ホワイトカラーとは?職種・仕事内容やブルーカラーとの違いをくわしく解説

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働き方改革
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ホワイトカラーとは?職種・仕事内容やブルーカラーとの違いをくわしく解説

目次

「ホワイトカラー」とは、主に事務職や営業職に就く人を指す言葉です。

具体的に「どんな職種があるの?」「仕事は何をするの?」など、疑問をもつ人も多いのではないでしょうか。

本記事ではホワイトカラーの業種・職種や仕事内容、対義語である「ブルーカラー」との違いを解説していきます。

さらに、近年導入への関心が高まっている「ホワイトカラーエグゼンプション」についてもくわしく解説しますので、理解を深めていきましょう。

ホワイトカラーとは

ホワイトカラーとは、事務職や営業職に就く人や、医師、弁護士、ITエンジニアなどの専門職に就く人を指す言葉です。

主に、ワイシャツにネクタイを着用して、オフィスでデスクワークを中心とした仕事をしている人というとイメージしやすいのではないでしょうか。

いわゆる肉体労働ではなく、頭脳労働に就いている人を呼ぶ際に使用されます。

ホワイトカラーの意味や由来

ホワイトカラー(white collar)とは、「白い襟」を意味する言葉です。

事務系の職に就く人の多くが「白い襟付きのシャツ」を着ていることが言葉の由来となっており、対義語はブルーカラーです。

ブルーカラーとの違いやそのほかの名称

ブルーカラーとは、製造業や建設業などの現場で働く人を指す言葉です。

おおまかに区別すると、ホワイトカラーは「ワイシャツを着て働く人」、ブルーカラーは「作業服を着て働く人」に使用される言葉であると覚えておくと区別がしやすいでしょう。

なお、ホワイトカラ―とブルーカラーのほかにも、職種を分類する名称としてゴールドカラー、グレーカラー、メタルカラー、ピンクカラーなどがあります。

>ブルーカラーに関する記事はこちら

ホワイトカラーの仕事内容や特徴

ホワイトカラーの仕事内容には以下のような特徴があります。

  • 頭脳労働
  • オフィスワークが中心
  • 感情労働が多い

さらに理解を深められるように、詳細についてみていきましょう。

頭脳労働

ホワイトカラーの仕事内容は、専門知識などを活用する頭脳労働が中心です。

たとえば、人事の仕事では労務や社会保障などの知識が必要になり、法務では法律の知識が必要になるなど、それぞれが専門知識を身につける必要があります。

また情報の変化に合わせて、新しい知識を身につけるアップデートの継続や、企画の立案、アイディアの創造など、幅広く対応する思考力も求められます。

また、医師や弁護士、ITエンジニアなど、高度な専門知識が必須の職種は知的労働者と呼ばれる場合もあります。

知的労働者は専門知識が仕事の資本で、業種によっては、迅速な判断力・決断力なども求められます。

オフィスワークが中心

ホワイトカラーの仕事内容は、デスクやオフィスでの仕事が中心です。

職場でのコミュニケーションが取りやすく、微妙なニュアンスや感情を伝えやすい一方で、距離が近いことで人間関係のストレスが生じやすいでしょう。

また、長時間の座りっぱなしや運動不足は、身体的な不調や疾患につながるリスクも高まります。

感情労働が多い

ホワイトカラーは、感情のコントロールが必要不可欠な労働が多くあるのが特徴です。

たとえば「お客様には常に笑顔で接する」「理不尽なクレームに耐える」「顧客の思考を読み取って、求めに応じた対応をする」など、自分自身の感情よりも他者の感情を優先することが求められる機会が多くあります。

>感情労働に関する記事はこちら

ホワイトカラーの仕事(職種・業種)

ホワイトカラーの代表的な職種は以下のとおりです。

  • 事務職(人事、総務、経理など)
  • 営業職
  • 営業事務職(営業サポート、営業アシスタント)
  • 企画・マーケティング・広報の業務に就く人
  • プログラマーやエンジニア

上記に加えて医師や看護師、弁護士や会計士、教師、デスクワークが中心の警察官などもホワイトカラーに分類されますが、職業や業務の多様化によって、多岐に渡る業務を一人でまとめておこなうケースが増えています。

