データドリブンとは?成功の秘訣と注目される理由を解説
目次
データドリブンとは収集したデータをもとに意思決定する手法をいい、近年、マーケティングの分野で見聞きする機会が多くなってきました。
本記事ではデータドリブンとはどのような手法なのか、注目を集める理由やメリット、課題・注意点などを分かりやすく解説します。
また、データドリブンの実現に役立つツールも7つ紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
データドリブンとは
データドリブンとは、自身の経験や勘だけでなく、収集したデータをもとに意思決定する手法を指します。
売り上げやマーケティングデータ、Web解析データなどのデータをもとに判断やアクションを起こすことで、より具体的にビジネスの方向性を定められます。
データドリブンが注目を集める理由
データドリブンによる意思決定は、もともと経営層がよく使う手法として利用されていました。
しかし近年ではさまざまなビジネスの場だけでなく一般の人にも利用されています。
ではなぜ、データドリブンはここまで注目されるようになったのでしょうか。
その理由を3つ解説します。
消費者の価値観や行動が多様化しているため
データドリブンが注目を集める理由として、まず挙げられるのが、消費者における価値観や行動の多様化です。
消費者の価値観や行動の多様化を背景として、経験や勘に頼った判断が通用しにくくなっている状況が挙げられます。
近年はスマートフォン・PCなどのデバイスやインターネットの普及により、昔に比べると情報量は爆発的に増え、消費者のニーズも多様化しています。
テレビやCM、折込チラシ、近所の口コミなどから情報収集するしかなかった時代と比べて、数ある情報量の中から消費者が自由に情報の取捨選択できるようになったことも、データドリブンによる意思決定が一般化した理由のひとつです。
データ収集や活用の幅が広がっているため
2つ目の理由はテクノロジーの進歩によって、多くのデータが収集できるようになった影響です。
現代では、スマートフォンひとつで膨大なデータを収集できます。
これまでは家族や友人、近所での口コミで判断するしかなかったものでも、SNSやネット掲示板などの通じて、全国各地の人の口コミを参考にできるようになりました。
こうした情報が、購買の意思決定に大きく影響するようになってきたのです。
業務の標準化を目指すため
データドリブンの手法は、業務の標準化につながります。
ビッグデータやデジタルマーケティング技術が発展するにしたがって、さまざまなデータを可視化できるようになりました。
ビジネスシーンにおけるデータドリブンに基づく意思決定は、社員の偏った思考や偏見、思い込みなどによるアクションを軽減できます。
個人の偏った思考や思い込みではなく、可視化したデータを分析することで、より費用対効果の高いアクションにつなげ、利益につなげやすくなるのです。
データドリブンのメリット
近年、広く活用されるようになってきたデータドリブンの手法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
データドリブンの実行におけるメリットを3つ解説します。
迅速な意思決定が実現できる
データドリブンのメリットのひとつが、リアルタイムなデータにもとづいて素早い意思決定ができる点です。
一昔前のように、勘や経験に頼るだけでは、消費者のニーズを正しく把握した意思決定が難しいため、現代の企業経営においてはデータの活用が必要不可欠です。
データの活用により、勘に頼らない分析が可能になると、集積されたデータを見比べたり最新の情報まで追従して解析したりもできます。
データドリブンの実行により、迅速な意思決定が可能となるのです。
パフォーマンスの精度向上が図れる
データを適切に分析し活用すれば、パフォーマンスが向上します。
経験にもとづく施策の実行には、再現性が低くなってしまうというデメリットがありました。
しかし、データを適切に分析するプロセスがあれば、戦略的な施策遂行が可能となり、マーケティングにおいても業務効率が向上します。
また、データドリブンで施策をおこなえば、、個人の経験による主観的な判断ではなく、データにもとづく客観的な予測や評価を用いた意思決定が可能となります。
データ解析のフローを定型化し、同様のプロセスを踏めるようにしておけば、一定の精度を保ったまま業務を遂行できるでしょう。
顧客満足度の向上が図れる
データドリブンの実行には、顧客の満足度向上につながるメリットもあります。
ありとあらゆる製品・サービス・コンテンツであふれる現代では、消費者のニーズが複雑化かつ多様化しています。
データドリブンで商品開発やマーケティング戦略の意思決定をおこなえば、顧客ごとに最適化された製品やサービスを提供することが可能です。
さらに、パーソナライズ化された施策実行から収集されるデータを活用すれば、今後のマーケティングや商品開発への示唆が得られるため、より消費者のニーズにあった施策につながり、顧客満足度の向上が図れるでしょう。
