バイアスとは?ビジネスでの意味や種類、対処方法をわかりやすく解説

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バイアスとは?ビジネスでの意味や種類、対処方法をわかりやすく解説

目次

「バイアス」は、「先入観」や「思い込み」といった意味をもつ言葉で、心理学用語やビジネス用語として使われています。

バイアスは、仕事上のパフォーマンスや判断に影響を与えるため、近年ビジネスシーンでも注目を集めるようになりました。

この記事では、バイアスとはなにか、バイアスの種類やどのような悪影響があるのかについてわかりやすく解説します。

バイアスとは

「バイアス」とは、「先入観」「思い込み」といった意味をもつ言葉です。

判断や意思決定の際に、偏りが生じる事象や、その原因をバイアスといいます。

バイアスは、会話のなかでは、以下のように活用されます。

  • この発注先企業の選び方には、バイアスがかかっている。
  • うちの会社の男女比にかたよりがあるのは、性別に対するバイアスがかかっている可能性がある。

バイアスが生まれるメカニズムや、種類、またバイアスがもたらす悪影響について、確認していきましょう。

バイアスが生まれる原因

バイアスが生まれるのは、意思決定の方法のひとつに、「直感的にすばやく判断するやり方」があるためです。

人間の意思決定には、「時間をかけてじっくりと考える方法」と「直感的にすばやく判断する方法」の2種類があります。

それぞれの方法の特徴は以下のとおりです。

時間をかけてじっくりと考える方法
  • 時間や脳のリソースを大量に使う
  • より正確な判断ができる可能性がある
直感的にすばやく判断する方法
  • 時間や脳のリソースの使用量が少なく、すばやく判断できる
  • 間違った判断をしてしまう場合がある

人間は、日常生活のなかで、大量の情報を処理しているため、よりすばやく意思決定ができる「直感的にすばやく判断する方法」をとる現象が多くあります。

この「直感的にすばやく判断する方法」は、先入観や思い込みの影響を受けやすいため、先入観や思い込みである「バイアス」が発生してしまいます。

ビジネスシーンにおけるバイアスの意味

ビジネスシーンで「バイアス」という言葉が使われる際は、「先入観」や「思い込み」、「偏見」などを意味する場合が多いです。

たとえば、学歴や性別に応じて対応を変える、偏った見方をするなどがあげられます。

  • ○○大学を卒業してるということは、優秀だろう
  • 男性なら、厳しい環境でも良い成績を残せるだろう
  • 女性はいずれ退職するから、昇進はさせないようにしよう

バイアスをもっていると、考え方や価値観が偏り、視野が狭まってしまう可能性があります。

バイアスが生まれる原因やメカニズムを知り、適切に対応できるようになりましょう。

バイアスの種類・代表例

バイアスには、いくつかの種類があります。

どのような思い込みなのか、どのようなシーンで発生するのかによって、バイアスの種類が異なります。

今回は、代表的なバイアスの種類として、下記の5つを解説します。

  • 認知バイアス
  • 正常性バイアス
  • 生存者バイアス
  • 自己奉仕バイアス
  • ダニング=クルーガー効果

それぞれ詳しく確認していきましょう。

認知バイアス

認知バイアスとは、自分自身の先入観によって、正しい判断ができなくなってしまう現象です。

自分がよくふれる情報に判断が影響されてしまい、先入観に基づいた偏りのある判断をしてしまう現象を、認知バイアスといいます。

会社で自分の先輩や上司などが、いつもA社のいい評判ばかりいっている場合、なんとなくA社いい企業に思えてしまうといった例があげられます。

あわせて読みたい記事認知バイアスの一種である「ハロー効果」や「アンカリング効果」を知ろう!

>ハロー効果とは?ビジネスでの具体例や対策方法をわかりやすく解説

>アンカリング効果とは?活用例や実践方法、フレーミング効果との違いを解説

正常性バイアス

正常性バイアスとは、異常な事態に直面しても、都合の悪い情報は無視して「大丈夫だろう」と判断してしまう傾向のことです。

災害心理学でよく用いられる言葉です。

正常性バイアスが働くと、火事や災害時に状況を過小評価してしまい、安易に「大丈夫だろう」と判断してしまい、結果として逃げ遅れるなどの問題が発生するとされています。

生存者バイアス

生存者バイアスとは、取得できるデータのみで判断してしまう傾向のことです。

たとえば、死者が出ている事故では、死者からは情報を得られず、生存者からの情報しか得られません。

そのため、なにが事故の原因だったのか、現場の状態はどうだったのかなど、生存者からの情報に偏ってしまい、正確な分析ができなくなるでしょう。

自己奉仕バイアス

自己奉仕バイアスとは、成功した場合は自分の能力によるものと考え、失敗した場合は周囲のせいにする現象です。

たとえば仕事において、ノルマを達成した場合は、「自分が頑張ったから」と考え、達成できなかった場合は、「仕事の量が多かったからしょうがない」など、環境に原因があると考えてしまう傾向を自己奉仕バイアスといいます。