一般的にホワイトカラーといわれていても、明確に分類するのが難しい職種が増えていることに留意しましょう。

業種 主な職種
情報通信業(IT系など) ITに係わるエンジニア・プログラマー、ソフトウェア・アプリケーションの開発者、映画・テレビ・アニメなどの制作業務に係わる人、出版・新聞社の編集者やライター
金融・保険業 銀行員、信用金庫職員、証券会社の営業・事務職、ファイナンシャルプランナー、郵便局員など
卸売・小売業 メーカー(自動車・食品・アパレルなど)の広報や営業・事務職など
教育 大学教員、小学校教師、中学校教師、高校教師、保育士、幼稚園教諭、学習塾の講師、外国語教師など
学術研究 企業・大学・公的機関などの研究職など
公務員 デスクワーク中心の役所職員・警察官・消防士など
医療・福祉 医師、看護師、助産師、保健師、薬剤師、歯科衛生士、ケアマネージャー、介護事務など
飲食・サービス業 飲食・サービス業における営業職・事務職・広報・販売業務など
専門・技術サービス業 弁護士、会計士、税理士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、コンサルタント、不動産鑑定士、通訳・翻訳者など

>参考:日本標準産業分類|総務省

ブルーカラーの仕事(職種・業種)

ブルーカラーの主な業種は、「建設業」「製造業」「鉱業」「運送業」「農林水産業」などで、職種は以下のとおりです。

  • 建設作業員
  • 土木作業員
  • 塗装工
  • 溶接工
  • 組立工
  • 掘削作業員
  • トラック運転手
  • 整備士・整備工
  • 修理工
  • ビルの清掃・メンテナンス作業員
  • 農家(米・野菜・果物・畜産・酪農・花きなど)
  • 漁師

上記のとおり、ブルーカラーの仕事は力仕事や体を使った重労働などが多いのが特徴です。

ホワイトカラーとブルーカラーの違い

比較されることが多いホワイトカラーとブルーカラーですが、違いをまとめると以下の表のとおりになります。

    
ホワイトカラー ブルーカラー
初任給 約170万円~180万円前後 190万円前後
給与・年収 上がりやすい 上がりにくい
身体的な労働災害の発生率 低い 高い
精神的な労働災害の発生率 高い 低い
職場 デスクやオフィスが中心 製造や生産の現場
仕事内容 頭脳労働 肉体労働が中心
労働時間 残業や休日出勤が増えやすい 残業や休日出勤は少ない
転職の難易度 上がりやすい 上がりにくい
必要なスキル テクニカルスキル、コミュニケーションスキル、調整力、企画力、スケジュール管理能力など 体力、注意力、体調管理能力、専門知識など
主な業種 情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業、教育、学術研究、医療・福祉など 建設業、製造業、鉱業、運送業、農林水産業など
主な職種 ITエンジニア、プログラマー、銀行員、教員、教師、研究職員、医師、薬剤師、保健師、警察官、弁護士、会計士、税理士、行政書士、役所職員、営業職、事務職など 建設作業員、土木作業員、塗装工、溶接工、組立工、掘削作業員、トラック運転手、整備士・整備工、修理工、ビルの清掃・メンテナンス作業員、農家、漁師など

>参考:令和4年賃金構造基本統計調査(厚生労働省HPより)

>参考:新規学卒者決定初任給調査結果(経団連HPより)

また、ホワイトカラーとブルーカラーの高卒初任給を比較すると、大企業ではブルーカラーのほうが高くなりやすく、中小企業・小企業ではホワイトカラーのほうが高くなりやすいことから、企業の規模によって差が生じやすいといえるでしょう。

なお、学歴におけるホワイトカラーの初任給の比較では、大卒者のほうが高くなっています。

ホワイトカラーに就くメリット

ホワイトカラー職に就くことでどのようなメリットがあるのかみていきましょう。

主なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 給与が上がりやすい
  • ケガなどの労働災害リスクが低い
  • 年齢を重ねても続けやすい

