インテグリティとコンプライアンスの違いとは?関係性や企業事例について解説

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働き方改革
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インテグリティとコンプライアンスの違いとは?関係性や企業事例について解説

目次

企業の利益を守るなどの目的で、インテグリティを重要視する企業が増えています。

インテグリティには「誠実さ」や「真摯さ」という意味があり、健全な組織であるための重要な要素のひとつです。

また、コンプライアンスを遵守するうえでも重要な役割を担います。

インテグリティを身につけ、コンプライアンスを守れる組織になるためには、まずインテグリティとコンプライアンスの違いを理解することが重要です。

インテグリティとコンプライアンスの違いをわかりやすく解説します。

インテグリティとは

インテグリティ(Integrity)は、「清廉」、「真摯」、「高潔」を意味し、ビジネスでは一般的に「誠実さ」や「真摯さ」を指す表現として使われます。

個人がそれぞれもつ「善悪を判断するときの価値観」ともいえるでしょう。

つまり、インテグリティはビジネスにおける姿勢や概念を指す言葉であり、具体的な行動などを定義することは難しいのです。

時代の変化に合わせ、多くの企業が「誠実さ」や「真摯さ」を重要視するようになっています。

経営の視点では、インテグリティの欠如した従業員がいることで、会社経営が危機に陥るといわれるほど重要視されている資質です。

インテグリティが広まった背景

企業などがインテグリティを重要視する理由には、過去にインテグリティの欠如によって起こった不祥事が関係しています。

業績に応じて評価される「成果主義」が広まった時代に、倫理を軽視してでも成果を重視する人が増えてきたことにより、パワハラや不正会計などの不祥事などが次々に起こるようになりました。

また、インターネットの普及によって、不正や不祥事が簡単に早く広まるようになったことで、SNSなどで「炎上」が起き、経営の悪化につながるケースが増えたことも、インテグリティが重要視される理由のひとつです。

コンプライアンスとは

コンプライアンスとは、「法令遵守」を意味する言葉です。

コンプライアンスを遵守するうえで重要になるのは、以下の3つです。

  • 法令(国が定めた法律)
  • 就業規則(社内のルール、業務に関する取り決めなど)
  • 企業倫理・社会規範(社会から求められる倫理観など)

コンプライアンスには国や組織によって定められたルールが多いことが特徴です。

なお、コンプライアンスの詳細は以下のコラムを参照ください。

インテグリティとコンプライアンスの違い

インテグリティとコンプライアンスの違いについて、詳しく見ていきましょう。

自律的か他律的か

インテグリティとコンプライアンスは、規範が自律的か他律的かの点で異なります。

インテグリティは、個人それぞれによる自律的な規範であり、自発的なルールといえるでしょう。

一方でコンプライアンスは、組織や社会が求める他律的な規範(法律など)であり、強制的に押し付けられたルールといえます。

外的か内面的か

また、インテグリティを判断する際の基準は、外的か内面的かの点で異なります。

インテグリティの判断基準は、個人の「内面的なもの」に委ねられます。

しかし、コンプライアンスは組織や社会など「外的なもの」に決められた判断基準があります。

ポジティブかネガティブか

さらに、とらえ方がポジティブかネガティブかという点にも違いがみられます。

インテグリティの考え方は「いいおこないをしよう」がベースになっており、とらえ方がポジティブだといえるでしょう。

一方でコンプライアンスは、「悪いおこないをしないようにしよう」がベースになっているため、とらえ方がネガティブだといえます。

インテグリティがある企業の例

インテグリティは概念を指す言葉であるため定義が難しいですが、たとえば、以下のような企業がインテグリティのある企業だといえるでしょう。

  • 法律や規範を守る
  • 顧客客や取引先に誠実で真摯に向き合う
  • 公益性を重んじる
  • インテグリティについて積極的に会話をおこなう

近年では、SDGsなどの公益性を理念に掲げる企業が増えています。

また、インテグリティについて社員同士で話し合う機会を定期的に設け、組織全体で「インテグリティとは何か」を追及している企業もあります。

インテグリティは定義が難しいがゆえに、企業と従業員が考え続けていくことが重要でしょう。

インテグリティがある従業員の例

従業員がもつべきインテグリティは、「誠実な行動」をとれる価値観や資質といわれています。

たとえば、以下のような従業員はインテグリティがある従業員だといえるでしょう。

  • 正義感がある
  • 不正に対して厳しい
  • 利益(経験、能力、知識)を共有できる
  • 保身よりも、組織の利益を優先できる
  • 他者の頭脳よりも人格を尊重できる

