パラダイムとは?意味・語源や具体例、パラダイムシフトに対応するためのポイントなど

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パラダイムとは?意味・語源や具体例、パラダイムシフトに対応するためのポイントなど

目次

「パラダイム」や「パラダイムシフト」は、ビジネスシーンに限らず、科学や思想などのさまざまな分野で用いられている言葉です。

「パラダイム」とは、特定の時代や分野において規範となる物の見方やとらえ方を指します。

本記事では、「パラダイム」の意味やパラダイムシフトの具体例、パラダイムシフトに対応するためのポイントなどを解説します。

パラダイムとは?意味と語源

「パラダイム」は、規範や模範などの意味をもつ英語の「paradigm」に由来する言葉で、特定の時代・分野における規範となる物の見方やとらえ方を意味します。

科学・思想・産業・経済など、さまざまな分野で用いられている「パラダイム」の概念は、アメリカの科学史家であるトーマス・クーンが1962年に発刊した著書「科学革命の構造」のなかで提唱されました。

ビジネスシーンにおけるパラダイムの意味

ビジネスシーンにおけるパラダイムとは、業界や企業において従前の方法や考え方に基づいて運営される枠組みや仕組み・モデルなどを指します。

具体例としては、経営戦略やマーケティング手法、商品を開発する際のプロセスなどが挙げられるでしょう。

つまりビジネスシーンにおいて、パラダイムは企業が事業で成功を収めるために機能する定石や常識・ルールであり、場合によっては経営面での意思決定にも大きな影響を与える存在であるともいえます。

パラダイムシフト(パラダイム転換)とは?

「パラダイムシフト」または「パラダイム転換」とは、既存の枠組みや常識・規範となる考え方が根本的に変化する現象を指します。

パラダイムシフトは、社会の変化や科学技術の進歩・経済の動向などによって引き起こされ、人々の価値観が大きく変化したり、従前の手法が通用しなくなったりすることを意味しています。

ビジネスシーンにおけるパラダイムシフトの意味

ビジネスシーンにおけるパラダイムシフトとは、業界全体の価値観が劇的に変わったり、斬新なアイデアや革新的な考えによって企業の運営が変化したりする現象を指します。。

市場の変化や新技術の登場などにより引き起こされ、たとえばインターネットの登場・普及により従前の実店舗販売からオンライン店舗販売へと移行していった現象が挙げられます。

パラダイムシフトが起きると、消費者の価値観にも変化が生じ、思考や行動も従来とは異なったものとなるため、企業は消費者のニーズに応えていく必要があります。

パラダイムシフトが起こる理由

パラダイムシフトが起こる理由には、技術革新・市場の競争激化・社会における価値観の変化・法令等の改定などが挙げられます。

  • 新しい技術の登場により、従来の業務プロセスやビジネスモデルが一変する
  • 異業種からの市場参入などにより、競争が激化し従来の戦略が通用しなくなる
  • 消費者の価値観が変化し、新しいニーズにあった商品開発が必要となる
  • 法令の改定や政府の政策変更により、企業として必要な対応を迫られる

上記のような解決が難しい課題に対して、従前の常識や定石となる考え方を破る必要が生じたときに、パラダイムシフトが起こります。

とくにデジタル技術が急速に発展・普及している現代では、今後、さらにパラダイムシフトが進むと考えられています。

パラダイムシフトの具体例

パラダイムシフトは価値観や固定観念をくつがえす必要が生じた際に起こり、私たちの生活やビジネスのあらゆる側面に影響を与えます。

パラダイムシフトはどのようにして起こり、どのような影響をもたらしてきたのでしょうか。

2つのシーンにおけるパラダイムシフトの具体例を紹介します。

ビジネスシーンのパラダイムシフト

ビジネスシーンにおけるパラダイムシフトの具体例としては、シェアリングサービスの登場やリモートワーク・ワーケーションの広がりなどがあります。

家や自動車などの資産は、今まで所有することが一般的な考え方でしたが、現在は他者と共有するというシェアの考え方が広まっています。

シェアリングサービスとして、資産をもっている人が資産を利用したい人に貸し出し、収入を得るビジネスが成り立っており、利用者は必要なときだけ利用できるため、家や自動車を購入しなくてもニーズを満たすことができます。

また、デジタル技術の発展により、出社して働くという概念から、出社せずに働くというパラダイムシフトも起こりました。

リモートワークやワーケーションなどの多様な働き方が選択できるようになり、ワークライフバランスを保ちやすくなっています。

>多様な働き方とは?に関する記事はこちら

生活シーンのパラダイムシフト

パラダイムシフトは、日常生活の身近なところでも起きています。

たとえば、携帯電話はメールや電話などの連絡手段が主な用途でしたが、現在の携帯電話であるスマートフォンの機能を見ると、調べものや音楽機器・カメラ・ゲームなど、多用途として使えるため、携帯電話の概念に変化が生じています。

また、スマートフォンには、電車に乗る際に利用するICカード機能が搭載されるようになりました。

従来であれば、電車に乗る際には切符が必要でしたが、現在は切符ではなくICカードやスマートフォンをタッチすれば乗車可能なため、切符を買わなくてはならない、改札には切符を入れないと通れないという仕組みが変化してきています。

