「存じます」の正しい意味とは?「存じ上げます」との違いや使い方を解説
目次
ビジネスシーンで「存じます」「存じ上げます」という言葉を使ったことはありますか。
「存じます」は、「思います・知っています」の謙譲語で、意見や要望を伝える際に用いられる表現です。
円滑なコミュニケーションを目指すために、正しい意味や使い方、また「存じ上げます」との違いについて、例文を参考に確認していきましょう。
「存じます」の正しい意味
「存じます」は、「思います・知っています」の謙譲語で、上司や取引先などの目上の人に問題なく使える敬語表現です。
ビジネスシーンにおいては、メールや文書などでも使用されることが多い表現で、ややかしこまった印象を与えることができます。
「存じます」は、意見や要望を伝える際や、感謝、謝罪を伝える際など、使い方によって、さまざまな意味をもつ言葉です。
円滑なコミュニケーションを実現するために、「存じます」の正しい使い方をみていきましょう。
「存じます」の使い方と例文
「存じます」は、上司や取引先など、目上の人に対して使用するのに適切な表現です。
使用するシーン別に、「存じます」の使い方と例文を確認していきましょう。
意見を伝える「存じます」
「存じます」は、「わたしは○○だと思います」というように、目上の人に自分の意見を伝える際に用いることができます。
- わたしは、時期尚早かと存じます。
- プランBで進めたいと存じます。
- おっしゃる通りだと存じます。
「存じます」は、目上の人に対しては適切な表現ですが、ややかしこまった印象を与えるため、同僚や後輩に意見を伝える際は、「○○だと思います」などのように、別の表現を用いるようにしましょう。
要望を伝える「存じます」
相手に要望を伝える際にも、「存じます」を使用することができます。
要望を伝える「存じます」は、「○○してください」という依頼を、丁寧に表現することができます。
- 日程についてご連絡いただきたく存じます。
- 今週中に書類をご送付いただきたく存じます。
- 商品の感想をいただけますと、幸いに存じます。
たとえば、「日程についてご連絡ください」とすると、命令形の「ください」に不快感を抱く人がいる可能性がありますが、「日程についてご連絡いただきたく存じます」と表現を変えて伝えると、丁寧な印象を与えることができるでしょう。
感謝を伝える「存じます」
「存じます」は、感謝の気持ちを伝える際にも、活用することができます。
- ご連絡いただき、光栄に存じます。
- ご招待いただき、ありがたく存じます。
- お心遣い、ありがたく存じます。
たとえば、「ご連絡いただき光栄です」を、より丁寧に伝えたい場合は、「ご連絡いただき、光栄に存じます」と表現すると、より丁寧でかしこまった印象を相手に与えることができます。
また、「存じます」は、上述した通り、ややかしこまった印象を与える表現のため、手紙やメールなどで使用されることが一般的であることを覚えておきましょう。
謝罪を伝える「存じます」
謝罪を伝える際にも、「存じます」を使用することができます。
- このたびはご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳なく存じます。
- わたしの不手際で取引が中止となり、心から申し訳なく存じます。
- 今後同じミスを繰り返さないよう、善処していきたいと存じます。
また、例文にもある通り「存じます」は謙譲語のため、「善処していきたいと存じます」のように、「○○と思います」と、今後の対応策を伝える表現としても使用できます。
「存じます」と「存じ上げる」の違い
「存じます」と類似した言葉に「存じ上げる」がありますが、このふたつは異なる使い方をする言葉です。
「存じ上げる」は、「存じます」と同様に、「知っています」という意味の言葉で、「存じます」に謙譲の意味を強める「上げる」がつくことで、さらに丁寧な表現になっています。
ふたつの言葉を使用する際は、それぞれ言葉の対象が異なるという点に注意が必要です。
「存じ上げる」の対象は「人」で、「存じます」の対象は「人以外」です。
たとえば「社長のことは存じ上げております」「会議の議題を存じております」のように使いわけます。
「存じ上げる」は、人を立てる謙譲の意味をさらに強める言葉のため、物事ではなく人に対して使うと覚えておくと、わかりやすいでしょう。
「存じます」を使う際の注意点
「存じます」は、ビジネスにおいてよく使われる言葉ですが、使用する際は、いくつかの注意点をおさえておく必要があります。
「存じます」を使用する際の注意点についてみていきましょう。
使いすぎに注意する
「存じます」は、使いすぎると相手にくどい印象を与えたり、へりくだりすぎて不快な思いをさせたりする恐れがあるため、注意が必要です。
たとえば、「お手数をおかけして申し訳なく存じますが、今週中に書類を送っていただきますと幸いに存じます」のように、「存じます」を使いすぎると、文章に違和感を覚えてしまいます。
「お手数をおかけして申し訳ございませんが、今週中に書類を送っていただきますと幸いに存じます」のように、「存じます」を使いすぎないようにしましょう。
また、自分と目上の人との関係性によっては、「存じます」を使うと相手に距離感を与えてしまう恐れもあるため、目上の人でも相手によって使いわけるといいかもしれません。
「存じ上げる」と混同しない
「存じます」を「存じ上げる」と混同して使用しないように注意しましょう。
上述した通り、「存じます」は「人以外」が対象で、「存じ上げる」は「人」が対象の言葉です。
誤って使用すると、相手に不快感を与えてしまう恐れがあるため、正しい使用方法をおさええておきましょう。
■「存じます」の例文
- ご多忙のことと存じますが、お待ちしております。
- その件につきましては、私も存じております。
■「存じ上げる」の例文
- 社長のことは、かねてから存じ上げております。
- あの方は、A社の社長と存じ上げます。
- ○○様のことは、存じ上げません。
「存じます」の言い換え・類語表現
「存じます」は、使いすぎると、相手に不快な印象を与える恐れがあるため、複数の意味に応じた言い換え表現を覚えておくようにしましょう。
「存じます」の言い換え表現・類語表現を紹介します。
承知しております
「承知しております」の「承知」は、「承って知ること」「聞いて引きうけること」を意味します。
また、「承知しております」は、「知っていること」「知ること」の謙譲表現のため、「知っています」を表す「存じます」の言い換え表現として使用できます。
「承知しております」の頭に「重々」をつけることで、「深く理解していること」を表すことができます。
- その件でしたら、承知しております。
- 無理なお願いであることは重々承知しておりますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
心得ております
「心得ております」の「心得る」とは、「理解する」「事情を知って引きうける」「承知する」という意味です。
「心得ております」は、「心得ている」の謙譲表現であり、「知っています」の意味をもつ「存じます」と意味が似ているため、「存じます」の言い換え表現として使用できます。
- 業務の進め方については、心得ております。
- ご指摘の件、心得ております。
円滑なコミュニケーションに「Chatwork」を活用
円滑なコミュニケーションを実現するためには、言葉の正しい意味をおさえ、正しく使うことが大切です。
「存じます」は、「思っています」「知っています」を意味する言葉で、ビジネスシーンにおいて、自分の意見や要望を、上司や取引先に伝える際に用いる表現です。
「存じ上げます」や「承知しております」などの表現と使い分け、自分の意見をわかりやすく伝えられるようにしましょう。
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