VUCA時代とは?意味や必要なスキル、OODAスキルを解説
目次
テクノロジーの発展や、情報の多様化に伴い、ビジネスシーンにも大きな変革が生まれています。
企業では、これまでのビジネスを改善し、時代の変化に追いつけるようにしなければなりません。
現代社会のように予測が難しい状況は「VUCA」と呼ばれており、企業を存続させるためにも、企業のあり方や人材選びに工夫が必要です。
VUCA(ブーカ)とは
VUCAとは、下記の4つの単語の頭文字を取った言葉です。
- Volatility:変動性
- Uncertainty:不確実性
- Complexity:複雑性
- Ambiguity:曖昧性
ビジネスやマーケット、組織、個人といったあらゆるものを取り巻く環境が変化し、予測が困難になっている状況を意味します。
もともとは、1990年代に、アメリカ軍で使われ始めた軍事用語が由来で、2010年代にビジネスシーンでも用いられるようになりました。
VUCAをよく理解するためにも、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの要素をチェックしましょう。
Volatility:変動性
Volatility(変動性)とは、これからどのような変化が起こっていくのかを予測することが難しい状態のことを指します。
新しいテクノロジーや、SNSサービスなどの出現などに伴い、経営にも大きな影響が生じる可能性があります。
変動性に対応するためにも、消費者のニーズいち早く察知する力や、常に社会の変化に関する情報収集が必要です。
Uncertainty:不確実性
Uncertainty(不確実性)とは、現時点で確定していないことが多く、経営にリスクが生じる状況のことを指します。
たとえば、東日本大震災や、集中豪雨といった自然災害は予測が難しい一方で、経営に大きなダメージを与えるものです。
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大が影響して、一気に拡大したテレワークやリモートワークなどの新しい働き方や環境の変化なども、この不確実性に該当します。
最適な対応方法や適応方法を選択していくためには、過去の事例を参考することも大切でしょう。
Complexity:複雑性
Complexity(複雑性)とは、さまざまな要因が複雑に絡み合っている状態で、解決策を見出すのが困難な状況のことです。
各国の経済格差や、政治的なリスクなどの国際的な問題に加え、日本国内の法律・制度などもこれに当てはまります。
とくに、世界的に幅広いエリアでサービスを展開している企業では、その地域の商習慣や顧客のニーズを理解する必要があるでしょう。
Ambiguity:曖昧性
曖昧性とは、ある物事に対して、絶対的な解決策が発見できない状態のことです。
具体的には、消費者の多様化に伴い、どのようなマーケティング施策が適切であるかを導けないことがあげられます。
従来のマーケティング施策が通用しなくなった現代では、いち早く消費者の価値観を把握し、どのような方法を活用するかが問われています。
VUCA時代の企業や組織のあり方
VUCA時代に存続するためには、企業や組織のあり方を見直す必要があります。
これまでの考え方から、VUCA時代に対応した思考を取り入れましょう。
スピーディーな意思決定
VUCA時代では、スピーディな意思決定が企業に求められています。
消費者の考え方の多様化や、ビジネス環境が変化しているなかで、早期の段階で適応しなければなりません。
また、現代ではグローバル化に伴う競争が激しくなっており、時代の変化に追いつけなくなると、企業経営にも大きなダメージとなるでしょう。
変革への挑戦と対応力
VUCA時代をむかえた現代で、ビジネスの成功を収めるためには、新しいことへのチャレンジや、変革への対応力が求められます。
消費者の興味や関心も目まぐるしく変化するなかで、これまでのマーケティング施策や、商品・サービスも、時代にあわせて柔軟に変化させる必要があります。
VUCA時代に適応し、企業の持続的な成長を目指すうえでも、ビジネスにおける変革を厭わず、常にイノベーションを進めることが大切です。
多様なバックグラウンドをもつ人材を活用
多様なバックグラウンドをもつ人材を活用することで、VUCA時代にも対応しやすくなります。
とくに、海外進出している企業や、これからグローバル展開を目指している企業では、現地でのローカライズを達成するためにも、ダイバーシティな環境が求められるでしょう。
また、新しいテクノロジーや、マーケティング施策を成功するためにも、情報収集に長けた人材も必要です。
VUCA時代に求められるスキル
VUCA時代で生き残るためには、さまざまなスキルを備えた人材を揃えることが重要です。
新しい人材を採用する際に、どのようなスキルを重視するべきか考えてみましょう。
臨機応変な対応力
VUCA時代に生き残れる会社にするためには、臨機応変な対応力を持つ人材が必要です。
目まぐるしく変化する環境では、その時々に応じて決断力や行動力が求められます。
もちろん、組織的に動くことも大切ですが、一人ひとりが考えながら対応しなければなりません。
コミュニケーション力
多様なバックグランドを持つ人材を採用する際には、コミュニケーション力を意識するようにしましょう。
従業員同士で意見の食い違いや、文化の違いによる摩擦が発生しないようにコミュニケーション力が必要です。
また、新しい領域でビジネスを始める際にも、コミュニケーションを活かして、取り組む姿勢が求められます。
問題解決力
VUCA時代では、これまでよりも多くの課題やトラブルが発生する可能性があります。
万が一、予期せぬ時代が発生した場合に備えて、問題解決力を有する人物も確保しなければなりません。
問題解決力を持つ人材を揃えることで、ビジネスに現れるさまざまな問題に提供できます。
VUCA時代に対応するための意思決定方法「OODAループ」
VUCA時代を生き抜くためには、変化する時代に柔軟に適応し、スピーディーに意思決定してく思考法が求められますが、VUCA時代を生き抜く思考法として、「OODA(ウーダー)ループ」の活用がおすすめです。
OODAループとは、下記の4つの単語の頭文字を取ったフレームワークのことで、素早い意思決定を可能にするとして、近年注目を集めています。
- Observe:観察
- Orient:状況判断
- Decide:意思決定
- Act:実行
OODAループは、従来のPDCAのサイクルとは異なり、臨機応変にステップを飛ばすことができるため、意思決定のスピードをあげることができます。
Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)、それぞれのステップのポイントを解説します。
Observe:観察
まずは、社会に起きている状況を確認し、自社に関連性の高い情報を収集します。
可能な限り最新の情報を入手するように意識し、今後どのようにビジネスが変化していくのかを観察することが重要です。
Orient:状況判断
入手した情報をもとに、自社の事業環境や競合の分析を実施します。
現時点で何が起きているのかを細かく調べるようにしましょう。
Decide:意思決定
状況を理解した上で、何を実施するべきかを検討していきます。
自社でのアクションプランを計画し、最適な選択になるように調整します。
Act:実行
最後に、自社で計画したアクションプランを実行します。
また、アクションプランで課題があった部分を改善し、都度見直しながら効果を検証することが大切です。
PDCAサイクルを回しながら、会社のビジョン・方向性に合わせるようにします。
VUCA時代に対応できるような組織づくりをしよう
ビジネスの予測がVUCA時代では、スピーディな意思決定や変革へのチャレンジなど企業のあり方を変えなければなりません。
まずは、「VUCA」のそれぞれの意味を理解した上で、自社でどのように対応するかを検討しましょう。
そして、VUCA時代に対応するために、観察・状況理解・決定・動くの4つのポイントを意識することが大切です。
さまざまなバックグランドを持つ人材や、コミュニケーションスキルに長けた人材など、採用や育成面での強化も必要です。
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