パラダイムシフト対応のポイント

パラダイムシフトに対応できないと、消費者の思考・行動と自社の方針やサービスが乖離し、顧客離れが発生し、企業の継続的な経営が難しくなる恐れがあります。

そのため、企業が持続的に利益を生み出し、成長し続けるためには、パラダイムシフトに柔軟に対応できる企業・人材になる必要があります。

本記事では、パラダイムシフトに対応するために押さえたいポイントを5つ紹介します。

  • 柔軟な考え方や固定観念に縛られない
  • 変化やトレンドに敏感になる
  • 物事を多角的にみる
  • 価値観が異なる人とコミュニケーションをとる
  • 変化を恐れずに挑戦する

柔軟な考え方や思考をもつことは、企業の成長だけでなく、従業員それぞれの成長においても重要なスタンスです。

ぜひ、5つのポイントを確認し、ビジネスシーンで活用してみてください。

柔軟な考え方や固定観念に縛られない

既存の方法や固定観念に縛られず、柔軟な考え方をもつことで、変化に対応しやすくなります。

ひとつの物事や考え方に固執してしまうと、少しの変化にもストレスや拒否反応を示してしまい、変化するべきタイミングを逃して時代に取り残される恐れがあります。

時代の変化に適応するためにも、積極的に変化を受け入れ、柔軟に対応していく姿勢を持ちましょう。

>【臨床心理士監修】アンコンシャスバイアスとは?に関する記事はこちら

変化やトレンドに敏感になる

変化やトレンドに敏感になると、革新的な変化が生じた際にもすぐに対応でき、いち早く消費者のニーズに応えられるようになるでしょう。

また、情報や社会の変化、トレンドに対して常にアンテナを張っておくと、些細な出来事にも気付きやすくなります。

現代は、SNSで情報発信をする企業や人も増えているため、さまざまな媒体に触れて情報収集する姿勢をもち、変化やトレンドに敏感になりましょう。

物事を多角的にみる

自分の視点だけで物事を見てしまうと、自分の立場や経験からの思考や行動に偏ってしまい、パラダイムシフトに対応できるような斬新なアイデアが出ないかもしれません。

一方で、消費者や取引先の立場や観点など、多角的な視点から物事を見るようにすると、消費者や取引先のニーズや思考の把握につながり、変化する社会に求められる商品やサービスを開発できるようになるでしょう。

価値観が異なる人とコミュニケーションをとる

価値観が異なる人とコミュニケーションをとると、自分が当たり前だと感じていたことが当たり前ではないと気付いたり、固定観念がくつがえったりして、自分の思考の幅を広げることができるでしょう。

先入観や思い込みなどの思考の偏りが解消されると、より柔軟に物事をとらえられるようになります。

変化を恐れずに挑戦する

パラダイムシフトに対応するためには、変化を嫌って慣れた状況に居続けるのではなく、変化を恐れずに挑戦する姿勢が求められます。

デジタル技術の発展や少子高齢化の進行など、時代は変化し続けているため、従来のやり方やサービスにこだわっていては、社会に適応できなくなってしまいます。

時代の変化にあわせて、画期的な商品やサービスをうみだそうとする挑戦的な心構えで事業や業務に取り組むと、パラダイムシフトを味方につけることもできるでしょう。

パラダイムの関連用語

「パラダイム」には、「パラダイムシフト」以外にも複数の関連用語があります。

  • ○○パラダイム
  • パラダイムトレーダー
  • パラダイムロスト

言葉の理解を深めるために、それぞれの関連用語の意味を確認していきましょう。

○○パラダイム

「○○パラダイム」は、「ビジネスパラダイム」や「経済パラダイム」など、ある特定の分野におけるパラダイムを表す際に使われる言葉です。

ビジネスや経済のパラダイムとしては、給与が年功序列ではなく実力に応じて支給されるようになったことや、地域経済からグローバル経済へ進行しているなどの変化が例としてあげられます。

パラダイムトレーダー

パラダイムトレーダーとは、FX(外国為替証拠金取引)で使用されている商材で、トレードをする際に使われる用語です。

FXの領域では、パラダイムトレーダーのような商材を活用して取引をする方法が、近年注目されています。

パラダイムロスト

パラダイムロストとは、ヒーザー・スチュアート、フリオ・アルボレダ-フローレス、 ノーマン・サルトリウスによる著書「パラダイム・ロスト(心のスティグマ克服、その理論と実践)」のタイトルとして使われている言葉で、精神障害者へのスティグマを解消するための活動の進め方が記されています。

なお、ここでいう「スティグマ」とは、差別や偏見の対象として使われる属性やそれに伴う負のイメージを意味し、「社会的スティグマ」とも呼ばれます。

コミュニケーション活性化に「Chatwork」

「パラダイム」とは、特定の時代・分野において規範となる物の見方やとらえ方を意味する言葉で、「パラダイムシフト」はパラダイムが革新的に変化することを意味する言葉です。

企業が社会に必要とされながら経営を続けていくには、パラダイムシフトへの柔軟な対応が求められるため、変化に敏感になったり、価値観が異なる人とコミュニケーションをとったりすることが大切です。

変化の共有やさまざまな人とのコミュニケーションに、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。

「Chatwork」は、チャット形式でコミュニケーションをとれるため、電話やメールよりも気軽に情報共有や報連相、雑談をおこなうことができます。

たとえば、変化に対する気付きをアウトプットするグループチャットを作成すれば、従業員同士で新たな気付きを共有したり、斬新なアイデアを交換したりして、コミュニケーションを活性化させることができるでしょう。

>Chatworkのグループチャットに関する記事はこちら

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