オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いとは?メリット・デメリットを具体例付きで解説
目次
ビジネスシーンにおいて、取引先や顧客、また上司や同僚などに質問をするシーンは多いでしょう。
質問方法には、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の2種類があり、質問方法によって、それぞれメリット・デメリット、有効なシーンも異なります。
この記事では、オープンクエスチョン・クローズドクエスチョンそれぞれのメリット・デメリットや具体例、効果的に使うポイントについて解説します。
オープンクエスチョンとは
オープンクエスチョンとは、回答の範囲を制限せずに、回答者が自由に答えられる質問のことです。
たとえば、「先日の○○社への訪問の手ごたえはどうでしたか」などの質問がオープンクエスチョンにあたります。
オープンクエスチョンは、「はい」や「いいえ」などの限られた選択肢のなかから回答するのではなく、自由に回答ができるため、得られる情報量も多いなど、さまざまなメリットがあります。
オープンクエスチョンを使うメリット
オープンクエスチョンを使うメリットを3つ解説します。
- 一度に多くの情報を得ることができる
- 会話が弾みやすくなる
- 自由な回答を引き出せる
詳しくみていきましょう。
一度に多くの情報を得ることができる
オープンクエスチョンは、回答者の回答を制限しないため、一度の質問で回答者から多くの情報を引き出すことが可能です。
商談や交渉の場面では、限られた時間のなかで相手のニーズを把握し、目的を達成する必要があります。
オープンクエスチョンで必要な情報をすばやく集めることができれば、ビジネスシーンにおいて成果をあげやすくなるでしょう。
会話が弾みやすい
クローズドクエスチョンのように「はい」や「いいえ」などの限られた選択肢のなかから回答をする場合、質問する側とされる側で会話が一方的になり、質問される側に圧迫感を与えてしまうおそれがあります。
オープンクエスチョンであれば、一度の質問で回答者もさまざまな回答ができ、会話が弾みやすいというメリットが期待できるでしょう。
>一方的なコミュニケーションの弊害とは?に関する記事はこちら
自由な回答を引き出せる
オープンクエスチョンは、クローズドクエスチョンとは異なり、「はい」や「いいえ」などの限られた選択肢の枠に収まらない自由な回答を引き出すことができます。
質問者側が想定していなかった自由な回答が回答者から出てくることもあり、さまざまな気付きや発見を得ることができるでしょう。
オープンクエスチョンを使うデメリット
オープンクエスチョンは、クローズドクエスチョンにはないメリットが期待できる一方で、注意すべきデメリットもあります。
- 回答者の言語能力への依存度が高い
- 信頼関係の構築が必要になる
- 話がそれる可能性がある
どのようなポイントに注意する必要があるのか確認していきましょう。
回答者の言語能力への依存度が高い
オープンクエスチョンは、「はい」や「いいえ」などの限られた選択肢のなかから回答を選ぶわけではないため、自分の考えや感情を言語化して伝える能力が回答者に求められます。
そのため、言語発達が十分でない子どもや、自分の考えや感情を言語化するのが苦手な人の場合、オープンクエスチョンに対してうまく言葉で回答できない可能性があるでしょう。
信頼関係の構築が必要
質問者と回答者の信頼関係が十分でない場合、回答者が、より詳しく深い部分まで回答できずに浅い回答になってしまう可能性もあります。
たとえば、「○○についてどう思いましたか」などと聞かれても、回答者は「どのような回答が求められているのだろうか」「質問者の意図はなんだろうか」などと考えてしまい、深い回答ができないこともあるでしょう。
信頼関係が十分でないと、質問者の意図を気にしすぎて、本当に言いたいことを言えない可能性もあるため、注意が必要です。
話がそれる可能性がある
オープンクエスチョンでは、回答者が自由に回答できるため、話の本筋とは関係ない部分まで話が飛んでしまうなど、話がそれる可能性があります。
打ち合わせなど、限られた時間でヒアリングをおこなわなければいけないシーンでは、話がそれてしまうと本来聞きたかったことが聞けないなどのデメリットにつながるでしょう。
オープンクエスチョンの具体例
どのような質問がオープンクエスチョンにあたるのか、具体例を紹介します。
オープンクエスチョンの具体例は以下のとおりです。
- 今日のプレゼンテーションを見ての感想を教えてください。
- 具体的にどのようなお困りごとがあるのか教えていただけますでしょうか。
- 現在お使いの商品の使い心地はいかがでしょうか。
クローズドクエスチョンとは
クローズドクエスチョンとは、相手に回答の選択肢を与えて、そのなかから回答を選ばせる形式の質問のことです。
たとえば、「現在パソコンの買い替えをお考えですか」などの「はい」「いいえ」で答えられる質問がクローズドクエスチョンです。
