「打診」の意味とは?ビジネスでの使い方や注意点をメール例文付きで解説
目次
「打診」は、「相談する」や「持ちかける」という意味がある言葉です。
ビジネスシーンでは、営業職についている方などが使う機会が多い言葉でしょう。
正しく活用しないと、ミスコミュニケーションの原因にもなってしまうため、「打診」の意味や使い方、また打診メールについて確認していきましょう。
「打診」の意味とは?
「打診」は「相談する」や「持ちかける」という意味がある言葉で、ビジネスシーンの取引などでは、「相手に提案を投げかけて、反応を見る」という意味で多く使われる表現です。
打診の段階では、決定事項を伝えるのではなく、あくまでも相談を持ちかけるという意味で使われます。
「打診」という言葉は、元々は医療業界で使われていた言葉で、それが広まり、ビジネスシーンでも使われるようになったといわれています。
医療業界における「打診」は、内臓の状態を見るために、患者の胸・背中を指先や打診機で叩き、音の響き方を確認するという意味で使われています。
ビジネスでの「打診メール」の使い方と例文
打診メールを送る際は、以下のポイントを押さえておくと、本題を伝えやすくなります。
- 本題を要約したわかりやすい件名
- あいさつ文
- 送り主の名前・企業情報
- 打診の理由・内容
- 相手を気遣う内容
ビジネスを円滑に進めるためにも、打診メールの使い方と例文を解説します。
打診メールを送る際の例文
件名:打ち合わせに関する日時調整について
株式会社△△
○○様
いつもお世話になっております。
株式会社▲▲の●●と申します。
先日お話した新商品の共同開発の提案につきまして、
情報共有をかねて、一度打ち合わせをさせていただきたいと考えております。
こちらの都合で誠に勝手ではございますが、
下記でご都合がよい日時をご教示いただけますと幸いです。
・9月4日(月)09:00~18:00
・9月5日(火)09:00~18:00
・9月8日(金)09:00~18:00
お忙しい中恐縮ですが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。
署名
打診メールを承諾する際の例文
件名:Re:打ち合わせに関する日時調整について
株式会社△△
○○様
いつもお世話になっております。
株式会社▲▲の●●と申します。
新商品の共同開発の件につきまして、早速ご連絡をいただきありがとうございます。
打ち合わせの日時調整について、ご提案をいただいた日時でしたら、
9月4日(月)13:00~14:00はいかがでしょうか。
そのほかの日時でも問題ございません。
ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。
署名
>日程調整メールの返信方法や書き方とは?に関する記事はこちら
打診メールを断る際の例文
件名:Re:新商品の共同開発の件につきまして
株式会社△△
○○様
いつもお世話になっております。
株式会社▲▲の●●と申します。
先日は新商品の共同開発の件につきまして、
弊社にご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
社内で再度検討させていただいた結果、
誠に恐縮ではございますが、今回はご提案をお見送りさせていただきます。
こちらの都合でお断りさせていただく形になり、大変申し訳ございません。
また機会がございましたら、お声がけをいただけると大変うれしく思います。
今後ともご愛顧のほど、何卒よろしくお願いいたします。
署名
「打診」する際の注意点
「打診」する際は、相手に誤解を与えないためにも、下記の2つのポイントに注意が必要です。
- 確定事項や依頼の文脈でおこなわないように注意する
- 受け取られ方は相手によって変わる点に注意する
打診する際の注意点を見ていきましょう。
確定事項・依頼の文脈でおこなわない
打診は、あくまでも、相手の意見や反応を見る段階になるため、確定事項を伝える意図でおこなわないように注意しましょう。
たとえば、打診の段階で条件や指示をしてしまうと、相手の立場から見たときに、「意見をすり合わせる気がないのか」と思われてしまいかねません。
また、「Aの提案でお願いしたいです」など、依頼する意図で使ってしまうと、相手の意見を尊重していないととらえられるかもしれません。
一方的に推し進めるような印象を与えないためにも、打診をする際は、相手の反応を見ながら、意見をすり合わせるようにしましょう。
受け取られ方は相手によって変わる
打診は、人によっては、「意見のすり合わせ」や「相手の反応を見る」という意味以外で受け取る可能性がある行為です。
もしも相手に、打診を、「お願い」や「依頼」の意味で受け取られた場合、認識のズレからうまくコミュニケーションを図れなくなるかもしれません。
ミスコミュニケーションの発生を防ぐためにも、時と場合に応じて類語に言い換えるなど、コミュニケーションを工夫しましょう。
「打診」の類語
