SDGsの問題点や課題とは?SDGsの課題解決のために企業ができること
目次
SDGsは、持続可能な社会を目指すために、世界中で取り組まれている目標です。
日本国内でもSDGsの認知度が高まっており、企業での取り組み事例も増加しています。
しかし、SDGsを企業で取り組む際には、SDGs特有の問題点を克服しなければなりません。
SDGsの課題や問題点はどのようなもので、どのようにアプローチをすればいいか解説します。
日本国内におけるSDGsの現状
世界的に注目されているSDGsですが、日本国内ではどのような状況なのでしょうか。
SDGsの達成度を国別でランク付けした「Sustainable Development Report 2021」によると、2021年6月時点で日本は18位でした。[注]
2019年は15位、2020年は17位と、年々順位が下がっているものの、全165か国中で上位をキープしています。
日本は、教育や産業革新、平和といった目標を達成している一方で、気候変動への対策、海・陸の豊かさの保護などに課題を残しているのが現状です。
企業でSDGsに取り組む際の問題点
環境や社会、教育面の改善を目指すSDGsですが、一体どのような問題を抱えているのでしょうか。
企業でSDGsのゴールを達成する際に、課題となりやすいポイントについて解説します。
ひとりで解決するのが難しい
SDGsは、ひとりで解決できるような目標がないことが問題点であると言われています。
企業といっても、数千人や数万人に及ぶ大企業から、数百人ほどの中小企業、ひとりで経営をしているスタートアップ企業などさまざまあります。
一方で、SDGsの目標は、人々の生活を大きく改善するようなものが多く、小規模の企業やひとりで取り組むのは困難です。
企業でSDGsに取り組もうとしても、十分な資金や人材を持つ大企業以外では目標達成が難しい点が問題とされています。
ターゲットの定義が人によって異なる
SDGsでは、全17のゴールにそれぞれ定義が付けられています。
しかし、抽象的な内容であることから、国・地域、人によって定義が異なる点が問題です。
たとえば、SDGsの4つ目のゴールである「質の高い教育をみんなに」の場合、質の高い教育の基準が国ごとに異なります。
ゴールを達成するためは、定義に対する理解と価値観を共有した上で、取り組まなければなりません。
>SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標に関する記事はこちら
自社の事業をSDGsのゴールに活かせない
企業全体でSDGsに取り組もうとする際に、自社の事業がSDGsのゴール達成に活かせないことがあります。
SDGsのゴールには、環境や食、エネルギーなどの課題が多いため、関連する事業がないと企業で取り組むことができません。
また、新たにSDGsの目標を達成できるような事業を作るには、莫大な費用や人材も必要です。
このように、事業としてSDGsの目標を達成しようとすると、企業にリスクが発生してしまう可能性があります。
SDGsウォッシュになる危険性
「SDGsウォッシュ」とは、実際にはSDGsにとりくんでいる実態がないのにも関わらず、SDGsにとりくんでいると見せかけている状態のことです。
SDGsにとりくんでいるという肩書きが、企業価値をあげると考えて、表面上で公言したり、SDGsのロゴを企業ホームページに掲載したりしているが、実際にはなにもおこなっていないという状況が、「SDGsウォッシュ」にあたります。
一度「SDGsウォッシュなのではないか」と糾弾されてしまうと、企業価値の低下や信頼の喪失につながりかねません。
企業でSDGsにとりくむ際は、SDGsの目的や内容をしっかりと理解したうえで、SDGsの実現に貢献できるようなとりくみを検討しましょう。
SDGsの課題を解決する方法
企業でSDGsのゴールに取り組もうとすると、さまざまな問題点が生じてしまいます。
SDGsの課題を解決するために、どのような方法を試していけばいいのでしょうか。
チームや少人数で話し合う
人によってSDGsへの考え方や、定義の捉え方が異なります。
SDGsの定義を理解するためにも、チームや少人数での意見交換が大切です。
ひとりひとりがSDGsのゴールや定義、指標を確認し、自分の状況と照らし合わせることで、さまざまな意見が集まります。
SDGsに対する異なる価値観の意見を集約させ、ゴールを達成するための方向性を定めましょう。
将来を意識した取り組みを実施する
SDGsのゴールを達成するためには、現時点の取り組みではなく、将来を意識した取り組みをおこないます。
SDGsに定義されているゴールは、簡単に達成できるものではなく、長い年月が必要です。
短期的にゴールを達成しようとすると、方法が限定されてしまうことから、最適な解決策を取り入れなくなることが考えられられます。
将来的にどのようにSDGsに関わるかを企業全体で共有し、事業計画を作っていくことが必要です。
企業全体でSDGsの理解を深める
企業全体で、SDGsの理解を深めることも大切です。
なぜSDGsが取り上げられるようになったのか、SDGsのゴールを達成することで何が起こるのかといった、正確な知識を勉強します。
SDGsへの理解を深めていき、SDGsに対する自社の役割やアプローチの方法を考えるようにしましょう。
>SDGsの必要性と企業にもたらすメリットに関する記事はこちら
企業がSDGsに取り組めること
SDGsのゴールは、簡単に解決できるような問題ではないため、取り組み方に工夫を持たせるようにします。
SDGsのゴール達成に向けて、企業の規模を問わずにSDGsに対して実施できることを紹介します。
SDGsを経営に統合させる
企業が一丸となってSDGsに取り組めるようにするためには、社内に浸透させること重要です。
そこで、経営そのものにSDGsを統合させることが、選択肢として挙げられます。
たとえば、経営目標にSDGの達成度合いを取り入れたり、経営者がSDGsについて発信したりすると、日常の業務で意識できるようになります。
取組内容を外部に発信していく
企業がSDGsに取り組む際には、社外への発信が求められています。
企業内部だけの主観的な指標では、SDGsの達成度合いを判断しにくいためです。
また、SDGsは、企業の価値に直結しているため、対外的に報告を続けることで、投資家からの評価にもつながります。
定期的にSDGsの進捗状況を発信し、企業としての取り組みを継続しましょう。
身近なことからSDGsに取り組む意識を持とう
SDGsの目標は、必ずしも事業を通して達成する必要はありません。
中小規模の企業や、起業したばかりの企業では、身近なことからSDGsの目標達成につなげることが可能です。
たとえば、7つ目の目標である「働きがいも経済成長も」を達成する方法として、従業員が働きやすい環境を整備したり、ツールを取り入れて効率化を目指すことが挙げられます。
大きなことだけではなく、小さなことから取り組み、SDGsの目標を達成しましょう。
働きやすい環境を整えてSDGsを達成しよう
SDGsの目標を達成することは簡単ではありませんが、SDGsは身近なことからコツコツと始められます。
従業員に働きがいを持ってもらうためには、ツールを導入し、柔軟性のある働き方を実現することが第一歩です。
ビジネスチャットツールの「Chatwork」は、従業員が離れていても情報共有をしやすくなり、テレワークの促進につながります。
自社でもSDGsに取り組んでみたいという際には、Chatworkを活用して、働き方改革から始めてみてはいかがでしょうか。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注]出典:Sustainable Development Report 2021|SDG Transformation Center
https://www.sdgindex.org/reports/sustainable-development-report-2021/