通年採用とは?メリット・デメリットや成功のポイント、新卒一括採用との違いを解説

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通年採用とは?メリット・デメリットや成功のポイント、新卒一括採用との違いを解説

目次

通年採用とは、採用時期を限定せずに、年間を通しておこなう採用活動のことです。

留学生や既卒者の採用がしやすく、選考に時間をかけられるため、人材不足や優秀な人材確保のために、導入する企業が増えています。

通年採用の定義や、メリット・デメリット、成功させるポイントについてご紹介します。

通年採用とは

「通年採用」とは、採用時期を限定せず、年間を通しておこなう採用活動のことです。

新卒一括採用のように、採用時期を限定しないことで、求職者が時期にとらわれず、自分にマッチする企業をみつけられたり、企業側が、理想的な人材の採用が実現できたりする採用方法として、注目を集めています。

通年採用の目的

近年、慢性的な人材不足に悩む企業は増加傾向にあります。

また、人材獲得競争の激化にともない、内定をだして予定人数を確保しても、入社前に辞退されてしまい、結果として、採用予定人数に到達しない企業も増えています。

通年採用は、新卒一括採用では獲得できないような人材を確保できる採用方法のため、人材確保や人手不足解消の目的で、とりくまれています。

通年採用が注目される背景

学生の卒業時期の多様化や企業のグローバル化、人材獲得競争力の激化により、新卒の学生のみでなく、外国人留学生や第二新卒などの優秀な人材を確保したい企業が増えています。

このような採用市場のなかで、新卒一括採用のように、時期や経歴を限定せずに、さまざまな求職者と接点をもてる「通年採用」が注目されています。

また、通年採用は、年間いつでも応募者をうけつけているため、人員の確保と自社にマッチする人材を吟味して選定できる点も、注目される要因のひとつです。

人材不足に悩みながらも、自社とマッチする人材を採用したいという企業には、メリットが大きい採用方法でしょう。

新卒通年採用とは

「新卒通年採用」とは、新卒の学生を、時期をとわずに採用する採用方法のことです。

長期インターンや留学をしていた学生などは、新卒一括採用のスケジュールに参加できないことがありますが、新卒通年採用であれば、そのような学生も応募することができます。

また、企業側は、学生時代にさまざまな経験をした人材も獲得することが可能になるため、通年採用とあわせて導入する企業も多いでしょう。

通年採用と新卒一括採用の違い

通年採用と新卒一括採用の違いは、採用時期や採用する人物にあります。

「新卒一括採用」は、3月から採用活動がスタートし、おおよそ6月ごろまでに終了するのに対して、「通年採用」では、年間を通じて、採用活動がおこなわれます。

また、採用する人物に対しては、「新卒一括採用」では、3月に卒業した学生が主な対象になりますが、「通年採用」では、外国人留学生や第二新卒、既卒者も対象に含めることが可能です。

通年採用と中途採用の違い

通年採用と中途採用の違いは、採用人物にあります。

「通年採用」は、新卒や中途など、すべての求職者を対象とした採用方法ですが、「中途採用」は、新卒は含めず、社会人経験のある中途社員のみが採用対象になります。

通年採用のメリット

人材不足に悩む企業にメリットが大きいとされる「通年採用」ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

通年採用の代表的なメリットを4つ紹介します。

  • 留学生や既卒者の採用がしやすい
  • 選考に時間をかけられる
  • ミスマッチを減らせる
  • 内定辞退の補完ができる

通年採用のメリットについてみていきましょう。

留学生や既卒者の採用がしやすい

通年採用では、留学生や既卒者の採用もおこなうことができます。

新卒一括採用では、4月を入社時期とするケースが多いため、卒業時期が3月ではない学生を獲得することが難しいですが、通年採用の場合は、卒業時期が3月とは限らない外国人留学生や既卒者の採用をおこなうことが可能です。

また、通年採用を導入することで、いつでも優秀な学生をうけいれられる体制の醸成や、留学生や帰国子女を採用することによる、職場の価値観多様化も期待できるでしょう。

選考に時間をかけられる

通年採用は、選考に時間をかけられることも特徴です。

新卒一括採用のような、決められた時期内で採用活動を終了させる必要がある場合は、短い期間で、自社にマッチする人材かどうかを見極める必要がありますが、通年採用の場合は、時期の限りがないため、選考に十分な時間をかけることができます。

そのため、少数精鋭の企業のように、自社とのマッチ度や適正を大切にする企業の場合は、求職者一人ひとりに十分な時間をかけられる「通年採用」が、最適な採用方法といえるでしょう。

