体系化の意味とは?具体例とメリット、体系化する方法と手順まで解説
目次
「体系化」とは、「バラバラな情報や知識を整理して、関連性や順序をもたせてまとめること」を意味する言葉です。
ビジネスシーンでは聞いたことがあるものの、言葉の意味や「体系化」がどのようなものか分からないという人も多いでしょう。
企業や組織において、業務プロセスや情報、知識などを体系化することで、業務効率化や生産性の向上をはかることが可能となります。
本記事では、体系化の意味や言葉の使い方、体系化の具体例、方法や手順などについて分かりやすく解説します。
体系化とは
体系化(たいけいか)とは、「バラバラなものごとをひとつにまとめ、分かりやすくする」という意味の言葉です。
「体系」には以下のような意味があります。
- 個別のものを一定の原理に基づいて組織した知識の全体
- 個別のものがお互いに関連し合いながらひとまとまりになって機能する組織体
「体系」という言葉に、「形や性質が別のものになる、変わる」という意味をもつ「化」をつけた言葉が「体系化」です。
ビジネスシーンでは、「バラバラな知識や情報をひとつにまとめること」という意味で使うことが多いでしょう。
体系化がなされていると、業務の標準化、作業効率の向上といったメリットがあるため、ビジネスシーンでは体系化が重視されています。
構造化との違い
構造化とは、ものごとを個別の要素に分解して分かりやすくするという意味です。
体系化も構造化も、ものごとを分かりやすくするという点では同じです。
体系化は、ひとつにまとめて分かりやすくするのに対し、構造化は細かく分けて分かりやすくするという点が異なります。
組織化との違い
組織化とは、まとまりのないものをひとつの組織にまとめることです。
体系化と意味が似ており、言い換え表現として使うことも可能です。
一般的に、まとめる対象が業務や知識、情報などである場合、体系化が使われる傾向にあります。
体系化を使った例文
「体系化」という言葉は、「体系化する」「体系化された」といった表現で使用することが多いです。
「体系化」を使った例文は、以下のとおりです。
- マーケットリサーチの結果を体系化して、効果的なビジネス戦略を立てよう。
- チームのメンバーがもっているノウハウを体系化して、マニュアルの作成をおこなう。
- 研修プログラムを体系化したところ、新入社員の基礎知識の向上につながりました。
企業における体系化の具体例
企業や組織において、体系化されるものの具体例として以下が挙げられます。
- マニュアル
- 企画書・提案書
- 業務プロセス
- 研修カリキュラム
それぞれの詳細を解説します。
マニュアル
業務の流れや作業手順、ルールや注意点などをひとつにまとめたものがマニュアルです。
マニュアルがあれば、社員教育を効率化できたり、品質のばらつきを解消できたりといったメリットがあります。
企画書・提案書
企画書や提案書は、プロジェクトに必要な予算やスケジュール、期待できる効果などがひとつにまとめられたものです。
企画や提案に関する情報がまとめられており、企業における体系化の具体例のひとつといえるでしょう。
業務プロセス
企業に存在する業務プロセスも、業務に関する内容を体系化したものです。
マニュアルと似ていますが、マニュアル化しにくい部分を体系化したのが業務プロセスです。
たとえば、エスカレーションフローやプロジェクト進行のフローなどが業務プロセスにあたります。
研修カリキュラム
研修カリキュラムは、社員の教育に必要な情報がまとめられたものです。
新入社員研修であれば新入社員向けに、管理者研修であれば管理者向けにといったかたちで、対象に合わせた研修内容がまとめられています。
研修資料も、研修に必要な情報がひとまとめにされたものであり、体系化の具体例のひとつといえるでしょう。
体系化するメリット
体系化をすることで、企業にとって以下のようなメリットがあります。
- 業務効率化につながる
- 業務品質の担保につながる
- ナレッジ共有に役立つ
- リスク管理を強化できる
それぞれを詳しく見ていきましょう。
業務効率化につながる
業務に関する情報が体系化されていると、必要な情報がすぐ手に入り、業務の効率化につながります。
分からないことがある度に誰かに聞く必要がなくなり、大幅な業務の効率化をはかれるでしょう。
業務品質の担保につながる
業務が体系化されていると、やるべきことが明確になっているため、担当者が違っていても業務の品質が担保されやすくなります。