コミュニケーションを円滑に進めるためには、前述した通り、類語をうまく使い、コミュニケーションを工夫することが大切です。
本記事では、打診の類語として、以下の4つを紹介します。
- 提案
- 提示
- 表明
- 是非を問う
それぞれ例文付きで、意味と使い方を確認していきましょう。
提案
「提案」には、「意見や案を伝える」という意味があります。
「打診」を使ってしまうと、相手によっては、依頼の意味など、別の意味に受け取られてしまう可能性があるため、誤解を与えないための言い換え表現として「提案」を使うのもおすすめです。
- ○○の企画について、Aの方向でご提案させていただきたいのですが、いかがでしょうか。
- ご提案いただいた内容で進めさせていただきます。
提示
「提示」には、「差し出して見せる」という意味があります。
ビジネスシーンでは、事前に条件を交渉する場面などで使われます。
- ○○の件につきまして、見積金額をご提示させていただきます。
- 事前に条件を提示いたしますので、ご査証いただけると幸いに存じます。
表明
「表明」は、「自分の考えや決意などを示す」という意味がある言葉です。
ビジネスシーンでは、大勢の人の前で意見を伝える際に多く使われます。
「相手に言葉を投げかける」という意味では、「打診」と似たニュアンスがあると言えるでしょう。
- ○○への参加を表明します。
- 次年度の抱負について決意表明します。
是非を問う
「是非(ぜひ)を問う」は、「物事に賛成か反対かを問いかける」という意味がある表現です。
「相手に意見を問いかける」という意味では、「打診」と似ている部分がある表現と言えるでしょう。
- ○○の意見について、是非を問いかけました。
また、「是非」は、意見を強調する意味で使われる場合もあります。
- 是非ともよろしくお願いいたします。
ビジネスでの「打診」を使うポイント
ビジネスシーンで、「打診」を使う際のポイントを見ていきましょう。
打診する側・打診された側、それぞれの立場から、ポイントを解説します。
打診する側の場合
自分が打診をする際は、丁寧な対応を心がけるようにしましょう。
相手を尊重する姿勢を見せることで、すり合わせの場がおだやかな雰囲気になり、円滑にコミュニケーションを進めやすくなります。
また、相手から打診を否定される可能性も視野にいれながら、別の提案も準備しておくとよいでしょう。
>信頼関係を構築するコミュニケーション方法に関する記事はこちら
打診された側の場合
相手から打診された場合は、一度意見を持ち帰って検討する時間を設ける対応が大切です。
自分に決定権がないのに、その場で打診を承諾してしまうと、あとからトラブルになるかもしれません。
また、打診後は放置せず、すぐに上司に伝えて意見を聞くことで、取引などの流れを円滑に進められます。
打診の際に「Chatwork」の活用もおすすめ
打診をする際は、相手の立場や意見を尊重する姿勢を見せることで、場の雰囲気をこわさずに、円滑なコミュニケーションを実現できます。
「打診」という言葉は、ビジネスシーンでは「相手に提案を投げかけて、反応を見る」という意味を持ちますが、相手によっては、「依頼」や「確定事項」など、受け取られ方が異なる可能性もあります。
適宜、「提案」や「提示」など、別の表現に言い換え、ミスコミュニケーションの発生を防ぐようにしましょう。
また、打診メールを送る際も、相手の立場になって配慮する言葉を投げかけるなど、気遣いを意識しましょう。
近年、ビジネスコミュニケーションの手段は、メールや電話だけにとどまらず、多様化が進んでいますが、打診をメールでおこなう代わりに、ビジネスチャット「Chatwork」を活用する方法もおすすめです。
「Chatwork」は、社内外問わずにコミュニケーションがとれるツールで、チャット形式で気軽にやりとりができます。
たとえば、「Chatwork」を活用すると、「お世話になっております」「株式会社△△の〜」などの定型的なやりとりや、署名などが不要になるため、やりとりにかかるコミュニケーションコストを削減可能です。
「お世話になっております」などの定型文は、1時間に5回程度送信している人が最多(54.7%)で、1日で最大81億2900万円の給与が「お世話になっております。」のタイピングに支払われている計算になります。[注]
そのため、「Chatwork」を活用して、コミュニケーション手段を変えるだけでも、さまざまなコストの削減を期待できるでしょう。
「Chatwork」は、無料で使いはじめることができます。
まずは、チームや部署などの単位で活用し、ぜひコミュニケーションの変化や効率化を実感してみてください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注]出典:Chatwork株式会社「2022年ビジネスコミュニケーション最新調査」
https://corp.chatwork.com/ja/news/2022/08/2022business-communication-report.html
※本記事は、2023年8月時点の情報をもとに作成しています。