モダナイゼーションとは?DX推進の5つの手法と手順、成功のポイントを解説

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モダナイゼーションとは?DX推進の5つの手法と手順、成功のポイントを解説

目次

IT技術はビジネスシーンにおいて欠かせないものであり、どの企業もIT技術を活用して、さまざまな課題解決にとりくんでいます。

長年をかけてIT化が進められてきた結果、IT資産のなかには老朽化してしまったものもあるでしょう。

老朽化したIT資産を刷新することを「モダナイゼーション」といい、多くの企業がとりくみを始めています。

この記事では、モダナイゼーションについてわかりやすく解説します。

モダナイゼーションとは

モダナイゼーション(modernization)とは、古くなった企業のIT資産を、最新の製品やサービスなどに置き換え、最適化のために刷新することです。

IT資産には、PCやプリンター、スマートフォンなどから、サーバーやソフトウェア、蓄積データなどが該当します。

英語の「modernization」は、「近代化」や「最新式化」などの意味がある単語で、ITの分野にいて、古いものを新しいものに置き換える意味で昨今使われるようになりました。

モダナイゼーションが注目される背景

IT資産が古くなると、日々の業務に支障をきたすためモダナイゼーションは重要です。

AIなど新しいIT技術が次々と登場し、企業の生産性を高めるには、IT資産も新しくしていく必要があります。

とくにモダナイゼーションが重要視される理由が「2025年の崖」です。

経済産業省のレポートは、2025年までに企業がIT資産を刷新し、組織のデジタル改革(DX化)を実現できないと、大きな経済的損失が発生するという予測を発表しています。[※1]

IT資産を刷新し「2025年の崖」を回避するために、モダナイゼーションは欠かせない要素です。

>2025年の崖に関する記事はこちら

マイグレーションとの違い

モダナイゼーションと似た言葉に「マイグレーション」があります。

マイグレーションは、既存のシステムを別のシステムに移すことです。

モダナイゼーションは、既存システムのIT資産を活用しつつ新しいシステムを作ることを指すため、マイグレーションとは異なります。

モダナイゼーションの5つの手法

モダナイゼーションを実施するには、自社の状況にあわせて最適な方法を選択する必要があります。

今回は、モダナイゼーションの代表的な手法として、下記の5つを紹介します。

  • リドキュメント
  • リファクター
  • リホスト
  • リライト
  • リプレイス

どの手法が自社にとって最適な手法になるのか、それぞれ詳しくみていきましょう。

リドキュメント

リドキュメントとは、既存システムに関する情報をドキュメント化して可視化する方法のことです。

既存システムの仕様や操作方法などの情報を関係者から収集して、ドキュメント化します。

リドキュメントは、既存のITシステム自体への変更を伴わないため、実施も簡単です。

リファクター

リファクターとは、コードの内容を最適化して、刷新することです。

システムの基本的な仕様は変更せず、現在の状況にあわせて不要になったコードを削除し、コード内容をわかりやすくすることをしファクターといいます。

リファクターは「リファクタリング」とも呼ばれます。

リホスト

リホストは、IT資産の基盤となる部分を別の環境に移すことで、機器の保守切れなどに対応する方法です。

既存システムはそのままに移行をおこなうため、コストを抑えてすばやく実行しやすいというメリットがあります。

一方で、システム自体は既存システムのままのため、場合によっては十分なモダナイゼーションの効果が得られない点には注意が必要です。

リホストでは、クラウドサービスが利用されることもあります。

リライト

リライトは、既存のシステムで使われている開発言語を変更する方法です。

現在使っている開発言語から新しい開発言語に変更して、ITシステムの刷新をはかります。

実施には、プログラミングの開発言語に精通した人材が必要です。

既存のシステムの機能や仕様をそのまま利用できる点は、コストを抑えられるというメリットもありますが、抜本的な刷新のためには、次で紹介するリプレイスなどが適していることがあります。

リプレイス(リプレース)

