サテライトオフィスとは?導入のメリットと注意点を事例付きで解説

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働き方改革
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サテライトオフィスとは?導入のメリットと注意点を事例付きで解説

目次

サテライトオフィスとは、本社や主要拠点とは違う場所にある、小規模のオフィスのことです。

本社や支店以外の場所に施設を設けることで、従業員が自宅から近い場所で働くことが可能になります。

テレワークなどと組み合わせて利用されることが多いため、多様な働き方を推進でき、業務効率化や生産性向上につながることが期待できます。

本記事では、サテライトオフィスを導入するメリットと注意点について事例を含めて解説します。

サテライトオフィスとは

サテライトオフィスとは、企業の本社や主要拠点とは別に設置された、小規模のオフィスのことを指します。

支店や支社、営業所は比較的規模の大きい施設が多く、業務全般に対応できるケースが多いです。

一方、サテライトオフィスは、最低限の設備だけがあるオフィスで、従業員が働きやすい場所や環境を提供するために活用されています。

「サテライト」は「衛星(えいせい)」という意味で、衛星は「惑星の周囲をまわっている小さな天体」を指します。

サテライトオフィスは、本社(惑星)を軸にして、周辺に小さい規模のオフィス(衛星)を置くというイメージで名付けられました。

サテライトオフィスが求められる理由

近年、サテライトオフィスが求められる理由として、働き方改革の推進やリモートワーク・テレワークの普及があげられます。

それぞれの理由と背景について解説します。

働き方改革の推進

働き方改革の推進により、従業員のワークライフバランスを重視し、柔軟な働き方ができるような環境を整えることが企業に求められています。

サテライトオフィスがあることで、従業員は自宅から近い場所で働くことも可能となり、従業員の通勤時間の削減も可能となります。

多様化する働き方への対応が可能となれば、人材確保にも有利になりますし、従業員の離職防止にもつながります。

リモートワーク・テレワークの普及

新型コロナウイルス感染症の流行により、現在はリモートワークやテレワークの働き方が普及している傾向にあります。

しかし、自宅では特定の業務しかできなかったり、環境が整っておらず業務に集中できなかったりすることもあるかもしれません。

サテライトオフィスで通信環境やデスクなどの環境が整っていれば、業務に集中することができ、生産性向上につながります。

>リモートワーカーに関する記事はこちら

サテライトオフィスの4つの種類

サテライトオフィスには、設置する場所によって以下の4種類に分けられます。

  • 地方タイプ
  • 都市タイプ
  • 郊外タイプ
  • 自治体タイプ

また、サテライトオフィスの運営形態は、自社の従業員だけが利用できる「自社専用」と、個人事業主や他社企業の従業員などとスペースを共有しながら使う「他社共有」の2つのパターンがあります。

サテライトオフィスのそれぞれの種類について、詳細を見ていきましょう。

地方タイプ

「地方タイプ」のサテライトオフィスは、都市部に本社を置く企業が利用する傾向にあります。

たとえば、東京都に本社を置く企業が、東海地方にサテライトオフィスを設置するという例があげられます。

主にBCP(事業継続)対策を始め、地方の人材獲得に利用することが多いです。

都市タイプ

「都市タイプ」のサテライトオフィスは、主に地方や郊外に本社を置く企業が利用します。

たとえば、埼玉県に本社を置く企業が、東京都にサテライトオフィスを設置するという例があげられます。

都市部の営業先に訪れる機会が多い場合、営業周り後の休憩地点としても、サテライトオフィスの利用が可能です。

また、都市部に本社を置く企業が利用する際は、本社以外の中間地点に簡易の作業スペースを設けたいときに設置します。

郊外タイプ

「郊外タイプ」のサテライトオフィスは、郊外に住む従業員のために設置します。

たとえば、東京都23区内に本社を置く企業の場合、23区外にサテライトオフィスを置くという例があげられます。

都市部の本社や支店に通う従業員なら、サテライトオフィスに通えると通勤時間を減らせるところがメリットです。

種類(4):自治体タイプ

「自治体タイプ」のサテライトオフィスとは、民間企業ではなく、国の自治体が運営しているものを指します。

一例として東京都の「TOKYOテレワーク・モデルオフィス」では、都内に在住する企業の従業員やフリーランスが利用できるサテライトオフィスを運営中です。

「TOKYOテレワーク・モデルオフィス」には、府中、東久留米、国立にサテライトオフィスがあり、郊外で通いづらいと感じている従業員が通いやすいメリットがあります。

サテライトオフィスを導入するメリット・効果

サテライトオフィスを導入することで、以下のような導入のメリット・効果が期待できます。

  • 多様な働き方ができて離職防止になる
  • 移動時間やコストを削減できる
  • 人材の獲得につながる
  • 企業のイメージが向上する
  • 災害発生時の対策になる

