業務の標準化とは?標準化の必要性と方法、メリットを解説
目次
業務の標準化とは、誰が業務をおこなっても同じように作業ができるよう、作業方法を統一し、今どの作業をしているのかを、誰にでも理解できるようにしておくことです。
「特定の従業員にしかできない業務がある」「作業者によって仕事の成果にばらつきが出る」などの問題は、管理者にありがちな悩みですが、必ず一定の成果を上げなければならない業務は「業務の標準化」をするとよいでしょう。
たとえば、毎月の予算に関わるものや、定期的な発注作業などがこれにあたります。そのほか、業務の標準化が必要になる理由を、推進方法とあわせて説明します。
業務の標準化とは
「業務の標準化」とは、業務の標準を決めることで、「誰が」「いつ」業務をおこなっても、同じように作業できるようにすることです。
業務の標準化がおこなえていないと、属人化や品質のばらつきが起こってしまうなどの危険性がありますが、標準化をおこなうことで、品質の安定や業務効率化などのメリットがあります。
業務の標準化のメリットや、標準化を図る方法を知り、業務フローの最適化を目指しましょう。
業務の標準化が必要な理由・効果
業務の標準化の目的は、業務効率や業務品質の向上を図るためです。業務をおこなう人によって仕事の品質のばらつきを防ぐために、業務の効率化を図る必要があるのです。
能力や得意・不得意が異なるため
複数の人が同時に業務をおこなう会社では、人によって能力や得意・不得意なことが異なります。一定の品質で仕事を進めるためにはなんらかの工夫が必要です。
知識やノウハウが異なるため
複雑な業務をおこなう組織ほど、分業化する傾向になります。分業化が進めば、各従業員に蓄積される知識や能力にもばらつきがでるでしょう。
人事異動や休職に対応するため
ある業務において、担当者が不変であることはあり得ません。退職してしまったり、休職や長期休暇を取得する可能性はもちろん、キャリアアップために異動を願い出る可能性もあるでしょう。
しかし、標準化されていない業務では、その人が辞めてしまうと誰も仕事内容がわからなくなり、引き継ぎがスムーズにいかない場合があります。
管理者が進捗を把握するため
締め切りのある業務では、完了までにたえず進捗管理をしておくことが重要です。しかし、ある従業員にしかやりかたの分からない作業があると、業務全体の中でその作業がどのプロセスであるのかや、順調に進んでいるのかどうかが判断できなくなります。
業務の標準化のメリット
業務の標準化が成功した場合、得られるメリットは何でしょうか。
従業員の負担が減る
ある従業員にしかできない業務が多くあると、必然的にその従業員に負担が集中します。業務の標準化をすることで、負担を分散することができます。
成果目標が明確になる
標準化できていない作業では、作業の成果が見える化できていない状況です。標準化することで、作業の結果、いつまでにどのような成果を出せばよいのか明確になります。このことは、従業員のモチベーションを維持することにも役立ちます。
人事評価がしやすくなる
作業内容と成果を見える化し共有することで、成果を得るためにどれだけの時間がかかったのかを横並びで比較することができます。評価される従業員としても、納得感のある公正な評価をすることができるでしょう。
業務そのものを効率化できる
業務を標準化することで、「今何をやるべきか」「次に何をやるべきか」が作業者にとって見えやすくなります。
迷いなく手を動かすことができるので、従来よりも効率化的になるでしょう。
業務をアウトソーシングできる
業務を標準化し、社内の誰にでも業務ができる状態ができれば、その業務自体をアウトソーシングすることも可能です。
単純な作業の繰り返しとなるような業務はアウトソーシングし、従業員の負担を減らすのもひとつの方法です。
業務の標準化を図る方法
業務の標準化を進めるために、具体的にどのような取り組みをおこなえばいいのかを解説します。
(1)現状を把握する
まずは現場のヒアリングをおこない、現状ではどのように業務がおこなわれているかを把握しましょう。たとえば、以下のような状況にある業務は、標準化の対象にすべきかもしれません。
- 担当者がいないと進まない
- 管理者が進捗を把握していない
- 一人の担当者に負担が集中しているに任せきりの業務がある
など、一人ひとりの社員から日ごろの業務内容を聞き、誰がどのような業務をおこなっているかを洗い出します。
(2)何を標準化するか決める
情報を集めると、何が問題を引き起こしている原因であるのかが明らかになるでしょう。
たとえば、一人の従業員に負担が集中していた場合、表面上は従業員本人の作業スピードが遅いことに起因するように見えることがあります。しかし実は、その従業員にしかできない業務が大量に存在していたという事実が分かることがあるかもしれません。後者の場合は、業務の標準化をすることで解決が必要です。
(3)作業手順を明文化する
問題が明確になったら、それを解決することを意識して作業手順をマニュアルとして明文化しましょう。また、機械的な作業はシステムの導入をすることも検討するとよいでしょう。
(4)トラブルへの対応マニュアルを作る
マニュアルを作成したからといって、すべてがうまくいくとは限りません。そんなとき、担当者として「解決方法が分からなかった」ということがないよう、想定されるトラブルとそれに対する対応を洗い出しておくとよいでしょう。
(5)定期的に見直す
業務マニュアルやトラブルへの対応マニュアルを作成し、担当者にわたすだけでは終わりではありません。実際に業務をしてみるとうまくいかなかったり、新たな課題がみつかる場合もあります。
業務進捗やマニュアルの内容は定期的に見直し、課題点をひとつひとつ解決していきましょう。従業員にヒアリングをおこない、標準化を実施した効果や、問題点を聞き出すとよいでしょう。
>PDCAの実施方法と効果的におこなうポイントに関する記事はこちら
業務標準化にはChatworkもおすすめ
業務の標準化とは、誰が業務をおこなっても同じ成果が出るよう、作業内容を統一することです。マニュアルなどで明文化することが一般的ですが、ビジネスチャットを活用することも方法のひとつです。
業務ごとにグループチャットを作成すれば、その業務においてどんなやりとりがおこなわれたかが関係者にすべて見えるようになります。
担当者交代の際には、グループチャットに招待し、過去のやりとりをさかのぼってもらうことで、同じように業務を進めてもらうことが期待できるでしょう。
ビジネスチャットを導入する際は、Chatworkも検討してください。だれにでも直感的に使いこなせるチャット機能で、作業の見える化が容易できます。
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