メタバースとは?仮想空間が注目される理由や活用方法をわかりやすく解説
目次
近年よく聞くようになった「メタバース」は、ビジネスにも導入されるほど注目が集まっています。
メタバースは、今後、さらに導入が進むと考えられるため、メタバースについての知識を深めておきましょう。
メタバースの意味や注目を集める理由、ビジネスでの活用方法を解説します。
メタバースとは
「メタバース」とは、インターネット上に構成された3次元の仮想空間のことで、アバターと呼ばれる自分の分身を使って、仮想空間の中に入ることができます。
メタバースは、現実世界と似たような世界で、アバターを使ってファッションを楽しんだり、遊んだり、ほかのユーザーと交流できたりします。
メタバースは、「超越」を意味する「Meta」と、「世界」を意味する「Universe」がくみあわされた言葉で、1992年にアメリカで出版された『スノウ・クラッシュ』というSF小説から生まれました。
VRとの違い
「VR(バーチャルリアリティ)」とは、仮想空間を現実世界のように楽しむためのデバイスや技術を指すもので、仮想空間を意味するメタバースとは、異なります。
VRは、専用のゴーグルをつけて仮想空間上に没入しますが、メタバースは、必ずしもゴーグルなどの機器を必要としません。
メタバース | インターネット上に構成された3次元の仮想空間 |
---|---|
VR | 仮想空間を現実世界のように楽しむためのデバイスや技術 |
メタバースが注目を集める理由
3次元の仮想空間である「メタバース」は、なぜ注目を集めるようになったのでしょうか。
メタバースが広く知られるようになった理由として、以下の4つの理由が関係していると考えられます。
- オンラインコミュニケーションの拡大
- メタバースビジネスの拡大
- NFTとの親和性の高さ
- 新型コロナウイルス感染症の拡大
メタバースが注目を集める理由を詳しく見ていきましょう。
オンラインコミュニケーションの拡大
インターネット技術が発展し、オンラインでも音声や映像の乱れが少なくなってきた現代では、ビデオ通話などのオンラインでのコミュニケーションが拡大しています。
オンラインのコミュニケーションツールが多くの人に普及したことが後押しし、よりコミュニケーションをとりやすいオンラインツールとして、メタバースが注目を集めるようになりました。
メタバースビジネスの拡大
メタバースをビジネスとしてとりいれる企業が増えている状況も、メタバースが注目を集める理由のひとつです。
たとえば、メタバースで会議を開けるサービスを開発した企業は、ゲームに活用されているイメージが強かったメタバースの可能性を広げました。
ビジネスとしてメタバースに力をいれている企業はほかにもあり、今後のさらなる拡大が予測されます。
NFTとの親和性の高さ
NFT(Non-Fungible-Token)とは、「非代替性トークン」とも呼ばれる、複製できない唯一のデジタルデータであると証明できる技術です。
メタバースは、このNFTと親和性が高く、メタバース上でデジタルデータをNFT化して売買するなど、経済活動がしやすくなった状況も、メタバースが注目を集める理由としてあげられるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大で、オンラインでのコミュニケーションが普及しましたが、よりリアルに感じられる環境でオンラインコミュニケーションをとりたいと考える人もいるでしょう。
メタバースは、このように、オンラインコミュニケーションによりリアルさを求める人のニーズを満たせる可能性があるため、注目を集めています。
メタバースの導入事例
メタバースは、ゲームに活用されているイメージが強いですが、現在、ゲーム以外のさまざまな分野でも導入されています。
メタバースがどのように導入されているのか、業界別の事例を確認していきましょう。
ゲーム分野のメタバース
ゲーム分野のメタバースは、ゲームのなかでアバターとなったユーザーが多数集まって、コミュニケーションをとったり、バーチャルライブを楽しんだりできます。
また、あるゲームは、ゲーム世界でキャラクター(アバター)を操作して、ファッションや生活を楽しんだり、他者と遊んだりもできます。
ビジネス分野のメタバース
