さとり世代とは?ゆとり世代との違いや特徴・価値観を解説

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さとり世代とは?ゆとり世代との違いや特徴・価値観を解説

目次

さとり世代とは、所有や出世などの欲にこだわらず「最低限の生活が送れればよい」といった価値観をもつ人を指す言葉です。

主に1987年~2004年生まれの人が当てはまります。

さとり世代と上手に付き合うためにも、プライベートや仕事においてどのような特徴があるのか知ることが大切です。

さとり世代とゆとり世代との違いや特徴、仕事における育成方法を解説します。

さとり世代とは

さとり世代とは、所有や出世などの欲にこだわらず、最低限の生活が送れればいいという価値観をもつ世代のことです。

「さとりを開いているように見える」という意味合いから、さとり世代と呼ばれています。

明確な決まりはないものの、主に1987年~2004年生まれの人が当てはまります。

さとり世代は、高い目標を掲げるよりも、現実的な目標を掲げて行動する傾向があります。

ゆとり世代との違い

ゆとり世代とは、義務教育において「ゆとり教育を受けた世代」を指す言葉です。

諸説ありますが、主に1980年代~2004年頃までに生まれた人が当てはまるといわれています。

ゆとり教育では「ゆとりのある教育によって、子どもたちの豊かな人間性を育てる」という方針で教育がおこなわれました。

さとり世代とゆとり世代は、年代や特徴が重なる部分もありますが、さとり世代のほうが「他人に左右されず、シビアに意思決定をする」といわれています。

>ゆとり世代に関する記事はこちら

つくし世代との違い

つくし世代とは「人に尽くす」という行動傾向がある世代です。

明確な決まりはないものの、主に1985年以降に生まれた人で、2023年現在で20~30歳後半の方が当てはまります。

さとり世代とつくし世代は、年代や特徴が重なる部分もありますが、つくし世代は個性や共感を大切にする世代といわれています。

さとり世代が生まれた背景

さとり世代が生まれた時代は、バブル崩壊後やリーマンショック、大規模な自然災害の発生など、社会に影響を与える出来事が多くありました。

時代背景の影響もあり「夢を見るよりも現実を見る必要がある」といった価値観が形成された経緯があると考えられています。

さとり世代の特徴

さとり世代の特徴を3つ紹介します。

  • ブランドを重視しない
  • デジタルネイティブである
  • 現実主義の傾向がある

高い目標を掲げるよりも、現実的な目標を掲げて行動する傾向がある「さとり世代」には、どのような特徴があるのかをみていきましょう。

ブランドを重視しない

さとり世代は、ブランドのステータスよりも、実用性やコスパを重視するといわれています。

不景気な時代に生まれた背景もあり、物にお金をかけず、所有にこだわらない点が特徴です。

また、インターネットで買い物をするのが当たり前の世代になるため、口コミや価格を比較検討して、商品購入を決める方が多い傾向もあります。

デジタルネイティブである

デジタルネイティブとは、生まれたときからインターネット環境が普及している世代のことです。

さとり世代が生まれた時代は、インターネットが普及し始めた時代になるため、デジタル機器に触れる機会が多くありました。

情報に触れることに慣れているため、国内外を問わずにさまざまな情報を受け入れやすい特徴もあります。

現実主義の傾向がある

さとり世代は、困難な出来事が多かった時代に生まれた背景もあり、現実的な側面で物事を考えます。

「大きな夢に向かって行動するよりも、現実的な安定を望みたい」という方が多いため、現実的に叶えられるかわからないことには、挑戦しない傾向もあります。

さとり世代の仕事における特徴

一緒に働くときの参考にするためにも、さとり世代の仕事における特徴についても紹介します。

  • 競争意識・帰属意識が低い傾向がある
  • 効率を重視する傾向がある
  • 適度な距離感の人間関係を好む
  • 仕事のスキルを磨くことに意欲的

さとり世代は、働き方や仕事に対してどのような価値観をもっているのかを確認していきましょう。

競争意識・帰属意識が低い傾向がある

