リスクアセスメントとは?意味や進め方、必要性を解説
リスクアセスメントの概要や必要性を把握した上で、企業でのリスクアセスメントを進めていきましょう。
企業が安全に経営を進められるように、「リスクアセスメント」を実行することが求められます。
リスクは企業経営に大きな影響を及ぼすだけでなく、従業員の生命に関わることもあるため、十分に考慮しなければなりません。
技術が進歩する一方で、企業にとってさまざまなリスクがつきまといます。
リスクアセスメントの意味とは
そもそも、「リスクアセスメント」とは、企業の職場における危険性や、有害性について調査し、その結果に基づいて対策を実行していく流れのことです。
労働安全衛生マネジメントシステムの指針によると、2006年に労働安全衛生法が改正され、リスクアセスメントへの取り組みが努力義務化されています。
つまり、すべての企業は、職場における危険性や有害性の評価を実施し、問題点があれば改善をしなければならないということです。
従業員が安心して働けるように職場環境を維持するためにも、リスクアセスメントの実施が必要であるということです。
リスクアセスメントの必要性
健全な職場を実現するためにも、リスクアセスメントへの取り組みが必要です。
日常的な企業活動において、どのような目的からリスクアセスメントが必要とされているのかを解説します。
災害から従業員を守るため
日本では、毎年のように台風や地震といった自然災害が発生しており、企業経営にも悪影響を及ぼしています。
小規模な自然災害なら被害は少ないものの、阪神淡路大震災や東日本大震災といった規模の大きい災害では、人的被害が発生する可能性があります。
自然災害から人材という貴重な経営資源を守るためには、災害に強い企業づくりを目指さなければなりません。
災害が発生した場合に備えて、従業員をどのように守るのか、企業経営を修正する方法を構築するためにも、リスクアセスメントの考え方が必要です。
労災につながる危険性を排除する
労災につながる危険性を排除するためにも、リスクアセスメントに取り組むことが求められます。
たとえば、工場に勤務している従業員は、常に機械の危険性や、有害物質といったリスクと向き合いながら仕事をおこなっています。
また、ホワイトカラーでも、長時間労働やパワハラなどによって、従業員にメンタル面の不調が起こるリスクがあります。
リスクアセスメントは、あらゆる職場における労災の原因を取り除くために必要な施策であり、組織全体で取り組まなければなりません。
取引先からの信用に関わる
リスクアセスメントへの取り組みは、自社従業員の安全性を確保するだけでなく、取引先からの信用性にも関わることです。
普段から企業内部のリスクや自然災害の対策を徹底することで、他社からの評価につながり、自社の信用性が向上します。
また、投資家や金融機関から評価を受ける際に、リスクアセスメントへの取り組みはひとつの基準として見られる場合があります。
自社内部向けに加え、対外的にもリスクアセスメントに注力していることをアピールすることは、企の永続的な成長にも貢献します。
優秀な人材を確保するため
リスクアセスメントへの取り組みは、従業員のエンゲージメントを高めるほか、人材を新たに採用する際にも大きな役割があります。
自社を希望する求職者向けに、リスクアセスメントの事例や、改善策などをアピールすることで、安全性の高い企業であると印象付けることができるためです。
とくに、危険物を取り扱ったり、災害が発生しやすい場所で仕事をおこなうことが予想される場合、求職者にとってリスクアセスメントは、企業の安全性を示すものとなります。
優秀な人材の確保や、既存従業員の離職を防ぐためにも、リスクアセスメントを公開し、安心感を持たせるようにしましょう。
リスクアセスメントの進め方
社内でリスクアセスメントに取り組む際には、正しい方法で進めることが大切です。
職場の安全性を高めるためにも、段階的にステップを踏んでいきましょう。
- ステップ(1):社内のリスクを可視化する
- ステップ(2):リスクに対する改善方法を模索する
- ステップ(3):従業員に共有する
3つのステップを詳しく解説します。
ステップ(1):社内のリスクを可視化する
リスクアセスメントへの取り組みで最初におこなうべきことは、社内のリスクを可視化することです。
従業員が働く上でどのようなリスクが存在するのか、労働環境で問題となるポイントなどを挙げていきます。
たとえば、属人化による長時間労働、機械の操作方法が熟知されていないことによるトラブルといった課題があります。
注意点として、経営層だけでなく、現場で働く従業員から聞き取りをおこないながら、可視化するようにしましょう。
ステップ(2):リスクに対する改善方法を模索する
自社のリスクを可視化したあとは、改善方法を模索していきます。
このとき、自社での判断はもちろん、外部の専門家への相談や、他社の事例を参考にするなどし、具体的に改善方法を構築していくことが重要です。
また、改善するべきリスクが膨大な量に及ぶ場合には、それぞれのリスクを評価し、優先順位を付けるようにしましょう。
改善方法をまとめるための担当者や責任者を決め、トップダウンで進めるようにします。
ステップ(3):従業員に共有する
リスクアセスメントの取り組みでは、従業員にリスクの低減方法や改善方法を周知することも必要です。
とくに、危険性が高い業務に就く従業員に対しては、1回限りではなく、定期的に周知し、危険性を常に意識させるようにします。
周知方法としては、社内掲示板での共有や、関連する従業員に対してメールに加え、チャットツールでの連絡も検討に入れましょう。
不明点や改善方法に誤りがある際に、速やかに連絡できる体制を整えておくことが大切です。
>社内の情報共有を効率的に進める方法とは?に関する記事はこちら
Chatworkでリスクアセスメントを取り組もう
危険性や有害性といったリスクを対処するためには、リスクアセスメントに取り組む必要があります。
また、リスクアセスメントで改善策を立てるだけでなく、従業員に周知し、組織全体で安全性を向上させるようにしましょう。
企業向けコミュニケーションツールであるビジネスチャットの「Chatwork」は、リスクアセスメントで立てた改善策を共有するのに便利です。
Chatworkを利用すれば、該当する従業員や部署ごとにグループでまとめられるため、素早い情報共有や報告できる体制を整えられます。
また、Chatworkのタスク機能を使えば、特定の従業員に対して現場での注意喚起やアンケートなどをおこなえます。
さまざまな日常的な情報共有のコミュニケーションツールとしても、Chatworkの導入をご検討ください。
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