ミスをしたときに、つい自分の保身を優先したくなるときもあるでしょう。

しかし、インテグリティのある行動をとるならば、組織の利益を優先することが誠実であるといえます。

また、能力や頭脳で他者を判断せず、人格を尊重できることも誠実であるといえるでしょう。

リーダーやマネジメント層はとくに重要視される

インテグリティは、組織の先頭に立つリーダーやマネジメント層でとくに重要視されます。

その理由は、上に立つ人間が誠実で真摯な態度をとることで、部下もインテグリティのある人材になっていくからです。

たとえば、インテグリティのあるリーダー像として、以下のような例があげられます。

  • 向上心や成長志向を持ち続ける
  • 仕事を部下任せにしない
  • 部下に対し、自分の誤りを認められる
  • 部下の相談に親身になれる
  • 立場を利用しない

昇進などで立場が上がっても、立場を利用したりひけらかしたりせずに、さらに成長しようとするなど、向上心をもち続けられる人は仕事に対して誠実であるといえるでしょう。

コンプライアンスの違反事例

コンプライアンスの違反事例として、以下があげられます。

  • 労働問題(過重労働、パワハラ、セクハラなど)
  • 法令違反(食品衛生法、著作権法など)
  • 情報漏えい(顧客情報の流出、インサイダー取引など)
  • 不正会計(架空請求、粉飾決算など)
  • 製品偽装(産地偽装など)
 

コンプライアンスで重視される内容には、法律で定められたルールが多いため、コンプライアンス違反の事例には法律違反をしたケースが多いです。

なお、コンプライアンスの違反事例の詳細は、以下のコラムを参照ください。

企業にインテグリティ・マネジメントを導入するメリット

インテグリティ・マネジメントが企業にもたらすメリットを、詳しく見ていきましょう。

インテグリティ欠如による不利益から組織を守る

インテグリティ・マネジメントの目的のひとつとして、インテグリティの欠如による炎上などを防ぐことがあげられます。

インテグリティ・マネジメントを導入した結果、組織に属すひとりひとりが仕事に誠実に向き合えるようになるでしょう。

その結果、インテグリティの欠如によって被りうる不利益から組織を守ることにつながります。

組織の健全化

インテグリティ・マネジメントは、先頭に立つリーダーを通して組織が健全化するのを手助けします。

組織の先頭に立つ人間がインテグリティを重んじることで、部下は上司の姿からインテグリティのある姿勢を学ぶでしょう。

その結果、多くの従業員がインテグリティのある行動をとれるようになり、組織全体が健全化していく可能性があります。

 

相手を尊重する姿勢が身につく

インテグリティ・マネジメントでは、他者への誠実さを大切にします。

インテグリティ・マネジメントによって、自分本位ではなく他者を尊重するようになった場合、同僚や顧客、取引先などあらゆる相手を尊重する姿勢が身についていくでしょう。

結果として、生産性や売上の向上、人間関係で良好な信頼関係を構築できるようになるなど、ポジティブな影響が期待できます。

コンプライアンスを守れる組織になる

インテグリティ・マネジメントで、従業員に誠実さや真摯さが身についた場合、コンプライアンス違反をする従業員が減ることになるでしょう。

コンプライアンスを遵守できる企業を目指す場合、まずはインテグリティのある企業になる必要があるでしょう。

インテグリティを身につけコンプライアンスを守ろう

インテグリティは、組織の利益を守り、従業員が主体性をもって仕事をおこなうためにも、非常に重要な役割を担います。

インテグリティを身につけるためには、まずインテグリティとコンプライアンスの違いを知り、組織の上に立つリーダーがインテグリティを意識していく必要があります。

そうすることで、部下もインテグリティを身につけられるようになり、結果的に、コンプライアンスを守れる組織になっていくでしょう。

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