ビジネス分野では、メタバースを活用したバーチャルオフィスを活用する企業が増えています。
メタバース上にオフィスを構築し、アバターで出社して会議をしたり、コミュニケーションをとったりできます。
アバターに、「会議中」などの現状を示して、お互いの状況を可視化できる機能は、相手の仕事を邪魔せず、スムーズなコミュニケーションを実現できるでしょう。
また、メタバース上にバーチャルショップを開いて、商品を売ることも可能です。
エンタメ分野のメタバース
メタバースは、エンタメ分野でも活用されており、たとえば、オンラインイベントやコンサート、映画の上映会などがあげられます。
メタバース上でのイベントは、自分がそこにいるかのような臨場感があるため、一般的なオンラインイベントよりも楽しめるとされています。
教育分野のメタバース
教育分野でのメタバースの導入事例は、オンライン授業や生徒間の交流などがあげられます。
たとえば、アバターを使って授業をおこなったり、メタバース上にリアルな教室や廊下などをつくり、生徒に学校にいるような体験をさせたりしています。
メタバースの活用によって、オンライン授業でも生徒のモチベーションを向上できるとして、注目を集めています。
メタバースを活用するメリット
オンラインの体験を豊かにする効果が期待されているメタバースですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
メタバースの活用によって得られるメリットを紹介します。
オンラインコミュニケーションの促進
メタバースを活用すると、よりリアルに相手を感じられるようになるため、オンラインコミュニケーションの促進が期待できます。
メタバースは、一般的なビデオ通話ツールと違い、複数人が同時に会話しても、相手の会話を邪魔しないという特徴もあり、コミュニケーションの自由度が高いです。
また、メタバースとあわせてVRも活用すれば、相手の動作も見れるようになるため、非言語コミュニケーションも実現できます。
ビジネスチャンスの拡大
メタバースは、ビジネス、ゲーム、エンタメ、教育など、さまざまな分野で導入されるほど注目が集まっているため、ビジネスの拡大可能性を秘めていると考えられます。
たとえば、メタバース上でバーチャルショップを開けば、オンラインで多くの顧客獲得を期待できるでしょう。
また、メタバース上でイベントを開催すれば、リアルで実行したらかかるはずのコストを気にせずにセッティングでき、リソースを他に充てることもできます。
メタバースを活用してビジネスをおこなえば、世界中の人にアプローチできるため、ビジネスチャンスを拡大できるでしょう。
メタバースを活用する際の注意点・リスク
メタバースは、前述したメリットがある一方で、注意点やリスクもあるため、事前に把握しておく備えが大切です。
メタバースを活用する際の注意点とリスクを解説します。
情報流出のリスク
メタバースは、不特定多数の人と交流できるケースもあるため、個人情報などの重要な情報が流出しないように気をつけましょう。
知り合いとメタバースで交流する場合は、プライベートルームを使うなど、リスク回避に努める対応が大切です。
セキュリティのリスク
メタバースを利用する際は、自分のアカウントを作成する必要がありますが、アカウント管理を徹底しないと、他者に乗っとられる恐れがあるため注意が必要です。
アカウント情報を漏らさないように気をつけたり、二段階認証設定などをおこなって、セキュリティレベルをあげたりしましょう。
なりすましのリスク
メタバースの自分のアカウント情報が、悪意ある第三者にわたると、なりすまし被害にあうリスクもあります。
なりすましをされると、自分のアバターを勝手に操作されて、企業情報を流出させられたり、高額商品を購入されたりするかもしれません。
なりすましリスクの回避するためにも、メタバースのアカウント情報を使いまわさない、二段階認証を設定するなどの対策が重要です。
メタバースの活用方法
メタバースは、ビジネスシーンで具体的にどのように活用できるのでしょうか。
具体例を3つ紹介します。
- リモート会議
- バーチャルオフィス
- バーチャルイベント
自社で活用できるものがないか検討してみてください。
リモート会議
メタバース上にある会議室では、リモート会議を実施できます。
