フォローアップとは?ビジネスでの意味や人材育成の具体的な方法を解説

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業務効率化
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フォローアップとは?ビジネスでの意味や人材育成の具体的な方法を解説

目次

フォローアップは、従業員に対して、学んだことを身につけさせるために補助をおこなう取り組みのことです。

人材育成の場でもフォローアップは重要とされており、従業員の知識定着や成長のための訓練実施という意味があります。

ここでは、フォローアップの基本的な意味にくわえてフォローやフィードバックとの違い、具体的な方法と適切な時期、実施のポイントについて解説します。

内容をよく理解し、適切に取り入れるようにしましょう。

フォローアップの意味とは

フォローアップとは、学んだことを身につけさせるために理解の定着度を確認・強化し、必要な補助をおこなう取り組みのことです。

フォローアップは、人材育成やマーケティングなどのビジネスシーンでも実施されています。

人材育成では、新人研修・教育訓練などを受けた従業員に対する知識の定着度の確認、必要な補助をおこなうという意味があり、フォローアップの結果を受けてさらなる成長をうながすための訓練を実施します。

マーケティングにおけるフォローアップとは、商談相手や取引先などに連絡をとって、自社製品やサービスの成約をうながしたり、新たな商品を紹介したり、サービスの利用状況を確認して顧客満足度を向上させたりすることを意味します。

この記事では、主に人材育成におけるフォローアップについて解説していきます。

 

フォローとの違い

フォローとは、相手ができない業務やタスクを代わりにおこなうことをいいます。

たとえば、同僚の手が回らなくて顧客へのDM送付ができていないときに、DM送付作業を代わりにおこなうことを「フォローする」といいます。

一方のフォローアップは、相手が知識や業務を身につけるまで面倒をみることを指し、その場限りの手助けではなく、人材育成につながる取り組みであるという点が両者の違いといえるでしょう。

 

フィードバックとの違い

フィードバックとは、相手の言動に対して評価や指摘をすることです。

たとえば、プレゼンテーション資料を作成した部下に対して、「説得力はあるけれどAのデータを追加したほうがわかりやすい」などとアドバイスすることがフィードバックです。

相手の言動がよりよくなることを目的におこなわれるフィードバックに対して、相手が独り立ちできるまで寄り添いサポートするのがフォローアップであり、関わる期間や目的に違いがあります。

>フィードバックに関する記事はこちら

フォローアップが重要視される理由

人材育成のフォローアップが重要視される理由として、従業員のスキルアップや定着率向上につながることが挙げられます。

現在は少子化の影響で労働力人口が減少しており、新たな人材を採用するのが難しくなっています。

フォローアップを適切におこなえれば、従業員のスキルアップをうながし、ひとりあたりの生産性向上も期待できるため、人材不足による売上低下などのリスクを回避できるでしょう。

また、フォローアップをしてくれる上司や先輩とのコミュニケーションが増えると、仕事に関する不安や悩みが解消しやすくなって居心地のよさや安心感が高まり、自社への定着率が上がる可能性があります。

特に、新入社員は慣れない環境や業務にとまどうことが多いため、フォローアップの実施によってモチベーションが向上したり、前向きにスキル習得に励めたりする効果が期待できます。

従業員の定着率が上がれば、離職による採用コストを削減できるほか、採用難の市況で人材を探す手間も省けるでしょう。

離職率が高くなる理由

フォローアップは、人材の定着率を上げ、離職率を下げるために有効な取り組みです。

フォローアップが適切に実施されない場合、仕事に対する不安や業務とのミスマッチを感じた従業員が離職し、離職率が上がってしまうおそれがあります。

以下、離職率が高まる8つの要因について詳しく解説します。

 

理由(1):賃金

自分の働きに応じた賃金を得られない場合、離職率が高まる傾向があります。

仕事内容と比較して給与が低い、経営状態が良好なのに賞与が支払われない、インセンティブが成果に見合っていないなどの状況は、より適正な賃金を受け取れる企業への転職を招く原因となるでしょう。

また、スキルアップのための書籍購入費用や資格取得費用の補助がないなど、福利厚生面での金銭的サポートがない場合も不満が起こりやすいです。

賃金や金銭に関わる離職を防ぐには、賃金の設定や賞与の支給条件、福利厚生の内容などを見直す必要があります。

 