それぞれの詳細を解説します。

多様な働き方ができて離職防止になる

サテライトオフィスがあると、本社や支店以外の場所で働けるため、多様な働き方の推進につながります。

自宅近くのサテライトオフィスが利用できるようになると通勤時間が短縮できます。

これにより、たとえば育児や介護などの理由でライフスタイルが変わったとしても時間の融通が効きやすくなり、仕事を続けやすくなるでしょう。

サテライトオフィスの利用により、仕事とプライベートの両立ができる仕組みが整います。

>サテライト勤務に関する記事はこちら

移動時間やコストを削減できる

サテライトオフィスは、本社や支店の中間地点にできるため、従業員の移動時間やコストを削減できます。

通勤時間を削減できる分、本業に集中できる時間を増やせるので生産性を向上させられるでしょう。

企業にとっても従業員の交通費を減らせるため、全体のコスト削減につながります。

人材の獲得につながる

サテライトオフィスの設置は、従来では獲得できなかったエリアの人材確保も期待できます。

また、地方や都市部などにサテライトオフィスを配置できると、新規顧客への営業も可能となり、契約獲得につながるというメリットもあります。

企業のイメージが向上する

人材採用の際に「サテライトオフィスがある企業」という部分を伝えられると、企業のイメージが向上します。

従業員の多様な働き方に力を入れている企業と思われるので、求職者が入社を希望するひとつのきっかけになるでしょう。

災害発生時の対策になる

本拠地以外のサテライトオフィスがあると、BCP(事業継続計画)対策につながります。

BCPとは、自然災害が起きた際など、緊急時を想定しておこなう対策のことです。

本拠地の復旧が難しいときも、別の拠点があると事業活動を早く再開できます。

>BCPに関する記事はこちら

サテライトオフィスを導入するデメリットと注意点

従業員だけでなく企業にとっても利点が多いサテライトオフィスの導入ですが、デメリットもあります。

  • セキュリティ対策が求められる
  • 本社・拠点ごとの格差が起きやすい
  • 従業員の評価・管理を見直す必要がある
  • コミュニケーション不足の懸念がある

