テレワーク中の給与明細の配布方法とは?Web給与明細のメリットを解説
目次
新型コロナウイルス感染症拡大の影響やテレワークの推奨が進む中で、多様な働き方を取り入れる企業が増えてきています。
しかし、これまで紙の給与明細を手渡ししてきた企業では、担当者が郵送作業をしなければならなくなったり、受け渡しのために出社しなければならない事態が発生してしまうでしょう。
そんな中、給与計算からデータの出力までをオンラインで完結できる給与明細のWeb化を実現する給与明細システムが注目を浴びています。
Web給与明細システムにより給与明細に関する業務をオンライン化するメリットと数多くあるWeb給与明細システムの中で、どれを選択するかのポイントも合わせて紹介します。
給与計算をシステムでおこなうメリット
給与明細に関する業務をWebでおこないオンライン化することで、給与計算作業にメリットも生まれます。
給与計算は複雑な計算を伴うため、人力でおこなうには多大な労力が必要です。
また、正しい計算をおこなうためには時に深い知識と経験が必要になり、税率が改定された場合の対応も大変です。
給与計算システムを利用すれば、計算間違いが発生することはほとんどなくなります。
さらに作業に当たる人員の削減もできるため、企業活動におけるコスト低減に大いに貢献します。
給与明細をWeb化しオンライン配布するメリット
給与システムの利用でミスの防止や作業に必要な人員を抑えるメリットがありましたが、給与明細の配布をオンラインでおこなうことのメリットを見ていきましょう。
印刷・郵送コストの削減
給与明細は、全社員に渡す必要があるので、社員全員分の枚数を紙に印刷する企業もあるようです。
給与明細をオンラインで配布することで、紙を1枚も使用することなく、インク代も不要になります。
大きな企業であるほど、削減できる印刷コストは計り知れません。
また、従業員に郵送で配送をしていた場合は、郵送費としてかかっていたコストの削減にもつながります。
検索性の向上
給与明細はさまざまな手続きに必要な場合があるため、従業員から「給与明細を再発行してほしい」「過去の給与明細を確認したい」と要望が頻発することがあるでしょう。
給与明細をデータで管理し、オンラインですぐに渡せる状態であれば、過去データを検索し、そのまま渡すことができるため、数年前の明細がほしいといった要望にもすぐに対応することができます。
また、給与システムであれば社員が自分で明細を確認することも可能ですので、このような依頼自体をなくすこともできるでしょう。
重要データの紛失防止
紙の給与明細は薄く軽いため、扱いやすいことが特徴ですが、紛失してしまう可能性が非常に高いです。
個人情報など重要な情報を含んでいますが、受け取った社員は金額を確認したら捨ててしまうこともあるかもしれません。
また、個人情報を含んでいることで給与明細といえど第三者にみられると悪用される可能性があります。
データとして受け渡しができれば、例えば会社に置き忘れたり、どこかに落としたりして紛失する可能性があり安全性が高まるでしょう。
いつでも閲覧可能
Web給与明細システムを利用すると、従業員はPCやスマートフォンからいつでも好きなときに給与明細を確認できます。
企業の担当者に検索、印刷して手渡しまたは郵送してもらうことを依頼していると、一週間以上の時間が必要になることもありますが、オンラインの場合、「今すぐに明細がほしい」という要望にもすぐに応えることができます。
また、過去に受け取った給与の明細も確認できるので、自分で保存する手間なども少なく済むでしょう。
給与明細のWeb化・オンライン化に向けた課題
給与明細に関連した業務をすべてオンライン化するためにはいくつかの課題もあります。
導入を検討する場合は、課題のひとつひとつを確認し対策をとるようにしましょう。
担当者のITリテラシーが業務効率に影響する
これまで手動での給与計算、もしくは給与明細の配布を行っていた担当者にとって、新しいシステムは使いこなすのが難しく感じるかもしれません。
操作に慣れるまでに時間がかかったり、操作ミスをしてしまう可能性も少なくありません。
給与システムは活用できれば効率的な手段ですが、ITリテラシーが低く使いこなせないと結果として業務効率が下がることも懸念されます。
慣れないうちは使いこなせないのは当然のことですので、導入の際には、長期的な視点を忘れず、根気強いフォローや教育をおこなっていくことが必要です。
ツール利用のための環境整備が必要
給与計算をおこなうソフトを利用するためには、まずPCやスマートフォンといった機材が必須です。
また、ほとんどの場合はインターネットに接続して利用するため、インターネット環境も整えましょう。
さらに重要な個人情報を扱うために、セキュリティ対策も念入りに気を配る必要があります。
給与明細のWeb化に向けたシステム選びのポイント
給与明細のWeb化に向けて給与システムの利用を決めたら、どのようなシステムやサービスを導入するのか、具体的に選ぶ必要があります。
Web給与明細システムは、多数存在するので「なにがどう違うのか」「使い勝手はどうなのか」「ソフト導入にかかる費用はどのくらいになるのか」など、念頭に置いて選びましょう。
Web給与システムを選ぶときに注目すべき3つのポイントをご紹介します。
導入にかかる費用
Web給与システムを活用するためには、初期費用のほかにランニングコストがかかります。
実際に使ってみた場合、1ヶ月間や1年間でどのくらいのコストがかかるのかを計算し、できるだけ費用が安く、会社にとって負担の少ないものを選ぶことがおすすめです。
また、使用するうえで必要な機器や巡部などの部分にかかる費用も検討しながら導入を進める必要もあるでしょう。
給与データの準備手順を考えて選ぶ
すでに給与計算ソフトを使っている場合、Web給与明細システムは、給与計算ソフトとの連携に対応している必要があります。
これから給与計算ソフトを導入するという場合は、新しく導入するWeb給与明細システムとの相性も視野に入れて考えなければなりません。
また、給与明細をどのような形で準備しなくてはならないのかも重要です。
たとえば、企業で規定のフォーマットに準じて給与明細を作らなくてはならない場合は、Web給与明細システムで掲載することのできる項目をチェックしておく必要があります。
賞与や源泉徴収票に対応しているか、仕様のカスタマイズが可能なのかなど、給与データに関することをチェックした上で選ぶことが大切です。
セキュリティ
給与明細は個人情報です。
Web上であれば紙のように風に飛ばされたりはしませんが、Web給与明細の場合には、不正アクセスや誤送信による情報漏洩の可能性が出てきます。
従業員ごとにパスワードを設定し、閲覧する際には自分のパスワードを入力するなど、セキュリティ対策をしておきましょう。
Web給与明細システムは、システム上で明細を閲覧できる場合と、明細のデータをメールで配信する場合があります。
もし、ほかの人に誤送信してしまったときも、「個人で設定しているセキュリティパスワードを打ち込まなければ開けない」システムを利用すると、安全です。
給与明細のWeb化を手始めにIT化を進めよう
Web給与明細システムは、給与計算をオンラインでおこない、従業員に給与明細をオンラインで配布するシステムです。
従来のように給与明細を紙で印刷したり、従業員に手渡しまたは郵送する必要がなくなるため、担当者がテレワークをするために必須のシステムといえます。
さらに計算ミスを減らしたり、過去データの検索が簡単になることで担当者の負担や人件費を減らせるだけではなく、紙代やインク代といったコスト削減にも繋がります。
Web給与明細システムは、PCだけではなく、スマートフォンからもアクセスできるものが多く、そのため担当者はどこからでも作業ができるだけではなく、従業員としても欲しい情報にすぐにアクセスができます。
一方で、導入する際には、費用や運用方法、セキュリティ面を考慮し、その企業に合ったWeb給与明細システムを選ぶようにしましょう。
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