ダニング=クルーガー効果

ダニング=クルーガー効果とは、実際の評価と自己評価の間にずれが生じる現象です。

高い能力をもっているにもかかわらず、「自分はダメだ」と思ったり、周囲からの評価は低いにもかかわらず「自分はよくできている」と思ったりという現象を、ダニング=クルーガー効果といいます。

職場での周囲の評価と本人の自己評価にずれが生じている場合、ダニング=クルーガー効果の影響が考えられます。

バイアスがもたらす悪影響・デメリット

バイアスは、直感的でスピーディーな判断ができる一方で、悪影響やデメリットもあります。

具体的にどのようなデメリットがあるのかを、確認していきましょう。

モチベーションの低下

バイアスによって生まれた自己評価と、与えられる評価の間にずれが生じると、モチベーションが低下する恐れがあるでしょう。

ダニング=クルーガー効果のように、自分と周囲の評価には「ずれ」があり、能力の低い社員ほど、自分の能力を高く評価している場合があります。

このようなずれの大きさから、モチベーション低下にいたるケースがあるでしょう。

公平性の侵害

バイアスが働いてしまうと、採用や人事評価において、正当な評価ができなくなる危険性があります。

たとえば、性別や出身大学など、相手の属性によるバイアスから本人の能力を判断してしまうと、採用活動において公平性を保てないケースがあります。

バイアスにもとづく判断は、公平性の侵害につながるため、注意が必要です。

ハラスメント

バイアスによって人を判断、評価することは、相手に不快な思いをさせる可能性があり、ハラスメントに至る恐れもあります。

「あの人は○○だから仕事ができない」など、バイアスによるハラスメント行為には注意が必要です。

>ハラスメントの定義や原因に関する記事はこちら

バイアスへの5つの対処方法

アンコンシャスバイアス(無意識バイアス)という言葉があるように、バイアスは、自分では気がつかないうちに、認知を歪めている可能性があります。

では、バイアスに左右されずに、適切な判断をするためには、どうすればいいでしょうか。

バイアスに対処するための5つの方法を紹介します。

  • 対処法(1):客観的事実と意見を区別する
  • 対処法(2):明確な判断軸をつくる
  • 対処法(3):前提や直感を疑う
  • 対処法(4):異なる意見に耳を傾ける
  • 対処法(5):バイアスを理解する

詳しくみていきましょう。

対処法(1):客観的事実と意見を区別する

人は、よく触れる意見や考えに、意見や判断を左右されやすいものです。

そのため、情報を得たときに、それが客観的な事実なのか、それとも個人の意見なのかを区別することで、考え方の偏りを防ぎやすくなります。

対処法(2):明確な判断軸をつくる

あらかじめ自分のなかに明確な判断軸をつくっておくと、バイアスに惑わされずに判断しやすくなります。

たとえば、「1次試験の結果が60点以上の職員は、上半期の評価で最低でもB以上の評価をする」など、事前に判断軸を決めておきましょう。

これは、ビジネスシーンのバイアスによる評価を防ぐためにも有効な対処法です。

対処法(3):前提や直感を疑う

意識的に前提や直感を疑い、バイアスに自覚的になることで、正確な判断ができる可能性があります。

たとえば、直感的に「大丈夫だろう」と判断した場合、「なぜ大丈夫だと思うのか」「根拠はなにか」などを自問自答してみましょう。

対処法(4):異なる意見に耳を傾ける

バイアスが働くと、自分に不都合な意見を無視してしまいしがちです。

バイアスに適切に対処するためには、あえて自分と異なる意見に耳を傾けることで、先入観や思い込みを排除できるでしょう。

対処法(5):バイアスを理解する

バイアスは、無意識のうちに働き、意思決定に影響を与えています。

そのため、判断や意思決定には先入観や思い込みが働きやすいことを自覚するだけでも、考え方を変えることができるでしょう。

バイアスが働きやすい場面やバイアスの種類を知ることは、バイアスへの対処に役立ちます。

無意識のうちに発生する「アンコンシャスバイアス」について、より詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご参照ください。

