建設DXとは?具体的な進め方や課題、企業事例をわかりやすく解説

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働き方改革
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建設DXとは?具体的な進め方や課題、企業事例をわかりやすく解説

目次

建設業界においても、DXの推進が求められていますが、具体的な進め方やメリットがわからず、とりくめていない企業も多いでしょう。

DXへのとりくみは建設業界の課題解消につながる可能性が高いです。

建設DXの意味や具体的な進め方、もちいられる技術、企業事例について解説します。

建設DXとは

建設DXとは、建設業界にAIなどのデジタル技術を導入して、業務効率化や建設業界が抱える課題解消をはかることです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の発達によって人々の生活をよりよくしていこうとするとりくみのことで、ビジネスモデルの変革が企業に求められています。

>DXとは?に関する記事はこちら

建設DXが注目される理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、政府から非対面、非接触の生活が推奨されましたが、建設業はオンラインでの業務に慣れておらず、対応の難しさがありました。

また、少子高齢化が進んでいる現代は、20歳から64歳の働き世代の人口が減少の一途をたどり、1990年には総人口の62%を占めていましたが、2040年には50%になると予測されています。

業務のオンライン化や少子高齢化などの時代の変化に適応するため、建設DXをおこなってIT技術を導入し、業務のやり方を変革することが求められています。[※1]

建設業が抱える課題

建設業が抱える代表的な課題を解説します。

人材不足

建設業の就業者数は、平成9年に685万人いたのに対し、平成22年には498万人、令和3年には482万人と大きく減少しています。

また、年齢別の建設技能者数は、60歳から65歳以上が79.5万人で全体の25.7%を占める一方で、15歳から29歳以下が37.2万人で全体の12.0%しかおらず、高齢化が進んでいる状況です。

建設業は、人手不足とともに、建設技術の担い手不足の課題も抱えているでしょう。[※2]

生産性

2020年における建設業の生産性は3,075円/人・時間でしたが、全産業の平均生産性は4,412円/人・時間でした。

また、建設業は2001年から2019年までは3,000円/人・時間を超えることがなかったため、生産性が低い業界といえます。

建設業は、人手不足や非効率な業務などが生産性の低さにつながっている可能性があるため、少ないリソースで効率よく業務を遂行することが求められます。[※3]

働き方改革

令和3年度における全産業の平均年間実労働時間は、1632時間でしたが、建設業界の年間実労働時間は1978時間で、全産業の平均時間よりも346時間も多いです。

また、令和3年度の年間出勤日数は、全産業の平均が212日であるのに対し、建設業界は242日もあるため、休みが少ないことがわかります。

働き方改革を実施し、建設業界の就業者の負担を減らすためにも、建設DXへのとりくみが重要でしょう。[※2]

建設DXのメリット

建設DXにとりくむことで得られるメリットを解説します。

業務効率化がはかれる

建設DXへのとりくみは、業務効率化につながる可能性が高いです。

たとえば、3Dデータなどをもちいて立体的な図面を描ければ、現場での打ち合わせや作業計画を立てなくてもオンラインでおこなえるでしょう。

移動の時間が省ければ、ほかの作業にとりかかる時間が増えるため、効率よく業務を進められます。

省人化・省力化がはかれる

建設業界にデジタル技術を導入することで、人手が少なくても業務を進めやすくなります。

デジタル技術によって建設機械を遠隔操作できた場合、機械に乗って操作するための人員が不要になり、省人化がはかれたり、作業者の安全性が高まったりします。

技術継承が進む

建設業界の課題にあげられる建設技術の担い手不足ですが、建設DXをおこなうことで、技術継承を進められる可能性があります。

熟練の建設技術者のノウハウをデジタル技術に記録することで、建設技術者が直接若手人材に指導しなくても、多くの人材が記録されたデータから学ぶことができます。

建設DXでもちいられるデジタル技術

建設DXでは、複数のデジタル技術がもちいられます。

建設DXでもちいられるデジタル技術を紹介します。

AI(人工知能)

AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」の略で、コンピュータが自主的に学び、判断する技術のことです。

コンピュータが学んで判断できるようになるため、熟練の技術者の能力を習得させたり、人間しかできなかった工程を任せたりできるでしょう。

SaaS(クラウドサービス)

SaaSとは、「Software as a Service」の略語で、供給者が、クラウド上でソフトウェアのサービスを作成し、利用者に提供されるものです。

利用者は、インターネット環境と各ツールのアカウントを持っていれば、どこにいてもサービスを使用することができます。

たとえば、企業のオフィスにいる人と建設現場にいる人がクラウドサービスにアクセスすることで、建設状況を確認できたり、進捗を入力して、リアルタイムで情報を伝えられたりします。

>SaaSに関する記事はこちら

ICT(情報通信技術)

ICT(情報通信技術)とは、「Information and Communication Technology」の略で、デジタル技術をもちいてコミュニケーションをはかり、情報共有などをおこなうことです。

ICT(情報通信技術)には、重機の遠隔操作やドローンを使った3次元測量技術などがあります。

>ICTに関する記事はこちら

ディープラーニング(機械学習)

ディープラーニング(機械学習)とは、AI(人工知能)にも施されている技術で、人間が自然におこなう行動をコンピューターに学習させることをいいます。

ディープラーニング(機械学習)を活用することで、人間が目視していた設備の劣化などをコンピューターが判断できるようになります。

ドローン

ドローンとは無人航空機のことで、人の操作によって空を飛べるため、カメラを搭載していれば建設現場や構造物を上空から確認できます。

人の目が届かない箇所をドローンによって確認できるため、建設工事の進捗確認や、点検作業にも活用できるでしょう。

BIM/CIM

BIM/CIM(ビム/シム)とは、構造物を立体的な図面で示すデジタル技術のことです。

BIMとCIMは、それぞれ「Building Information Modeling」と「Construction Information Modeling」の略称で、建設に関する計画や設計の段階から3Dデータを活用します。

計画の段階から立体的な図面を見られるため、構造物のイメージが湧きやすく、課題や懸念点なども顕著になるでしょう。

建設DXを進める5つの手順

建設DXを適切に進めるために、5つの手順を確認しましょう。

ステップ(1):現場の課題を理解する

建設DXを進めるにあたり、まずは現場の課題を理解するために、現場の声を聞きましょう。

建設業界は、人手不足や労働時間の多さなどの課題があるため、業務効率化をはかるには現場で働く人の意見を聞き、負担になっていることや要望などを洗い出すことが大切です。

ステップ(2):目的・戦略を策定する

現場の課題から、建設DXの目的や戦略を策定します。

建設DXは企業全体がとりくまなければ変革をおこせないため、現場の課題を経営者や経営者層にも共有し、目的や戦略を理解してもらいましょう。

ステップ(3):DXの導入体制を整える

DXを導入するために、デジタル技術の知識や技術をもった人材の確保・育成をおこないましょう。

DXの導入には多大な労力がかかるため、DX推進のチームを発足し、DXの実現に向けた作業に専念できる環境を整えることが大切です。

また、DXを進められるデジタルツールも導入します。

ステップ(4):小さな範囲で実行をはじめる

業務効率化のためにはじめから大きな変更を強いると、難しさを感じるなどして、従業員のモチベーションが下がったり、諦めたりする恐れがあります。

まずはビジネスチャットでコミュニケーションをとったり、紙でやりとりしていた書類をデジタル化したりするなど、小さな範囲で実行していきましょう。

ステップ(5):効果検証と改善をおこなう

DXを導入したあとは、効果検証をおこない、問題点があれば改善します。

デジタル化した作業にエラーが発生したり、社員がデジタル化に慣れず、活用できていなかったりする可能性があるため、システムの状態や社員の様子をうかがいながら、DXの効果を高めていくことが大切です。

