健康経営とは?取り組む目的やメリット、実施方法、注意点を解説

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健康経営とは?取り組む目的やメリット、実施方法、注意点を解説

目次

従業員が仕事をする中で、怪我やメンタル的な不安を抱えてしまうと、仕事に対するパフォーマンスの低下や企業に対して信頼を失ってしまい、企業経営にも悪影響となります。

従業員が不安なく働けるようにするためにも、健康経営に取り組むことが重要です。

健康経営とはなにか、健康経営のメリットや目的、健康経営を実現する方法を解説します。

健康経営とは

健康経営とは、企業経営において、積極的に従業員の健康管理に取り組む姿勢のことです。

従来、健康管理は、従業員個人が実施するものであると捉えられていましたが、健康的に働ける場を提供するために、企業側での役割の重要性についても高まっています。

もともと健康経営は、1990年代にアメリカで注目されるようになった取り組みであり、日本でも2000年代後半から同様の動きが広がりました。

従業員の健康管理は、自社の健全な経営にも関係しているため、継続的な企業の成長のためにも必要とされています。

健康経営に取り組む目的

多くの企業で健康管理の考え方が広がっていますが、どのような目的が健康経営にはあるのでしょうか。

今回は、健康経営の代表的な目的を3つ紹介します。

  • 労働人口減少への対策
  • ワークライフバランスを維持させるため
  • 従業員の健康リスク回避の目的

社会的な要因や業務環境の原因から、健康経営に対する取り組みは、近年ますます重要視されるようになっています。

健康経営に取り組む目的を詳しく確認していきましょう。

労働人口減少への対策

健康経営が必要とされている目的に、労働人口の減少への対策が挙げられます。

2020年に、総務省が発表した「労働力調査2020年平均結果の概要」によると、2020年の平均労働人口は(15歳以上)6,868万人で、前年と比較して18万人の減少となりました。

さらに、2040年には、5,200万人ほどまでに減少する恐れがあると言われています。

このように、労働人口の減少が進む状況のなかで、従業員一人あたりの生産性を高める必要が出ています。

健康経営を継続し、従業員個々のパフォーマンスを強化することが目的と考えられます。[注1]

