情報の一元化とは?企業に必要な背景、メリットとデメリットを解説
目次
日々増えていく情報が散在し、必要としているデータを探すのに苦労する場面もあるのではないでしょうか。
情報の一元化とは、さまざまな情報を一つにまとめて管理することを指します
ビジネスにおいて、情報を一元化できているか否かは、作業効率を大きく左右します。
散在するデータを集約し、みなが簡単にアクセスできれば、業務効率や生産性の向上が可能です。
本記事では、情報を一元化するメリットとデメリット、一元化する方法を詳しく解説します。
情報の一元化とは?
情報の一元化とは、さまざまな情報を一つのシステムやプラットフォームに集約し、情報の管理やアクセス、共有を効率的におこなえるようにすることです。
「一元化」には、「複数に分かれている問題などを一つにまとめる」という意味があります。
たとえば、同じ請求書でも、紙媒体と電子とで管理方法が分かれている場合に、電子化してまとめる対応などは「情報の一元化」といえます。
専用のシステムやデータベース、サービスなどを使ってデータを集約すると、情報の一元化が実現できます。
企業で情報の一元化が求められる背景
企業において情報の一元化が求められる背景として、業務の効率化と迅速な意思決定の必要性が挙げられます。
情報が散在している状態だと、あとから検索したり探し出したりする際に時間や手間がかかってしまいます。
情報を一元化すると、正確かつ最新の情報に簡単にアクセスでき、部門間の協力も強化されるでしょう。
さらに、データの一貫性が確保されると、データの分析や戦略策定を迅速に実施できるようになり、競争力の向上にも寄与します。
企業が情報の一元化をするメリット
企業が情報を一元化するメリットとして、業務効率を高められる点が挙げられます。
ほかにも、以下のようなメリットや効果があるといわれています。
- 作業効率を向上できる
- コストの削減につながる
- コミュニケーションを円滑化できる
企業で情報を一元化する際には、関係者にメリットを伝えて理解を得るようにするとスムーズでしょう。
3つのメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
作業効率を向上できる
情報が一元化されると、必要なデータや情報に迅速にアクセスできるようになり、作業効率がアップします。
たとえば、複数の部門がそれぞれ異なる顧客データベースを使用している場合、顧客情報の更新や共有が煩雑になってしまいます。
全社で統一されたCRMシステムを導入し、顧客情報を一元化した場合、さまざまな部署の担当者が同じ情報にアクセスできるようになります。
これにより、顧客対応がスムーズにおこなわれるようになり、業務効率が大幅に向上します。
コストの削減につながる
情報の一元化のためにクラウドツールなどを導入すれば、今まで必要だった人員を削減できる可能性もあります。
たとえば、従来はアナログで進めていた作業をデジタル化できると、作業にかかる工数の削減が可能です。
ほかにも、業務で使用するシステムやツールを一つに統合できれば、複数のサービスにかかっていた費用を削減できます。
年間あたりにかかる人件費のコストを減らせるようになるだけでなく、従業員の負担も減り、残業の削減にもつながるでしょう。
コミュニケーションを円滑化できる
情報を一元化できると、社内のコミュニケーションを円滑に進められます。
たとえば、ビジネスチャットツールのグループチャット機能を使えば、業務のやりとりを一つに集約できるため、進行中のプロジェクトにおける進捗状況の把握が可能です。
自分がプロジェクトの中心メンバーでない場合でも、ほかのメンバーの動きも知れるため、お互いに仕事の状況を確認できます。
社内や部署全体におけるコミュニケーションの流れを円滑化できるので、情報の抜け漏れが減り、確認不足によるミスを減らせるメリットがあるでしょう。
企業が情報の一元化をするデメリット・懸念点
情報の一元化をおこなう際は、企業と従業員の双方に負荷がかかる面もあります。
企業が情報の一元化をするデメリットや、懸念点を事前にみておきましょう。
システム導入に費用がかかる
