企業リスクとは?企業リスクの種類と企業リスクへの対策方法

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働き方改革
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企業リスクとは?企業リスクの種類と企業リスクへの対策方法

目次

企業は経営や事業を進めるにあたり、企業リスクを把握することが大切になります。

企業リスクを正しく理解し、いざというときのための対処ができるようになっていれば、安定した健全な経営ができるでしょう。

企業リスクの種類や企業リスクが発生してしまったときの対策を解説していきます。

企業リスクとは

企業経営では、「リスクマネジメント」を意識して、実践することが大切です。

「企業リスク」が指すことは「企業経営における将来的な危険やその可能性」となります。

リスクは可能性だけでなく、発生した場合の影響も企業リスクには含まれています。

例えば、セキュリティが甘くて個人情報が流出した企業があった場合、その企業の評判や師信頼は下がり、既存顧客も離れていく可能性があります。

企業リスクには、このような「危険や影響」があるため、リスクを「マネジメント=管理」することで、リスクの回避や対処をすることが求められます。

>企業がすべきリスクマネジメントとは?に関する記事はこちら

企業リスクの種類

企業リスクには、主に6つの種類があります。

  • 経営戦略上のリスク
  • コンプライアンスのリスク
  • セキュリティリスク
  • ハザードリスク
  • 法違反のリスク
  • 財務状況のリスク

企業は、それぞれ別方向のリスクを抱えているため、網羅的に管理することが重要になります。

企業リスクの種類について詳しく見ていきましょう。

経営戦略上のリスク

企業が経営していくためには、需要と供給を成り立たせ、継続的に利益を追求していかなければなりません。

そのためには「利益を上げる戦略」を練ることが大切になりますが、企業が売る商品や提供するサービスの需要がなくて、利益がなくなる可能性があります。

また、取引先が倒産して売掛金の回収ができない可能性も考えられます。

利益が発生しない、利益が消失するなどにより、倒産するリスクが常にあるのです。

また、規模拡大などで新規従業員を募集する場合もあるでしょう。

しかし、募集しても、エントリーがない、希望人材がいないこともあります。

ただ「利益を追求する」だけでなく、このような幅広いリスクに備えて経営することが大切です。

コンプライアンスのリスク

コンプライアンスとは「法令順守」という意味で、具体的には次のようなものを指します。

  • ハラスメント(セクハラ、パワハラ、モラハラ)
  • 長時間労働
  • 粉飾決算、横領
  • 情報漏洩

いずれも、ニュースなどで頻繁に取り上げられているためリスクのイメージはしやすいでしょう。

これらに関わるようなコンプライアンス違反があれば、企業への信頼や評判は大きく下がってしまいます。

また、情報漏洩は、不正アクセス以外にも人的ミス(ヒューマンエラー)に注意が必要です。

例えば、メールやFAXの誤送信、PCや資料の紛失、酒の席での個人情報や取引先情報を含めた会話など。

企業リスクにはなりますが個人が気を付けるべきリスクも含まれています。

>【社労士監修】コンプライアンスとは?に関する記事はこちら

セキュリティリスク

不正アクセスのリスクは、インターネットを利用している限り見過ごすことはできません。

第三者からの不正アクセスにより、ウィルス感染やサイバー攻撃などを受け、自社の経営だけでなく取引先や顧客にも甚大な被害をもたらす恐れがあります。

年々、不正アクセスだけでなくフィッシング詐欺などのインターネットを利用した犯罪が増えているため、セキュリティを高めることは重要です。

>情報セキュリティ対策の重要性とは?に関する記事はこちら

ハザードリスク

自然災害のリスクも考えなければなりません。

日本は地震だけでなく、台風の発生も多いため洪水、暴風、高波などへの対処も必要です。

また、自然災害だけでなく、労働災害のリスクもあります。

労働災害と聞くと建設業や製造業が浮かぶかもしれませんが、事務作業の多い職場でも通勤中の交通事故や、資料を取るため脚立に乗り転倒して骨折などの事故が考えられます。

どの職場でも自然災害、労働災害のリスクはあるため、従業員の安全を考えた企業経営をしていくことが求められます。

>BCP対策とは?に関する記事はこちら

法違反のリスク

商品の販売や企業ロゴの作成にあたり、気を付けなければならないのが「知的財産権」です。

知的財産権とは、著作権、特許権、商標権などのことを指します。

これらは、企業や個人が発明したものや作成したデザインなどを保護する法律なので、侵害すると高額の損害賠償請求をされるリスクがあります。

故意ではなくともいつの間にか他の権利を侵害していた、ということにならないよう、細心の注意を払う必要があります。

財務状況のリスク

安定した経営をおこなっていくためには、収支のバランスが大切です。

需要がないのに商品を大量に製造してしまっては、支出ばかりが膨らんでしまいます。

また、投資をおこなっている場合は値動きなどにも気を配らなければなりません。

赤字経営が続いていては融資を断られるリスクや、最終的には倒産のリスクもあります。

財務状況を常に把握しておくことが大切でしょう。

>災害対策に企業が取り組むべき理由に関する記事はこちら

企業リスク対策への考え方

理想としては、企業リスクが発生する事態を起こさせないことですが、完璧に防ぐことは難しいでしょう。

