人事アウトソーシング完全ガイド|費用相場からおすすめサービスまで徹底解説【2025年最新】

目次
企業の成長を支える上で、「ヒト」に関する課題は避けて通れません。
優秀な人材の採用、適切な労務管理、効果的な人材育成など、人事部門が担う役割はますます多様化・複雑化しています。
一方で、「日々の定型業務に追われて、本来やるべき戦略的な業務に手が回らない」「専門知識を持つ人材が不足している」「頻繁な法改正への対応が追いつかない」といった悩みを抱える企業は少なくありません。
もし、このような課題を感じているのであれば、その解決策として「人事アウトソーシング」の活用が有効な選択肢となります。
人事アウトソーシングは、単に業務を外部に委託するだけでなく、専門家の知見を取り入れて業務品質を向上させ、自社の社員をより付加価値の高いコア業務に集中させるための経営戦略です。
この記事では、人事アウトソーシングの基礎知識から、具体的な業務内容、気になる費用相場、そして自社に最適なサービスを選ぶためのポイントまで、網羅的に解説します。
人事アウトソーシングとは
人事アウトソーシングとは、企業の人事部門が担当する業務の一部、または全部を、専門的なノウハウを持つ外部の業者に委託することを指します。
これは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の一種であり、単なる作業代行にとどまらず、業務プロセスの設計や改善までを含めて委託するケースもあります。
従来、人事業務は企業の根幹に関わる内容であることから、内製化が基本とされてきました。
しかし、近年の労働市場の流動化、働き方改革の推進、頻繁な法改正など、人事を取り巻く環境は大きく変化しています。
これらの変化に迅速かつ的確に対応するには、高度な専門知識と多くの工数が必要となります。
そこで、給与計算や社会保険手続きといった定型的な業務や、採用活動の一部など、専門性が高く、かつ標準化しやすい業務を外部のプロに任せる企業が増加しました。
結果として、社内の人事担当者が、人材配置の最適化や人事制度の企画・立案、組織開発といった、企業の競争力向上に直結する「戦略的人事業務」に集中できるようになった例も増えています。
人事アウトソーシングに依頼できる業務
人事アウトソーシングへ委託できる業務範囲は非常に広く、企業の課題やニーズに応じて柔軟に組み合わせることが可能です。
ここでは、アウトソーシングできる人事関連の業務を4つの領域に分けて解説します。
1. 労務管理関連の業務
従業員の労働環境を整備し、日々のオペレーションを支える定型的な業務を指します。
正確性と迅速性が求められ、法改正の影響を受けやすい領域の業務ともいえます。
給与計算業務:勤怠データの集計、残業代や各種手当の計算、所得税・住民税の計算、給与明細の発行など。
社会保険・労働保険手続き:従業員の入退社に伴う資格取得・喪失手続き、算定基礎届、労働保険の年度更新、育児・介護休業関連の手続きなど。
勤怠管理:タイムカードや勤怠システムからのデータ集計、残業時間や有給休暇取得状況の管理など。
年末調整業務:申告書の配布・回収・チェック、年税額の計算、源泉徴収票の作成、法定調書の作成・提出など。
福利厚生関連業務:福利厚生サービスの窓口対応、各種手続きの代行など。
2. 採用関連の業務(RPO)
採用活動におけるノンコア業務を中心に委託するサービスで、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれます。
アウトソーシングによって、採用担当者が「候補者の見極め」という最も重要な業務に集中できる環境を整えます。
母集団形成:求人媒体の選定・管理、スカウトメールの配信、ダイレクトリクルーティングの運用代行など。
応募者対応:応募者情報の管理、問い合わせ対応、説明会の案内、面接の日程調整、合否連絡など。
選考プロセスの一部代行:書類選考の一次スクリーニング、適性検査の案内・管理、一次面接の代行など。
内定者フォロー:内定通知書の作成、入社手続きの案内、内定者懇親会の企画・運営サポートなど。