情報を一元化するには、デジタルツールやシステムの導入が欠かせないため費用がかかります。
社内全体での導入を進めるなど、サービスの内容や規模によっては多くの費用がかかるでしょう。
自社の経営資源を見直し、優先的に一元化を進めるべきポイントを再度検討しましょう。
初期費用にどのくらいかかるのかを見積り、中長期的な費用対効果を考慮してから導入を進めてみてください。
従業員の意識を変える必要がある
新しいシステムやツールを導入する際は、従業員に新しいことを学んでもらうために、意識を変えるような働きかけが必要です。
導入する内容や現状の状況によっては「新しいツールを導入すると仕事の進め方が複雑になり工数が増える」など、従業員から不満が出る可能性もあります。
なぜ導入が必要なのかを明確に伝えながら、運用ルールやマニュアルを作成するなど、丁寧な説明や研修を欠かさないようにしましょう。
システムやツールの使い方に慣れるのに時間がかかる懸念もありますが、従業員が適応できる体制を整えられると、以前よりも現場の作業効率や生産性を高められるはずです。
一元化すべき4つの経営資源
企業が持つ経営資源のうち、一元化が望ましいものとして以下4つが挙げられます。
- 経営資源(1):ヒト
- 経営資源(2):モノ
- 経営資源(3):カネ
- 経営資源(4):情報
それぞれの経営資源の特徴と具体例、一元化するメリットを詳しく解説します。
経営資源(1):ヒト
経営資源である「ヒト」とは、事業活動に関わる人材を指します。
企業が事業活動を続けるには、従業員が業務に専念できる体制の整備が重要です。
たとえば、従業員の勤怠や給与管理ができるシステムの導入を始め、適切に評価ができる制度を整える必要があります。
人事部門を中心に他部署との情報を一元化できる仕組みを整えられると、人材育成や管理を円滑化できるでしょう。
経営資源(2):モノ
企業の経営資源における「モノ」として、事業活動に関わる社内設備、自社の取り扱う商品やサービスが挙げられます。
たとえば、商品の情報を一元化できる販売管理や在庫管理のシステムを使えば、在庫の過不足なく商品を管理することが可能です。
システムの活用により、仕入れや販売、管理に関わる情報をリアルタイムでデータ化できて、余剰在庫を抱えるといった無駄を減らせます。
経営資源(3):カネ
経営資源の「カネ」について、経理に関わる情報をデータ化する形で一元化できます。
たとえば、経理に関わる入力はクラウドツールを使って処理すると、事業用の口座やほかのツールとの連携が可能です。
ほかにも、請求書や領収書などを発行できるサービスが付随している内容もあり、経理に関わる業務をクラウド上で一元化できます。
サービスによっては、税務関係の法改正に対応しているものも多く、アナログで処理するよりも確実性をもって経理処理を進められます。
経営資源(4):情報
企業の事業活動におけるノウハウやナレッジ・顧客に関わるデータなどの「情報」も、一元化できる経営資源です。
たとえば、顧客データには、営業担当者が聞き取った顧客の悩みなどが挙げられます。
情報の一元化ができている場合、営業担当者からマーケティング担当者などに向けて、円滑に情報共有を進められるでしょう。
顧客からみても、別の担当者に変わったときに情報が引き継がれていると「一人の顧客として、大切に扱ってもらえている」という安心感を得られます。
一元化ができると、部署間で漏れなく情報共有ができるため、今後の施策を打ちやすくなるなど、事業活動の流れをスムーズに進められます。
情報の一元化に向いている内容・向いていない内容
前述のとおり、4つの経営資源における情報の一元化は重要な取り組みですが、企業内で日々取り扱う情報のなかには、データの特性によって一元化に向いている内容と向いていない内容があります。
具体的にはどの情報を一元化すべきかを見極めるために、それぞれの特徴について見ていきましょう。
情報の一元化が向いている内容
従業員が業務で頻繁に使うような内容は、情報の一元化に向いています。
たとえば、業務を進める際に使う資料や書類など、データ化できるものなどが挙げられます。
