エレベーターピッチとは?作り方や具体例、メリットを解説

目次
アイデアや事業などを相手に伝えるプレゼン能力は、ビジネスにおいて重要なスキルです。
投資家への提案や、多くの人と短時間で交流するような場面では、短い時間の中で相手の印象に残るようなプレゼンをおこなう必要があります。
エレベーターに乗っている間のような、短時間でおこなうプレゼンを「エレベーターピッチ」といいます。
本記事では、短時間でプレゼンをおこなうエレベーターピッチについて、メリットや成功させるポイントなどを交えながら解説します。
エレベーターピッチとは
エレベーターピッチとは、15〜30秒の短時間で、自分のアイデアや自社のビジネス、製品、サービス、プロジェクトなどを簡潔に説明するプレゼンのことです。
エレベーターに乗っている間のような短時間を意味することから、「エレベーターピッチ」と呼ばれます。
エレベーターピッチでは、短い時間でしっかりとアピールできるように、伝える内容や順番を厳選し、事前に入念に準備しておく必要があります。
効果的なエレベーターピッチをおこなえば、相手の印象に強く残るため、次のステップへと進みやすくなります。
エレベーターピッチのメリット
エレベーターピッチは、短時間で効果的なプレゼンをおこなうことを目的としており、実施には以下のようなメリットがあるとされています。
- ビジネスチャンスの拡大につながる
- 事業内容を簡潔にわかりやすく説明できる
- 考えや目的を明確にできる
- 認識やコミュニケーションのズレを防げる
エレベーターピッチのメリットを踏まえ、日々の営業やマーケティング活動に活かしましょう。
ビジネスチャンスの拡大につながる
短時間で自社の事業などをアピールできるようになると、ビジネスチャンスを広げる機会が増えます。
たとえば、偶然出会った投資家やビジネスパートナーに対し、数分で自社の価値やビジネスモデルを理解してもらうことで、思わぬチャンスを掴める可能性もあるでしょう。
エレベーターピッチを効果的に使うことができれば、これまで以上にビジネスチャンスの拡大が狙えます。
事業内容を簡潔にわかりやすく説明できる
エレベーターピッチでは、短時間で事業内容をアピールするため、伝えるべきことを簡潔にわかりやすく説明する必要があります。
不必要に時間を使って、だらだら話を続けられると、相手はうまく話を理解できません。
エレベーターピッチを活用すれば、相手にわかりやすい説明を簡潔にできるようになります。
とくに、初対面の人や専門的な知識を持たない人に対しても、完結でわかりやすい説明ができるようになれば、より幅広い層に対してアプローチできるようになるでしょう。
考えや目的を明確にできる
エレベーターピッチを作成するプロセスで、考えや目的を明確にできる点もメリットです。
エレベーターピッチの作成は「自分または自社が、どのような理由や目的で、どのような事業をやっているのか」など、考えや目的を改めて確認する機会になります。
これまでは意識していなかった部分も含めてさらに言語化できるようになると、事業のビジョンや目標がより明確になるでしょう。
認識やコミュニケーションのズレを防げる
エレベーターピッチでは、簡潔で伝わりやすい表現を選んでプレゼンするため、認識のズレやコミュニケーションミスを防ぐ効果も期待できます。
話が長くなってしまい、結局なにが言いたいのか分からなかったという場面を経験したことがある方は多いと思います。
無駄のない簡潔な表現をおこなえるようになると、伝えたいことがしっかりと伝わるため、相手との信頼関係の構築にもつながります。
エレベーターピッチの作り方・準備
エレベーターピッチのメリットを活かすには、エレベーターピッチの作り方や準備段階で必要な要素を知っておく必要があります。
具体的には、以下のような作り方・準備をおこないます。
- ステップ(1):目的を明確にする
- ステップ(2):構成要素を考える
- ステップ(3):フォーマットを埋めていく
各ステップについて詳しく確認していきましょう。
ステップ(1):目的を明確にする
エレベーターピッチを作る際は、はじめに目的を明確にします。
たとえば、以下のような目的や目標を設定するとよいでしょう。
- 自社の事業について知って欲しい
- 自社の新商品を売りたい
- 新規事業への投資をして欲しい
次のステップで、目的の達成のために必要な構成や要素を検討していきます。
ステップ(2):構成要素を考える
次に、構成要素を検討します。
以下のような問いへの回答を通して、エレベーターピッチの構成要素を考えてみましょう。
- ターゲットは誰か
- ターゲットの困りごとやニーズはなにか
- 自社が提供する商品やサービスはなにか
- 商品やサービスのメリットはなにか
- ほかとは違う優位性はあるか
- 自社の実績はあるか
この時点では、簡潔にまとめる必要はありません。
まずは準備として、長さを意識せずに各構成要素を明確にしていきましょう。
ステップ(3):フォーマットを埋めていく
構成要素が固まったら、実際にエレベーターピッチのフォーマットを作っていきます。
構成要素の内容を短くして、30秒以内に収まるようにします。
実際に時間を計りながら、声に出して読んでみましょう。
時間内に収まるか、また、わかりにくい部分はないかなどをチェックしていきます。
エレベーターピッチの進め方
エレベーターピッチを具体的にどのように進めていけばいいのか分からない人もいるでしょう。
エレベーターピッチは以下の5ステップで進めていきます。
- ステップ(1):自己紹介
- ステップ(2):問題提起
- ステップ(3):解決策の提示
- ステップ(4):顧客価値の説明
- ステップ(5):クロージング
各ステップを詳しく解説します。
ステップ(1):自己紹介
エレベーターピッチでは、まず自己紹介をします。
自分が何者なのかを知ってもらい、相手の警戒心を解くためです。
会社名や所属している部署(営業部など)、役職、名前などを伝えましょう。
ステップ(2):問題提起
続いて相手に興味を持ってもらえるように問題提起をします。