デメリットの詳細と注意点について解説します。

セキュリティ対策が求められる

サテライトオフィスの利用時には、情報漏洩を起さないためのセキュリティ対策が必要です。

特に共有スペースの運営形態では、社外の人とスペースを共有しながら使うため、情報管理や運用ルールを徹底する必要があります。

たとえば、PCのセキュリティソフトを導入するほか、覗き見防止のシートを張るなど、万全な体制でデータを守る対策を取り入れましょう。

朝礼や会議がある際も、防音の部屋がある設備を使うなど、従業員のセキュリティリテラシーを高める教育を実施してみてください。

>情報漏洩に関する記事はこちら

本社・拠点ごとの格差が起きやすい

サテライトオフィスよりも、本社にいるほうが情報の流れが早いなど、拠点ごとの格差が起きるケースがあります。

たとえば、地方のサテライトオフィスで働く従業員は、本社が都市部にあるとなかなか足を運べません。

経営側は、従業員の間で情報共有の不足などが起きないように、リモートで研修などの実施を検討しましょう。

従業員の評価・管理を見直す必要がある

本社で働く従業員と、サテライトオフィスで働く従業員では、それぞれ評価や管理方法を見直すことが重要です。

サテライトオフィスには、人事や管理職の担当者がいないケースも多いため、従来どおりの評価が難しくなります。

オンラインで管理できる情報共有などのツールを使い、仕事の状態をデータで見える化しましょう。

コミュニケーション不足の懸念がある

サテライトオフィスの勤務が中心だと、本社などの従業員とコミュニケーションが不足しがちになります。

たとえば、本社で勤務する際と同じように、朝礼や報告の場などを設けないと、各従業員が孤立した状態になる懸念もあります。

また、疑問点などを気軽に共有しやすい雰囲気をつくるなど、管理側は従業員がコミュニケーションを図りやすくなる場を提供しましょう。

コミュニケーション不足を補う方法の例として、ビジネスチャットやオンライン会議システムなどのツールを活用してみてください。

サテライトオフィスの導入に役立つ支援内容

国のサテライトオフィス支援や補助金など、さまざまな支援内容があげられます。

これから検討される方に向けて、サテライトオフィスの導入に役立つ支援内容を紹介します。

国の補助金・助成金を利用する

サテライトオフィスに関わるテレワークの助成金として、下記があげられます。

人材確保等支援助成金
(テレワークコース)[※1]
テレワークを導入して、人材確保などの改善がある企業は特定の助成金を受けられる制度
IT導入補助金[※2] ITツールを導入したい企業が補助金を受けられる制度

ほかにも、各地方では、独自の助成金や補助金をおこなっているケースがあります。

詳細を調べたい場合は「サテライトオフィス+○○(都道府県名)+助成金」で、インターネットから検索をかけてみましょう。

行政機関を訪れて、担当者にサテライトオフィスの助成金を受けられないか聞いてみるのもおすすめです。

おためしサテライトオフィスを活用する

おためしサテライトオフィスとは、総務省が後押しする「サテライトオフィスの解説や誘致」に向けて、地方公共団体をサポートする内容のことです。[※3]

企業は地方公共団体からの支援を受ける形で、一定期間はサテライトオフィスをおためし利用できます。

47都道府県にサテライトオフィスが設置されており、各地域の特徴を活かした施設などもあります。

サテライトオフィスを導入した企業の成功事例

サテライトオフィスを導入した企業の成功事例を紹介しますので、導入時の参考にしてみてください。

福利厚生の代行サービスの企業事例

福利厚生の代行サービスの企業事例では、地方にサテライトオフィスを設置して人材の獲得につなげています。

もとは地方にコールセンターの拠点を置いたのが、サテライトオフィスを設置するきっかけになったようです。

地域が穏やかな気候に恵まれているため、自然災害による影響が少ないという点も決め手になっています。

サテライトオフィスを併用すると、セキュリティ面での対策が打てるため、本社以外のオフィス代わりとしても機能しています。

不動産事業の事例

不動産事業の事例では、本社のオフィスと自宅をつなぐ場所にサテライトオフィスを設置しました。

他社共有のシェア型サテライトオフィスを設置しており、現在では自社以外のワーカーも利用できます。

キッズスペースには専門のスタッフも常駐しているため、子どもの様子を見ながら一緒に働きたい方にもピッタリです。

サテライトオフィスの導入に「Chatwork」

サテライトオフィスの導入は、従業員が働きやすい環境づくりのためにも重要です。

通勤時間を削減できるため、仕事にかけられる時間を増やせて生産性を高められます。

また、セキュリティ対策などを整えながら、本社や拠点ごとの格差をなくすオンラインの研修を実施しましょう。

ほかにも、サテライトオフィスと本拠地との格差をなくすには、コミュニケーション不足を埋められるツールの活用もおすすめです。

たとえば、ビジネスチャット「Chatwork」なら、グループチャットを作成してメッセージで円滑に情報共有を進められます。

ビデオ通話を使えば、オンラインの研修をおこなう際にも利用できるので、遠方にいる従業員同士でも問題なくコミュニケーションを図れます。

>Chatworkとほかツールの比較はこちら

これからサテライトオフィスの導入を検討される場合は、情報共有の流れを円滑に進める方法のひとつに「Chatwork」をご活用ください。

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[※1]出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/telework_zyosei_R3.html
[※2]出典:経済産業省「IT導入補助金」
https://it-shien.smrj.go.jp/
[※3]出典:総務省「おためしサテライトオフィス」
https://www.soumu.go.jp/satellite-office/

※本記事は、2024年6月時点の情報をもとに作成しています。
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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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