経緯報告書とは?書き方のポイントや社内・社外向けの文例を紹介

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経緯報告書とは?書き方のポイントや社内・社外向けの文例を紹介

目次

業務における報連相(報告・連絡・相談)の重要性は、多くの人が知っているでしょう。

特にミスやトラブルは、速やかな報告が必要です。

経緯報告書とは、業務上で起こった事象についての経緯を関係者に報告するために作成される文書のことです。

詳細に記載することで、問題の原因を特定したり、今後の対策に役立てたりすることが可能となります。

本記事では、経緯報告書とはなにか、書き方のポイント、例文などを分かりやすく解説します。

経緯報告書とは

経緯報告書とは、業務中に起こったミスやトラブルを関係者に報告するために作成する書類です。

経過報告書と呼ぶこともあります。

発生したミスやトラブルが解決していない段階で作成し、なにが起きたのか、どのような状況なのかを素早く上司や取引先に共有します。

経緯報告書には、社内向けと社外向けの2種類がありますが、基本的な構成や内容は同じです。

顛末書との違い

経緯報告書と似たものとして、「顛末書(てんまつしょ)」があります。

顛末書は、なにが起こったのか、どのような原因があって、どのような経過をたどり解決に至ったのかをまとめた書類です。

経緯報告書は、解決前に作成するのに対し、顛末書は問題が解決した後に作成するという点が違います。

始末書との違い

始末書(しまつしょ)とは、なにかしらのトラブルや不祥事を起こした従業員に作成させる書類のことです。

トラブルや不祥事を起こしたことに対する反省の気持ち、再発防止策などを書かせます。

経緯報告書がスピーディーな報告を目的としているのに対し、始末書は反省の気持ちを示すことを目的としているという点が異なります。

>始末書に関する記事はこちら

経緯報告書が必要になるケース

経緯報告書は、ミスやトラブルが発生したときに作成します。

具体的に、機材トラブルで納期の遅延が想定される事態を例に見てみましょう。

経緯報告書には、機材トラブルが発生した日時、場所、現在の状況などの経緯をまとめます。

状況をまとめて素早く上司に報告できれば、ミスやトラブルの拡大を防ぎ、早期解決が可能です。

経緯報告書を書く際の5つのポイント

経緯報告書を書くときに意識したいポイントとして、以下の5つがあげられます。

  • ポイント(1):時系列で記載する
  • ポイント(2):5W1Hを意識する
  • ポイント(3):簡潔に記載する
  • ポイント(4):原因と対策を明記する
  • ポイント(5):迅速に提出する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

ポイント(1):時系列で記載する

経緯報告書を書くときは時系列、つまり過去から現在に向かって起こったできごと順に記載します。

時系列順になっていないと、いつなにが起こったのか、いまどういう状況なのか分かりづらいためです。

報告を受けて初めてミスやトラブルを知る人にも分かりやすいように、時系列で記載しましょう。

ポイント(2):5W1Hを意識する

経緯報告書では、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(だれが)・What(なにを)・Why(なぜ)・How(どのように)」の5W1Hを意識して文章をまとめましょう。

