サードプレイスとは?意味や定義、メリットや必要性を解説

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働き方改革
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サードプレイスとは?意味や定義、メリットや必要性を解説

目次

サードプレイスとは、家庭や職場以外の「第3の場所」のことです。

現代人が抱えるストレスや孤独感に対処する方法として、昨今注目を集めるようになっています。

サードプレイスが求められるようになった背景やメリット、日本企業が導入する方法を解説します。

サードプレイスの意味とは

サードプレイスとは、家庭や職場以外の第3の場所のことで、アメリカの学者レイ・オルデンバーグによって提唱されたといわれています。

サードプレイスの具体例としては、カフェやバー・図書館・公園・コミュニティセンターなどが挙げられます。

サードプレイスの定義

サードプレイスを提唱したオルデンバーグは、著書「The Great Good Place」のなかで、サードプレイスには、以下の8つの特徴があるとしています。

1 中立の領域
  • 個人が自由に出入りできる
  • だれも接待役を引き受けない
  • 2 人を平等にする
  • だれでも受け入れる
  • 敷居が低く、入場拒否がない
  • 3 会話が主な活動
  • 会話を重視する
  • 活気が満ちている
  • 4 利用しやすさと便宜
  • どんな時間でも利用できる
  • 近場にあり、アクセスがしやすい
  • 5 常連の存在
  • 新参者を受け入れる常連がいる
  • 活気づける存在がいる
  • 6 目立たない存在
  • 飾り気のない外観や雰囲気である
  • 商業的な施設ではない
  • 7 遊び心のある雰囲気
  • 遊び場の雰囲気をもっている
  • 日常から逃れられる空間である
  • 8 もうひとつの我が家
  • 家のような温もりがある
  • 人々を根付かせる場所である
  • サードプレイスは日常的なストレスから解放され、友人や知り合いと交流を深めるだけでなく、新しい人々とつながる機会を提供してくれる場とされています。

    3つの場所の意味と役割

    サードプレイスの理解を深めるためには、「ファーストプレイス」と「セカンドプレイス」がそれぞれどのような意味をもつのかも確認しておく必要があります。

    それぞれの言葉がどのような場所を指すのかを確認していきましょう。

    ファーストプレイス

    「ファーストプレイス」とは、個人がもっとも長く過ごす場所であり、一般的に「家庭」や「住まい」を指します。

    家庭は、家族と共に過ごすプライベートな空間で、休息やリラックス、日常生活の拠点として重要な役割を果たします。

    ファーストプレイスは、個人がリラックスし、自分らしくいられる場所であり、心理的にも身体的にもリフレッシュできる場所です。

    セカンドプレイス

    「セカンドプレイス」とは、個人が家庭以外で多くの時間を過ごす場所で、主に「職場」や「学校」を指します。

    家庭(ファーストプレイス)に次いで重要な場所であり、仕事や勉強、社会的な活動が行われる空間です。

    セカンドプレイスは、社会的な役割を果たす場として機能し、個人が生産的な活動や他者との交流を通じて成長する場です。

    名称 具体的な場所
    ファーストプレイス 家庭・住まいなど
    セカンドプレイス 職場・学校など
    サードプレイス カフェ・公園・図書館など

    サードプレイスが求められるようになった背景

    サードプレイスが日本で注目されるようになった背景には、働き方やライフスタイルの変化が大きく影響しています。

    新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、テレワークやリモートワークなどの新しい働き方を導入する企業が増加したことに加え、働き方への価値観の変化にともない、フレックスタイム制度や裁量労働制などの働き方を導入する企業が増加しています。

    働き方が変化し、ワークライフバランスの実現が近づいた一方で、顔をあわせて話す機会が減少し、コミュニケーション不足によるストレスを抱える人も増えています。

    このような時代や働き方の変化から、気軽に足を運べて、コミュニケーションを取ることができるサードプレイスのニーズが高まっています。

    >

    >多様な働き方の種類とメリットに関する記事はこちら

    サードプレイスの効果・メリット

    サードプレイスを活用することで、個人や企業には以下のようなメリットが期待できます。

    • 職場や家庭と異なる場所でリラックスできるため、ストレス解消につながる
    • さまざまな人と交流することで、新たな視点やアイデアを得る機会が増える
    • 創造性や問題解決能力が向上する可能性がある
    • 孤立感を和らげて精神的な安定や社会的なサポートを得られる

    具体的にどのような場所がサードプレイスになりうるのかを詳しく確認していきましょう。

    日本人のサードプレイスになりうる場所

    日本人のサードプレイスになりうる場所として、以下の3つを紹介します。

    • コワーキングスペース
    • カフェ
    • 地域の活動

    それぞれどのような特徴がある場所なのか確認していきましょう。

    コワーキングスペース

    コワーキングスペースとは、日本でサードプレイスとして注目される場所のひとつです。

    リモートワークやフリーランスの増加にともない、オフィス以外で働ける場所として利用されています。

    コワーキングスペースは、複数の人がフリーアドレス形式で仕事ができるワーキングスペースで、集中しやすい環境で個人の仕事の効率を高めつつ、必要なときには他者と交流できるというバランスが整った場所です。

