テレコの意味とは?テレコ出荷が起きる原因とリスク、対策を解説
目次
「テレコ」とは、「互い違い」や「逆」という意味がある言葉で、「テレコ出荷」は、「商品の出荷先を間違えてしまい、互い違いに出荷してしまうこと」を意味します。
テレコ出荷が起きてしまうと、個人情報の漏洩や企業の信頼を失う危険性があるため、原因を知り、適切に対処する必要があります。
テレコの意味やテレコ出荷が起きる原因・リスク、対策について確認していきましょう。
テレコの意味とは
「テレコ」とは、「互い違い」や「逆」という意味がある言葉で、主に関西地方で使われています。
たとえば、「Tシャツがテレコになっている」で、「裏表が逆になっている」という意味になります。
「テレコ」は、歌舞伎に由来する言葉といわれており、「ふたつの異なるストーリーをまとめて、一幕ごとに交互に展開する」進行を「テレコ」と呼んだことが、「互い違い」や「あべこべ」という意味になったとされています。
テレコ出荷とは
「テレコ出荷」は、物流や運送業界で使われている言葉で、主に以下の意味で使われています。
- 商品の出荷先を間違えてしまい、互い違いに出荷してしまうこと
- 商品の数を間違えて出荷してしまうこと
たとえば、A社に送るはずの商品をB社に、B社に送るはずの商品をA社に送ってしまうなど、互い違いに出荷してしまう状況をテレコ出荷といいます。
テレコ出荷は、企業の信用問題にも関わってくるので、業務全体の整備やシステムを見直して対策するとりくみが重要です。
テレコ出荷が起きる原因
出荷や納品をミスしてしまうテレコ出荷は、なぜ発生してしまうのでしょうか。
テレコ出荷が起きる原因について見ていきましょう。
ピッキングミスによるもの
ピッキングとは、注文があった商品を出荷するために、指示を見ながら、倉庫から商品を集める作業です。
たとえば、注文の商品を目視で確認する場合、商品の数量や品番を間違えてしまうことがあるでしょう。
検品作業でミスに気がつけないと、そのまま商品を梱包してしまい、商品の出荷先が互い違いになる状況につながります。
伝票の貼り付けミスによるもの
テレコ出荷は、送り先の伝票を互い違いに貼ってしまうミスでも起こります。
たとえば、複数の梱包作業を同時に進めてしまうと、間違えて別の送り先の商品に伝票を貼り付けてしまうミスがあるかもしれません。
とくに、ひとりで同時に作業する場合は、宛先を間違えないように注意する必要があります。
また、企業の部署全体で作業にとりくむ場合、ミスが起きないような業務体制を整える対応も重要です。
テレコ出荷の影響・リスク
テレコ出荷は、企業の信頼度を下げてしまったり、顧客の情報を漏洩させてしまったりなど、さまざまなリスクがあります。
テレコ出荷が及ぼす影響・リスクについてみていきましょう。
企業の信頼度を下げてしまう
互い違いに商品を出荷してしまうテレコ出荷は、取引先や顧客からの信用喪失につながります。
たとえ一度のミスだとしても、取引先や顧客からは、「また同じミスをするのではないか」など、不信感を抱く原因になりえます。
また、企業同士の商品でテレコ出荷が起きると、最悪の場合、管理体制に問題を感じて、取引が中止になる可能性もあるでしょう。
企業の信頼度を下げないためにも、ミスを発生させない体制づくりが求められます。
個人情報の漏洩
テレコ出荷が起きると、送り間違えた相手に個人情報が漏れてしまいます。
たとえば、納品書から、相手の名前や住所、電話番号や購入した商品など、知られたくない情報を見られてしまう可能性があるでしょう。
場合によっては、個人情報の流出による悪用で、相手がトラブルに巻き込まれてしまうケースがあるかもしれません。
損害賠償や業務停止の問題に発展する可能性もあるので、企業はテレコ出荷が起きないような環境の整備が重要です。
在庫数が合わなくなる
テレコ出荷が起きると、倉庫にある在庫数と帳簿に書かれた在庫数に差異が生じます。
在庫数が限られている場合、ほかの顧客の注文をキャンセルしなければいけないといった状況になるかもしれません。
また、在庫数があわない原因がテレコ出荷だとすぐにわからない場合もあります。
原因を特定するのに時間がかかってしてしまうと、作業の流れが止まってしまうというリスクも発生します。
在庫数があわなくなると、余計な管理の手間やコストがかかる原因になり、事業活動や収益に影響を与える危険性にも発展します。
テレコ出荷の対策
テレコ出荷は、在庫数があわなくなるなどのトラブルにくわえて、顧客からの信頼の喪失や、企業の収益に影響を及ぼす可能性もあるため、十分に対策する必要があります。
