サーバントリーダーシップとは?10の特性とメリット・デメリットを解説

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サーバントリーダーシップとは?10の特性とメリット・デメリットを解説

目次

サーバントリーダーシップとは、リーダーと部下が協力関係を築きながら、お互いを信頼して行動するというスタイルのリーダーシップのことです。

リーダーから指示されて行動するのではなく、メンバーが自発的に仕事に取り組めるというメリットがあります。

組織に浸透させるためには、どのような働きかけを大切にするとよいのでしょうか。

サーバントリーダーシップの特性やメリット・デメリットを解説します。

サーバントリーダーシップとは

「部下に奉仕する」という考え方をもとに、組織のリーダーとして部下をまとめる指導方法を、サーバントリーダーシップと呼びます。

サーバント(servant)には、奉仕する人という意味があります。

サーバントリーダーシップは、リーダーが部下の自主性を認め、部下との信頼関係構築を重視することで、目的達成を目指すというリーダーシップのスタイルです。

組織の目標達成に向けて、メンバー同士が自発的に創造性を働かせ、ともに支えあえる関係性を築きやすいというメリットがあります。

サーバントリーダーシップが生まれた背景

サーバントリーダーシップは、1970年にロバート・K・グリーンリーフというアメリカ人教育コンサルタントによって提唱されました。

1970年のアメリカでは、ベトナム戦争の泥沼化やウォーターゲート事件などが勃発し、社会を導くリーダーに不信感が募っていました。

このような時代背景のなかで、グリーンリーフは、ヘルマン・ヘッセの短編小説「東方巡礼」から、必要とされるリーダーとは、権力や物欲に執着をもつのではなく、人々が望む理想の社会を実現するために行動できるリーダーであると、サーバントリーダーシップの着想を得ました。

サーバントリーダーシップと支配型リーダーシップの違い

支配型リーダーシップは、リーダーの命令が絶対であるという価値基準で行動します。

一方、サーバントリーダーシップは、リーダーと部下は協力関係であるという価値基準を軸に行動するという違いがあります。

前者は恐怖心や義務感で部下を行動させるという特徴があり、後者は部下との信頼関係や安心感を大切にしながら、部下自身が考えて行動するという特徴があります。

>リーダーシップの種類とは?に関する記事はこちら

サーバントリーダーシップが注目される背景

現代は、IT技術の目まぐるしい発展や進化のなかで、日々複雑化し続けるビジネス環境にあり、「VUCA時代」と呼ばれています。

このような環境のなかで、新型コロナウイルス感染症拡大の後押しもあり、人々の仕事や働き方に対する考え方も変化しつつあります。

たとえば、終身雇用制や年功序列制といった考え方は衰退しつつあり、テレワークやリモートワークなどの場所にとらわれない働き方や、兼業や副業などの働き方を選択する人も増えています。

この不確実の高い時代のなかで、企業が持続的成長を目指すためには、不測の事態に対応できる組織をつくる必要があります。

しかし、不測の事態に強い組織をつくるためには、従来のように、ひとりのリーダーがすべてを管理して、意思決定していく方法では間に合わず、従業員それぞれが、主体性をもって、最大限のパフォーマンスを出せるような組織にしていく必要があるでしょう。

このようななかで、従業員それぞれの特性を理解し、個々が活躍できる環境をつくることができるサーバントリーダーシップが必要とされるようになりました。

>VUCA時代とは?に関する記事はこちら

サーバントリーダーの10の特性

サーバントリーダーシップの普及を推進しているNPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会は、サーバントリーダーシップについて、10の特性を定義付けています。

  1. 傾聴(Listening)
  2. 共感(Empathy)
  3. 癒し(Healing)
  4. 気づき(Awareness)
  5. 説得(Persuasion)
  6. 概念化(Conceptualization)
  7. 先見力(Foresight)
  8. 執事役(Stewardship)
  9. 人々の成長への関与(Commitment to the Growth of people)
  10. コミュニティ作り(Building community)