ほかにも、社内の事業活動に関わるノウハウ、スケジュールやタスクなども、情報として一元化することが可能です。
一元管理をおこなう際は、公開範囲や閲覧の権限を設けるなど、情報漏洩を防ぐためのルールを整えておきましょう。
一元化しやすい情報の一例をまとめると、以下のとおりです。
- 顧客情報、売上情報、商談情報
- 社内規程、業務マニュアル
- スケジュールやタスク
- プロジェクトの進捗状況
- 請求書、見積書、経費など
- 在庫情報 など
情報の一元化に向いていない内容
顧客や従業員のプライバシーに関わる内容は、情報の一元化に向いていないといえます。
たとえば、すべての従業員が顧客の個人情報を閲覧できる状況だと、取り扱い方によっては情報漏洩につながる危険性があります。
顧客情報を取り扱う場合は、各立場によって閲覧できる範囲を決めておくなど、プライバシーや情報を守るための配慮が必要です。
企業の信用を失わないためにも、どの範囲まで一元管理をおこなうのか、事前によく検討して情報の一元化を進めてみてください。
一元化しにくい情報を以下にまとめました。
- 従業員や取引相手などの個人情報
- 重要な経営判断に関する機密情報
- 人事情報 など
情報の一元化を進める際のポイント
実際に、企業や組織で情報の一元化を進める際のやり方とポイントは以下のとおりです。
- 目的を決めて情報の整理を始める
- 情報を目で見て分かるようにする
- ツール・システムを活用する
それぞれのポイントを以下に詳しく解説していきますので、実際に推進する際の参考にしてみてください。
目的を決めて情報の整理を始める
情報の一元化を進めるうえで、まずは目的を決めてから情報の整理を始めます。
社内や部署ごとに、一元化ができそうな情報はあるかどうか検討します。
各部署の責任者にヒアリングをおこなうなど、情報の一元化をおこなうチームを組んでみる方法もおすすめです。
自社の経営資源を見直し、優先順位の高そうなものから実施しましょう。
情報を目で見て分かるようにする
システムやツールの導入が難しい場合は、一元化した情報を目で見て分かる形で記載することが大切です。
たとえば、すべての従業員が閲覧できる情報は、テンプレートに日付や担当者、更新日などの内容を誰が見ても分かるように記載します。
更新の日時やバックアップが残るサービスを活用すると、何かミスやトラブルがあった際に内容を復元できます。
なるべく従業員が使いやすい仕様のサービスを選ぶなど、情報を一目で見て把握できる内容を選んでみてください。
ツール・システムを活用する
新しいシステムやツールを導入すると、効率良く情報の一元化を進められます。
従業員の人数や費用を検討しながら、どのくらいの費用対効果が得られそうか検討しましょう。
最初はお試しで無料サービスから試してみるなど、小規模の範囲から試す方法もあります。
どのような使い方ができるのかを把握できれば、ほかの従業員にとっても有効そうかを判別できるはずです。
情報の一元化に「Chatwork」の活用もおすすめ
自社の経営資源を見直し、情報の一元化を進めると、社内全体の作業効率や生産性を高められます。
初期費用がかかる懸念点はありますが、中長期的な費用対効果を見込める場合は、コストなどの削減に期待できるでしょう。
経営資源である「ヒト・モノ・カネ」などの観点から、一元管理で成果を高められそうな内容はないか検討してみてください。
情報の一元化を進める方法として、社内全体や取引先との業務連絡をビジネスチャットと併用して使う方法もあります。
たとえば、ビジネスチャット「Chatwork」であれば、業務のやりとりをチャット形式の画面で共有できるため、取引先やプロジェクトごとに情報の流れを追えます。
チャットの画面にやりとりが集約されるため、一日に多くのやりとりが発生した場合でも、あとからスクロールで流れを追いやすいところが利点です。
また、過去にメッセージをさかのぼりたい場合は、検索画面からキーワードを打ち込むことで、チャット別やユーザー別に内容を検索できます。
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