電話応対の間ほかの作業ができないなど、相手の時間を奪ってしまうおそれがあります。
価値観や前提情報が共有できていない
情報伝達自体がうまくいったとしても、内容の受け取り方がばらばらであったり、うまく理解されていないときは、価値観や前提となる情報が共有できていないのかもしれません。
特に、新入社員が入ってきたばかりの組織では、新入社員に価値観が共有されておらず、既存の社員との間に齟齬が起きてしまうことがあります。
組織としてコミュニケーションコストを下げるためには、まずはある程度同じ価値観を共有しておくことも大切です。
>コミュニケーションがうまくいかない原因に関する記事はこちら
コミュニケーションコストを下げる方法
最後に、コミュニケーションコストを減らす方法について紹介します。
簡潔で分かりやすく発信する
発信者として基本となることが、簡潔で分かりやすい発信をすることです。
誰でも明確に理解できることを目指し、「5W1H(When・Where・Who・What・Why・How)」を意識して説明するようにしましょう。
コミュニケーションを効率化するツールを活用する
メールや電話は、コミュニケーションコストを発生させる要因のひとつであるといえます。これらの手段よりも、簡単でスピーディなコミュニケーションを実現するツールを導入することも手段のひとつです。
たとえば、ビジネスチャットは会話形式で文章のやりとりができる、従来メールの文面作成にかかっていた時間を大幅に削減することができます。
コミュニケーション手段を統一する
組織としてコミュニケーションの手段を統一させることも重要です。新しいツールを導入したとしても、従来のツールとの混在が続くと、どのツールをつかってコミュニケーションをとればよいのかという迷いが生じてしまいます。
コミュニケーション手段はなるべく統一するか、もしくは明確なルールをもって使い分けができるようにするとよいうでしょう。
コミュニケーションコストを下げる手段にChatworkもおすすめ
コミュニケーションコストは、企業の業績にも直結する非常に大切な要素です。コミュニケーションコストを下げるためには、まずはコストがかかっている状態を認識し、原因を見極めたうえで、解決策をとる必要があります。
コミュニケーションコストが高い原因がコミュニケーションの手段である場合は、ツールの置き換えを検討してみてはいかがでしょうか。
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