3. 教育・研修関連の業務
従業員のスキルアップやキャリア開発を支援する業務です。
教育・研修の企画は社内で行い、煩雑な運営業務のみをアウトソーシングするケースが多く見られます。
研修の企画支援:研修プログラムの設計、カリキュラム作成のコンサルティングなど。
研修の運営代行:研修会場の手配、講師との連絡調整、受講者への案内、教材の印刷・準備、当日の受付・運営サポートなど。
研修後のフォロー:アンケートの集計・分析、効果測定のサポートなど。
4. 人事制度の設計・運用に関する業務
専門的な知見が必要となる、組織の根幹に関わる業務です。
人事コンサルティング会社などが提供しているケースが多い領域です。
人事評価制度の設計・運用支援:評価基準の策定、評価シートの作成、評価者トレーニングの実施、評価結果の集計・分析など。
賃金制度の設計・改定支援:賃金テーブルの作成、各種手当の見直し、退職金制度の設計など。
就業規則の作成・改定支援:最新の法改正に対応した就業規則や各種規程の作成・見直し。
人事アウトソーシングを活用するメリット
人事業務をアウトソーシングすることには、コスト削減以外にも多くのメリットがあります。
ここでは、企業が享受できる4つの大きなメリットを見ていきましょう。
メリット1:コア業務への集中と戦略人事の実現
人事業務をアウトソーシングする最大のメリットは、人事担当者を定型的・作業的な業務から解放し、より付加価値の高いコア業務に集中させられることです。
給与計算や入退社手続きといったノンコア業務を外部に委託することで、人事担当者は、経営戦略に基づいた人材育成計画の立案、新たな人事制度の設計、従業員エンゲージメントの向上施策、組織開発といった「戦略人事」の役割を担うための時間を確保できます。
これにより、人事部門が単なる管理部門から、企業の成長を積極的に牽引する戦略的パートナーへと進化することが可能になります。
メリット2:専門性の確保と業務品質の向上
人事アウトソーシングサービスを提供する企業は、その道のプロフェッショナルです。
労働関連法規や社会保険制度など、頻繁な法改正にも迅速かつ正確に対応できる専門知識とノウハウを持っています。
自社で専門人材を育成するには時間もコストもかかりますが、アウトソーシングを活用すれば、高い専門性を持つチームの力をすぐに活用できます。
これにより、コンプライアンス(法令遵守)が強化され、業務の正確性や品質が向上し、従業員からの信頼も高まります。
メリット3:コストの最適化と変動費化
人事業務を内製化する場合、担当者の人件費や教育費、さらには専門的なシステムや設備の導入・維持費など、多くの固定費が発生します。
アウトソーシングを導入すれば、これらのコストを、事業規模や業務量に応じた変動費として管理することができます。
とくに、繁忙期と閑散期の差が激しい業務や、専門人材を一人雇用するほどではない業務量の場合、アウトソーシングの方がトータルコストを安く抑えられるケースが多く、経営資源の効率的な配分につながります。
メリット4:属人化の防止と事業継続性の確保
特定の担当者しか業務内容を把握していない「属人化」の状態は、その担当者の急な休職や退職によって業務が滞ってしまうという大きなリスクを抱えています。
とくに、専門性が高い人事業務では、属人化が起こりがちです。
アウトソーシングを利用すれば、業務は委託先の組織として運用されるため、担当者個人の事情に左右されることなく、安定して業務を継続することができます。
そのため、不測の事態に備えるBCP(事業継続計画)の観点からも、企業の体制を強化することができます。
人事アウトソーシングを活用するデメリット
多くのメリットがある一方で、人事アウトソーシングの導入にはいくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。
事前にこれらを理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。
デメリット1:社内にノウハウが蓄積されにくい