理由(2):労働環境

オフィスが不衛生である、整理整頓されていない、休憩室や更衣室がない、備品が古い、仕事に必要な資料や備品が揃っていないなど、働きにくさや居心地の悪さを感じる労働環境は従業員にストレスを与えます。

スムーズな業務進行が難しい職場では、仕事の効率やモチベーションが低下しやすいため、働きやすい労働環境を求めて離職者が増えるでしょう。

離職率を下げるには、広々としたデスクを用意したり、備品を新しくしたり、ゆっくりと休めるスペースをつくったりなど、従業員が働きやすい労働環境を構築することが大切です。

 

理由(3):休日

企業の休日数が少ない、有給休暇を取得しづらいという状況は、肉体的疲労や精神的なストレス、ワークライフバランス不均衡などの原因となり、離職率が高まります。

現在は、働き方改革や働き方の多様化が進んでおり、独自の休暇制度や週休3日制を取り入れている企業も多数あります。

休日数を増やす取り組みや、有給休暇を取得しやすい雰囲気づくりを検討しましょう。

 

理由(4):労働時間

労働時間が長かったり残業が多かったりする環境は、従業員の心身の疲弊を招きます。

さらに、残業代が正当に支払われない、休日出勤に手当や代休がないという場合は、不満を増幅させるでしょう。

労働時間を削減できるよう、業務の量や担当の見直し、業務効率化ツールの導入などの検討をおすすめします。

また、従業員が柔軟に働けるように、フレックスタイム制度や時差出勤、時短勤務、時間単位の有休取得なども設けると、離職率を下げられるでしょう。

 

理由(5):人間関係

先輩・後輩、上司・部下、取引先、顧客など、どのような仕事にも人間関係は存在し、相手によって相性の良し悪しがあります。

そのため、仕事上の人間関係によるストレスは、誰にでも、多少なりとも生じるでしょう。

しかし、職場の人間関係に意識を向けないと、従業員の精神的ストレスが限界に達し、休業や離職のリスクを高めるおそれがあります。

たとえば、重要な情報が共有されず特定のメンバーだけで話が進んだり、必要なコミュニケーションが不足していたり、人事異動の要望を上部へ伝えるすべがなかったりすると、良好な人間関係を求めて転職をはかる従業員が増えると考えられます。

人間関係のストレスを緩和するには、職場のコミュニケーションを活性化する、情報共有を適切におこなう、相談窓口を設置するなどの対策が有効です。

 

理由(6):ハラスメント

パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど、現在はさまざまなハラスメントが問題視されています。

ハラスメントが横行する職場や、ハラスメントから守ってくれる人・制度がない職場は、ハラスメントを受けている従業員ばかりでなく、周囲の従業員の離職リスクも高めるでしょう。

また、ハラスメントがおこなわれていることが世間に認知されると企業イメージが低下し、経営が傾いたり入社希望者が減少したりする恐れがあります。

ハラスメントを防止するために、相談窓口の設置やハラスメント対応のルール化、ハラスメントに関する研修制度の導入などをおこないましょう。

 

理由(7):評価

従業員を正当に評価しない企業は、離職率が高い傾向にあります。

人並み以上の成績を出したのに同僚と比べて評価が低い、自分よりも成績が低い同僚が高く評価されているなど、さまざまなケースによって正しく評価されていないと感じた従業員は、自分の能力を適正に評価してくれる企業への転職を検討するでしょう。

現在は年功序列ではなく、実力主義で評価する企業も増えてきているため、従業員の離職防止を目指し、自社の評価基準の正当性・明確性を見直すことをおすすめします。

また、業務上の成果や姿勢などを評価し、賞与の支給額や昇進・昇給へ反映する評価制度の導入は、収入アップ・キャリアアップにつながる可能性が高まります。

 

理由(8):企業の将来性

企業に将来性が感じられない場合、離職という選択をする従業員は増えるでしょう。

企業の経営が傾いている、経営陣が絶対的な権力を握っている、IT技術の発展によって需要減が続くサービスを提供しているなど、企業の発展や安定が見込めない状況においては、自身のキャリアや生活を懸念した従業員が離職を選ぶ可能性が高まります。

企業の将来性に不安を抱いた従業員の離職を防ぐには、経営陣が従業員に対して自社の状況や事業方針を伝え、理解を深めてもらうことが求められます。

>離職防止対策の重要性に関する記事はこちら

フォローアップの具体的な方法

フォローアップは、研修や面談などの場でおこなうと効果的です。

以下、具体的な方法を紹介します。

 