また、「新品と中古品では、どちらがよろしいでしょうか」など、回答の選択肢を2〜3択に絞った質問もクローズドクエスチョンとされています。
オープンクエスチョンは、「どのような商品をお探しでしょうか」などの「はい」「いいえ」では答えられないタイプの質問です。
オープンクエスチョンは「開かれた質問」、クローズドクエスチョンは「閉ざされた質問」とも呼ばれます。
クローズドクエスチョンは、相手からすばやく回答を得られる、回答者が答えやすいなどのメリットがあります。
答えやすい質問を重ねてすばやく回答を得つつ、相手との会話のテンポをつかんでいきたいときには、クローズドクエスチョンが有効です。
クローズドクエスチョンのメリット・デメリット
クローズドクエスチョンのメリット・デメリットを解説します。
クローズドクエスチョンの使い方やメリット・デメリットについて、より詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご参照ください。
クローズドクエスチョンのメリット
クローズドクエスチョンには、以下のようなメリットがあります。
- スピーディに回答を得ることができる
- 会話をコントロールしやすくなる
- 子どもとコミュニケーションをとることができる
オープンクエスチョンとは異なり、「はい」や「いいえ」などの限られた範囲のなかから回答をすることができるので、スピーディな会話やテンポの良い会話を実現したい場合は、クローズドクエスチョンが効果的でしょう。
また、ビジネスシーンの商談などで、会話をリードしたい場合なども有効な方法です。
クローズドクエスチョンのデメリット
クローズドクエスチョンを使う際に注意すべきポイントも紹介します。
- 得られる情報量が少なくなる
- 一方的な会話になってしまう可能性がある
クローズドクエスチョンは、限られた選択肢のなかから回答が選ばれるため、多くの情報を得たい場合には不適切な質問方法です。
また、「はい」「いいえ」で答えさせる質問が続くと、相手は一方的に尋問されている印象を抱く可能性もあります。
たとえば、商談のはじめはクローズドクエスチョンを使い、テンポが掴めてきたらオープンクエスチョンを差し込むなど、適切に使い分け、効果的なコミュニケーションを実現するようにしましょう。
クローズドクエスチョンの具体例
どのような質問がクローズドクエスチョンにあたるのか、具体例を紹介します。
クローズドクエスチョンの具体例は以下のとおりです。
- 本日の15時から打ち合わせをすることはできますか。
- 午前と午後ならどちらがご都合がよろしいでしょうか。
- 弊社の商品を目にされたことはありますか。
クエスチョンを使いこなすポイント
オープンクエスチョンやクローズドクエスチョンなどの質問を効果的に使うためのポイントを2つ解説します。
- 2つの質問を使い分ける
- 信頼関係の構築を優先する
2つのポイントを確認し、効果的なビジネスコミュニケーションの実現を目指しましょう。
2つの質問を使い分ける
クローズドクエスチョンは、前述した通り、「はい」「いいえ」などの限られた選択肢で回答されるため、スピーディに情報を得ることができたり、会話の主導権を握りやすかったりなどのメリットがあります。
そのため、会話のはじめはクローズドクエスチョンを使って会話のテンポをつかみ、後半にオープンクエスチョンを使うことで、効果的に情報収集ができるでしょう。
オープンクエスチョンだけではなく、クローズドクエスチョンもまぜて、回答者の答えやすさも考えながら質問することが大切です。
信頼関係の構築を優先する
「情報を集めたい」「ニーズを把握したい」という気持ちが強すぎると、相手の気持ちを考えず質問することになります。
とくにビジネスシーンで、打ち合わせや商談などを「うまく進めたい」「仕事で成果を出したい」という気持ちがあると、うまく質問することばかり考えてしまいがちです。
相手の本当のニーズや困りごとを聞き出すには、お互いの信頼関係があることが重要です。
クローズドクエスチョンや軽い世間話から会話をはじめ、きちんと信頼関係をつくっておくことでオープンクエスチョンも効果を発揮できるでしょう。
相手との信頼関係をないがしろにしないようにしてください。
>信頼関係を構築するコミュニケーションとは?に関する記事はこちら
2つの質問方法を上手に活用しよう
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、それぞれメリット・デメリットがあり、効果的なシーンも異なる方法です。
円滑なビジネスコミュニケーションを実現するためにも、それぞれの効果的な使い方や活用シーンを正しく認識するようにしましょう。
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記事監修者:山崎ゆうき(やまざきゆうき)
臨床心理士・公認心理師の資格を所持。司法・障害福祉領域などでの勤務を経て、独立開業。メンタルヘルス系の記事を中心に、心理学の知識をいかした記事執筆・監修を担当。心理学の知識をわかりやすく、日常でも実践しやすい形で発信しています。