特定の業務を長期間にわたって外部に委託し続けると、その業務に関する知識や経験、ノウハウが社内に蓄積されにくくなります。
将来的に内製化へ切り替えたいと考えた際に、一から業務プロセスを構築し直したり、担当者を教育したりしなければならない可能性があります。
このデメリットを軽減するためには、委託先に業務プロセスやマニュアルの文書化を依頼する、定期的な報告会で業務内容を共有してもらうなど、業務を社内でブラックボックス化させない工夫が重要です。
デメリット2:情報漏洩のリスク
人事アウトソーシングでは、従業員の氏名、住所、マイナンバー、給与情報といった、極めて機密性の高い個人情報を外部業者に預けることになります。
委託先のセキュリティ管理体制が脆弱な場合、これらの情報が外部に漏洩するリスクはゼロではありません。
情報漏洩は、企業の社会的信用を大きく損なう重大な問題に発展しかねません。
委託先を選定する際には、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証の取得状況、データの管理方法など、セキュリティ対策が万全であることを厳しくチェックする必要があります。
デメリット3:コミュニケーションコストの発生
社内であればすぐにできるような簡単な確認や相談も、外部の委託先とは電話やメール、チャットツールなどを介して行うことになります。
これにより、意思疎通に時間がかかったり、細かなニュアンスが伝わりにくかったりして、認識の齟齬が生まれる可能性があります。
円滑な連携を図るためには、導入前に、連絡手段や報告の頻度、緊急時の対応フローといったコミュニケーションに関するルールを委託先と明確に取り決めておくことが大切です。
デメリット4:イレギュラーな対応が難しい場合がある
アウトソーシングサービスは、標準化された業務フローに基づいて効率的に作業を進めることで、品質を担保しコストを抑えています。
そのため、契約範囲外の突発的な業務依頼や、企業独自の特殊なルールへの対応などといったイレギュラーな事案には柔軟に対応できない場合があります。
対応可能な場合であっても、追加で費用が発生することがほとんどです。
自社の人事業務に特殊な要件が多い場合は、契約前にどこまで個別対応が可能かを入念に確認しましょう。
人事アウトソーシングの費用相場
人事アウトソーシングを検討する上で、最も気になるのが費用です。
費用は、委託する業務内容、企業の従業員数、求めるサービスのレベルによって大きく変動します。
ここでは、一般的な料金体系と、業務内容別の費用相場について解説します。
主な料金体系
人事アウトソーシングの料金体系は、主に以下の2種類に分けられます。
月額固定制:毎月一定額の費用を支払う契約形態です。
「従業員〇名まで月額〇円」といった形や、委託する業務内容に応じたパッケージ料金が設定されています。
毎月のコストが明確で、予算管理がしやすいのがメリットです。
従量課金制:処理した件数や業務量に応じて費用が変動する契約形態です。
例えば、給与計算であれば「従業員1人あたり月額〇円」、採用代行であれば「応募者対応1件あたり〇円」といった形です。
業務量の変動が大きい場合に適していますが、繁忙期には費用が高くなる可能性があります。
業務内容別の費用相場
委託する人事業務の種類や内容によって、料金体系も異なります。
【労務関連の業務(RPO)】
給与計算:従業員1人あたり月額1,000円~2,000円 + 基本料金(月額2万円~5万円)が相場です。
50名規模の企業であれば、月額7万円~15万円程度が目安となります。
社会保険手続き:月額の顧問契約で対応することが多く、従業員数に応じて月額2万円~10万円程度が相場です。
スポットでの依頼も可能で、その場合は1手続きあたり1万円~5万円程度となります。
【採用関連の業務(RPO)】
採用代行の費用は、月額固定制が主流です。
ノンコア業務代行(日程調整、応募者対応など):月額20万円~50万円程度が相場です。
採用戦略の立案から実行まで包括的に支援:月額50万円~100万円以上になることもあります。