一般的にはホワイトカラーのほうが給与が高く、経年によって上がりやすい傾向にあります。

しかし、専門性の高さや企業規模などによっては、高賃金のブルーカラー職もあることを覚えておきましょう。

また、オフィスワーク中心のためにケガなど身体的な労災のリスクが低く、肉体労働のブルーカラーと比べて年齢を重ねてから仕事を続けやすいというメリットもあります。

ホワイトカラーが抱える問題・デメリット

一般的にホワイトカラーの方が、肉体労働がなく給料が上がりやすいため、よく見えがちですが、デメリットもあります。

また業務における慢性的な問題もあるため、注意が必要です。

ホワイトカラーが抱える問題やデメリットを解説しますので、仕事選びや適性判断などの参考にしてみてください。

ホワイトカラーに就くデメリット

ホワイトカラー職に就くデメリットは以下のとおりです。

  • 過重労働やメンタルヘルスの問題が生じやすい
  • 転職の難易度が高まりやすい
  • AIによって仕事がなくなるリスクがある

PCがあれば仕事ができる場合が多いため、残業や休日出勤がしやすく、過重労働が発生しやすい環境にあります。

加えてオフィスワークは他者との距離が近く、閉鎖的な空間にもなりやすいため、対人関係のストレスが生じやすく、メンタルヘルスの問題が発生しやすい環境です。

また、職種によってはAIの普及によって失職するリスクが高まるうえに、経験やスキルが社外で通用しない場合は、転職の難易度も高まりやすいのもデメリットでしょう。

ホワイトカラーが抱える問題

ホワイトカラーが抱える問題は以下のとおりです。

  • 過重労働(長時間労働)が生じやすい
  • 業務標準化が遅れやすい
  • 業務の平準化が進みにくい
  • 精神的な負担が増大しやすい
  • メンタルヘルスの問題が生じやすい

前述のとおり、ホワイトカラーは過重労働や人間関係によるストレスや精神的な負担が生じやすいため、精神疾患や過労死などの問題が社会問題になっています。

また、ホワイトカラーの職場では業務標準化や業務の平準化が進みにくいことで、業務量や責任の不均衡による負担の発生、またこれらに起因する精神的な負担の増加が問題視されるケースが増えています。

ホワイトカラーエグゼンプションとは

ホワイトカラーが抱える問題の解決策のひとつとして、「ホワイトカラーエグゼンプション」導入への関心が高まっています。

ホワイトカラーエグゼンプションの目的や具体的な内容について見ていきましょう。

  • 厚生労働省による働き方改革の一環
  • 制度の目的
  • 制度の対象になる業務
  • 対象になる要件(給与・年収)
  • 「裁量労働制」との違い
  • 制度導入における懸念

それぞれについて、くわしく解説します。

厚生労働省による働き方改革の一環

ホワイトカラーエグゼンプションとは、賃金を「時間」ではなく「成果のみ」で評価する制度です。

日本では「高度プロフェッショナル制度」と呼ばれ、厚生労働省による働き方改革関連法案にも含まれています。

制度の目的

賃金の基本を「時間」にすると、作業が早くて効率的な人ほど同じ時間で多くの仕事量をこなすことになり、負担の不均衡や不公平感が生じやすくなります。

ホワイトカラーエグゼンプションは、導入によって多くの仕事量をこなす人が正当に評価されるようになることを目的として設けられました。

制度の対象になる業務

ホワイトカラーエグゼンプションは、すべてのホワイトカラーが対象になるわけではなく、対象業務は以下のように定められています。[※]

「高度の専門的知識等を必要とする」とともに「従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」という性質の範囲内で、具体的には省令で規定

また、該当する主な業務は以下のとおりです。

  • 金融商品の開発
  • 金融商品のディーリング
  • アナリスト業務(企業・市場などの高度な分析業務)
  • コンサルティング(事業・業務の企画運営に関する高度な考案または助言の業務)
  • 研究開発

対象になる要件(給与・年収)

前述の対象業務のほかにも「平均賃金の3倍以上」という要件を満たす必要があり、対象となる目安は、年収1,075万円以上となっています。

なお、対象となる給与は「確実に支払われる給与のみ」で、賞与などは含まないことに注意しましょう。

「裁量労働制」との違い

ホワイトカラーエグゼンプションと似た制度として「裁量労働制」があります。

「裁量労働制」は残業代や割増賃金が発生しますが、ホワイトエグゼンプションは時間外労働という考え方をしないため、残業代が発生しない点に違いがあります。

>裁量労働制に関する記事はこちら

制度導入における懸念

ホワイトカラーエグゼンプションの対象になる業務には、短時間で成果が出にくい研究業務なども含まれています。

これにより生じるのが、評価の対象が成果になることで「成果が出るまで働く」というケースが増えて、長時間労働を生みやすくなるのではないかという懸念です。

懸念を払拭するためには、制度の導入によってかえって負担が増大することのないように、導入する経営層がしっかりと業務管理をおこなう必要があるでしょう。

ホワイトカラーは労働環境の整備が重要

ホワイトカラーは知識や思考力を活かした頭脳労働に就く人を指す言葉です。

ケガなどの身体的な労働災害のリスクが低い一方で、過重労働や精神的な負担の増大によって、メンタルヘルスの問題が生じやすい特徴があります。

予防や改善には、業務の効率化や標準化によって、業務量の偏りや労働時間の見直しなどが必要になるでしょう。

企業や経営層は、従業員が快適に働ける労働環境を整備することが求められます。

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>Chatworkのファイル共有機能に関する記事はこちら

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[※]出典:厚生労働省「労働基準法等の一部を改正する法律案」について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000176290.pdf

※本記事は、2024年4月時点の情報をもとに作成しています。


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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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