さとり世代は、基本的に競争を好まない傾向があり、出世欲が少ない方が多いといわれています。

「競争よりも、個人の価値観を大切にする」という学校教育の影響もあり、基本的に争いを好まない傾向があります。

また、不景気な時代に生まれた影響もあり、終身雇用制度が当たり前の時代ではなくなったため「ひとつの企業で定年退職まで働く」といった価値観をもたない方が多いです。

会社のためよりも、自分のスキルを磨くために働く方が多いため、企業への帰属意識が低いといわれています。

効率を重視する傾向がある

さとり世代は、効率重視で仕事を進める方が多い特徴があります。

インターネット環境が当たり前の時代に育った背景もあり、情報処理の能力に優れているため、効率重視で作業を進めたいと考える方が多いのです。

上司からの指示には素直に従うものの、合理的で無駄を嫌う傾向があるため、言われたことだけを実行するという傾向があります。

適度な距離感の人間関係を好む

さとり世代は、仕事の人間関係におけるストレスを避けたい傾向があるため、適度な距離感の人間関係を好みます。

たとえば、職場の飲み会に参加しなかったり、昼休みの時間はひとりで過ごしたい方が多かったりするなど、距離感が近い関係性を望まない傾向があります。

ただ、争いを避けるために適度な距離感を好むだけなので、基本的には人当たりがよい方が多いです。

仕事のスキルを磨くことに意欲的

さとり世代が生まれた時代は、バブル崩壊後やリーマンショックの影響もあり、仕事のスキルアップに向けて努力する方が多い傾向があります。

会社に縛られない働き方を重視する方も多く、転職や起業に抵抗感が少ない方が多い点も特徴です。

さとり世代を育成する方法

さとり世代を育成する方法について解説します。

指示は具体的に伝える

さとり世代と一緒に仕事を進めるときは、仕事の指示はあいまいに伝えるのではなく、具体的に伝えることが大切です。

仕事の無駄を省いて合理的に進めたい傾向があるため、あいまいな伝え方をすると意味が伝わらず、仕事を円滑に進められなくなるかもしれません。

「あれをやっておいて」という言い方だと伝わらないので、「Aの仕事を○時までにやってほしい」というふうに、細かい部分まで指示するのが効果的です。

命令ではなく提案を大切にする

さとり世代は、上司からの命令を嫌う傾向が強いため、提案する形で物事を伝えましょう。

「○○しなさい」という伝え方ではなく、「○○だから○○してほしい」という伝え方にすることで、さとり世代の視点に立った伝え方ができるようになります。

反感を買うことが少なくなるため、仕事の流れをスムーズに進めやすくなるでしょう。

評価の仕方を工夫する

さとり世代は、仕事のスキルアップに対する意識が強いため、適切に評価されていないと不満を感じる原因になります。

たとえば、仕事のプロセスを見ずに結果だけで評価してしまうと、上司が自分の努力を評価してくれないと感じやすくなるでしょう。

仕事のモチベーションが低下してしまい、離職率が高まる恐れがあります。

ゆとり世代を評価するときは、仕事の細かい部分やプロセスを評価してから、フィードバックをおこなうなど、評価の仕方を工夫しましょう。

マニュアルを準備しておく

さとり世代は、効率重視で働きたい傾向があるため、教育時にマニュアルを作成して配布しておくとよいでしょう。

「上司の技術を盗み見て学ぶ」といった学び方は、成果が出にくい可能性があります。

教育時間を削減するためにも、事前にマニュアルや仕事のルールを共有しておくことが大切です。

さとり世代を育成するときの注意点

仕事でのトラブルを減らすためにも、さとり世代を育成するときの注意点を解説します。

プライベートに踏み込まない

さとり世代は、仕事とプライベートをわけて考える方が多いため、プライベートを詮索する言動はしないことが大切です。

プライベートに踏み込まれたと感じると、心の距離ができて人間関係が悪化してしまい、仕事を円滑に進められなくなるかもしれません。

いきなり距離を縮める言動は避けておき、仕事をとおして少しずつ信頼関係を築きましょう。

根性論ではなく論理的に伝える

さとり世代は、物事を合理的に考える傾向があるため、仕事の熱血指導はかえって逆効果になる可能性が高いです。

「やればできる」などの根性論を避けておき、「○○だから○○すればできる」といったふうに、論理的に物事を伝えるようにしましょう。

