五月病とは?なりやすい人の特徴や原因、症状や適切な対策を紹介【臨床心理士監修】
目次
ゴールデンウィークの連休明けの5月に、気分が落ち込んだり、仕事に行きたくなくなったりする状態のことを「五月病(5月病)」といいます。
実際に、これまで五月病を経験したことがあるという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、臨床心理士監修のもと、五月病について、以下の点を中心に詳しく解説します。
・五月病とはなにか
・五月病になりやすい人の特徴
・五月病の代表的な症状
・五月病の原因
・五月病の予防方法
五月病になると、普段の生活ができなくなるなど、さまざまな悪影響があります。
五月病に適切に対処していけるように、原因や対策方法について、正しい知識をつけていきましょう。
五月病とは
五月病とは、5月の連休後に気持ちが落ち込む・身体がだるいなどの心身の不調を感じる状態のことで、医学的な病名ではありません。
医学的な用語のなかで、五月病に近いものとしては、適応障害や抑うつ状態などがあげられるでしょう。
従来五月病は、新年度がはじまる4月に、入学や進級・就職などで、新しい生活がはじまった学生や新社会人に多いとされていました。
しかし、現在では、転勤や部署異動、転職などによって環境が変わった中高年層にも五月病が増加しています。
進級や転職など、喜ばしいライフイベントであったとしても、環境の変化はストレスになり、五月病を引き起こす可能性があるでしょう。
五月病になりやすい人の特徴
五月病になりやすい性格の特徴には、以下のようなものが挙げられます。
- 几帳面
- 真面目
- 完璧主義
- 責任感がある
- 自己主張が弱く大人しい
五月病は環境の変化によって引き起こされる可能性があり、このような性格や特徴がある場合、人一倍ストレスを感じてしまい、五月病になってしまう可能性が高いと考えられます。
また、五月病になりやすい性格や特徴をもつ人にとって、ストレスを感じる可能性がある環境変化の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 進級・進学・就職・転職・転勤など、環境の変化が春にあった
- 周囲の人の異動などで、職場の人間関係や環境が変わった
- 昇任や昇格により、仕事の責任が増えた
同じ時期に同じように進学や就職などを経験していても、五月病になる人もいればならない人もいます。
これは、本人の性格や特徴の違いが影響しているためなのです。
五月病の代表的な症状
環境変化などのストレスが原因で引き起こされる五月病には、さまざまな症状があります。
身体の症状と心の症状にわけて、詳しくみていきましょう。
五月病の症状:身体
五月病が引き起こす身体の症状には、以下のようなものがあります。
- 身体のだるさ・倦怠感
- 疲れやすくなる
- 頭痛
- 腹痛
- めまい
- 不眠
- 食欲不振
- 仕事や家事など、いままでできていたことができない
五月病というと、心の問題というイメージがあるかもしれませんが、身体的な不調をともなう場合もあります。
身体の症状については、身体的な疾患やメンタル疾患が原因である可能性も考えられるため、気になる症状がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
五月病の症状:心
五月病が引き起こす心の症状には、以下のようなものがあります。
- やる気が出ない
- 気分が落ち込む
- 不安感や焦りがある
- 気持ちが落ち着かない
- 仕事や学校に行きたくない
- 趣味や好きだったことへの興味がなくなった
こうした心の症状は、悪化すると、うつ病などのメンタル疾患につながるケースがあります。
少しでもおかしいと感じたら、放置せずに適切に対処するようにしましょう。
五月病の原因
五月病は、新しい環境のなかで感じるさまざまなストレスが影響して引き起こされる状態です。
新しい環境では、「うまくやっていけるかどうか」という不安や緊張が高まるものです。
進学や就職では、朝早くから満員電車に乗る必要もあるため、通勤通学などで身体的な疲れもたまりやすいでしょう。
また、進学や転勤をきっかけに引っ越しをする場合は、手続き関係などで時間も労力も使います。
慣れ親しんだ土地を離れると、家族や親しい友人がおらず、寂しさを感じることもあるでしょう。
辛いときに相談できる人が身近にいない場合、五月病になるリスクが高まります。
このようなさまざまなストレスが春から続くことが、五月病の原因と考えられています。
五月病の予防方法
せっかく新生活をスタートさせたにもかかわらず、五月病になってしまい、学校や仕事を休むなど、日常生活に支障がでるのは避けたいものです。
五月病を予防する方法はいくつかありますが、今回は、以下の6つの方法について解説します。
- 完璧主義をやめる
- コミュニケーション頻度を高める
