出退勤管理システムとは?管理の課題やシステム導入のメリットを解説
目次
現在、ほとんどの企業が業務にPCやタブレット、スマートフォンなどの利用を採用するなど、ビジネスのデジタル化が加速しています。
一方、出退勤管理をアナログな方法でおこなう企業もいまだに多くあります。
たとえばタイムカードに出勤・退勤の時刻を印字させている企業などです。
しかし、アナログな勤怠管理には多くの課題があります。
アナログな勤怠管理の課題と、課題を解決する方法のひとつである出退勤管理システムとそのメリットを紹介します。
出退勤管理業務の課題
全国のビジネスパーソン対象に実施した勤怠管理に関するアンケート調査によると、出退勤システムに「タイムカードにて打刻」「紙の出勤簿に記入」を採用している企業は全体の約45%を占めていました。
約半数の企業が採用する、こうした「アナログな勤怠管理」には課題も多くあります。[※1]
勤怠管理担当者の負担が大きい
タイムカードへの打刻や紙の出勤簿を利用して勤怠管理をおこなう場合、タイムカードや出勤簿を見ながら手動で集計するなど、管理に手作業が発生します。
しかし、この作業には多大な時間と労力が必要です。
従業員の数に比例して煩雑にもなるため、事業規模が拡大するほど、担当者の負担は増えていくことになります。
正確に記録できない
大量のタイムカードや出勤簿を手作業で集計すると、人的ミスが発生する可能性が高くなります。
ところが、出退勤管理業務はそのまま従業員の給与計算に直結するため、もしもミスが発生してしまったら、給与の過払いや未払いといったトラブルに発展しかねません。
さらに、タイムカードの押し忘れや記入漏れなど、従業員側によるミスも発生しがちです。
出退勤の申告に手間がかかる
タイムカードや出勤簿での記録は、従業員側のミスを誘発するだけではなく、負担にもなるともいえます。
出退勤の申告は毎日おこなうものですが、手動での作業は積み重なると膨大な時間を必要とします。
少数のタイムレコーダーや出勤簿を使っている場合は、始業時間が重なる職場では従業員がタイムレコーダーの前に列をつくり、その間何もできないという事態が発生する可能性もあります。
直帰時やテレワークに対応できない
タイムカードや出勤簿がオフィスにある場合、来社しなければ記録できません。そのため、基本的には取引先からの直帰やテレワークは難しくなります。
従業員が電話やメールで出退勤を申告し、担当者が出勤簿に転記をする方法もありますが、二重の手間を要すことになるでしょう。
出退勤管理システムとは
こうしたアナログな出退勤管理の課題を解決する方法のひとつが、出退勤管理システムの導入です。
出退勤管理システムとは、出退勤の打刻から、労働時間の計算、欠勤の管理まで、従業員の勤怠状況を一元管理できるシステムです。
出退勤管理システムにはさまざまな種類がありますが、インターネットに接続するシステムであることが主流です。
面倒な計算を自動でおこなえること、誰でも外出先や自宅からでもアクセスすることができる点は、アナログの出退勤システムとの最も大きな違いといえます。
出退勤管理システムの主な機能
出退勤管理システムの機能は利用するシステムの種類によって異なります。
今回は、出退勤管理システムに搭載されていることが多い機能を6つ紹介します。
- 出勤・退勤の打刻機能
- 勤務時間および給与の計算機能
- ワークフロー機能
- アラート機能
- シフト作成機能
- データ出力機能
どのような機能が搭載されているのか確認していきましょう。
出勤・退勤の打刻機能
従業員が出勤または退勤の入力をすると、いつ出勤または退勤したのかをシステムへデータが送信されます。
勤務時間および給与の計算機能
一定期間内の勤務時間を、打刻の記録をもとに従業員ごとに自動で集計します。
また、その勤務時間をもとに自動的で給与の計算をします。
ワークフロー機能
休暇を取得する際の申請や承認をシステム上でおこなうことができます。
過去の申請状況も確認できるため、有給休暇の消化状況を確認することも可能です。
アラート機能
打刻漏れや申請漏れ、残業時間超過などがあった場合、アラートを表示することができます。
シフト作成機能
シフト制の労務管理をしている企業では、各従業員から提出されたシフト希望を集計して、自動的にシフトを作成する機能が使えます。
日ごとの必要人員に合わせた適切なシフト作成も可能です。
データ出力機能
勤怠データをCSVやPDFなどのファイル形式で出力することができます。
出力したデータを印刷すれば、職場内にシフト表を掲示したり、業務見直しの資料として活用することもできます。
出退勤管理システム導入のメリット
さまざまな機能が搭載されている出退勤管理システムですが、アナログな管理方法と入れ替えることで、どのようなメリットを期待できるのでしょうか。
出退勤管理システムを導入するメリットを3つ紹介します。
- 業務効率化が期待できる
- 労務管理の徹底につながる
- テレワークが実現できる
出退勤管理システムの導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
業務の効率化
出退勤管理システムを利用すれば、タイムカードや紙の出勤簿を転記したり、給与計算などにかけていた時間を大幅に削減することができます。
出退勤管理システムを利用することで、労務担当者と従業員双方が、勤怠管理に割いていた時間を本来の業務に充てられるようになります。
また手作業で発生していた入力ミスや転記ミスが発生しないため、訂正に必要だった労力や給与に関するトラブルが発生する確率も大きく下がります。
法令に基づいた労務管理の徹底
出退勤管理システムを導入することで、勤務実態をより正確に反映した労務管理ができます。
また日々の勤務状況が見える化されるため、長時間労働や有給消化率の低さなど、問題が発生している状況を早急に発見できるでしょう。
さらにアラート機能を活用することで、それらの問題の発生を未然に防ぐことも期待できます。
テレワークができるようになる
インターネットに接続し利用できるシステムは、場所を問わずに出退勤の打刻や申請をすることが可能です。
取引先から直帰やテレワークが可能になり、従業員のワークライフバランス向上に役立ちます。
出退勤管理システムはほかのシステムと連携もおすすめ
タイムカードや紙の出勤簿を使ったアナログな勤怠管理は、従業員・管理者ともに負担が大きく、業務効率の低下につながります。
手作業での入力・計算は人的ミスも起こりやすいので、打刻と同時に労働時間や給与を自動計算してくれる出退勤管理システムの導入がおすすめです。
出退勤管理システムは複数の機能が搭載されているので、単体でも便利に活用できますが、ほかのシステムと連携するとさらなる効率化を目指せます。
ビジネスチャットChatworkは、「kincone」や「jinjer勤怠」、「Focus U タイムレコーダー」などの出退勤管理システムとの連携をすることも可能です。
グループチャット内で「おはようございます」「出勤」「退勤」といった特定のメッセージを送信するだけで打刻が完了するので、面倒な勤怠業務を効率化することができます。
そのほかにもさまざまなツールと連携することが可能なため、ぜひご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[※1]出典:HR NOTE「勤怠管理に不満がある従業員が実は多い?|勤怠管理に関する調査」
https://hrnote.jp/contents/s-contents-4001/
※本記事は、2021年3月時点の情報をもとに作成しています。