    コワーキングスペースの特徴やメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

    >コワーキングスペースとは?に完する記事はこちら

    カフェ

    カフェは、多くの人にとってサードプレイスとなりうる場所です。

    リラックスできる雰囲気や心地よい音楽、軽食やコーヒーを楽しみながら、仕事や読書、打ち合わせをするための場所として利用されています。

    仕事や勉強、創造的なアイデアを発展させるために最適な空間であり、適度な集中力を保ちながらも気分転換を図ることができるでしょう。

    仕事で使用する場合は、セキュリティ意識を強くもち、周囲に配慮する必要もあります。

    地域の活動

    地域のコミュニティセンターや自治体が主催するイベント、ボランティア活動は、住民同士の交流を深める場として活用することができます。

    仕事や家庭とは異なる関係性を築くことができるため、交流をとおして、地域社会とのつながりを感じることもできるでしょう。

    日本人がサードプレイスをもたない理由

    海外と比較して、日本人はサードプレイスを持つ人が少ない傾向があります。

    日本人がサードプレイスをもたない理由を2つ解説します。

    文化や考え方が異なるため

    日本人がサードプレイスをもたない理由として、文化や考え方の違いが挙げられます。

    日本では、仕事や家庭が個人の生活の中心を占める傾向が強く、仕事以外の場を重視する文化が欧米に比べて根付いていないため、サードプレイスの考えが馴染み辛い傾向があります。

    サードプレイスの利用に費用がかかるため

    コワーキングスペースやカフェといったサードプレイスの利用には費用がかかります。

    利用料金や飲食代などの経済的な負担をかけないために、サードプレイスの利用を避ける人も多いでしょう。

    日本人が使いやすい2種類のサードプレイス

    日本人にとって使いやすいと考えられる2種類のサードプレイスを紹介します。

    • マイプレイス型サードプレイス
    • 交流型サードプレイス

    それぞれどのようなサードプレイスなのかを確認していきましょう。

    マイプレイス型サードプレイス

    マイプレイス型サードプレイスとは、ひとりで自由に過ごせる場所のことです。

    自分のペースで過ごすことができるため、ストレスを感じているときなど、リラックスをしたい場合に効果的なサードプレイスです。

    また、自由に過ごすことで心地良さを感じることができると、創造性の向上や新しいアイデアの創出なども期待できるでしょう。

    マイプレイス型サードプレイスの具体的な例としては、カフェや図書館が挙げられます。

    交流型サードプレイス

    交流型サードプレイスは、さまざまな人と交流でき、だれでも気軽に参加できる場所のことです。

    コミュニケーションをとることで、孤立感が和らぎ、地域社会とのつながりを深めることもできるでしょう。

    交流型サードプレイスの具体的な例としては、地域のお祭りやワークショップ、趣味のクラブ活動などが挙げられます。

    企業が取り組めるサードプレイス

    個人ではなく、企業が取り組めるサードプレイスの例を紹介します。

    • 社内カフェ
    • 社員食堂
    • コワーキングスペース

    企業が従業員に対してサードプレイスを提供することで、従業員のストレス軽減やコミュニケーションの活性化、エンゲージメントの向上などを期待することができるでしょう。

    従業員が生き生きと働ける環境を整備するためにも、ぜひサードプレイスの導入を検討してみてください。

    社内カフェ

    昨今、オフィスのなかにカフェスペースを設置して、コーヒーなどを飲みながら、従業員が休憩やリラックスできる場所を提供する企業が増えています。

    社内カフェは、業務の合間に休憩を取る場所となり、従業員のストレス軽減やリフレッシュ、コミュニケーションの活性化といった効果が期待できます。

    従業員がリラックスした雰囲気の中で自由に集まると、社内の人間関係が深まるきっかけにもなるでしょう。

    社員食堂

    企業が従業員のために食事を提供する社員食堂も、サードプレイスとして活用できます。

    ランチタイムや休憩時間の気軽なコミュニケーションをうながすことで、社内コミュニケーションの活性化を期待することができるでしょう。

    また社員食堂は、社内コミュニケーション活性化を期待できるだけでなく、従業員満足度の向上や働きやすい環境づくりの実現にも効果的です。

    >従業員満足度を高めるメリットや重要性に関する記事はこちら

    コワーキングスペース

    コワーキングスペースは前述したとおり、複数の人がフリーアドレス形式で仕事ができるワーキングスペースで、リモートワークを導入する企業が増えた昨今、利用する人が増加傾向にあります。

    このコワーキングスペースを福利厚生の一環として、企業側が用意することで、従業員にサードプレイスを用意する方法もあります。

    快適な作業環境や高速インターネット、会議室などの設備を整えることで、オフィスや自宅以外の場所で、従業員が集中して作業に取り組むことができるようになるでしょう。

    柔軟な働き方に「Chatwork」

    サードプレイスとは、家庭や職場以外の第3の場所のことです。

    テレワークやリモートワーク、フレックスタイム制度や裁量労働制など、さまざまな働き方が一般的になってきた昨今、従業員が集中して業務に取り組める環境を整備することは、企業にとっても重要な課題です。

    記事内で紹介した「社内カフェ」や「コワーキングスペース」などを活用して、ぜひ従業員にとって快適なサードプレイスの導入を検討してみてください。

    場所や働き方に関わらず、円滑な業務遂行を実現する方法として、ビジネスチャット「Chatwork」の活用がおすすめです。

    「Chatwork」はビジネス専用のコミュニケーションツールで、1対1はもちろん、複数人でもスピーディで円滑なやりとりが実現できます。

    たとえば、異なる場所で働いていたり、異なる時間で働いたりしている場合、なかなかコミュニケーションをとることができないケースがあるでしょう。

    このようなコミュニケーションの課題がある場合は、ぜひ「Chatwork」を活用して、場所や時間にとらわれないコミュニケーションを実現してみてください。

    >Chatworkとは?についてはこちら

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