さとり世代以外の世代一覧

さとり世代以外の世代について、簡単に一覧で解説します。

しらけ世代

しらけ世代とは、団塊世代とバブル世代の間に当てはまり、物事を他人事にとらえて無関心にふるまう傾向がある世代のことです。

主に1950年~1960年代に生まれた人が当てはまります。

学生運動では何も変わらなかった側面を知っている世代で、行動しても変わらないという認識から、政治や世情にしらけている方が多いといった背景が由来といわれています。

バブル世代

バブル世代とは、日本の好景気の時代に生まれた世代のことです。

主に1965年~1970年頃に生まれた人が当てはまります。

積極的に仕事に関わる方が多く、公私を含めて人間関係を築く傾向にあるため、コミュニケーション能力が高い世代といわれています。

就職氷河期世代

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の就職氷河期の時代に就職活動にとりくんでいた世代のことです。

主に1970年~1980年代初め頃に生まれた人が当てはまります。

就職氷河期の影響から、キャリアを形成するのが難しい側面があった方も多く、現代においても支援が求められており、社会的な問題になっています。

プレッシャー世代

プレッシャー世代とは、ゆとり世代と就職氷河期の間に当てはまり、社会の困難さを見てきた世代のことです。

主に1980年代に生まれた人が当てはまります。

バブル崩壊による就職氷河期の時代を見てきたなど、プレッシャーを感じる出来事が多かった時代に生まれたことが由来といわれています。

ミレニアル世代

ミレニアル世代とは、インターネット環境が普及した時代に生まれた世代のことです。

主に1980年〜1990年代半ばに生まれた人が当てはまります。

日常生活においてデジタル機器に親しんでおり、ITリテラシーが高い特徴があります。

>ミレニアル世代に関する記事はこちら

Z世代

Z世代とは、生まれたときからデジタル機器に囲まれている世代のことです。

主に1990年代後半〜2010年に生まれた人が当てはまります。

デジタルネイティブの世代に当てはまり、子どもの頃からスマートフォンやPCなどのデジタル機器を使いこなす方が多いです。

>Z世代に関する記事はこちら

各世代のまとめ

本記事で紹介した世代を生まれた年代順に並べると、以下となります。

各世代の生まれた時期は諸説ありますので、ひとつの目安として参照ください。

世代名 生まれた時期 主な特徴
しらけ世代 1950年~1960年代 物事を他人事にとらえて無関心にふるまう傾向
バブル世代 1965年~1970年頃 積極的に仕事に関わり、公私を含めて人間関係を築く傾向、コミュニケーション能力が高い
就職氷河期世代 1970年~1980年代初め頃 バブル崩壊後の就職氷河期の時代に就職活動にとりくんでいた
プレッシャー世代 1980年代 バブル崩壊による就職氷河期の時代を見て、プレッシャーを感じる出来事を多く体験した
ミレニアル世代 1980年〜1990年代半ば 日常生活においてデジタル機器に親しんでおり、ITリテラシーが高い
ゆとり世代 1980年代~2004年頃 「ゆとりのある教育によって、子どもたちの豊かな人間性を育てる」という方針で教育がおこなわれた
つくし世代 1985年以降(2023年時点で成人している世代) 「人に尽くす」という行動傾向
さとり世代 1987年~2004年 高い目標を掲げるよりも、現実的な目標を掲げて行動する傾向
Z世代 主に1990年代後半〜2010年生まれ デジタルネイティブであり、子どもの頃からスマートフォンやPCなどのデジタル機器を使いこなす

さとり世代とは時間をかけて信頼関係を築くのが大切

さとり世代は、プライベートと仕事をわけて考える傾向があるため、無理に距離を縮めようとしないことが大切です。

仕事の指示を出すときも、あいまいな伝え方ではなく、具体的かつ論理的に伝えることでスムーズに仕事を進めやすくなります。

さとり世代の個性を大切にしながら接することで、少しずつ仕事における信頼関係を築いていけるでしょう。

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