オーセンティックリーダーシップとは?求められる背景や能力、意味を解説
目次
時代の流れとともに、リーダーシップの考え方も変化しています。
現代で注目されているリーダーシップのひとつが「オーセンティックリーダーシップ」です。
「オーセンティックリーダーシップ」とは、モデルとなるリーダーを真似るのではなく、自分自身の信念や価値観・倫理観に基づいてリーダーシップを発揮することをいいます。
この記事では、オーセンティックリーダーシップについて、オーセンティックリーダーシップに必要な能力や要素、メリットやデメリットなどについて解説します。
オーセンティックリーダーシップとは
オーセンティックリーダーシップとは、自分自身の価値観や信念、モラルに従ってリーダーシップを発揮するリーダーシップのことです。
英語の「オーセンティック(authentic)」は、「本物の」「正真正銘の」という意味をもつため、「オーセンティックリーダーシップ」は、嘘偽りのない本物の自分自身、つまり自分らしいリーダーシップという意味を表します。
これまでのリーダーシップは、人を導く能力、人をひきつける才能といったものが必要とされていましたが、オーセンティックリーダーシップは、従来のリーダーシップとは異なる特徴をもちます。
オーセンティックリーダーシップは、自分らしさをベースとしたリーダーシップであるということを覚えておきましょう。
オーセンティックリーダーシップが注目を集める理由
職場環境や働き方に対する考え方は、時代とともに変化しつつあり、この変化にともない、オーセンティックリーダーシップが注目を集めるようになりました。
従来は、強い権力をもち、人を引っ張っていくような人が理想のリーダーと考えられていましたが、働き方や理想とする上司像の変化から、「強くて権力のあるリーダー」よりも、「自分らしさをもち、親しみのあるリーダー」が好まれるようになりました。
また、ITやAI技術が発展した情報化社会では、強くて優秀なリーダーがひとりいるだけでは、問題を解決することが困難になっています。
そのため、個の優秀なリーダーよりも、チームをまとめて、チームとしての力で問題解決へと導けるようなリーダーが必要とされています。
オーセンティックリーダーシップに必要な5つの能力・要素
個の能力ではなく、チームとしての能力を引き出すことが求められる現代において、どのようなリーダーシップが求められるのでしょうか。
その中で注目されているオーセンティックリーダーシップに必要な5つの能力・要素を紹介します。
- 自分の目的を理解する能力
- 価値観に基づいて行動する能力
- 真心を込めてリードする能力
- 継続的な人間関係を構築する能力
- セルフマネジメント能力
それぞれ、どのような能力なのか詳しく見ていきましょう。
(1)自分の目的を理解する能力
オーセンティックリーダーシップには、自分自身を理解する能力が必要です。
自分らしくあるためには、自分が何をしたいのか、自分がどのような人間で、どのような価値観をもっているかを知ることが欠かせないからです。
周囲に流されるのではなく、自分自身の目的に忠実であるためには、自己を理解する能力が重要です。
(2)価値観に基づいて行動する能力
自分の価値観を明確にするだけではなく、それに基づいて実際に行動する能力もオーセンティックリーダーシップに必要な能力として欠かせません。
周囲の仲間に協力してもらうためには、リーダー自らが率先して行動していくことが大切です。
価値観に基づいて行動できれば、困難な状況でも一貫した行動をとれるようになります。
(3)真心を込めてリードする能力
「真心を込めたリード」とは、リーダーからチームの仲間にかかわって信頼を得ていくことを意味します。
自分についてくることを強要するのではなく、チームのメンバーに対して自分から敬意をもって接することが重要です。
(4)継続的な人間関係を構築する能力
リーダーとしてチームをまとめていくうえでは、メンバーと継続的な人間関係を構築する能力も必要です。
たとえば、「メンバーを信頼して仕事を任せる」といった行動によって、メンバー自身にチームの一員であり信頼されている実感をもってもらうことで、信頼関係の構築が可能です。
(5)セルフマネジメント能力
自分らしくあるための前提として、リーダー自身が心身ともに健康で安定している必要があります。
ストレスに対する適切なマネジメントや体調管理も、オーセンティックリーダーシップに必要な要素といえるでしょう。
オーセンティックリーダーシップのメリット
人それぞれの価値観に基づくリーダーシップのため、具体的なメリットが想像しにくいかもしれません。
オーセンティックリーダーシップには、以下のようなメリットがあります。
真似できないリーダー像をつくれる
オーセンティックリーダーシップでは、自分らしさを発揮するため、従来のリーダーや職場のほかのリーダーとは異なる「オリジナルのリーダー像」をつくれます。
「あの人のようにならなければ」「リーダーはこうあるべきだ」といった考えから解放されて、自分らしさを失わずにリーダーシップを発揮できるでしょう。
強い信頼関係を築ける
オーセンティックリーダーシップでは、強い信頼関係を築けることもメリットです。