たとえば、「出退勤をタイムカードで管理していて、勤怠管理が面倒でお困りではありませんか」のような問題提起をします。
問題提起は、相手が抱えている問題やニーズにあわせておこなうと効果的です。
ステップ(3):解決策の提示
相手の興味関心を引いたところで、問題に対する解決策を提示しましょう。
たとえば「その悩みは、弊社のタイムカードシステムで解決できます。社員がカードリーダーにカードをタッチするだけで、出退勤の時間を管理でき、集計ミスを防いで業務を効率化できます」といったかたちで提示します。
自社商品をアピールするよりも先に、相手の問題の解決やニーズに応えられるという点を伝えるようにしましょう。
ステップ(4):顧客価値の説明
顧客価値の説明では、自社の製品やサービスが他の競合他社よりもすぐれている点、課題解決に適している点を説明します。
さらに、商品やサービスを使うと得られるメリットもあわせて伝えるようにしましょう。
ステップ(5):クロージング
クロージングとは、商談や契約の最終段階のことです。
クロージングでは、一方的に話すのではなく、相手に対してなにか質問や不安点はないか確認して、お互いにコミュニケーションをとる時間とします。
また、「今回紹介した商品の導入事例などをお伝えするために、改めてお時間をいただくことは可能でしょうか」などと伝えるのもよいでしょう。
エレベーターピッチの具体例
エレベーターピッチの進め方をより理解できるように、具体例を紹介します。
エレベーターピッチのイメージに具体性を持たせ、自分でも取り組めるようにしましょう。
アプリケーションの具体例
アイデア開発をサポートするアプリケーションのエレベータピッチ具体例です。
ターゲットは誰か | 企画担当者 |
---|---|
ターゲットの困りごとやニーズはなにか | アイデア出しに困っている・相談できる相手が欲しい |
自社が提供する商品やサービスはなにか | アイデア探しをサポートするツール |
商品やサービスのメリットは | 特定のアイデアから、ほかのアイデアを派生させて増やせる |
競合他社とは比較した優位性はあるか | 新しいアイデアが自動的に増える機能がある |
実績はあるか | 業界30年以上の実績がある |
マーケティング支援ツールの具体例
マーケティング支援ツールのエレベータピッチ具体例です。
ターゲットは誰か | 新規事業の担当者 |
---|---|
ターゲットの困りごとやニーズはなにか | 新規事業の担当経験がなく、なにをすればいいかわからない |
自社が提供する商品やサービスはなにか | 新規事業のコンサルティング |
商品やサービスのメリットは | 戦略の提案から実施、検証までのトータルサポート |
ほかとは違う優位性はあるか | 独自のデータ分析に基づいた課題解決方法の提供 |
実績はあるか | 全国300社以上のサポート実績 |
エレベーターピッチを成功させる方法・ポイント
エレベーターピッチを成功に導くポイントを4つ紹介します。
- 声に出して練習する
- 話を脱線させない
- 会話を意識する
- GTCメモを活用する
エレベータピッチ実践する際の参考としてみてください。
声に出して練習する
作成したエレベーターピッチは、実際に声に出して練習しましょう。
練習する際は、抑揚や滑舌、表情や視線なども意識することが重要です。
また、実際に15〜30秒に収まるかどうかも確認し、時間感覚を身につけておくことで、効果的なエレベーターピッチが実施できるでしょう。
話を脱線させない
エレベーターピッチは15〜30秒と短い時間で実施するものです。
短い時間のなかで話が脱線してしまうと、伝えたいことを伝えきれなくなってしまいます。
なんのためにエレベーターピッチをするのか意識して、伝えるべきことを効果的に伝えるようにしましょう。
会話を意識する
エレベーターピッチで、一方的に早口で伝えたいことだけを伝える話し方をすると、あまりいい印象はもたれません。
相手との自然な会話を意識すれば、話すスピードや話し方も会話をするのに適したものとなり、情報が相手に伝わりやすくなります。
GTCメモを活用する
GTCメモとは、エレベーターピッチをするときに必要なメモのことです。
下記の内容をメモにまとめておくことで、効果的なエレベーターピッチが実践でき、成功に近づきます。
GTC | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
Goal | エレベーターピッチをおこなう目的 | タスク管理ツールを導入してもらう |
Target | エレベーターピッチでターゲットとなる相手のニーズ | 簡単にタスク管理がしたい 複数のツールは使いたくない |
Connect | 目的と相手のニーズを結びつけるもの | ワンタッチでタスク登録・完了ができるツール タスク管理に加えてチャット機能も搭載されているツール |
エレベーターピッチの改善にも「Chatwork」
エレベーターピッチとは、15〜30秒の短時間で自分のアイデアやビジネス、プロジェクトなどを簡潔に説明するプレゼンのことです。
エレベーターピッチはビジネスチャンスの拡大や、事業内容のより分かりやすい説明などに役立ちます。
効果的なエレベーターピッチをおこなうためには、練習が欠かせません。
ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式で簡単にスピーディなやりとりができるコミュニケーションツールで、画像や動画、資料などの送受信ができるファイル管理機能も搭載されているため、エレベーターピッチの準備や振り返りにも便利に活用できます。
>Chatworkファイル管理機能の使い方に関する記事はこちら
たとえば、エレベータピッチの練習動画を送ってフィードバックをもらったり、GTCメモの共有を実施したりも簡単に実現できます。
チャット機能以外にもさまざまな便利機能があるビジネスチャット「Chatwork」を、ぜひエレベーターピッチの改善にもお役立てください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。