ミスマッチを減らせる

通年採用の場合、一人ひとりの選考に時間をかけられるため、雇用者と企業の双方のミスマッチを減らすことができます。

通年採用の場合、求職者一人ひとりにじっくりと向きあえるため、求職者の疑問や気になることに対して、企業は丁寧に対応することができます。

また企業側も、求職者の性格特性や価値観などを、時間をかけて知ることができるため、自社に適した人材であるかを見極めやすくなるでしょう。

>ミスマッチとは?に関する記事はこちら

内定辞退の補完ができる

通年採用を活用すると、内定辞退による人材不足を解消することもできます。

人材獲得競争の激化で、採用目標人数の内定者を獲得していても、入社前に辞退されてしまうケースが増加しています。

入社直前で辞退されてしまい、4月以降の人材不足に悩まされる企業も多くありますが、通年採用を活用していると、常に求職者を募集することができます。

採用の間口を広げることもできるため、新卒一括採用では出会えなかったような、優秀な人材に出会うこともできるでしょう。

通年採用のデメリット

企業・求職者の双方にメリットが多い通年採用ですが、導入する際は、デメリットについても理解しておくことが大切です。

通年採用のデメリットをみていきましょう。

採用担当者の負担が増える

年間を通して選考をおこなう必要があるため、採用担当者の負担が増えてしまいます。

通年採用窓口を開放していれば、応募がくるたびに、選考フローを実施する必要があります。

応募時期や応募者数は、予測することが難しいため、採用担当者の人数が少ない場合は、ひとりにかかる負担が大きくなる危険性があります。

通年採用を導入する際は、専任担当者をつくる・採用担当者の数を増やすなどの対応をおこない、成功を目指しましょう。

採用コストが増える

年間を通して採用活動をおこなうため、採用コストが増える可能性もあります。

通年採用を導入する場合、時間や経費などのさまざまなコストがかかります。

また、時間をかけた人材が入社しなければ大きな損失となる可能性もあります。

コストを予測することが難しい方法でもあるため、コストに限りがある企業の場合は、採用人数の上限を定めておくなどの対応をおこなうようにしましょう。

滑り止めにされる可能性がある

通年採用をおこなっているほかの企業と併願され、滑りどめにされる可能性もあります。

近年、通年採用を導入する企業が増えているため、通年採用企業を併願する求職者も増えています。

そのため、企業側が、熱心にコストを捻出し、内定を出したにも関わらず、別の企業にいってしまう求職者も少なくありません。

通年採用だからといって、必ず入社してくれるとは考えず、慎重に採用活動をおこないましょう。

通年採用を成功させるポイント

通年採用の導入を検討する場合、成功させるポイントもおさえておくことが大切です。

通年採用を成功させるポイントを3つ解説します。

  • 目標を明確にする
  • 採用市場を把握する
  • 求職者の動向を理解する

通年採用を導入する際は、ぜひ参考にしてみてください。

目標を明確にする

通年採用を成功させるためには、目標を明確にしておくことが大切です。

「どのような選考フローで・どのような人材を・いつまでに・何人採用するのか」などの目標を、具体的に決めておきましょう。

通年採用は、時期に制限がないため、優秀な人がいたら採用しようと考えることもできますが、目標が明確になっていないと、「自社にマッチしない人材を採用してしまった」「多く採用しすぎてしまった」など、不測の辞退が起こる可能性もあります。

また、あらかじめ目標を明確にしておくことで、コストの削減にもつながります。

新卒一括採用や中途採用と同じように、採用目標を定めることを意識しましょう。

採用市場を把握する

採用市場全体をはじめ、自社の属する業界や関連する業界の採用市場を把握することは、通年採用を成功させるポイントのひとつです。

たとえば、企業の内定数の推移や業界ごとの傾向を知ることで、自社の採用計画を立てる際の参考にできるでしょう。

採用市場を把握せずに、通年採用をおこなってしまうと、応募者数を確保できない・理想とする人物と出会えないなどの事態に陥る可能性もあります。

時期が限定されていないからといって手を抜かず、丁寧に運用することが大切です。

求職者の動向を理解する

新卒の求職者の内定率や、内定辞退率などを把握し、求職者の最新動向を得るようにしましょう。

求職者の動向を知ることで、採用活動の手段の選択ができたり、リリースする企業情報を取捨選択できたりするでしょう。

また、求職者はなにを求めているか、疑問に感じるポイントはどこかなどのデータベースを蓄積できると、応募者に効果的にアプローチすることもできます。

効果的な採用活動をおこなうためにも、情報収集は怠らないようにしましょう。

>情報収集スキルを高める方法に関する記事はこちら

>情報収集で気をつけることに関する記事はこちら

通年採用の事例

通年採用を導入している企業の事例をみていきましょう。

衣料品の製造小売を営む企業

衣料品の製造小売業を営む企業では、主体的な行動や、納得した未来を送れるようにというモットーから、通年採用をおこなっています。

この企業は、就職活動の主役を、企業でなく個人と考えていて、個人の行動の主体性を重視した採用を目標としているため、採用の応募条件に学年を定めていません。

そのため、大学1. 2年生のエントリーや、不合格になっても、選考年度が変われば、再び挑戦することも可能としています。[注1]

電気通信を営む企業

電気通信を営む企業では「将来を担う人材には、可能性を制限せず、意思を持って主体的に進路を選んでほしい」という思いから、「ユニバーサル採用」を掲げています。

「ユニバーサル採用」は、新卒や既卒問わず、選考に参加できる採用方法です。

また、多様な選考方法を設け、個人がもっとも自己をアピールできるものを選んで励むことを可能としています。[注2]

円滑な社内連携にはChatwork

通年採用とは、時期を定めずに、年間を通しておこなう採用方法のことで、自社にマッチする人材を、時間をかけて採用することができるといったメリットがあります。

通年採用を成功させるためには、採用目標を明確にし、市場調査を入念におこなうことが大切です。

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通年採用に関わる人でグループチャットを作成することで、求職者の情報や、採用フローの情報などを、離れた場所でも詳細に共有することができます。

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[注1]出典:ファーストリテイリング 新卒採用「募集要項 」
https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/recruit/?id=tab2
[注2]出典: ソフトバンク新卒採用「ユニバーサル採用」
https://recruit.softbank.jp/graduate/recruit/universal/
※本記事は、2022年9月時点の情報をもとに作成しています。


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