リプレイス(リプレース)とは、既存のシステムを根本的に新しくする方法です。

これまでとは異なる環境となるため、職場の業務プロセスも含めた改革が可能です。

変化の規模が大きい分、コストも大きくなりますが、大きな効果が期待できるでしょう。

モダナイゼーションのメリット

旧システムを最新化し、最適化するモダナイゼーションには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

企業のDX化を推進するためにも、モダナイゼーションのメリットを正しく認識しておきましょう。

生産性向上

モダナイゼーションをおこなうことによって、IT資産が新しくなると、処理速度の向上など企業としての生産性向上につながります。

たとえば、パソコンが古くて起動に時間がかかる、アプリケーションの動作が遅いといった問題は、実際に経験したことのある人も多いでしょう。

モダナイゼーションの実施によって、さまざまな機器やインフラ面において、高速での処理が可能となり、効率的に業務ができる環境を構築できます。

セキュリティ強化になる

システムが古いと、セキュリティ面での脆弱性も多数抱えることになります。

セキュリティツールも日々新しくなるため、システム自体が新しいセキュリティツールに対応していることも重要です。

モダナイゼーションでシステムを新しくすることによって、セキュリティ強化の効果が期待できるでしょう。

>情報セキュリティの10大脅威2022とは?に関する記事はこちら

BCP対策になる

BCPとは「Business Continuity Plan」の頭文字をとった略語で、「事業継続計画」のことです。

システムはセキュリティの問題や自然災害などで壊れ、事業を継続できなくなる可能性があります。

BCPは、ITインフラの整備やクラウドの利用などによって事故が発生したときにも、事業が継続できるようにすることです。

モダナイゼーションでは、クラウドサービスが使われることも多く、システムを新しくすることによって、同時にBCP対策にもなります。

>BCPの具体例に関する記事はこちら

モダナイゼーションの実施手順

モダナイゼーションを実施する際は、以下の手順で進めてみましょう。

  1. モダナイゼーションの対象を決める
  2. 置き換えるシステムを決める
  3. 実施に必要なコストを算出する

それぞれのステップについて、詳しくみていきましょう。

モダナイゼーションの対象を決める

モダナイゼーションを実施する際は、まずなにをモダナイゼーションするのか、対象を決めましょう。

「この業務システムをモダナイゼーションする」と決めたときにも、一部分だけモダナイゼーションするのか、システム自体を抜本的に構築し直すのか、モダナイゼーションの範囲を決める必要もあります。

モダナイゼーションの対象を細かく特定することによって、必要なコストの見積もりなど次のステップにつながります。

置き換えるシステムを決める

モダナイゼーションを実施する対象が決まったら、次にどのようなシステムに置き換えるのかを検討します。

置き換えるシステムによって、それぞれメリットとデメリットがあります。

事前に複数のシステムへの置き換えを比較検討し、モダナイゼーションを実施する目的に一番合うシステムを選ぶようにしましょう。

実施に必要なコストを算出する

モダナイゼーションの実施対象や新たに必要になるシステムが決まったら、必要なコストを算出します。

コストを算出するときには、以下のような視点が必要になります。

  • どのような人員が何人必要なのか
  • どの程度の時間的コストがかかるのか
  • 金銭的にいくらの予算が必要になるのか

企業ごとに、モダナイゼーションにかけられる人員や予算には、限りがあります。

モダナイゼーションを実施する前に、必要なコストを算出しておきましょう。

モダナイゼーションを成功させるポイント

モダナイゼーションを成功させるポイントを紹介します。

明確な目的やゴールを設定する

モダナイゼーションを実施する際は、先に明確な目的やゴールを設定しておくと、ほかの細かい工程における意思決定もしやすくなります。

目的やゴールがあやふやなままでは、コストの算出やモダナイゼーションの対象を決めるといった各実施手順において、必要な答えを出すことができません。

なにが目的なのかを決めて、そこから逆算する形で細部を検討していくとスムーズです。

既存のシステムを見える化する

そもそも現在自社にどのようなIT資産があるのか、どのようなシステムがあるのかが可視化されていると、モダナイゼーションが必要な対象もわかりやすくなります。

また、既存システムの見える化がされていれば、モダナイゼーションについて話し合うときに、どのシステムの話をしているのかといった議論もスムーズになるでしょう。

企業には多くのIT資産があるので、既存のシステムの見える化はモダナイゼーション成功に必要なポイントです。

モダナイゼーションでDX化を推進しよう

モダナイゼーションとは、企業のIT資産を刷新することです。

近年、ビジネスシーンでもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進められ、AIやビッグデータなどを活用した業務改善が進められています。

>DXに関する記事はこちら

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[※1]出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
※本記事は、2023年6月時点の情報をもとに作成しています。


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