マニュアルなどにまとめておけば、業務が標準化され、作業者によって品質が変わってしまう事態を防げます。
ナレッジ共有に役立つ
情報が個別にバラバラになっているよりも、ひとまとめになっている方が情報を伝達しやすいでしょう。
たとえば、マニュアルや企画書などにナレッジがまとめられていれば、そのファイルを添付するだけでナレッジが共有可能です。
一対多数への情報共有が可能であり、体系化はナレッジ共有に役立つでしょう。
リスク管理を強化できる
業務に必要な情報を体系化しておくと、簡単に全体像を把握できるため、どのポイントがトラブルの要因になるか予測しやすくなります。
トラブルが発生しそうなポイントが分かれば、事前に対策を講じることもできるので、リスク管理の強化につながるでしょう。
体系化する方法・手順
体系化をする方法や手順について解説します。
体系化は以下の4ステップでおこないます。
- ステップ(1):現状を分析する
- ステップ(2):目標を設定する
- ステップ(3):プロセスを設計する
- ステップ(4):定期的に見直す
各ステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ(1):現状を分析する
体系化を始めるにあたって、まずは現状を把握しましょう。
たとえば、特定の業務の体系化をはかりたい場合、現在どのように業務をおこなっているのか、ナレッジの共有はどうやっているのかといった現状を分析しましょう。
情報を集めて、不足している部分や改善点を洗い出すのが体系化の最初のステップです。
ステップ(2):目標を設定する
次に目標を設定します。
たとえば、「業務マニュアルを作成して、業務の標準化を目指す」「新入社員研修を体系化して、効率的な社員育成をはかる」など、目標を設定しましょう。
目標が設定されていると無駄な時間や労力をかけることなく、スムーズに体系化ができます。
ステップ(3):プロセスを設計する
プロセスの設計は、実際に体系化をおこなっていくステップです。
これまでに得られた情報を整理して、業務フローや手順を設計し直します。
具体的に業務の標準化をはかり、マニュアルなどの資料を作成して、体系化を目指しましょう。
ステップ(4):定期的に見直す
体系化は一度おこなったらそれで終わりというものではありません。
状況が変われば、業務フローも改めて変える必要があります。
不適切な業務フローのまま放置してしまうと、トラブルの原因になる可能性もあるため、体系化の状態を定期的に見直しましょう。
マニュアルや研修資料などは、事前にどのタイミングで見直しをおこなうか期間を設定しておくという方法もあります。
体系化する際の注意点
業務効率化やナレッジ共有など、体系化にはさまざまなメリットがありますが、押さえておきたい注意点もあります。
注意点や考慮すべきポイントを紹介します。
一定の労力がかかる
体系化をするとなると、情報収集や取捨選択、目標の設定など一定の労力がかかります。
初めて体系化に取り組む場合、ゼロベースから作業をおこなうため、とくに労力がかかるでしょう。
通常の業務に加えて体系化の作業が必要となるため、十分な時間や人員を確保して体系化に取り組むのがおすすめです。
アップデートが必要になる
体系化をすると、体系化した情報のアップデートが必要になります。
一度マニュアルを作成すると、それですべてが完結した気になってしまい、アップデートをおろそかにしてしまいがちです。
状況の変化に合わせて、体系化した内容はアップデートしていきましょう。
マニュアル化して、チャットツールやクラウドなどでファイル共有している場合には、随時新しいものに差し替えて、マニュアル変更がされたことを全体に周知しましょう。
体系化を進めるなら「Chatwork」
体系化とは、「バラバラなものごとをひとつにまとめ、分かりやすくする」という意味です。
業務の標準化、効率化などを目的として、ビジネスシーンでも使われることのある言葉です。
時間や労力はかかりますが、さまざまなメリットが期待できます。
体系化を推し進めるうえでは、従業員同士の情報共有が欠かせません。
ビジネスチャット「Chatwork」は、テキストや添付ファイルの送信などをすばやくおこなえるため、体系化の作業において効率的な情報共有が可能です。
ビジネスシーンにおける体系化に、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。
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