ワークライフバランスを維持させるため

ワークライフバランスの維持することも、健康経営に取り組む目的のひとつです。

業務の負担が大きすぎると、私生活に使える時間が限られてしまうことから、ワークライフバランスの維持が困難になります。

とくに、子育てや介護といった家庭の事情を抱えている従業員が、安心して仕事に打ち込めるようにするためにも、ワークライフバランスの改善は必須です。

仕事だけでなく、私生活も充実させられるように、ワークライフバランスの向上を目的とした健康管理を徹底する必要があります。

>ワークライフバランスに関する記事はこちら

従業員の健康リスク回避の目的

労働環境の悪化を原因として、メンタルヘルスに不安を抱える従業員が増加しています。

一度、メンタルが不調になってしまうと、仕事に取り組めなくなることから、企業にとっても不利益を被ります。

従業員が安定したメンタルを維持しながら、働けるようにすることも、健康経営において重要なテーマです。

健康経営に取り組むメリット

健康経営に取り組むことで、企業はさまざまなメリットを享受できます。

  • 従業員の離職率低下
  • 労働生産性の向上
  • 医療費の削減

健康経営に取り組むメリットを詳しくみていきましょう。

従業員の離職率を抑える

健康経営への取り組みによって、従業員の離職率低下を期待できます。

これまでの働き方では、長時間労働や休日出勤などで、職場環境自体に課題がある企業も多くありました。

しかし、職場環境に問題を抱えたままにしておくと、次第に従業員が離れていき、会社の経営にも悪影響を及ぼしかねません。

社内での健康維持に投資をおこなうことで、メンタルヘルスによる不調を防ぎ、離職率の低下につなげられます。

>離職防止対策に取り組む重要性は?に関する記事はこちら

労働生産性を高める

企業全体で健康に対して意識を高めることは、将来的な生産性向上にも貢献します。

従業員がメンタル的にも体力的にも健康的に働けるようになり、仕事への活力を高めるきっかけにもなるためです。

とくに、労働人口が減少しているなかで、既存の人的リソースを最大限に生かさなければなりません。

健康経営を促進することで、従業員それぞれのモチベーションを向上させられます。

医療費の削減

健康経営は、医療費を削減するメリットもあります。

健康的な職場を維持することで、従業員が病気を患ったり、メンタル的な不安から通院したりするといった回数を減らせるようになります。

企業は、従業員の医療費を一部負担しているため、通院回数の減少は、企業のコストカットが可能です。

社会保障制度が、企業にとってコスト的な負担となっているなかで、医療費の削減は経営面でもメリットとなります。

健康経営に取り組む方法

社内で健康経営に取り組むためには、どのような方法で進めればよいのでしょうか。

健康経営に取り組むステップの一例を紹介します。

  • ステップ(1):社内の課題を明確にする
  • ステップ(2):目的・計画を定める
  • ステップ(3):従業員に共有・周知する

自社の課題を明確にし、健康経営の目標を立てて計画的に進めるようにしましょう。

ステップ(1):社内の課題を明確にする

健康経営を進める際には、最初に社内の課題を明確にします。

従業員が健康面でどのような課題を抱えているのかをチェックするために、職場の健康診断やストレスチェック、個人面談、アンケートなどを実施することが大切です。

チェックした内容に基づき、自社課題のリスト化をおこないます。

優先順位を付けながら、効果的に改善できる施策を模索していき、健康経営を実施します。

ステップ(2):健康経営の目標・計画を定める

課題を洗い出したあとは、健康経営の目標や計画を定めます。

目標や計画を練る際には、なるべく簡単に始められることから取り組み、段階的に結果を得られるように工夫することがポイントです。

たとえば、従業員のメンタル面を改善するためには、残業時間の見直しや、多様な働き方を実現する方法が選択肢に挙げられます。

従業員から意見を聞きながら、最善の方法を利用しながら取り組むようにしましょう。

ステップ(3):従業員向けに共有する

健康経営を達成するためには、経営層だけでなく、従業員とも共有し合うことが重要です。

経営者側で判断するのではなく、健康面で抱えている不安や、改善するべき点を従業員から直接聞き出すようにします。

また、目標や計画が決まったあとも、従業員との共有を継続するようにしましょう。

健康経営の効果がどれほど出ているのかを検証するために、定期的な話し合いの場を設けます。

健康経営に取り組むときの注意点

健康経営に取り組むときの注意点について解説します。

従業員への理解浸透を徹底する

健康経営を推進するには、きちんと従業員への理解浸透をおこなう必要があります。

従業員のなかには、健康診断やストレスチェックの結果などの個人情報を、会社や社内の人間に知られたくないと感じる人もいるでしょう。

そのため、個人情報の取り扱いに注意をしなければなりません。

健康経営は、健康経営の重要性や情報の管理方法の理解を得たうえで、より多くの従業員がとりくむことで効果を得ることができます。

産業医のサポートが必要

効果的な健康経営を推進するためには、産業医によるサポートが必要です。

産業医とは、医師免許をもった医師で、さらには厚生労働省が定める要件を満たし、従業員の健康管理についての医学的な専門知識をもった人のことです。

産業医に求める役割を明確にし、社内で共通の認識をもつことで、産業医をスムーズに探すことができるでしょう。

>産業医に関する記事はこちら

長期的にとりくむ必要がある

健康経営のとりくみは、従業員の健康状態を得たり改善したりする必要があるため、長い時間をかけておこなうことが多いです。

健康経営にとりくんだからといって、すぐに効果が見えるわけではないので、長期的にとりくむ必要があるという認識を、事前に周知しておくといいでしょう。

健康経営によって健全な企業を作ろう

従業員の健康が懸念されているなかで、企業全体で健康経営に取り組むことで、永続的に企業の価値を生み出せるようになります。

とくに、働き方改革が注目されている現代では、健康経営の取り組みが外部からの評価にもつながります。

健康経営を達成するためには、経営層と従業員が一体となって進めていくことが大切です。

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[注1]出典:総務省「労働力調査2020年平均結果の概要」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf
※本記事は、2021年10月時点の情報をもとに作成しています。


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