建設DXの注意点と成功のポイント

建設DXの注意点と成功のポイントを解説します。

現場の声に耳を傾ける

建設DXを進める際には、現場の声によく耳を傾け、意見を反映したとりくみをおこなうことが重要です。

建設DXによってデジタル化した作業をおこなうのは現場のため、現場が働きやすい作業の実現を目指しましょう。

また、突然デジタル化が進められた場合、現場から反発の声があがる恐れがあるため、事前に建設DXの重要性やもたらされるメリットを説明し、理解を促しておきましょう。

現状の課題を明確にする

現状の課題を明確にし、建設DXをおこなう目的を見出しておくことが大切です。

目的が不明瞭な場合、社員は目指す方向性がわからないため、不要な作業に着手したり、DXにとりくむ理由がわからず意欲を削がれたりするかもしれません。

社員が意欲的に建設DXにとりくめるように、建設DXへのとりくみで成し遂げたいことを明確にしておきましょう。

自社に最適な方法を選択する

建設DXで活用できるデジタル技術はさまざまですが、導入しても使い勝手が悪かったり、自社に合わなかったりすれば、建設DXを進められないでしょう。

自社の課題を解決するために必要なデジタル技術は何かを考え、社員の使いやすさを考慮しながら、最適な方法を選択することが重要です。

建設DXの成功事例

建設DXの成功事例を紹介します。

企業全体でデジタル化を進める事例

「ものづくりをデジタルで」「デジタルな空間・サービスを提供」「ものづくりを支えるデジタル」の3つのデジタル化コンセプトを策定しているとある企業は、企画段階でコンピューターによるシミュレーションをおこなったり、施工時に3Dプリンターを活用したりしています。

また、デジタルツールの導入によってペーパーレス化を実現し、書類の保管や管理負荷の軽減にいたっています。

デジタル人材はデジタル活用人財、デジタル推進人財、高度デジタル人財とわけられ、一般部門や事業部門などに配置されています。

デジタル人材がデジタル化を推進していく一方で、一般社員にもICTを活用できるように教育が実施されるなど、企業全体でデジタル化が進められている状況です。

作業の手戻りを削減した事例

BIMデータと連携させ、部材の製作や施工、検査などの各工程の進捗予定と実績を管理するシステムを建設現場に導入したとある企業は、作業の手戻りや手待ちの削減に成功しました。

また、建設の企画の段階で、現場の立地や気候などから、光や日射状況、騒音などをシミュレーションし、最適な空間となるよう追求しています。

建築物にトラブルが発生した際には、デジタル情報による管理によって迅速な状況把握を可能にしています。

DXの第一歩に「Chatwork」を活用しよう

建設DXへのとりくみは、人手不足や生産性の低さという建設業界の課題を解決する可能性があるため、まずは小さなことからDXにとりくんでいくことが大切です。

社内でのコミュニケーションをメールや電話でおこなっている場合は、ビジネスチャット「Chatwork」の活用をご検討ください。

ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式でメッセージを送れるコミュニケーションツールです。

個人チャットだけでなくグループチャットも作成できるため、DXへのとりくみについて共有したり、指示を出したりできるでしょう。

>Chatworkのグループチャットに関する記事はこちら

タスク管理機能はDX実現に向けたタスクを自分に課したり、ほかの社員にタスクを与えたりすることが可能です。

>Chatworkのタスク管理機能についてはこちら

ビジネスチャット「Chatwork」は無料で簡単に使いはじめることができます。

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DXを進める第一歩として、「Chatwork」をぜひご活用ください。

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[※1]出典:厚生労働省「我が国の人口について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html
[※2]出典:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001493958.pdf
[※3]出典:日本建設業連合会「5. 生産性と技術開発 | 建設業の現状」
https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-5/index.html
※本記事は、2023年2月時点の情報をもとに作成しています。


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