コンフォートゾーンとは?抜け出す方法や例をわかりやすく紹介

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コンフォートゾーンとは?抜け出す方法や例をわかりやすく紹介

目次

コンフォートゾーンとは、ストレスや不安を感じずに過ごせる、慣れ親しんだ心理的に安全な領域のことです。

慣れ親しんだ領域になるため、不安やストレスを感じることがほとんどありません。

一見すると、安定した精神状態が保てるため良いのではと思われがちですが、現状に甘んじていて新たな挑戦や自己成長の機会を失っている状態ともいえます。

関連するゾーンには、ラーニングゾーンやパニックゾーンが挙げられます。

コンフォートゾーンの具体例や抜け出すメリット、その具体的な方法を解説します。

コンフォートゾーンとは

コンフォートゾーン(Comfort Zone)とは、ストレスや不安を感じずに過ごせる、慣れ親しんだ心理的に安全な領域のことです。

本人にとって慣れ親しんだ場所なので、安心を感じられるという特徴があります。

たとえば、慣れ親しんだ人間関係や仕事内容などが挙げられます。

コンフォートゾーンにいると、精神的な安定は得られますが、現状維持を続けていると新たな挑戦や成長につながりません。

コンフォートゾーンは、いずれ抜け出すべき段階であると認識しておきましょう。

「コンフォートゾーンを抜け出す」というのは、新しいことにチャレンジする、スキルを伸ばす、自己成長するという意味です。

コンフォートゾーンの具体例

本人にとって居心地のよい状態というのは、どのようなものでしょうか。

具体的には以下のような例が挙げられます。

  • 慣れた仕事を続ける
  • 人間関係を広げない
  • 同じ習慣を続けてしまう

イメージを掴むためにも、コンフォートゾーンの具体例を見ていきましょう。

慣れた仕事を続ける

企業に入社してしばらく経つと、人間は少しずつ仕事に慣れを感じてきます。

全体像を把握できるようになれば、仕事をコントロールできる部分が増えるため、仕事自体に不安を感じる場面が少なくなります。

ただ、仕事に慣れてしまうと、同じことの繰り返しになりがちなので、本人にとっては成長が見込めないかもしれません。

仕事のキャリアアップが見込めない状態にならないためにも、少しずつ新しい挑戦をする環境を整える必要があります。

人間関係を広げない

新しい人間関係やコミュニティに参加せず、同じ友人や仲間と一緒にいることは、コンフォートゾーンに居続ける例に当てはまります。

人間は親しみがある友人や仲間と一緒にいるほうが、不安にならず居心地がよいと感じられるからです。

ただ、同じメンバーとばかりいる状況では、新しい人間関係を広げられなくなります。

価値観が凝り固まってしまう原因になりかねないので、意識して新しいコミュニティに飛び込んでみる勇気が必要です。

同じ習慣を続けてしまう

同じような習慣や思考を続けてしまうケースも、コンフォートゾーンの例にあげられます。

慣れ親しんだものを大切にする姿勢は悪くありませんが、同じ習慣を続けてしまうと新しい発見や気づきが得にくくなります。

たとえば、毎朝同じ新聞やニュース番組を見る習慣もコンフォートゾーンの一例です。