採用成功時に費用が発生する「成果報酬型」のプランもあります。
【教育・研修関連の業務】
研修の運営代行は、1回の研修ごとに費用が発生するのが一般的です。
半日の研修運営代行:10万円~15万円程度
1日の研修運営代行:15万円~30万円程度
研修内容や参加人数、会場の手配有無などによって費用は大きく変動します。
上記はあくまで一般的な相場であり、依頼する企業の状況によって費用は大きく変わります。
正確な費用を知るためには、必ず複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と合わせて比較検討することが重要です。
人事アウトソーシングの選び方
自社にとって最適なアウトソーシングパートナーを見つけるためには、料金だけでなく多角的な視点での比較検討が不可欠です。
ここでは、委託先選定で失敗しないための5つのポイントを解説します。
ポイント1:依頼したい業務範囲を明確にする
まず最初に、社内で「なぜアウトソーシングするのか」「どの業務を委託したいのか」を明確に定義することがスタート地点です。
「給与計算の負担を減らしたい」「採用のスピードを上げたい」など、目的を具体化しましょう。
その上で、委託したい業務の範囲を洗い出します。
この業務範囲が曖昧なままだと、委託先との間で認識のズレが生じたり、必要なサービスが提供されなかったりする原因になります。
自社の課題と委託範囲を明確にすることで、業者選定の軸が定まります。
ポイント2:セキュリティ体制が信頼できるか
従業員の個人情報という機密情報を扱うため、委託先のセキュリティ体制は最も重視すべき項目の一つです。
信頼性を客観的に判断する指標として、以下の認証を取得しているかを確認しましょう。
プライバシーマーク(Pマーク):個人情報の取り扱いが適切であることの証明です。
ISMS(ISO27001)認証:情報セキュリティ管理体制が国際基準を満たしていることの証明です。
また、具体的なデータの管理方法や、万が一のインシデント発生時の対応フローなども確認し、安心して情報を預けられるかを見極めましょう。
ポイント3:実績と専門性は十分か
安心して業務を任せるためには、委託先に十分な実績と専門性があるかを確認することが重要です。
とくに、自社と同じ業界や同程度の従業員規模の企業の導入実績が豊富であれば、業界特有の事情にも精通しており、スムーズな導入と安定した運用が期待できます。
ウェブサイトで導入事例を確認したり、問い合わせ時に直接確認したりすると良いでしょう。
また、社会保険労務士などの有資格者が在籍しているかどうかも、労務管理分野における専門性を測る上での一つの指標となります。
ポイント4:料金体系は明確で費用対効果が見合っているか
料金の安さだけで選ぶのは危険です。
見積もりを依頼する際は、提示された料金にどこまでの業務が含まれているのか、内訳を詳細に確認しましょう。
基本料金が安くても、必要な業務がオプション扱いで、結果的に総額が高くなるケースもあります。
初期費用や追加料金の有無も含めた年間のトータルコストを算出し、自社が得られるメリット(コスト削減効果、生産性向上など)と比較して、費用対効果が見合っているかを慎重に判断しましょう。
ポイント5:柔軟な対応力とサポート体制
ビジネス環境の変化や社内制度の変更に伴い、委託する業務内容が変わる可能性もあります。
契約内容の変更や業務範囲の拡大・縮小に、どれだけ柔軟に対応してくれるかは重要なポイントです。
また、導入後のサポート体制も確認しておきましょう。
専任の担当者がつくのか、問い合わせへのレスポンスは速いか、コミュニケーション手段(電話、メール、チャットなど)は自社に合っているかなど、円滑なパートナーシップを築ける体制が整っているかを見極めることが大切です。
おすすめの人事アウトソーシング10選
ここでは、人事アウトソーシングサービスの中でも特に実績が豊富で信頼性の高い企業を10社厳選してご紹介します。
それぞれの強みや特徴を比較し、自社のニーズに合ったサービスを見つける参考にしてください。
パソナ:人材サービス業界のリーディングカンパニー。
