パルスサーベイとは?目的やメリット、質問例、導入方法を解説
目次
パルスサーベイは、企業満足度や仕事への意欲などを、短いスパンで定期的に調査する手法です。
短いスパンで定期的におこなうことで、問題の早期発見や、迅速な解決行動につながるメリットがあります。
パルスサーベイの目的・効果や、実施のメリット、導入方法について解説します。
パルスサーベイとは
パルスサーベイとは、社員の士気や意欲を、短いスパンで定期的に調査するサーベイです。
一般的なサーベイは、年や月単位に1度の間隔で調査をおこないますが、パルスサーベイは、1ヶ月から数か月の間に複数回という短いスパンでおこなわれるサーベイです。
頻繁に調査をおこなうため、迅速に解決したい課題や、短期間での変動を知りたい項目がある場合に役立つでしょう。
反対に、短い期間で変動がなさそうな課題や項目に対しては、向いていない調査方法です。
パルスサーベイの目的・効果
パルスサーベイは、社員の士気や満足度の推移を定期的にチェックすることを目的におこないます。
社員の士気や満足度は、いつどのようなタイミングで上下するのか、短いスパンで定期的に調査することで、リアルタイムに社員の状態を把握することができます。
短期間で社員の士気を上げたい場合や、士気や満足度を上げる施策を企業内で実施した際など、いつ効果が出るのかを確認したい場合に有効な手法です。
社内アンケートとの違い
社内アンケートとの違いは、項目の幅広さにあります。
社内アンケートは、企業満足度調査とともにストレスチェックなど、企業や社員個人の状態を広く把握するためにおこなわれます。
また、実施回数も年や半年に一回程度と頻度が少ないものが多いでしょう。
パルスサーベイは短いスパンで継続的におこなわれるため、社内アンケートとは性質が異なります。
パルスサーベイ導入のメリット
パルスサーベイを導入するメリットを見ていきましょう。
従業員満足度の把握
従業員満足度を定期的に把握することができます。
社員の士気や企業満足度は定期的に移り変わるものです。
とくに、組織編成や部署内の人員変更などによっては、大きく変動する可能性があります。
また、社員の業務内容や個人の性格によっても細かく変動するでしょう。
パルスサーベイで、定期的に従業員満足度を把握することで、企業満足度を安定して維持することにつながるでしょう。
社員のエンゲージメント向上
社員のエンゲージメントが向上します。
調査を定期的に実施することで、社員自身が業務の意欲や士気に注目しやすくなります。
サーベイの質問に答えることで、社員自身が、自分の意欲が高いときはどのようなときかなどに気がつくきっかけとなり、主体的に意欲を高める行動をすることにつながります。
社員のモチベーションも高まり、生産性の向上も期待できるでしょう。
低コストで実施できる
低コストで実施できるのがメリットです。
パルスサーベイは、定期的に短いスパンで実施する代わりに、質問項目が10~15問程度と少ないのが特徴です。
また、質問項目の設定にかかる時間も少なく、一度項目を決めてしまえば、同じ容量で測定し続けることができます。
回答に時間がかからないため、社員の負担も少ないです。
パルスサーベイの質問例
パルスサーベイには、どのような質問を設定するのが適切でしょうか。
効果を出すために、適切な質問についてみていきましょう。
<メンタルヘルス対策に注力したい場合>
- 企業内に悩みを相談できる人はいますか?
- 会社に行くのが憂鬱で、不安な気持ちになることがありますか?
<組織内のチームワークを確認したい場合>
- 組織の関係性は良好ですか?
- 組織内では、心理的安全性があり、安心してコミュニケーションを取れますか?