新しい分野に興味を持ったり視野を広げたりするためには、これまでの習慣の見直しから始めてみるのも良いでしょう。

自分が「成長したい」と感じるときは、何か新しい挑戦をすると、一歩踏み出せた自分に自信がもてるようになるはずです。

>気づきに関する記事はこちら

コンフォートゾーンに関連するゾーン

コンフォートゾーンには、関連したゾーンが2つあるとされています。

前述のとおり一番安心できる精神状態の場所を「コンフォートゾーン」といい、その一歩外側を「ラーニングゾーン」、さらにその外側を「パニックゾーン」と呼びます。

外側にいくにつれて、未知の領域が広がり、不安やストレスが増加するとされています。

コンフォートゾーンに関連する2つのゾーンの詳細を見ていきましょう。

ラーニングゾーン

ラーニングゾーンとは、コンフォートゾーンのひとつ外側にあり、未経験の領域や現状よりもハイレベルな要求をされるゾーンをいいます。

本人にとっては不安やストレスを感じる環境ではありますが、同時に新しい刺激や成長の機会を得られるゾーンでもあります。

たとえば、現在の仕事に関わる内容ではあるものの、今よりも高度なスキルや知識が必要となる業務を担当するようになった場合などがあげられます。

コンフォートゾーンに比べると、新しい挑戦をする領域なので、本人にとっての居心地はあまりよくありません。

現状から一歩外へ踏み出した場所なので、環境に慣れるためには相応な努力を必要とします。

パニックゾーン

パニックゾーンとは、これまでの経験や自分の能力が全く通じず、本人が恐怖を感じてしまい、混乱する領域のことです。

ラーニングゾーンの外側にあり、本人のスキルが及ばない領域になります。

たとえば、高い目標を課せられる、まったく経験がない仕事内容を任されるといった例があげられます。

過去の経験が通じないので本人が自信を失うなど、途中で挫折してしまう可能性が高い領域といえます。

コンフォートゾーンを抜け出す3つのメリット

新しい領域に踏み出すと、自身や組織の成長につながります。

しかし前述したように、コンフォートゾーンから抜け出すことを恐れてしまう人もいるでしょう。

そんな人に対して、頭ごなしに「現状維持は悪い」と伝えるのではなく、コンフォートゾーンを抜け出すことで得られるメリットについて話してみるのもいいかもしれません。

コンフォートゾーンを抜け出すメリットには、以下のようなものがあります。

  • 自分の成長や自信につながる
  • 作業効率や生産性が高まる
  • 新しいアイデアを生み出しやすい

しっかりとメリットに納得できれば、新たな挑戦に前向きになれます。

それぞれについて、詳しく解説します。

自分の成長や自信につながる

仕事でコンフォートゾーンを抜け出すと、自分の成長や自信にもつながります。

最初のうちは慣れないことが多く、ストレスに感じる場合もあるかもしれませんが、その中でできることが増えていくと、自信につながります。

新しい仕事内容に挑戦できるようになると、従業員のキャリアアップにも役立ちます。

作業効率や生産性が高まる

新しい挑戦や環境に身を置くと、これまでの常識にとらわえた考え方を改める必要があります。

どのように対処すれば問題を解決できるのか、省ける作業工程はないのかなど、今までの枠組みにとらわれずに柔軟な思考が求められるため、結果的に作業効率や生産性が高まると言えます。

