複数プロジェクト管理の課題とは?管理方法や効率化のポイントを解説

目次
ビジネスにおいて複数のプロジェクトを管理するのはよくあることです。
しかし、複数プロジェクトの管理には、進捗管理の難しさなど、さまざまな課題があるため、苦手だと感じる人も少なくありません。
今回は、複数プロジェクト管理で生じる課題と、その効果的な管理方法、そして効率化のためのポイントを解説します。
複数プロジェクト管理で生じる課題
複数のプロジェクトを管理していると、タスクの内容が把握しづらくなったり、業務効率が低下したりすることがあります。
ここでは、複数プロジェクト管理で発生しがちな具体的な課題を見ていきましょう。
タスク内容の把握が困難になる
同時に進行するプロジェクトが複数あると、それぞれのタスク内容を把握しづらくなります。
タスク内容を正確に把握できないと、プロジェクト完了までの期間が読めなくなり、スケジュールが立てにくくなります。
その結果、納期に間に合わなかったり、余計なコストが発生したりと、ネガティブな状況を招く可能性も考えられます。
チームメンバー一人ひとりが複数のプロジェクトに関わっているケースでは、さらにタスクの把握が難しくなるでしょう。
マルチタスクによる業務効率の低下
複数プロジェクト管理では、マルチタスクによる業務効率の低下につながる恐れがあります。
複数のプロジェクトを抱えている場合、状況によっては同時に複数のタスクに取り組む必要が出てくるでしょう。
しかし、マルチタスクで業務を行うと、異なるタスクが混同してミスを招いたり、うまく集中を切り替えられずに目の前の業務に集中できなかったりして、業務効率が大幅に低下する可能性が高いです。
集中力が低下すると、メールや文書を送信する際などに、個人情報や機密情報の誤送信につながるリスクもあり、大きなトラブルを引き起こしかねません。
マルチタスクは、結果的に業務の停滞を招き、モチベーションの低下につながる恐れもあるため、できる限り避けることが望ましいです。
進捗管理の失敗による納期遅延
ビジネスにおける複数プロジェクトは、すべてが全く同じメンバー、日程、タスクで進むケースはほとんどありません。
そのため、進捗の把握が難しく、管理しきれない部分が出てきて、納期に遅れるリスクがあります。
進捗が滞ったプロジェクトの立て直しを図っている間に、他のプロジェクトの管理が疎かになり、結果的に納期に間に合わないプロジェクトが出てきたり、最悪の場合、すべてのプロジェクトが失敗に終わったりする事態も考えられます。
複数プロジェクト管理がうまくいかないと、現場も混乱し、ミスの発生やモチベーションの低下から、さらに状況が悪化してしまうでしょう。
複数プロジェクト管理の方法
複数プロジェクト管理には、4つのステップがあります。複数プロジェクト管理をすることになった際に慌てないよう、事前に確認しておきましょう。
- 1. プロジェクトをタスクに細分化する
- 2. タスクに優先順位をつける
- 3. プロジェクトのスケジュールを作成する
- 4. 進捗状況を確認する
1. プロジェクトをタスクに細分化する
まずは、複数のプロジェクトそれぞれをタスクに細分化します。
プロジェクトの進行においてやるべきことをすべて洗い出し、タスクごとに内容、フロー、期日、担当者を定めます。
担当者を決める際には、メンバーのスキルバランスを見て、必要であれば複数の担当者を立てるなどの工夫をしましょう。
また、最初にすべてのタスクを正確に洗い出すことで、後になってタスク漏れを起こしたり、タスクを把握できなくなったりする事態を防げます。
タスクの洗い出しと細分化には、WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)がおすすめです。WBSをマインドマップやExcelなどで作成し、タスクを整理しましょう。
2. タスクに優先順位をつける
次に、タスクに優先順位をつけていきます。
プロジェクトごとのタスクはいずれも関連性があり、例えばAタスクを終えないとBタスクに進めない、Dタスク以降の処理時には定期的にCタスクが発生する、といったケースが考えられます。
タスク同士の関連性が分かると、優先順位もつけやすくなるため、タスクを構造化することが重要です。
また、タスクの構造化によって、作業がうまくいかなかったときに見直すべきタスクも明確になり、エラーの早期改善にもつながります。
優先順位は、プロジェクト単体ではなく、複数プロジェクト全体を見て決めることが求められます。