サーバントリーダーシップへの理解を深めるために、それぞれの特性について詳しくみていきましょう。

傾聴

部下の意見に耳を傾け、相手の話を否定せず、柔軟に受けとめる「傾聴」の姿勢が求められます。

相手がどのような思いを抱えているのか、本当に伝えたい気持ちは何なのか、想像力を働かせながら、相手の視点に立って物事を考えるスキルが必要です。

リーダーは、自分の心の声にも耳を傾けながら、職場のリーダーとして、期待される役割や取り組める内容について検討します。

共感

部下の立場になって寄り添いながら、相手に理解を示す「共感」の姿勢が求められます。

仕事の苦労を共有することや、部下の意見を受けとめることなど、部下の考え方に理解を示すことで、お互いに信頼関係を構築することができます。

癒し

サーバントリーダーは部下の心に「癒し」を与えます。

また、組織で欠けている部分を補い、それぞれの能力を引き出せるように調整することも、サーバントリーダーに求められる役割です。

気づき

社内の出来事について、偏見をもたずに、本質を見極める能力も求められます。

偏りのない幅広い視点をもつことは、リーダー自身に加え、周囲にも「気づき」を与える上で重要な能力です。

リーダーの影響を受けることで、部下は新しい価値観を学ぶことができます。

また、自社の理念や価値観について学ぶことで、仕事をする上で重要な倫理観や価値観についても学ぶことができます。

説得

相手との信頼関係を大切にしながら、お互いが納得できる形で意思決定を進められるという特徴です。

リーダーの権限を利用して支配的に行動させるのではなく、周りに協力を求める形で、自主的な行動をうながす「説得」のスキルが求められます。

概念化

メンバー同士が大きな目標を共有しながら、仕事に取り組む「概念化」も必要なスキルです。

リーダーは目標を言語化し、メンバーに向けてわかりやすく伝えることが求められます。

メンバーに目標を理解させることで、自主的な行動を促すことができます。

先見力

過去から現在の状況をふまえて、未来がどのようになるのか、予想を立てられる「先見力」もサーバントリーダーシップに求められます。

障壁となる可能性がある出来事に対策が打てるなど、先見力があることで組織を正しい方向に導くことができます。

執事役

組織を支える役割として周りをサポートできる「執事役」のスキルが、求められます。

チームが仕事を進めやすいように、相手の利益を優先して行動することが大切です。

人々の成長への関与

リーダーとして「人々の成長」を引き出せるように働きかける姿勢も求められます。

メンバーの長所を見つけて引き出すことが、組織の成長にもつながります。

コミュニティ作り

組織運営に必要な「コミュニティ作り」の働きかけは、サーバントリーダーに必要なスキルです。

メンバー同士がコミュニティに愛情を感じながら、それぞれが自主的に行動することができるため、組織の生産性を高めることができます。

サーバントリーダーシップのメリット

サーバントリーダーの存在は、組織全体に恩恵を与えます。

サーバントリーダーシップにどのようなメリットがあるのか解説します。

組織コミュニケーションが活性化する

サーバントリーダーシップは、傾聴や共感を大切な価値観にしています。

そのため、サーバントリーダーがいる組織の雰囲気は、穏やかになり、上司に意見を伝えやすくなるなどのメリットが生まれます。

組織のコミュニケーション活性化につながり、意思決定や意見交換が活発になることが期待できます。

>組織コミュニケーションを活性化させる方法に関する記事はこちら

部下との信頼関係を構築できる

サーバントリーダーは、部下の利益を考えながら成長をうながす存在です。

部下のつらい気持ちに共感したり、悩みに寄り添ったりできると、部下は上司を信頼し、自然と良好な関係の構築もできるようになるでしょう。

>部下とのコミュニケーションの重要性に関する記事はこちら

自主的に動ける人材を育成できる

サーバントリーダーは、部下に協力関係を求めるコミュニケーションを取ります。

メンバーの納得や理解のもと意思決定を進められるため、命令や受け身で指示を待つのではなく、部下が自分の頭で考えるスキルを養うことができます。

リーダーと部下が組織に貢献したいという共通の気持ちを軸に行動するため、指示される前に自主的に行動するスキルが身につきます。

サーバントリーダーシップのデメリット

メリットの多いサーバントリーダーシップにも、状況によってはデメリットが生じます。

サーバントリーダーシップのデメリットを解説します。

意思決定が遅れる可能性がある

サーバントリーダーシップは、メンバーが意見に納得するまで話し合い、意思決定を進めるという特徴があります。

上から指示を出さず、メンバー全員が納得しながら話をまとめていく流れが必要なため、話し合いの内容によっては、意思決定に時間がかかってしまうというデメリットがあります。

脱落するメンバーが出やすい

サーバントリーダーシップでは、メンバーが自力で考えて行動するという自主性を大切にします。

命令や指示を出されるほうが楽な人にとっては、合わないと感じる場面も出てくるかもしれません。

できる限り仕事の苦痛を感じさせないように、リーダーからメンバーに向けて、仕事やメンタル面のサポートをする必要があります。

サーバントリーダーシップを浸透させる方法

サーバントリーダーシップを社内に浸透させるためには、どのような取り組みが必要でしょうか。

サーバントリーダーシップを浸透させる方法について解説します。

社内全体の意識改革を実施する

サーバントリーダーシップを浸透させることが、社内にどのような恩恵を与えるのか、各部署の社員に向けて共有することが必要です。

思うように進まない場合もありますが、メリットについて理解を得ることで、少しずつ理解者を増やすことができるでしょう。

部下の意見を否定せずに傾聴する

まずは上司が部下の意見を傾聴して、共感を示すコミュニケーションをとりましょう。

相手の意見を否定せず、話に耳を傾けることが傾聴のコツです。

お互いの信頼関係を少しずつ構築することで、仕事での協力体制を整えることができるでしょう。

部下を褒める習慣を意識する

サーバントリーダーの役割は、部下の長所を見つけて成長をうながすことです。

たとえば、仕事で優れていると感じられるポイントがあるときは、プロセスや成果を褒める言葉を積極的にかけましょう。

部下の仕事を賞賛することは、コミュニケーションを円滑に進める第一歩として有用です。

仕事の目標設定を設ける

部下の自主性を引き出すためには、部下自身が目標を決め、達成までの道筋を考える方法が役立ちます。

一年間を通して成長したいこと、半年後に達成したいことなど、仕事に関わる目標を、部下自身に設定させましょう。

部下が目標達成に向けて課題を感じるときは、上司が相談役になり、ともに方向性を模索することが大切です。

>マネージャーがすべき目標設定とは?に関する記事はこちら

サーバントリーダーシップは組織の成長に役立つ

サーバントリーダーは、メンバー同士の信頼関係を大切に、コミュニティ作りを進めます。

共感や傾聴などのスキルを重視することで、組織内のコミュニケーションが活性化し、自主的に行動できる人材を育成できるというメリットが期待できます。

ぜひ、組織コミュニケーションを活性化させ、従業員それぞれが主体的に動ける組織づくりを進めてみてください。

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