とくに調査したい項目を最初に考え、その項目を測るための質問項目を選定しましょう。
パルスサーベイの導入方法
パルスサーベイの導入方法を見ていきましょう。
調査票を作成する
調査項目を選定し、調査票を作成します。
まず、調査の項目数はいくつにするのか、回答方法はどうするのかを検討しましょう。
定期的に回答するのに、苦にならない程度の項目数を設定し、回答方法は「はい」か「いいえ」で答えられるものや、5段階評価で答えられるものを設定します。
調査票を作成する際は、回答することが負担にならないような設計にすることを、念頭におきましょう。
調査を実施する
作成したら、調査を実施します。
対象の社員にチャットツールやメールを介して、サーベイへの回答依頼を送信しましょう。
回答期限を設けることで、回答率を高くすることができます。
また、社員が忙しい時間帯を避け、回答しやすい時間帯に送るなど、社員への配慮も忘れないようにしましょう。
調査結果を分析する
回答が集まったら、調査結果を取りまとめ分析します。
個人単位で見ると、前回実施時と大きく評価に差が出る人がいるかもしれません。
そのような場合は、仕事やプライベートに関わらず、個人に大きな変化があったと予想できるため、全体の調査は引き続き進めつつ、気になる場合は個人単位で介入するようにしましょう。
組織単位での変化が大きい場合は、マネジメントにより評価が上下していると考え、適切に対応しましょう。
分析結果に応じて対策をおこなう
分析結果に応じて、適切な対策をおこないましょう。
個人単位で気になる評価の人がいれば、プライバシーに十分配慮したうえで、個人的に話を聞く機会を設けるなどの対策をおこないましょう。
組織単位の場合も、評価に大きな変動が出た場合や、評価を上げるための施策への反応が出ない場合など、適切なタイミングで対策を取るようにしましょう。
パルスサーベイの活用シーン
パルスサーベイの活用シーンを見ていきましょう。
現場の現状を知りたいとき
現場の実状を知りたいときに活用できます。
たとえば、組織の士気を知りたいとします。
経営側が認識している現場の士気と、実際の現場での士気は大きく異なる場合がありますが、パルスサーベイを活用することで、現場で働く社員の現状を知ることができます。
経営側が現場の声を聞くことで、改善の対策も立てやすくなります。
社員のオンボーディング
新入社員や中途社員、部署異動をした社員など、社員のオンボーディングにも活用することができます。
環境が変わることで、ストレスは少なからず発生します。
ストレスをモチベーションとして、よい効果を生む場合もありますが、ネガティブに向かう可能性もあるため、社員のコンディションを定期的に調査することは重要です。
気になる評価の社員には、素早く介入し、対策を講じましょう。
新しい制度の導入時や見直し時
新しい制度を導入するタイミングや、見直しのタイミングの効果測定に適しています。
たとえば、社員のエンゲージメントを上げる施策を導入した際、その施策がどのような効果があるのかを測りたい場合に活用することができます。
定期的に調査をおこなうため、評価の変遷や、制度改定前後の変化についても確認することができます。
社員のメンタルヘルスチェック
社員のメンタルヘルスチェックに活用することができます。
定期的に短いスパンで調査をおこなうことで、「特定の社員の評価がいつも低い」「徐々に評価が低下している社員がいる」などの社員のメンタル状況を把握することができます。
定期的に調査を実施することで、気になる社員をすぐに見つけることができ、迅速に適切なメンタルケアをおこなうことができるでしょう。
パルスサーベイの実施の注意点
パルスサーベイを実施する際は、調査の目的や結果、サーベイ実施の流れについて、社員に共有をおこなうようにしましょう。
調査の目的を共有することで、率直な回答や、真摯な回答につながります。
また、サーベイの結果を共有することで、社員自身も、部署や組織内の現状を知ることができるため、個人や部署単位での主体的な改善行動を期待することができるでしょう。
また、サーベイ実施の流れを社員に伝えることも大切です。
個人が特定されないことや、集めた情報の管理方法を共有することで、安心して回答することができます。
パルスサーベイを理解して活用しよう
パルスサーベイは、社員の士気や意欲を、定期的に短いスパンで調査できるため、問題への迅速な対応が可能になります。
サーベイの導入目的や、導入までの流れを理解しておこなうことで、組織内の問題解決に役立てることができるでしょう。
また、サーベイを実施する際は、サーベイの目的や実施方法を社員に共有し、実施への協力を求めることで、質の高い回答結果を集めることができます。
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