>【臨床心理士監修】アンコンシャスバイアスとは?に関する記事はこちら

バイアスに気がつく方法

バイアスの対処法として、「バイアスに気がつくこと」を紹介しましたが、バイアスに気がつく具体的な方法を紹介します。

組織内のコミュニケーション活性化にもつながる方法のため、ぜひ研修などで実践してみてください。

コンセンサスゲーム

コンセンサスゲームとは、チームで話し合い、協力しながら課題解決を目指すゲームのことです。

異なる考えをもつ人とどのように意見のやりとりをするか、どのように合意形成をおこなうかを、ゲームを通して学ぶことができます。

ゲームを進めるためには、他者の意見に注目する必要があるため、自分個人の思い込みの排除や自分にどんな思考の偏りがあるのか気が付くきかっけとなるでしょう。

>コンセンサスゲームの具体例と進め方に関する記事はこちら

クロスロード・ダイバーシティゲーム

クロスロード・ダイバーシティゲームは、困難な課題について対話しながら意見交換をするゲームです。

お互いの意見について尊重しながら意見交換をおこなうため、知らず知らずのうちに自分がもっていた先入観や偏見に気が付きやすくなります。

分野別のバイアスの意味

「バイアス」は、分野別に意味が異なる言葉です。

今回は、下記の2つの分野におけるバイアスの意味を解説します。

  • 心理学
  • 統計学

言葉の意味の認識が異なると、ミスコミュニケーションが発生するリスクがあります。

それぞれの分野の「バイアス」の意味を正しく認識できるように、確認していきましょう。

心理学におけるバイアス

「バイアス」は、もともと心理学用語として使われており、人間の思い込みや考え方の偏りといった意味をもっています。

人間の無意識の思い込みをあらわす「アンコンシャスバイアス」など、類似の用語もあります。

  • バイアスに関する研究論文を集めよう。

統計学におけるバイアス

統計学の分野では、データのとり方や分析方法に偏りがあり、分析結果に影響を与えてしまう現象を「バイアス」といいます。

  • このアンケートは、実施した年齢層にかたよりがあり、バイアスがかかってしまっている。

社内コミュニケーションに「Chatwork」

バイアスとは、「先入観」「思い込み」といった意味で、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。

バイアスが働くことにより、採用や人事評価、仕事のパフォーマンスに悪影響がおよぶ可能性もあります。

直感的ですばやい判断は、時間や脳のリソースを効率的に使えるメリットもありますが、重要な意思決定においてはバイアスが働きやすいことを意識して対策することが大切です。

バイアスを防ぐためには、他者と意見交換をおこない、自分の意見の偏りや先入観に気が付くことが効果的です。

対面での会話や、チャットツールでの気軽な意見交換などで、多くの人とコミュニケーションをとり、自身の考えや価値観の傾向を、客観的に把握してみましょう。

ビジネスチャット「Chatwork」は、グループメンバー全員へのチャット送信ができるため、広く多くの人から意見を募集したいときにも役立つツールです。

もちろん、1対1のコミュニケーションをとることもできるため、さまざまなビジネスコミュニケーションの活性化に効果的でしょう。

ビジネスシーンの意見交換や情報共有、ビジネスコミュニケーションの円滑化に「Chatwork」を、ぜひご活用ください。

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バイアスに関するQ&A

バイアスとは?

「バイアス」とは、「先入観」や「思い込み」のことです。

人間は、日常生活のなかで、大量の情報を処理し、すばやい意思決定 を求められるシーンが多くあるため、「直感的にすばやく判断する方法」をとることが多くあります。

この「直感的なすばやい判断」の元になりやすいのが、「バイアス」です。

バイアスがもたらす悪影響とは?

バイアスは、直感的でスピーディーな判断ができる一方で、自分の先入観や思い込みで判断してしまう傾向があるものです。

そのため、評価や判断の公平性を侵害してしまったり、知らず知らずのうちにハラスメントをしてしまったりなど、悪影響が生じる危険性があります。

適切な対処方法を知り、バイアスによる悪影響を排除するようにしましょう。

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