リスクを防ぎきれないなどの最悪の事態を想定しながら、企業リスクの対策を考えていく必要があります。

適切にリスク対策を実施するためにも、企業リスクに対する考え方を解説します。

  • リスクを防止する
  • リスクを受容する
  • リスク被害を軽減する
  • リスクを移転する

いざというときの対策を誤らないように、事前に確認しておきましょう。

リスクを防止する

まずは、リスクを防止することを考えます。

あらゆるリスクを防止できれば、被害が発生することも、それによる世間への影響も起こりえません。

どのようなリスクに対しても発生しないように確認や準備を適切におこなう必要があるでしょう。

リスクを受容する

リスクを防ぐことは大事ですが、リスクを恐れて何も行動を起こせないのでは、本末転倒です。

事業を進めるうえで、受容できるリスクは受容していく必要もあるでしょう。

例えば、「売れるか分からないけど新商品を出してみる」、「希望する人が就職するか分からないけど求人を出してみる」など、どうなるかわからなくてもやらなければいけないときはあるはずです。

また、リスクを理解したうえで行動すれば、軌道修正などもしやすくなります。

ギャンブルではなく、リスクを踏まえたうえでリスクを想定し被害が少なく済む準備をおこないながら進めていくことも重要です。

リスク被害を軽減する

リスクを完璧に防止することは難しいですが、被害を軽減することは可能です。

例えば、ハラスメントの相談窓口の設置や、防災マニュアルの作成などリスクが発生した際の準備をしておくことで対応や解決が素早くおこなえます。

発生してしまったリスクを素早く解決できるように備えておくことが企業リスクへの対策として大きな要素でになるでしょう。

リスクを移転する

リスクを移転、すなわち、外部へ移すことも対策として有効です。

例えば、何らかのリスクが発生した場合でも、別の方法で事業を継続できるようにしておくなどの考え方です。

複数の事業を進めるのもそうですし、拠点や人員を分散して、リスクを分散しておくということもひとつの手段でしょう。

リスクの可能性を減らしておく工夫をも企業リスクへの対策として重要です。

>BCP対策の例に関する記事はこちら

企業リスクを管理する方法

企業リスクの対策が分かっても、リスクをしっかり管理できていないと対策ができているとは言えません。

企業リスクを防ぐためにも、適切な管理方法を検討しましょう。

  • 専門の管理部署を作る
  • 社内教育を徹底する
  • リスク対策マニュアルの作成
  • 経営者が率先して意識する

一時的な対策では、根本的に解決にならず、また企業リスクが発生してしまうでしょう。

企業リスクを管理するための方法を解説します。

専門の管理部署を作る

企業リスクに備えた、専門の管理部署を作りましょう。

企業リスクは多岐に亘るため、他の業務と併用し片手間で管理していては、穴が開く恐れがあります。

リスクが発生すると甚大な被害をもたらす恐れもあるため、企業リスク管理に特化した部署を作ると常にリスクと向き合っていられるでしょう。

リスク対策マニュアルの見直しや社内教育などをし、ときには経営トップなどへの進言もおこない、リスク管理に務めます。

社内教育を徹底する

リスクはヒューマンエラーで起こることが多々あります。

ヒューマンエラーを防止するためには、社内教育を徹底することです。

報連相の重要性や業務上の決まり、業務外の禁止事項などを従業員に徹底して認知させ、常に意識しながら行動することを求めることが大切です。

各社員の「リスクへの意識」が、企業全体のリスク対策に繋がります。

>ヒューマンエラーとは?に関する記事はこちら

リスク対策マニュアルの作成

リスク対策マニュアルを作成し、従業員に徹底して周知しておきましょう。

リスクを防ぐことも大切ですが、発生してしまった場合の迅速な対応も、リスクの軽減に繋がるため重要になります。

問題が発生した場合に、どう対応すべきか、連絡すべき部署はどこか、などをマニュアルとして示しておけば、現場の混乱や情報の錯綜などを防ぎ、迅速な対応も可能となるでしょう。

また、マニュアルは定期的な見直しをし、いつでも最新のリスクに備えるようにしておきましょう。

経営者が率先して意識する

経営者が率先してリスク管理を意識することが大切です。

いくら従業員が意識していても、経営者が無関心であれば防止、軽減できるリスクも発生し、被害が大きくなる可能性があります。

いくら口でリスク管理をしろと言ったとしても、上司がいい加減なら部下もいい加減になるかもしれません。

企業一丸となって企業リスクに備えるためにも、経営者が率先してリスク管理に務め、従業員の意識の引き締め、そして健全な企業を目指しましょう。

企業リスクを理解しながら健全な経営を目指そう

企業リスクは、第三者の不正アクセスだけでなく、企業内で起こるヒューマンエラーも数多くあります。

しかし、ヒューマンエラーは、社内教育の徹底や業務マニュアルの整備などで防げるものも多いです。

リスクが発生したときには、迅速に内容を把握し、適切な対応をすることも求められます。

ビジネスチャット「Chatwork」を利用していただければ、従業員に迅速に情報の共有ができるため、二次被害の防止や今後の対策の教示が迅速に可能です。

また、Chatworkには、タスク管理機能もあるため、リスク管理マニュアルを読むことをタスク化し、それが完了したか否かを把握することも可能です。

リスクの防止や軽減には、密な報連相も大切になるので、迅速かつ円滑な情報共有やコミュニケーションがおこなえるChatworkの導入をご検討ください。

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