データドリブンの課題・注意点
データドリブンはさまざまなメリットがある一方で、課題や注意点も存在します。
データを用いた意思決定をおこなう際は、以下の3点に注意しましょう。
専門的な知識が求められる
データドリブンの課題・注意点として、専門性が求められる点が挙げられます。
膨大なデータの収集自体、現代ではさほど難しいものではありませんが、それらを正しく扱って分析し、適切な意思決定をおこなえるレベルの専門性がないと、ときには経営判断にも重大な影響を与える可能性があります。
つまり、データさえあれば正しい意思決定をおこなえるというわけではなく、高度な専門知識を駆使してデータを分析し活用するスキルをもった人材の確保が、企業にとって必要であり課題でもあるのです。
コストがかかる
データドリブンによる意思決定には専門的な知識が必要であるため、データの扱いに精通する人材を確保・育成する必要があります。
しかし、人材の確保・育成にはコストがかかるものです。
中途採用で経験豊富な人材を確保するにせよ、外部研修で必要な教育を受けさせるにせよ、高い専門性をもつ従業員は企業にとっては重要な人的資材であると捉えて、経営戦略に組み込んでおくべきといえるでしょう。
さらにデータを分析するための環境として、データベースの構築や分析システム・ツールを導入しなければならず、初期コストやランニングコストがかかってきます。
いずれも、ビジネス効率や精度向上のために欠かせない必要経費と捉えておきましょう。
定性的な情報を見落とす可能性がある
データドリブンでは、数値や数量にもとづいた定量的なデータの分析・意思決定をおこなうため、定性的な情報を見落とす可能性があります。
具体例としては、数値だけでは図れない顧客の声や世間の流行、従業員の想いなど、マーケティングにおける定性面の重要な要素が挙げられます。
データの活用により、勘に頼らない意思決定ができる点はメリットですが、データを過信したり、定性的な情報を無視した解釈をしたりなど、偏った判断で本質を見逃さないようにしましょう。
データドリブンを成功させる4つのステップ
データドリブンを成功させるには、大きく分けて4つのステップがあります。
- ステップ(1):データ収集
- ステップ(2):データの可視化
- ステップ(3):データ分析
- ステップ(4):アクションプランの策定・実行
各ステップを順にみていきましょう。
ステップ(1):データ収集
データドリブンをおこなうためには、データ収集する仕組みを構築する必要があります。
まず、どのようなデータを集めたいのか、集めたデータでなにをおこないたいのかなど、目的を明確にしたうえで、データ収集をおこないましょう。
データを収集する仕組みが整っていない場合は、目的に合わせて、Web解析ツールやPOSシステム・顧客管理システム(CRM)などを選定し、導入しましょう。
ステップ(2):データの可視化
データ収集の仕組みができたら、データ分析に着手する前にデータの可視化をおこないます。
集めたデータそのままでは、どのように解釈して意思決定までおこなえばよいかを捉えにくいため、まずは扱いやすくする必要があり、その工程・方法を「データの可視化」といいます。
データを可視化するためには、BI(ビジネスインテリジェンス)やDMP(データマネジメントプラットフォーム)、Web解析ツールなど、データを集計し、グラフや表などの形式で可視化してくれるツールを導入しましょう。
各システム・ツールを導入することで、専門的に精通していない人でも、データを集めたり、内容を把握したりしやすくなります。
ステップ(3):データ分析
必要なツールを導入しデータの可視化が実現できたら、データの分析に移ります。
データドリブンのためには、データ分析ができる人材の確保が必要です。
データサイエンティストやアナリストなど専門知識を持つ人にデータ分析を依頼しましょう。
収集したデータから消費者の傾向などを掴めれば、今後の事業や製品、サービスの改善のヒントを得られる可能性もあります。
ステップ(4):アクションプランの策定・実行
データ分析が完了したら、アクションの策定と実行をおこないます。
データにもとづいたアクションプランの作成・実行は、費用をかけずに実行できるものと、広告出稿などで大きな費用がかかるものがあります。
組織が目指すゴールを見据えつつ、費用対効果も踏まえたうえで、アクションプランを実行するか否かの判断をおこないましょう。
データドリブンの実現に役立つツール
昨今では、データドリブンをより強力なものにするためのツールが多く存在します。
- MA(マーケティングオートメーション)
- DMP(データマネジメントプラットフォーム)
- RPA(ロボティックプロセスオートメーション)
- アクセス解析ツール
- CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
- SFA(セールスフォースオートメーション)
- BI(ビジネスインテリジェンス)