最後に、企業ができるテレコ出荷の対策例を5つ紹介します。
- 1件完結で作業する
- 倉庫の環境を整える
- 業務フローや人員配置を見直す
- マニュアルを標準化する
- 倉庫管理システム(WMS)を導入する
自社の課題や問題に合わせて、最適な対策を取るようにしましょう。
1件完結で作業する
「1件完結」とは、届け先ごとに、1件ずつ出荷作業を終わらせることです。
前述した通り、複数の作業を同時におこなっていると、伝票の貼り付けを間違えてしまったり、ピッキングミスが発生したりするでしょう。
このようなミスを防ぐためにも、「ほかの業務を間にはさまないこと」や「同時並行や複数人で出荷作業をしないこと」など、1件完結で作業する対策が大切です。
倉庫の環境を整える
倉庫の環境整備により、ピッキングミスや伝票の貼り付けミスを防ぎやすくなります。
たとえば、類似商品が多い場合は、なるべく類似商品を別々の場所に置くようにしましょう。
また、品番などの表記がわかりづらいなら、だれでも見やすいフォントに変更するといった方法がおすすめです。
倉庫内は、従業員が作業しやすい配置にして、整理整頓を欠かさないようにしましょう。
業務フローや人員配置を見直す
出荷作業の業務フローを見直して、ミスやトラブルが発生する原因を探るとりくみも大切です。
トラブルが発生してしまった場合は、個人個人の原因を探るだけでなく、現場全体における改善活動が、テレコ出荷を防ぐポイントとなります。
たとえば、業務の属人化が起きている場合、独自のやり方で作業を進めている可能性があります。
属人化が進んでしまうと、担当者以外が作業したときに、ピッキングミスによるテレコ出荷が起きやすくなるので、従業員全体で業務フローを共有することが必要です。
また、ひとりに作業量の比重がかかっている場合、管理側が人員を補填するなど、配置の見直しや調整も求められます。
ほかにも、従業員によって作業の質にバラつきがあるときは、再度教育や指導をして、現場全体のスキルを向上させるとりくみをおこなうようにしましょう。
マニュアルを標準化する
出荷に関わる作業マニュアルの標準化により、テレコ出荷を防ぎやすくなります。
すでにマニュアルが作成されている場合は、従業員が手順どおりに作業をおこなっているのかを再度確認してみましょう。
また、業務の属人化が起きている場合は、マニュアルを作成して、従業員に浸透するように働きかけます。
マニュアルは、一度作成したら終わりではなく、現場の課題を改善して、定期的にマニュアルに反映することで、テレコ出荷が起きる状況を予防できます。
倉庫管理システム(WMS)を導入する
倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management Systemの略)とは、倉庫内の在庫管理や帳簿作成、在庫の移動履歴などを管理できるサービスです。
倉庫管理システムを活用すると、倉庫管理に関わる業務をデータで見える化できるため、ヒューマンエラーによるテレコ出荷を防ぎやすくなるでしょう。
また、システムを使うと、社内の情報共有を効率化できるメリットもあります。
倉庫管理にかかる人件費などのコストを削減する効果もあるので、テレコ出荷以外の課題解消も期待できます。
テレコ出荷を防ぐための整備が重要
テレコ出荷の予防には、倉庫内の環境整備や業務フローなどの見直しが重要です。
マニュアルを標準化しながら、作業のミスが起きないような仕組みづくりを徹底しましょう。
業務の効率化を図る方法としては、倉庫管理システムを導入する方法以外にも、ビジネスチャット「Chatwork」を導入する方法もおすすめです。
「Chatwork」は、1対1のコミュニケーションはもちろん、グループチャットの作成により、社内の情報伝達を効率化することもできます。
また、チャット機能にくわえて、タスク管理機能も搭載されているため、重要な伝達事項は、タスク管理化し、見える化することで、情報共有の抜け漏れを防止ができるでしょう。
また、チャットでのやりとりは履歴に残るため、口頭や紙での伝達とは違い、正確に情報共有ができて、トラブルを防げるといったメリットもあります。
社内や社外の取引先との情報共有を効率化する方法として、「Chatwork」をぜひご活用ください。
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