上下関係ではなく、リーダー自身の価値観や信念に共感する形で周囲のメンバーと信頼関係を構築できるためです。
リーダーがもつ価値観に共感したメンバーが集まるため、強い信頼関係を築けるでしょう。
オーセンティックリーダーシップのデメリット
魅力的なメリットがあり、優れたリーダーシップ像であるオーセンティックリーダーシップですが、下記のようなデメリットもあります。
デメリットを理解したうえで、前述のメリットを活かせるよう、リーダーシップをとっていくとよいでしょう。
自分のリーダー像に縛られすぎてしまう
オーセンティックリーダーシップでは、自分のリーダー像にしばられすぎて自己中心的なリーダーになってしまうおそれがあります。
自己の価値観に忠実であることは大切ですが、周囲の意見に耳を傾ける姿勢も重要です。
成長意欲がなくなるおそれがある
オーセンティックリーダーシップは、成長意欲がなくなるおそれがある点もデメリットのひとつです。
自分らしさが重視されるため、今現在のありのままの自分に満足してしまい、さらなる成長や必要な努力を怠ってしまう可能性があります。
意識的に、リーダー自身が努力し続ける姿勢をもつことが必要といえるでしょう。
オーセンティックリーダーシップを育てる方法
自分自身の信念や価値観が軸となるため、オーセンティックリーダーシップを発揮するには、自己成長が重要です。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
- 自分の行動を振り返る習慣をつける
- 完璧主義をやめる
- 自分の弱みをメンバーに開示する
- 他人と比べない
オーセンティックリーダーシップを育てる方法について紹介します。
自分の行動を振り返る習慣をつける
オーセンティックリーダーシップでは、自分の価値観や信念に基づいて自分らしくあることが大切です。
自分自身の行動を振り返る習慣があれば、自分の価値観に対して一貫した行動がとれているかを確認できるでしょう。
完璧主義をやめる
オーセンティックリーダーシップを育てるには、完璧主義をやめるのがおすすめです。
「完璧でなければいけない」という意識は、オーセンティックリーダーシップに必要な自分らしさを損ねてしまいます。
自分の弱みをメンバーに開示する
自分の弱みをメンバーに開示すると、周囲からの協力を得やすくなります。
弱みを見せていくリーダーのあり方から、メンバーも「完璧でなくていい」「弱みを見せてもいい」と思えるようになり、チームのメンバーが安心感をもてるようになるでしょう。
他人と比べない
完璧主義と同様に、他人と比較することも自分らしさを損ねてしまいます。
メンバーに対しても、ほかの人との比較ではなく、その人の実績や努力そのものに対して評価をすると、信頼関係も構築しやすいでしょう。
オーセンティックリーダーシップ以外のリーダーシップ
現代では多様なリーダーシップが求められています。
オーセンティックリーダーシップ以外にどのようなリーダーシップがあるか紹介します。
- サーバントリーダーシップ
- トランスフォーマーリーダーシップ
- クロスボーダーリーダーシップ
それぞれの特徴を見ていきましょう。
サーバントリーダーシップ
「サーバント」とは、「召使い」「使用人」という意味です。
サーバントリーダーシップは、チームに対してまずはリーダー自身が奉仕をして、相手を導くという支援型のリーダーシップです。
トランスフォーマーリーダーシップ
トランスフォーマーリーダーシップとは、自分自身が変わることによって、メンバーのモチベーションを高めて相手の変化をうながすリーダーシップのことです。
具体的なフィードバックを頻繁におこない、チームメンバーの成長をうながします。
クロスボーダーリーダーシップ
クロスボーダーとは、「壁を越える」というニュアンスがあります。
人にはそれぞれ違いがあり、壁がある状態といえますが、その違いや壁に対する適切なマネジメントをおこない、チーム全体がお互いを尊重できるようにするリーダーシップをクロスボーダーリーダーシップといいます。
社内コミュニケーション活性化に「Chatwork」
オーセンティックリーダーシップとは、自分自身の価値観や信念、モラルに従って自分らしくリーダーシップを発揮することです。
時代の変化とともに、リーダー像も変化しています。
オーセンティックリーダーシップは、完璧主義をやめる、他人と比較しないなどの方法により育てることが可能です。
ビジネスシーンでも社内のコミュニケーションの活性化において、リーダーシップは重要な要素といえます。
リーダーシップの考え方には、オーセンティックリーダーシップのほか、多様な考え方があり、オーセンティックリーダーシップにもメリットデメリットがあります。
どのようなリーダーシップが適切なのかしっかりと見極めることが重要です。
また、ビジネスシーンでのコミュニケーションには、チャットツールが使われることも増えてきました。
ビジネスチャット「Chatwork」も、チャットによりすばやい情報共有ができるほか、音声通話やビデオ通話も可能です。
社内のコミュニケーションの活性化に、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。