- 規則正しい生活習慣を心がける
- 適度に身体を動かす
- 趣味に打ち込む
- ストレスを受け入れる
それぞれの方法について、詳しく解説します。
完璧主義をやめる
五月病だけではなく、うつ病や適応障害、六月病などのメンタル疾患において、完璧主義は悪影響です。
たとえば、テストで90点をとったときに、「100点ではなかったけれど90点もとれた、自分は頑張った」と思えれば、成功体験となります。
しかし、完璧主義的に考えて、「100点でなければ意味がない」「あと10点とれれば100点だったのに」と自分を責めてしまうと、ストレスになってしまいます。
過度な完璧主義は、自分に負荷をかけてしまい、ストレスを生じさせ、結果として五月病やほかのメンタル疾患を引き起こしやすくなります。
自分にストレスを与えすぎないためにも、以下の3点を意識するようにしましょう。
- クリアしやすい目標設定をする
- 自分のできていることを、理想や他人と比較せずに評価する
- 自分のいいところを意識的に見つける
意識や心がけを変えていくことで、自分を認めていけるようになるでしょう。
コミュニケーション頻度を高める
コミュニケーションには、不安や緊張といったネガティブな感情を減らしてくれる効果があります。
とくに新しい環境では、周囲の人とのコミュニケーション頻度を高めることで、良好な関係を築きやすくなり、結果として人間関係に対する不安感の軽減につながるでしょう。
コミュニケーションをとる際は、「会話を弾ませなければ」など、気負い過ぎる必要はありません。
自分から挨拶をするなど、簡単なところからはじめてみましょう。
規則正しい生活習慣
規則正しい生活は、心身の健康管理のために重要な要素です。
- 夜更かししすぎない
- 起きる時間を固定する
- 3食しっかり食べる
基本的なことですが、このような規則正しい生活習慣を意識すると、心身の健康維持に役立ちます。
適度に身体を動かす
適度に身体を動かすことは、心身のリラックス状態づくりに有効です。
「疲れていて運動なんてできない」と思う方も多いかもしれませんが、適度な運動は、成長ホルモンの分泌をうながします。
成長ホルモンは、疲労回復に重要な役割を果たしており、運動することでむしろ疲労回復を期待できます。
仕事や授業などで座りっぱなしの状態が多い場合、少しの時間でも身体を動かすことで、気持ちのリフレッシュにもなります。
五月病の予防として、積極的に取り入れたい習慣です。
趣味に打ち込む
趣味や好きな物事に打ち込むことは、ストレスの解消につながります。
また、仕事や勉強とは関係のない自分の時間があれば、他人に気をつかわず、ひとりでリラックスして過ごすこともできるでしょう。
趣味や好きな物事に関する活動は、「また明日から頑張ろう」「来月には楽しみにしているライブがあるからそこまで頑張ろう」など、モチベーションの維持にも役立ちます。
忙しい日々を過ごしていると、趣味や好きな物事の優先度が下がってしまうこともありますが、疲れているときこそ、熱中して、リフレッシュをはかってみてはいかがでしょうか。
ストレスを受け入れる
「完璧主義をやめる」にもつながりますが、ストレスをすべてなくすことは現実的には不可能です。
また、新しい環境において、不安や緊張といったストレスを感じることは、ある意味自然な反応ともいえます。
そのため、ストレスを感じたとしても、「このままではダメだ」「自分は弱いんだ」など、ネガティブにとらえる必要はありません。
適度なストレスは、パフォーマンスをあげるなど、ポジティブな影響もあります。
ある程度ストレスを感じることは自然な反応であるため、一定のストレスを受け入れ、向き合うことも大切です。
コミュニケーション活性化に「Chatwork」
五月病とは、5月の連休明けごろに、身体がだるい・気持ちが憂鬱になるといった、心身の不調を感じる状態のことです。
五月病は、進学や就職、転勤や異動といった環境の変化によって生じるストレスが原因といわれています。
五月病が長引いてしまうと、日常生活を送ることが困難になるケースもあるため、原因を知り、適切に対処できるようになりましょう。
五月病の予防方法のひとつとして、コミュニケーションの頻度を高める方法がありますが、コミュニケーションは、ストレスや孤独感の解消、問題解決、良好な人間関係の構築などに役立ちます。
ぜひ、意識的に周囲の人とコミュニケーションを積極的にとり、五月病の予防を目指しましょう。
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記事監修者:山崎ゆうき(やまざきゆうき)
臨床心理士・公認心理師の資格を所持。司法・障害福祉領域などでの勤務を経て、独立開業。メンタルヘルス系の記事を中心に、心理学の知識をいかした記事執筆・監修を担当。心理学の知識をわかりやすく、日常でも実践しやすい形で発信しています。