5W1Hの要素を意識すると、情報の過不足がなく、簡潔で分かりやすい文章が書けるようになります。

場合によっては、箇条書きを使うと、レイアウト的にも読みやすくなります。

>5W2Hに関する記事はこちら

ポイント(3):簡潔に記載する

経緯報告書では、簡潔な文章を書くように意識しましょう。

不要な情報を含めてしまうと、なにが重要なのか分かりづらくなってしまいます。

一文が長くなりすぎないように意識するのもポイントです。

ポイント(4):原因と対策を明記する

経緯報告書には、ミスやトラブルの原因と対策を明記しておくことも重要です。

原因と対策が書かれていないと、顧客や取引先は「ちゃんと原因を特定できているのか」「今後どうするつもりなのか」など不信感を抱いてしまいます。

ポイント(5):迅速に提出する

経緯報告書は、いち早く経緯を報告することを目的としている書類です。

速やかなトラブル解決のために、迅速に提出しましょう。

特に社外向けの経緯報告書の場合、提出が遅れると顧客や取引先に不信感を与えかねません。

経緯報告書の基本的な構成

経緯報告書を作成するときの基本的な構成として、以下の項目を記載します。

  • 作成日
  • 作成者
  • 発生日
  • 発生場所
  • 内容
  • 経緯
  • 原因
  • 今後の見通し
  • 対策

それぞれの項目を見ていきましょう。

作成日

経緯報告書を作成した日付を記載します。

西暦と和暦のどちらを使うか決まりはありませんが、どちらかに統一しましょう。

社内で西暦と和暦のどちらを使うかルールがある場合は、それに従いましょう。

作成者

経緯報告書を作成した人の名前を書きます。

一般的に、社内向けでは所属している部署名と氏名を、社外向けの場合は会社名、部署名、氏名を記載します。

発生日

ミスやトラブルが発生した日付と時間を記載します。

秒単位に明確な記載が必要なケースもあります。

発生場所

ミスやトラブルが発生した場所を記入します。

たとえば「○○株式会社○○倉庫○○機」など、具体的に記載します。

内容

発生したミスやトラブルの内容を記載します。

いつ、どこで、なにが起こったのか、5W1Hを意識してまとめましょう。

経緯

ミスやトラブルが発生してから現在まで、どのような経緯をたどっているのか記載します。

分かりやすく時系列で記載しましょう。

起こったできごとは日時とあわせて書くと、内容を把握しやすくなります。

原因

なぜトラブルが起きたのか、原因を記載します。

ただし、経緯報告書を作成する段階では原因が分からないこともあるでしょう。

原因が分からない場合は「現在調査中」と記載します。

今後の見通し

経緯報告書では、今後の見通しも記載しておきましょう。

トラブルに対し、今後どのような対応をとるのかも記載します。

対策

同じことを繰り返さないための対策方法を記載します。

ただし、原因について調査中の場合など、対策について記載できないこともあります。

その場合も「調査中」「検討中」などと記載しましょう。

経緯報告書の書き方・文例

経緯報告書の具体的な書き方・文例を社内向けと社外向け、それぞれ紹介します。

社内向け

【作成日】
○○年○○月○○日

【作成者名】
○○部○○課 ○○○○

○○年○○月○○日、○○倉庫内で発生した、機材トラブルによる商品の発送遅延について、以下のとおりご報告いたします。

【内容】
○○年○○月○○日○○時○○分、○○倉庫内で○○機が故障し、○○月○○日に発送予定だった商品の発送作業に遅延が発生

【現状】
・○○年○○月○○日○○時○○分、故障した○○機の稼働を再開
・○○年○○月○○日○○時○○分、発送作業に遅延が生じている旨を株式会社○○に報告し、納品を○○年○○月○○日から○○年○○月○○日に変更

【経過】
・○○年○○月○○日○○時○○分、○○機が故障
・○○年○○月○○日○○時○○分、業者による修理が完了
・○○年○○月○○日○○時○○分、稼働再開

【原因】
○○機に梱包資材が詰まって一時停止したものの、詰まった資材に気が付かないまま再稼働してしまったことが原因

【対策】
資材詰まりによって○○機が停止する可能性がある旨、全作業員に周知徹底。資材詰まりが起きやすい箇所をリスト化して掲示し、作業員によるチェックを徹底する。

社外向け

○○株式会社御中
○○年○○月○○日
株式会社○○ ○○部○○課 ○○○○

経緯報告書

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、弊社の不手際により貴社に多大なるご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。
今回の件に関しまして、以下のとおり経緯をご報告申し上げます。


【内容】
○○年○○月○○日○○時○○分、○○倉庫内で○○機が故障し、○○月○○日に発送予定だった商品の発送作業に遅延が発生いたしました。

【現状】
・○○年○○月○○日○○時○○分、故障した○○機の稼働を再開
・○○年○○月○○日○○時○○分、発送作業に遅延が生じている旨を貴社ご担当○○様に報告し、納品を○○年○○月○○日から○○年○○月○○日に変更していただきました。

【経過】
・○○年○○月○○日○○時○○分、○○機が故障
・○○年○○月○○日○○時○○分、業者による修理が完了
・○○年○○月○○日○○時○○分、稼働再開

【原因】
○○機に梱包資材が詰まって一時停止したものの、詰まった資材に気が付かないまま再稼働してしまったことが原因

【対策】
資材詰まりによって○○機が停止する可能性がある旨、全作業員に周知徹底。資材詰まりが起きやすい箇所をリスト化して掲示し、作業員によるチェックを徹底する。


本件不手際によりご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございません。
今後このようなことが起こらぬよう、社員一同、全力を上げ最善を尽くしてまいります。
何卒ご容赦いただき、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上

経緯報告書をメールで送る際の注意点

経緯報告書をメールで送る場合もあるでしょう。

経緯報告書は、トラブルを扱う書類のため、情報漏洩には十分注意する必要があります。

そもそもメールで経緯報告書を送ってもいいのか、上司や取引先に確認しておきましょう。

メールで送る際には、パスワード付きの添付ファイルで送信するなど、情報漏洩のリスクを減らすことが大切です。

場合によっては、チャットツールで関係者のみのルームで経緯報告書を共有するといった方法もあります。

迅速な報告なら「Chatwork」

経緯報告書とは、業務のなかで起こったミスやトラブルを関係者に報告するために作成する書類です。

簡潔で分かりやすい文章で作成し、スピーディーに提出することが大切です。

チャットツールを使うと、経緯報告書の共有や、作成時に必要な情報収集にも役立つでしょう。

ビジネスチャット「Chatwork」は、同じルーム内の関係者と素早い情報共有が可能です。

経緯報告書などのドキュメントや関連ファイルなどのデータも、簡単に共有することができます。

>Chatworkのファイル共有機能に関する記事はこちら

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