意思決定とは?よい意思決定をするための7つのプロセスを解説
目次
ビジネスシーンに限らず、さまざまな場面で、意思決定を求められる機会が多くありますが、最適な意思決定をできていますか。
重要な場面で、質の高い意思決定ができれば、よりよい成果や結果を享受することができますが、常に質の高い意思決定をすることは難しいでしょう。
後悔のない意思決定をするためにも、意思決定における7つのプロセスから、意思決定をする際の注意点、質の高い意思決定をする方法についてみていきましょう。
意思決定とは
意思決定とは、複数の選択肢のなかから、自分の経験と知識に基づいて、最良であると思われるものを選ぶことです。
一般的に、あるひとつの目的を達成するために意思決定はおこなわれます。
わたしたちは、日常生活やビジネスシーン問わず、日々、意思決定の連続のなかで生活をしています。
とくに、ビジネスシーンにおいては、限られた時間内で、生産性の高い仕事をしたり、企業の今後を左右する経営の方向性を決めたりなど、さまざまな場面で、重要な意思決定が求められるでしょう。
常に最良な選択をしているつもりでも、ときには間違ってしまったり、後悔してしまったりすることもあると思います。
このような失敗を避けるためにも、良い意思決定をおこなう方法や、意思決定の質を高める方法について、詳しくみていきましょう。
意思決定の7つのプロセス
良い意思決定をおこなうためには、意思決定のプロセスを理解し、手順通りに進めていく必要があります。
良い意思決定をするための7つのプロセスを解説します。
- ステップ(1):課題や問題を特定する
- ステップ(2):情報収集をする
- ステップ(3):代替案を特定する
- ステップ(4):エビデンスを分析・検討する
- ステップ(5):意思決定する
- ステップ(6):行動・実行に移す
- ステップ(7):意思決定を見直す
詳しくみていきましょう。
ステップ(1):課題や問題の特定
良い意思決定をおこなうためには、課題や問題を明らかにする必要があります。
一般的に意思決定は、あるひとつの目的を達成するためにおこなわれますが、目的を達成するために、なにが必要かや、なにが不足しているかなどの、課題や問題が特定できていないと、目的自体があやふやになってしまいます。
意思決定をおこなう際は、課題や問題を言語化し、なにを目的とした意思決定なのかを明確にしたうえで、とりくむようにしましょう。
ステップ(2):情報収集
良い意思決定をおこなうためには、情報やデータなどの、決定の根拠になるものも必要になります。
ビジネスシーンで意思決定をおこなう際に、「なんとなく」や「気分」で決めることはありません。
信頼できるデータや、実績に基づいた情報を収集し、意思決定の判断材料としましょう。
ステップ(3):代替案の特定
課題や問題に対する解決策は、ひとつではなく、複数用意するようにしましょう。
また、ステップ(2)で集めた情報のなかから、良いものや実現できそうなものを考え、組み合わせることも、ひとつの方法です。
この時点で解決策をひとつに絞ってしまうと、後々のプロセスで不適切になってしまったり、実現可能性が低くなってしまったりする可能性もあります。
必ず、複数の観点からの解決方法を検討するようにしましょう。
ステップ(4):エビデンスの分析・検討
代替案を特定したら、その案に基づくエビデンスの分析・検討をおこないましょう。
ステップ(1)で明確にした課題や目的を、どのように解決できるかや、実施のメリット・デメリット、またどれほどの成果を得ることができるかなどを検討する必要があります。
すでに類似項目をおこなっている例があれば、その実施過程や結果を、自社に当てはめて、検討するのも良いでしょう。
ステップ(5):意思決定
このステップで、複数の代替案のなかから、実施する項目の意思決定をおこないます。
複数の代替案とそのエビデンスの分析・検討の結果を参照しながら、最適な項目を決定するようにしましょう。
意思決定は、代替案をひとつ選択するのではなく、複数の案の良い部分を組み合わせる場合もあります。
視野を狭めず、柔軟な視点で意思決定をおこなうようにしましょう。
ステップ(6):行動・実行に移す
決定した項目を、行動・実行にうつします。
実行する際は、計画倒れが起こらないように、事前のタスク確認や実行計画の作成をおこないましょう。
タスク別や時系列別に、計画を追えるようにしておくと、進捗の確認や振り返りがおこないやすくなります。
また、実施したことで、どれぐらいの成果が出たのかを振り替えられるように、細かい成果を記録しておくようにしましょう。
ステップ(7):意思決定の見直し
ビジネスシーンにおける意思決定は、それが適切であったのか、確認をする必要があります。
そのため、実行した計画について、必ず振り返りと見直しをおこなうようにしましょう。
見直しは、ここまでおこなってきたプロセスに対しておこなうと、振り返りがしやすいでしょう。
- ステップ(1)の問題や課題は解決できたか
- ステップ(4)の想定メリット・デメリットは正しかったか
- 意思決定は、好影響を与えたか
- 意思決定は、悪影響を与えたか
手順を踏んで意思決定をおこなっていれば、悪影響が発生した場合でも、どの部分に問題があったのか特定しやすいでしょう。
また、ビジネスシーンにおける意思決定は、常にブラッシュアップしていく必要があります。
見直すべき部分や新たに生じた課題があれば、7つのステップを繰り返しおこない、改善をはかるようにしましょう。
意思決定モデルの種類と概要
意思決定をおこなう方法は、人それぞれです。
質の高い意思決定をおこなうためには、上記の7つのステップに加えて、3種類の意思決定モデルを知っておく必要があるでしょう。
- 合理的意思決定モデル
- 直感的意思決定モデル
- 創造的意思決定モデル
3種類の意思決定モデルの概要を解説します。
合理的意思決定モデル
「合理的意思決定モデル」は、過去のデータや情報に基づいて、確実に成果がだせるものを選びとり、道理や論理に忠実に従う意思決定のことです。
