ストレッチ目標とは?設定するメリットや設定方法について解説
目次
ストレッチ目標とは、その人のスキルや能力にあった、適切な難易度の目標を指します。
上手く目標を設定することができれば、従業員のモチベーションアップや生産性向上につながります。
ストレッチ目標の目的や効果、設定のポイントについて解説します。
ストレッチ目標とは
ストレッチ目標とは、頑張れば達成できそうな、その人のスキルや能力にあった、適切な難易度の目標を指します。
工夫すれば手が届きそうな難易度の目標を設定することで、その人のモチベーションや達成意欲を刺激することができるので、目標達成につながりやすいというメリットがあります。
難易度が高すぎると達成意欲を失う可能性があるため、ストレッチ目標では適切な難易度の目標を設定することが肝心です。
また、ストレッチ目標と似ている言葉に「チャレンジ目標」という言葉があります。
チャレンジ目標は、能力を出し切っても届くかどうかわからない、難易度の高い目標を指すため、混同しないように注意しましょう。
ストレッチ目標設定の目的とは
ストレッチ目標は、その人が本来持っている能力やスキルを最大限発揮させて、新たなステージへと引き上げることを目的に設定します。
ストレッチ目標は、GE(ゼネラル・エレクトリック)の元CEOであるジャック・ウェルチ氏が導入し、高い成果をあげたことで注目されるようになり、日本でも広く知られるようになりました。
ストレッチとは、「固いところを引き伸ばす」という意味があり、ストレッチ目標は、より難しいと感じている目標を達成することで、その人の能力を引き伸ばすことが可能であるという概念です。
ストレッチ目標設定の効果とは
ストレッチ目標を設定することで、人材の育成と目標達成に効果があります。
新人としての基本的な能力育成や、グループリーダーとしてのマネジメント能力向上など、さまざまなシーンの人材育成に効果的です。
また、目標達成については、ストレッチ目標を設定し、徐々に難しい課題をクリアしていくことで、最終的に達成したい困難なチャレンジ目標を達成する確率を高められるという効果があります。
ストレッチ目標設定のポイント
効果的にストレッチ目標を設定するためにも、設定する際のポイントをおさえておきましょう。
- 現状のスキルを見極めた上で設定する
- フォロー体制を整える
2つのポイントを詳しく見ていきましょう。
現状のスキルを見極めた上で設定する
高すぎる目標を立ててしまうと、モチベーションの低下につながるため、上司は部下の能力やスキルをしっかりと把握したうえで、部下とともに目標設定をおこなうようにしましょう。
スキルや能力を正確に見極めるためには、日ごろの仕事の成果やプロセスについて観察し、得手不得手を把握する必要があります。
また、コミュニケーションを頻繁にとり、部下が仕事に取り組むうえで大事にしていることや、得意な業務などの情報を得るのもよいでしょう。
フォロー体制を整える
目標達成に取り組む中で、つまずいたり、悩んだりする従業員をサポートできるように、フォロー体制を整えましょう。
部下がひとりで抱え込まないように、適度に介入して、精神面や能力面でのフォローをおこないましょう。
実際に、業務の進み具合や、つまずくポイント、難しく感じる点を共有し、上司が課題を克服するためのアドバイスや、よかった点を積極的に伝えると効果的です。
部下もフィードバックに対して、改善を重ねるプロセスを経て、目標を達成する流れを身につけることができます。
ストレッチ目標のメリット
ストレッチな目標を設定することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
- 生産性向上
- 従業員のモチベーション向上
ストレッチ目標を設定することで得られるメリットについて、詳しく見ていきましょう。
生産性向上
ストレッチ目標を設定することで、従業員が自主的に業務を効率化するための工夫をしたり、達成しようと努力したりするため、生産性向上を期待できます。
適切な難易度の目標を設定できると、「自分には何が足りていないのか」「達成するためにするべきことは何か」など、自分で達成するための道筋を立てることができます。
従業員の生産性向上が実現すれば、目標達成の確率も上がるため、従業員が自信を持つことにもつながります。
従業員のモチベーション向上
手が届きそうな目標を立てることで、従業員の意欲が刺激され、モチベーション向上につながります。