豊富な実績とノウハウを持ち、大規模な業務から小規模な業務まで幅広く対応可能。
アデコ:世界最大級の総合人材サービス企業。
グローバル基準の高品質なサービスを提供し、特に外資系企業に強みを持つ。
トライアンフ:中堅・ベンチャー企業の人事機能支援に特化。
採用、労務、制度設計まで、企業の成長フェーズに合わせた柔軟な支援が魅力。
レジェンダ・コーポレーション:採用アウトソーシング(RPO)のパイオニア的存在。
採用戦略の立案から実行まで、一気通貫でサポート。
FOC(芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社):30年以上の歴史を持つBPOサービスの老舗。
給与計算や労務手続きに強みを持ち、官公庁や金融機関からの信頼も厚い。
HiPro Biz(パーソルキャリア):人事領域の専門家や顧問を、必要な期間・業務量に合わせて活用できるサービス。
高度な専門性が求められる課題解決に強い。
HELP YOU:人事・採用だけでなく、経理、総務、営業サポートなど幅広い業務をオンラインで依頼できるアシスタントサービス。
CASTER BIZ(キャスター):優秀なオンラインアシスタントがチームで業務をサポート。
採用、労務、経理など幅広いバックオフィス業務に対応。
CORNER:人事・採用のプロフェッショナル人材と企業をマッチング。
フリーランスや副業の専門家を活用して、柔軟に人事課題を解決。
TOMAコンサルタンツグループ:税理士、社労士、行政書士などが在籍する総合コンサルティングファーム。
労務だけでなく、税務や法務までワンストップで相談可能。
>さらにおすすめサービスを知りたい方はこちらの記事もご参照ください
人事アウトソーシングを利用する際のステップ
人事アウトソーシングを成功させるためには、計画的な導入プロセスが不可欠です。
ここでは、検討開始から運用開始までの一般的な流れを5つのステップで解説します。
ステップ1:目的の明確化と委託範囲の決定
まず、社内で「何のためにアウトソーシングを導入するのか」という目的を明確にします。
「コストを〇%削減する」「人事担当者の残業時間を月〇時間削減する」など、具体的な目標を設定することが重要です。
その目的を達成するために、社内のどの業務を外部に委託するべきか、その範囲を具体的に洗い出します。
ステップ2:委託先の選定と比較検討
決定した委託範囲に対応可能なアウトソーシング会社を複数リストアップします。
各社のウェブサイトや資料でサービス内容や実績を確認し、いくつかの候補に絞り込みます。
候補となった会社にはRFP(提案依頼書)を送付し、具体的な提案と見積もりを依頼します。
提示された内容を「選び方のポイント」に沿って比較検討し、最適なパートナーを選定します。
ステップ3:契約とSLA(サービス品質保証)の締結
委託先が決定したら、契約を締結します。
契約書には、委託する業務の範囲、責任の所在、料金、秘密保持義務などを明記します。
特に、SLA(Service Level Agreement)を締結し、提供されるサービスの品質基準(例:給与計算の正確性99.9%、問い合わせへの回答時間24時間以内など)を数値で明確に合意しておくことが、後のトラブルを防ぐ上で重要です。
ステップ4:業務の引き継ぎとマニュアル整備
契約後、実際の業務を委託先に引き継ぐための準備を進めます。
現在の業務フローや社内ルール、使用しているシステムの情報などを詳細に伝えます。
この過程で、業務マニュアルを整備・更新しておくことで、スムーズな引き継ぎと業務の標準化が可能になります。
委託先と協力しながら、円滑な運用開始に向けたテストランなども行います。
ステップ5:運用開始と定期的な効果測定
いよいよ運用を開始します。
しかし、導入して終わりではありません。
委託先とは定期的にミーティングの場を設け、業務の進捗状況や課題について情報共有を行います。
また、ステップ1で設定した目標(KPI)が達成できているかを定期的に測定し、効果を評価します。