また、保有するスキルよりも少し高めの内容に挑戦できると、適度な難易度の課題に挑戦できて、集中力を高めながら作業に取り組めます。

新しいアイデアを生み出しやすい

これまでの習慣や考え方を変えることで、今までになかった視点で物事を見るようになります。

「ずっとこうしてきたいから」「これが慣習だから」という固定概念から抜け出すと、新しいアイデアを思いつきやすくなります。

別の角度から物事を見るようになると、職場の業務改善や企画提案に役立つアイデアを生み出しやすくなるのです。

何か部下からのアイデアを提案された場合は、却下せずに「ひとまず話を聞いてみる」という姿勢が大切です。

コンフォートゾーンを抜け出さない3つのデメリット

コンフォートゾーンは居心地が良いので、そのままでいいという考えの人もいるかもしれません。

しかし、コンフォートゾーンを抜け出さないと以下のようなデメリットも発生します。

  • 変化についていけなくなる
  • 周囲の人のモチベーションを下げる
  • 企業の成長につながらない

デメリットについても十分理解し、メリットとともに意識してみるとよいでしょう。

変化についていけなくなる

居心地の良い状態を保ち、変化を望まないでいると、時代や社会の変化についていけなくなります。

今の業務を変えたくないがために、新しい技術や業務の効率化をはかろうとする前向きな意欲が湧かないため、新しい情報に疎くなってしまいます。

気がついたときには、どんどん時代遅れになってしまうので、注意が必要です。

周囲の人のモチベーションを下げる

コンフォートゾーンを抜け出せない人は変化を拒むため、環境の変化を恐れています。

チームや部下が新しいことをしようとすると「今まで通りで問題はなかった」「これが会社のやり方だから」と現状を維持しようとします。

組織にこのような人がいると、周りのモチベーションを下げるばかりか、優秀な人材が退職してしまう可能性もあります。

企業の成長につながらない

新しい挑戦やこれまでの業務の見直しは、企業にとって継続して取り組むべき課題です。

しかし、コンフォートゾーンから抜け出せない従業員が多くいる企業では、現状維持がよいという考え方になりがちです。

現状維持は緩やかな後退を意味しており、事業活動全体において悪影響を与えてしまいます。

現状の領域から抜け出せない状況が続くと、成長できない従業員が増える原因になります。

コンフォートゾーンを抜け出す方法

コンフォートゾーンは居心地の良い状態ではありますが、いつまでも居続けると自己成長の機会損失につながります。

自分自身や部下、チーム全体が新たな挑戦へ踏み出すために、コンフォートゾーンを抜け出すことが重要です。

具体的には、以下のような方法があります。

  1. 目標と期限を決める
  2. 小さな挑戦と修正を続ける
  3. 社内の心理的安全性を確保する
  4. サポート体制を整える

従業員や事業活動の成長につなげるためにも、コンフォートゾーンを抜け出す方法を見ていきましょう。

目標と期限を決める

コンフォートゾーンを抜け出す決意をするためにも、目標と期限の設定が大切です。

明確に目標の内容と期限を設定すると、行動するときの具体的なイメージが固まります。

現状から抜け出すためにも「何か新しく挑戦したいことはないか」など、自分自身での振り返りや、部下からのヒアリングも大切です。

また、上司から無理に目標を強制するのではなく、部下が自主的に設定することで、目標に対して前向きに捉えられます。

小さな挑戦と修正を続ける

新しい挑戦をするときは、まずは小さな範囲から挑戦と修正を続けてみましょう。

いきなりコンフォートゾーンから遠くへ抜け出すと、未知の領域すぎて大きなストレスとなります。

まずは、現状から一歩踏み出したラーニングゾーンへの移行で、無理なくコンフォートゾーンを抜け出すことができます。

目標を分割しながら少しずつ行動すると、行動のモチベーションを下げない工夫にもなります。

最初は居心地が悪いと感じていた領域でも、慣れてくると少しずつ馴染みがある領域に変化していくはずです。

社内の心理的安全性を確保する

従業員が「コンフォートゾーンを抜け出しても大丈夫」と思えるような職場環境も重要です。

新しい挑戦をするときは、行動することに対して周りの目が気になり、不安を感じてしまうものです。

職場環境の心理的安全性を確保できると、従業員の新たな挑戦への心理的ハードルが下がるでしょう。

社内の心理的安全性を高めるには、日頃から発言しやすい雰囲気や、何でも相談できる人間関係の構築といった、日頃からの職場の雰囲気づくりも欠かせません。

コンフォートゾーンを抜け出す行動を取りやすくするためにも、従業員が安心を感じられる環境を整えておきましょう。

>心理的安全性の作り方についてはこちら

サポート体制を整える

社内で従業員をサポートできる体制を整えましょう。

「コンフォートゾーンから抜け出す」という言葉だけでは、具体的に何を行動していいのか分からないと感じる従業員も多いからです。

サポートの例としては、ロールモデルになる先輩と一緒に働いてもらうという方法もおすすめです。

アクティブに行動する先輩と一緒に働くと、将来の自分の姿を想像しやすく、自然とコンフォートゾーンを抜け出すようなマインドが身についていきます。

また、仕事におけるリソースや知識が不足している場合は、職場改善を図る方法や勉強会を設けるといった方法を検討しましょう。

サポート体制を整えることで行動の方向性が明確になり、従業員の自主的な行動をうながしやすくなります。

>ロールモデルの設定方法についてはこちら

コンフォートゾーンを抜け出すために行動しよう

コンフォートゾーンとは、本人にとって居心地がよい精神状態や環境のことをいいます。

しかし、そこに居続けると自己成長の機会損失につながります。

コンフォートゾーンを抜け出すと、新しい挑戦や環境で多くの刺激を受け、さらなるステップアップになります。

最初のうちは慣れずに不安を感じる場合も多いので、行動は少しずつ小さな範囲からでも問題ありません。

また、従業員の成長をうながすためにも、社内の心理的安全性やサポート体制を整えることが大切です。

そのためには、コミュニケーションを図りやすい雰囲気をつくる必要があります。

社内のコミュニケーションを活性化させる方法として、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。

業務の情報共有以外にも、社内の従業員同士が気軽に雑談できる場所としても使えます。

また、社内のアイデアを共有する場としても活用できるので、従業員の意見を取りこぼさない工夫につながります。

情報共有の流れをよくしてコミュニケーションの活性化を図るためにも、Chatworkをご活用ください。

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