ここからはデータドリブンの実現に役立つツールを7つ紹介します。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動を自動化することで、新規顧客の獲得や見込み顧客を育成する仕組みです。
見込み顧客リストの一元管理したり、メールで見込み顧客をつなぎとめたりするための取り組みでおおいに活用できます。
見込み顧客を育成し受注確度を上げる施策をMAで実施すれば、商談をおこなう営業部門への受け渡しをまでをスムーズに進めることができるでしょう。
>MA(マーケティングオートメーション)とは?に関する記事はこちら
DMP(データマネジメントプラットフォーム)
DMP(Data Management Platform)は、企業が収集・保有する顧客の属性・行動データなどを一元管理して、マーケティングに活用するためのプラットフォームです。
マーケティングオートメーションと組み合わせることで、マーケティングオートメーション単体に比べてデータの解像度が高くなります。
データを集約して扱えるため、分析効率があがり、マーケティング施策の精度も向上しやすいでしょう。
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)
RPA(Robotic Process Automation)は、これまで人間がおこなっていた定型化された作業をルールエンジンやAI(Artificial Intelligence:人工知能)などのソフトウェアが代行・自動化するツールです。
RPAを活用することで、業務システムへのデータ入力や転記、データ収集・加工などの定型的な作業を自動化できます。
単純作業をRPAに代行してもらえば、ほかの作業に時間を割けるため、業務効率の向上が可能です。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、自社のWebサイトに訪問したユーザーの行動や流入経路などを分析して、そのデータをもとにマーケティング施策やWebサイト改善などの取り組みにつなげるためのツールです。
アクセス解析で分かるのは、そのWebサイトで目標に設定しているゴールに到達したことを示すコンバージョン(CV)数、セッション数、ページビュー(PV)数、、ユーザー属性や滞在時間などです。
自社のWebサイト内でどのような行動をおこない、どのページを多く閲覧したのかなどが把握できるため、データを分析して改善活動をPDCA化するにあたって不可欠なツールといえます。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客基本情報や購買履歴など、顧客に紐づくあらゆる情報を管理するソフトウェアです。
本来は、顧客と関係構築して企業の利益や価値を高める営業手法を意味する用語でしたが、現在ではソフトウェアそのものを指してCRMと呼ぶケースが多くなりました。
CRMは、顧客分析に必要なセグメントを定義したり、購入単価、ポイント使用率などを管理する機能を保有しています。
SFA(セールスフォースオートメーション)
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の効率化や最適化を目的とした営業支援システムです。
営業部門の業務プロセスを自動化し、営業の生産性や売り上げアップを支援します。
SFAを利用すると、顧客情報や、商談の進捗状況を管理したり、売上の実績や予測、営業データの蓄積や分析をおこなったりなど、営業活動にかかわるさまざまな情報を管理して、業務を効率化できます。
BI(ビジネスインテリジェンス)
BI(Business Intelligence)は、企業が保有するデータを収集・分析して可視化することで、経営改善や業務改善に役立てる仕組みです。
前述の「データの可視化」に欠かせないツールであり、経営分析や人事データの分析、予算管理、データ収集ができます。
BIツールは、データにもとづいた客観的な意思決定が可能にし、製品・サービスの改善や業務の改善につなげる、データドリブンをおこなううえで必要性が高い仕組みといえます。
迅速な意思決定の実現に「Chatwork」
データドリブンとは、経験や勘だけに頼らず、収集したデータをもとに客観的に意思決定する手法です。
インターネットの普及により誰でも簡単に膨大なデータにアクセスできるようになった現代では、ビジネスにおいても、データドリブンの活用が必須になっています。
本記事で解説したメリット・デメリット、成功のための4つのステップなどを参考に、データドリブンの実現に役立つツールの導入も検討してみるとよいでしょう。
データドリブンによる意思決定をおこなったら、迅速に遂行するためにもスピード感あるコミュニケーションが重要になります。
コミュニケーションを効率化させるには、ビジネスチャットの活用がおすすめです。
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