フォローアップ研修の実施

フォローアップ研修とは、仕事で必要な知識・スキルの習得や、経営理念の浸透などを目的とした研修のことです。

研修のテーマは企業の課題や人材育成計画によって自由に決めることができ、スキルアップをはかれるだけでなく、参加者同士のコミュニケーションを活性化させたり連帯感を深めたりもできます。

フォローアップ研修は定期的に開催することで、早期に従業員のスキルアップが期待できたり、個人間のスキルの差を埋められたりする効果があります。

 

直属の上司との1on1の実施

従業員と直属の上司との1on1ミーティングを実施すると、従業員の知識の定着度を確認できます。

上司の業務が忙しい場合は、従業員に声がけしたり相談に乗ったりすることが難しいケースもあります。

そこで、落ち着いて話せる1on1という場をもうければ、従業員の業務に対するフォローアップや、悩み相談などがしやすくなります。

1on1の実施でお互いの理解が深まれば、信頼関係も構築できるでしょう。

>1on1に関する記事はこちら

 

人事部との面談・ヒアリング

人事部との面談やヒアリングは、従業員が直属の上司に相談しづらいケースに効果的です。

たとえば、直属の上司や部署内のハラスメントに悩んでいる従業員には、他部署が対応したほうが本音を話してくれると考えられます。

ただし人事部は、従業員の普段の業務状況がわからなかったり、業務に対する理解が浅かったりして、表面的な対応に終始してしまう可能性があります。

そのため、先入観や思い込みのみでアドバイスをおこなうのではなく、従業員の話を傾聴し、本人の意思を尊重したうえで必要な助言やサポートをおこなうことが、効果的なフォローアップにつながります。

 

メンター制度の導入

メンター制度とは、先輩社員が後輩社員を個別にサポートする取り組みのことで、サポートする側を「メンター」、サポートされる側を「メンティー」といいます。

メンターには、メンティーとは異なる部署に所属していて、年齢や勤続年数が近い人が選ばれることが一般的です。

お互いの部署が異なっていたり年齢が近かったりという関係性であれば、不安や相談事を口にしやすくなる効果が期待できます。

メンティ―の心理的負担の軽減にもつながり、フォローアップにも役立つでしょう。

フォローアップ面談を実施するタイミングと内容

フォローアップ面談は、一度きりではなく複数回実施することが望ましいです。

フォローアップ面談をおこなうのに適切な時期として、入社1か月後、3か月後、6か月後、1年後のタイミングが挙げられます。

以下では、それぞれの時期に適した面談内容を解説します。

 

入社1か月後

入社1か月後は新入社員が仕事や職場に慣れようとしている時期であり、周囲との人間関係もそこまで深まっていないケースが多いです。

職場に親しい人が多くない状況でおこなうフォローアップ面談では、信頼関係構築のためにコミュニケーションをとることを意識します。

まだ心を開ききれていない新入社員は、悩みや本音を口にしない可能性も高いものの、無理に話を聞き出そうとせず、業務上の役割や目的などを説明して理解の定着をはかりましょう。

自分の役割や仕事の意義を理解できたことで、新入社員のモチベーションが高まるケースもあります。

また、悩みや困り事があれば次回の面談で聞くことを伝えれば、相談に乗ってもらえるという安心感をあたえることにもつながるでしょう。

 

入社3か月後

入社3か月後は、新入社員が仕事や職場に慣れてきた時期である一方、慣れてきたからこそ業務や人間関係などの課題・悩みが生じるケースがあります。

そのため、入社3か月後のフォローアップ面談では、新入社員の課題や悩みを傾聴し、一緒に解決策を考えることが大切です。

職場でのストレスが大きかったり、業務上の課題を解消できなかったりすると早期離職を招くおそれもあるため、必要であれば関係者も面談に同席するようにし、早期解決を目指しましょう。

 

入社6か月後

入社から6か月ほどすると、新入社員は入社直後と比べて大きくスキルアップしていたり、職場の雰囲気や人間関係に慣れていたりします。

一方で、ある程度仕事ができるようになってきたことによる緊張感の低下などが起きているかもしれません。

また、人によっては仕事が順調にいかず、新たな悩みを抱えていることもあるでしょう。

新入社員によって業務の得手不得手や性格の違いがあるため、入社6か月後のフォローアップ面談は、個々人に合わせた内容にすることが大切です。

たとえば、戦力として活躍し始めている新入社員には自分なりの目標を設定させると、モチベーション高く取り組んでもらえる可能性があります。

仕事に悩んでいる新入社員には、課題解決を一緒にはかったり、業務の目的や目標などをあらためて認識させたりするとよいでしょう。

 