合理的意思決定モデルを用いて導きだした結論は、論理的に導きだした結論のため、失敗する確率が少なく、だれもが納得感をもって進められることが特徴です。
しかし、信頼性の低いデータや情報をもちいてしまえば、不適切な意思決定をしてしまうことになるため、データを選択するステップには、注意が必要です。
直感的意思決定モデル
「直感的意思決定モデル」は、合理性を最重要視するのではなく、メンバーの経験に基づいて、直感的に決定する意思決定のことです。
データや情報があっても、それが自社に適切であるかや、すべての状況に当てはまるのかは、定かではありません。
そのため、直感的意思決定モデルは、トライアンドエラーを繰り返し、経験を積んだ人であれば、直感的によいものを選びとれると考え、意思決定の判断材料とする方法です。
創造的意思決定モデル
「創造的意思決定モデル」は、過去に直面したことのない問題や課題に対して、各々の創造性を発揮して意思決定をする方法です。
創造的意思決定モデルは、情報収集をおこなって、代替案をだした後、それが実現できるものであるかどうかを検討するステップに、とくに時間をかけることが特徴のモデルです。
検討のステップに時間をかけることで、論理的に説明可能でありつつ、前例がないような革新的なアイデアを生むことができるでしょう。
意思決定する際の注意点
質の高い意思決定をするためには、いくつかの注意点を踏まえておく必要があります。
意思決定する際の注意点についてみていきましょう。
情報がない状態でおこなわない
情報がない状態で意思決定をおこなってしまうと、独断的な選択になってしまうため、意思決定をおこなう際は、必ず情報収集をおこなうようにしましょう。
代替案を複数特定するためには、前提となる情報やデータがないと、自分自身の経験と知識しか頼りにするものがありません。
第三者的な視点でみて、論理的に説明できない判断基準では、誤った選択をする可能性が大きいです。
客観的な事実に基づいたデータを集めることが、よりよい意思決定につながります。
過去の踏襲に依存しない
状況は常に変化するため、過去に最適解だったものが、現在も同様である可能性は低いです。
そのため、現在の最適解を選択するためにも、過去の踏襲には、依存しないようにしましょう。
過去の事象の踏襲を検討する場合は、過去の状況を客観的にみつめ、現在でおこなっても再現性があるのか、成果が見込めるのかをよく分析したうえで、採用することが大切です。
過去を踏襲するからといって、意思決定のプロセスを省略することなく、複数の代替案と照らし合わせ、最適解を選択できるようにしましょう。
意思がない決定はしない
意思がない決定は、誤った方向に向かいやすいです。
意思決定をおこなう際は、必ず責任をもって、納得感をもったうえで、意思をもって決定をするようにしましょう。
自分にはその気がないけれど、周囲の意見を鵜呑みにして、意思決定をおこなえば、成果がでなかったときや、よくない事態が起こったときに、周囲に責任転嫁をしてしまうことになりかねません。
意思決定をおこなう際は、意思と責任をもっておこなうようにしましょう。
質の高い意思決定をする方法
最後に、質の高い意思決定をするためのポイントを4つ紹介します。
- 先入観(バイアス)に注意する
- データや数値を根拠にする
- 中長期的な視点をもつ
- さまざまな視点を大切にする
良い意思決定をするために、4つのポイントを確認していきましょう。
先入観(バイアス)に注意する
「○○に違いない」「△△と聞いたことがある」などの、先入観(バイアス)がある意思決定は、質が低くなりやすいです。
質の高い意思決定をするためには、客観的に事実を捉え、よく検討する必要があります。
情報収集の段階や代替案の特定に関しても、ひとつ一つの選択肢を、さまざまな観点から注意深く観察するようにしましょう。
クリティカルシンキングを意識することで、知らぬ間にかかっているバイアスを、とり除くことができます。
データや数値を根拠にする
質の高い意思決定をするためには、データや数値など、だれがみても変わらない情報を根拠にすることが大切です。
とくに、ビジネスシーンにおける意思決定には、判断基準を尋ねられる機会も多くあるため、常に判断基準の背景となる、データや数値を提示できる必要があります。
中長期的な視点をもつ
課題や問題を解決するためには、短期的に結果や成果がでやすい方法だけでなく、中長期的な視点で物事を考えることも大切です。
短期的に成果をだすことが重要な場合もありますが、短期的な目線のみで意思決定をしてしまうと、中長期的にみた場合、デメリットが発生する可能性もあります。
意思決定の検討のステップでは、短期的・中長期的、双方の観点で検討をおこない、メリット・デメリットを天秤にかけるようにしましょう。
中長期的な視点で考えることは、持続性の高い課題解決にもつながります。
短期的な目線だけでなく、中長期的な視点ももって、意思決定をおこなうようにしましょう。
さまざまな視点を大切にする
年齢や立場などが同じ人同士の意思決定は、価値観や考え方が似るため、代替案が偏ってしまい、最良の意思決定にならない可能性があります。
重要な意思決定をおこなう際は、年齢や役職など、さまざまな考え方をもつ人の意見を聞き、多角的な視点で、物事を捉えるようにしましょう。
情報共有には「Chatwork」
ビジネスシーンに限らず、わたしたちは、日々さまざまなシーンで意思決定を求められます。
自分の意思決定に後悔がともなわないように、意思決定のステップやポイントをおさえて、質の高い意思決定を目指しましょう。
ビジネスシーンにおける質の高い意思決定には、データや数値などの情報や、多角的な視点からの意見が必要不可欠です。
周囲の人とコミュニケーションをとりながら、最適解を導きだせるようにしましょう。
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