サービスによっては、自分の使っているPCやキーボードをメタバース内に持ち込めたり、メタバース内で同僚が座っている位置によって声の聞こえ方が変わったりして、実際に会議に参加している感覚を得られます。
オンラインでもオフィスにいるような感覚が得られると、在宅勤務やテレワークで感じるコミュニケーションのストレス解消にも役立つでしょう。
>テレワークのコミュニケーション課題の解決方法とは?に関する記事はこちら
バーチャルオフィス
オフィスをアバターで歩き、近くにいる人と会話をするなどして、オフィスにいるような感覚で仕事をおこなうことも、メタバースでは実現できます。
サービスによって、オフィスが2Dや3Dだったり、アバターのデザインに違いがあったりします。
業務室のほか、応接室や休憩室、会議室もメタバース上に設ければ、アバターの位置によって相手の状況も把握しやすいでしょう。
>バーチャルオフィスのメリット・デメリットに関する記事はこちら
バーチャルイベント
メタバース上では、ショップの出店や、新商品の発表会をおこなうバーチャルイベントも開催できます。
オンライン上で開催されるバーチャルイベントは、実際に足を運ぶことが難しい顧客も参加できるため、多くの人に利用してもらえたり、情報を届けられたりするでしょう。
メタバースの活用事例
すでにメタバースをビジネスに活用している企業もあります。
実際の企業事例を参考に、メタバース活用のイメージを広げていきましょう。
メタバース上で仮想店舗を営業する企業
ある百貨店では、メタバース上に仮想の街をつくり、仮想店舗を営業しています。
現実世界の店舗で販売されている商品が仮想店舗にも並んでおり、ユーザーはアバターで店舗内を散策し、気になった商品をオンラインストアで購入できます。
友達とチャットをしながらショッピングを楽しめるため、ユーザーはリアルな買い物気分を味わえるでしょう。[注1]
メタバース上で車の試乗会を実施した企業
ある自動車メーカーは、メタバース上で新車発表会と試乗会を開催しました。
自動車の試乗はVRゴーグルがなければできませんが、免許不要のため。ユーザーは気軽に試乗を楽しむことができます。
メタバース上では、自動車の見積りや購入をおこなえたり、自動車を自分好みにカスタマイズするシミュレーター機能を使えたりもします。[注2]
オンラインでのコミュニケーション活性化に「Chatwork」
メタバースとは、インターネット上に構成された3次元の仮想空間のことであり、ビジネスや教育、エンタメなど幅広い分野で活用されています。
働き方に多様化が見られる昨今、オンラインの体験を豊かにするメタバースは、より一層活用が進んでいく状況が予想されます。
メタバースは、コミュニケーションが促進されるメリットがある一方で、セキュリティリスクもあるため、活用する際は、事前に注意点やリスクを把握しておくようにしましょう。
オンラインのコミュニケーション円滑化には、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。
「Chatwork」は、チャット形式でメッセージを送れるコミュニケーションツールで、音声/ビデオ通話機能やタスク管理機能も搭載されているため、コミュニケーションをとれるだけでなく、業務効率化をはかることもできます。
また、「Chatwork」は、大企業や官公庁も導入できるほどのセキュリティ水準を満たしているため、安心してビジネスに活用できます。
オンラインでのコミュニケーションが活性化するビジネスチャット「Chatwork」の導入を、ぜひご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注1]出典:仮想都市プラットフォーム 「REV WORLDS」仮想伊勢丹新宿店が出店|三越伊勢丹オンラインストア
https://www.mistore.jp/shopping/feature/shops_f3/vrinfo_sp.html
[注2]出典:「日産サクラ」メタバースに現る|日産ストーリーズ
https://global.nissanstories.com/ja-JP/releases/nissan-goes-virtual-with-the-sakura
※本記事は、2023年6月時点の情報をもとに作成しています。