評価結果をもとに、必要に応じて業務プロセスの改善や委託範囲の見直しを行い、より良い運用を目指します。
人事アウトソーシングを成功させるポイント
導入したものの、期待した効果が得られなかったという事態を避けるために、人事アウトソーシングを成功に導くための重要なポイントを3つご紹介します。
ポイント1:導入目的を社内で共有し、協力体制を築く
人事アウトソーシングは、人事部門だけで完結するものではありません。
従業員の勤怠データ提出や、各部署からの情報提供など、他部署の協力が必要となる場面も多くあります。
なぜアウトソーシングを導入するのか、それによって会社全体にどのようなメリットがあるのかを、事前に経営層から従業員まで広く説明し、理解と協力を得ることが不可欠です。
全社的な協力体制を築くことが、スムーズな導入と運用の土台となります。
ポイント2:委託先を「業者」ではなく「パートナー」と捉える
委託先を単なる「下請け業者」として扱い、業務を丸投げしてしまうと、良好な関係は築けません。
委託先は、自社の人事機能を外部で支えてくれる重要な「戦略的パートナー」です。
自社の経営方針や事業戦略を共有し、対等な立場で意見交換を行うことで、単なる業務代行を超えた、業務改善提案などの付加価値の高いサービスを引き出すことができます。
定期的なコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築していく姿勢が大切です。
ポイント3:定期的なレポーティングと改善のサイクルを回す
業務を委託した後も、任せきりにするのではなく、適切にマネジメントすることが重要です。
委託先から業務の実施状況や成果に関するレポートを定期的に提出してもらい、その内容を評価します。
そして、SLAで定めた基準が満たされているか、改善すべき点はないかなどを、委託先との定例会で協議します。
この「Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)」のPDCAサイクルを回し続けることで、アウトソーシングの効果を最大化することができます。
人事アウトソーシングにおすすめのサービス2選
人事領域の中でも、特に負担が大きく専門性が求められる「採用」と「労務」。
これらの業務を効率化したい企業へとくにおすすめしたいのが、Chatworkの提供する2つのアシスタントサービスです。
①Chatwork 採用アシスタント
『Chatwork 採用アシスタント』は、採用活動における煩雑な業務をオンラインでまるごと代行してくれるサービスです。
採用担当者が、候補者の魅力を引き出し、見極め、獲得するという最も重要なプロセスに集中できる環境を創出します。
【依頼できる主な業務】
求人媒体の管理、スカウトメールの配信
応募者とのメール・電話対応
面接の日程調整、リマインド連絡
エージェントとのやり取り
【導入のメリット】
採用担当者の工数を大幅に削減し、候補者への対応スピードを向上させることができます。
これにより、選考辞退を防ぎ、優秀な人材の取りこぼしを減らす効果が期待できます。
月額制で必要な分だけ依頼できるため、採用活動の繁閑に合わせて柔軟に活用できる点も魅力です。
②Chatwork 労務アシスタント
『Chatwork 労務アシスタント』は、給与計算や社会保険手続きといった、専門知識が必要でミスが許されない労務管理業務をオンラインでサポートしてくれるサービスです。
労務のプロフェッショナルが、正確かつ迅速に業務を代行します。
【依頼できる主な業務】
給与計算、賞与計算、年末調整
勤怠管理、データ集計
入退社手続き、社会保険・労働保険手続き
顧問社労士との連携
【導入のメリット】
月額3万円台からという圧倒的なコストパフォーマンスも大きな魅力です。
専任の労務担当者を置くことが難しい中小企業でも、手軽にプロのサポートを受けることができます。
法改正にも自動で対応してくれるため、コンプライアンス面でも安心です。
人事アウトソーシングは、変化の激しい時代を乗り越え、企業が持続的に成長するための強力な武器となります。
この記事を参考に、ぜひ自社に合った活用をご検討ください。