また、目標を達成すると、さらに難易度の高い目標を立てることとなります。
常に少し難しい課題にチャレンジすることで、一時的なモチベーションアップではなく、持続的にモチベーションが高い状態を維持することができます。
ストレッチ目標のデメリット
ストレッチ目標を設定する際は、デメリットについても把握しておくことが大切です。
- モチベーション低下につながる恐れ
- パラハラになる可能性も
ストレッチ目標をマイナスに働かせないためにも、ストレッチ目標のデメリットも確認していきましょう。
モチベーション低下につながる恐れ
難易度が高すぎたり低すぎたりする目標を与えてしまうと、モチベーションが低下する恐れがあります。
目標を与える上司が、部下の能力を適切に把握できていないと、適切な目標を与えることができません。
どれくらいの難易度を設定するのが適切かを詳細に把握した上で、設定をするようにしましょう。
パラハラになる可能性も
達成が難しすぎる目標を与えてしまうと、従業員の過度なストレスやパフォーマンス低下につながり、最悪の場合パワハラになる恐れもあります。
「部下を早く成長させたい」「粘り強いから、困難な目標も達成できる」などの、上司の願いや憶測での目標設定は、かえって部下を苦しませることもあるでしょう。
能力やスキルとは別に、部下の性格や特性なども加味しながら、部下にとって無理のない目標設定をおこなうようにしましょう。
>【社労士監修】ハラスメント・ハラスメントとは?に関する記事はこちら
ストレッチ目標の注意点
ストレッチ目標の効果的な設定には、いくつかの注意点をおさえておく必要があります。
今回は、ストレッチ目標を設定する際の注意点として、4つの注意点を紹介します。
- 適正な目標を設定する
- 目標設定後のフォローを忘れない
- 目標内容を強要しない
- マイルストーンをおく
ストレッチ目標を設定する際は、4つの注意点を確認したうえでおこないましょう。
適正な目標を設定する
難しすぎたり、簡単すぎたりする目標を設定すると、能力や成果の向上が確認しづらいため、適切な難易度の目標を設定するようにしましょう。
適切な難易度を把握する方法は、以下のような方法があげられます。
- 業務工程にかかる時間から、得手不得手を把握する
- 積極的にコミュニケーションをとり、従業員の特性を知る(どのような声掛けでパフォーマンスがアップするかなど)
- 目標達成のプロセスや、課題に対する取り組み方をみて、問題解決能力を把握する
与えた目標に対して、実際にどのようなパフォーマンスを発揮するのかを想定することができると、適切な目標を設定することができます。
目標設定後のフォローを忘れない
目標に対して意欲的に取り組み、つまずいたときには助言ができるように、目標設定後のフォローを忘れないようにしましょう。
なお、助言を与えすぎることは従業員のためにならない可能性があるため、従業員が自主的に考え動くことができるように、業務を進めるための軽い助言をおこなう程度にとどめましょう。
従業員の取り組みや特性を把握したうえで、どこまで介入するべきか、一人ひとりにあわせて、フォローのスタイルを変えられると、より効果的です。
目標内容を強要しない
部下が、設定した目標に対して意欲的でない場合、かえって仕事の生産性を下げると考えられるため、目標内容は強要しないようにしましょう。
目標設定する際は、上司のみで決めるのではなく、部下と話し合いながら部下が達成したいと思える目標を立てましょう。
部下が達成したい目標を設定できた場合、達成したときにやりがいを感じ、さらに成長への欲求を高めることができます。
マイルストーンをおく
目標の達成に向かって着実に進んでいることを実感するために、マイルストーンをおきましょう。
マイルストーンをおくことで、目標の進捗状況を一目で確認でき、各マイルストーンに到達するのにどれくらいかかったかで、どこに難しさを感じていたのかを把握することができます。
また、目標を達成できるか不安に感じる場合も、こまめに達成感を味わうことができるため、精神的な支えにすることができます。
ストレッチ目標の目的を理解した上で活用しましょう
ストレッチ目標を設定することで、従業員の能力やスキルを最大限に発揮することができます。
ストレッチ目標の効果を最大化するため、上司と部下でよく話し合いをして、部下が意欲的に取り組める、適切な目標設定をおこないましょう。
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