入社1年後

入社1年後のフォローアップ面談では、新入社員のキャリアプランについて話し合いましょう。

すでにひとりの従業員として戦力になっている新入社員は、業務を通じて仕事に対する価値観が芽生え、キャリアを見据えたり働き方を考えたりしている可能性があります。

場合によっては、自分の居場所を自社に見出せず、転職を考えているケースもあるでしょう。

新入社員の心境や考え方はさまざまであるため、まずは今後のキャリアプランについてヒアリングし、自社に勤続することのメリット、転職する際のリスクなどを中長期的な観点から考えさせることが求められます。

なお、フォローアップ面談は、新卒の社員だけでなく中途採用の社員へもおこなうことが重要です。

中途採用の社員には同期がいないケースも多く、即戦力として期待されていることから相談できる人がいない不安感やプレッシャー、ストレスを感じやすい傾向にあります。

早期に職場に慣れ、存分に能力を発揮してもらえるよう、中途採用で入社した社員に対しても定期的なフォローアップ面談を実施しましょう。

適切にフォローアップをおこなうためのポイント

適切にフォローアップをおこなうには、押さえるべきポイントがあります。

フォローアップを実施する際のポイントと注意点を解説します。

 

タイミングを見極める

前述のように、フォローアップには新入社員の状況に応じた適切なタイミングがあります。

しかし、実施する時期に固執しすぎてしまうと、ストレスが限界に達した従業員が離職してしまったり、従業員のモチベーションを維持できなかったりする恐れがあります。

そのため、従業員に意欲がない場合はフォローアップ面談を設定して事情を聞く、大きなプロジェクトのあとにはフィードバックも兼ねて面談を実施するなど、必要なタイミングを見極めることが大切です。

 

対話形式で実施する

フォローアップの効果を高めるために、対話形式での実施を心がけましょう。

直属の上司や人事部の担当者が一方的に話すのではなく、従業員の意見を聞いたり、職場や研修内容に関するリクエストを受けたりすると、より質の高いフォローアップにつながる可能性があります。

また、相互理解が深まることで良好な関係性を構築でき、従業員が心を開きやすくなるとも考えられます。

 

PDCAサイクルを回す

フォローアップの質向上を目指すには、PDCAサイクルを回すことも効果的です。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のことで、フォローアップに関する計画を立て、実行し、実施後には評価をおこないます。

評価内容をふまえた改善を実施し、次の計画に活かしていくことで、フォローアップの質を高められ、従業員の満足度も向上するでしょう。

 

内容を詰め込みすぎない

フォローアップの内容を詰め込みすぎてしまうと、内容の理解が追いつかない従業員が出てきてしまうおそれがあります。

フォローアップには従業員間のスキルの差を埋める効果が期待できますが、内容についてこられなくなる従業員が出てしまうと本末転倒です。

そのため、従業員が十分理解でき、モチベーションを維持できるように、フォローアップの内容量を適切なものにすることが求められます。

 

人事評価と連動させる

フォローアップは、人事評価と連動させることが大切です。

フォローアップと人事評価が連動していると、従業員はフォローアップに取り組む意義を見出してモチベーション高く取り組んでもらえる可能性が高まり、大きな効果が期待できます。

従業員のやる気を引き出しながら成長してもらえるよう、フォローアップと人事評価を適切に結び付けましょう。

フォローアップの手助けに「Chatwork」

フォローアップとは、新入社員などの従業員に理解の定着度を確認しながら補助をおこなう取り組みのことです。

フォローアップを実施すると、従業員のモチベーションが向上したり悩みを解決できたりするケースが増え、離職率を低下させる効果が期待できます。

フォローアップ面談で従業員に本音を話してもらうには、よい関係性を構築しておくことが大切です。

信頼関係を築くには、日ごろからコミュニケーションをとることが重要なため、気軽にコミュニケーションをとれるビジネスチャット「Chatwork」の活用をおすすめします。

ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式でメッセージを送れるため、仕事の相談や情報共有だけでなく、雑談もしやすいことがメリットです。

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