納期が近いプロジェクトや、修正が発生する可能性のあるプロジェクトなど、迅速な対応が必要なものや不安要素があるもののタスクを優先すると、納期遅延を防げたり、トラブルが起きても冷静に対処できたりするでしょう。
3. プロジェクトのスケジュールを作成する
タスクに優先順位をつけたら、プロジェクトのスケジュールを作成していきます。
スケジュール作成時には、優先度の高いプロジェクトから終わらせるスケジュールを組むことや、複数プロジェクトに携わるメンバーがいる場合は負担がないように日程をずらすことなどを意識しましょう。
複数プロジェクト間で同じようなタスクがある場合、同日に行った方が効率が良いケースもあります。
まとめられるタスクはまとめて、限られた時間を有効的に活用しましょう。
複数プロジェクト管理に限らず、スケジュールを組む際に大切なのは、日程に余裕を持たせることです。
余裕がないと、イレギュラーな出来事によってスケジュール通りに業務を進められなかった際、残業や休日出勤が発生し、チームメンバーが疲弊する恐れもあります。
余裕を持ったスケジュール調整を意識しましょう。
4. 進捗状況を確認する
各プロジェクトの進捗状況を定期的に確認します。
複数プロジェクト管理の場合、進捗状況の把握が難しいという課題があるため、タスクのスケジュールや担当者などを表で可視化したガントチャートを活用するといいでしょう。
ガントチャートは、進捗管理ツールを導入したり、Excelやスプレッドシートで作ったりすることで活用できます。
複数プロジェクトの進捗、タスク、スケジュールは一元管理すると、プロジェクトごとにツールを開いたり、プロジェクトを探したりする手間がかかりません。
適切に進捗を把握できるように、週に一回など、プロジェクトごとに定期的なミーティングを実施することが望ましいです。
ミーティングでは、タスクの処理状況やスケジュール進捗を確認し、必要に応じて日程などを調整しましょう。
複数プロジェクト管理を効率化するポイント
複数プロジェクト管理の方法を紹介しましたが、さらに効率化するためのポイントも解説します。
- ボトルネックを把握する
- マルチタスクは避ける
- メンバーとの密なコミュニケーション
- 1人でタスクを抱え込まない
- プロジェクト管理ツールを活用する
これらのポイントを取り入れ、すべてのプロジェクトの成功を目指しましょう。
ボトルネックを把握する
ボトルネックとは、プロジェクト全体のなかで最もネガティブな影響を与えている要素のことです。
ボトルネックがあると、プロジェクトを円滑に進められず、納期を守れない、業務効率が悪くなるなどの望ましくない状況を招く恐れがあります。
例えば、レガシーシステム、ハンコ文化、紙媒体による申請、業務の属人化、人手不足、備品不足、古いPCやプリンターなどがボトルネックとして挙げられます。
複数プロジェクト管理の前に、まずはボトルネックを把握し、改善することが必要です。
一方、プロジェクトの進行中に新たなボトルネックが生じるケースもあるため、スケジュールに余裕を持たせて、都度ボトルネックの把握・解消を行うことが求められます。
マルチタスクは避ける
前述のように、マルチタスクは業務効率の低下やトラブルを招く恐れがあるため、避けることが大切です。
シングルタスクで取り組むと、集中力を維持できたり、誤送信などのミスを防げたりして、業務をスムーズに進められます。
例えば、午前中はAタスク、午後はBタスクのように時間帯でやるべきタスクを区切り、他の業務をしないようにしましょう。
緊急で業務が発生した場合には、取り組んでいたタスクと並行して行うのではなく、取り組み途中のタスクをいったん中断して、緊急業務を終えてから再度取り組むことが望ましいです。
メールチェックなどの細かなタスクも、他のタスクを処理しながらではなく、目の前のタスクが終わったらチェックする、朝一番のタスクに取り組む前に処理するなど、タイミングを決めて行いましょう。
メンバーとの密なコミュニケーション
複数プロジェクト管理で大切なことは、メンバーとのコミュニケーションを密にとることです。
コミュニケーションが活発であれば、報連相が適切に行われ、進捗の遅れやボトルネックにも早期に気付けて、迅速に対処できる可能性があります。
また、業務効率化につながる案など、新たなアイデアによって業務進行を加速させられたり、負担軽減につながったりするケースもあるでしょう。
コミュニケーションが活発な職場は雰囲気も良く、メンバーのモチベーションアップや連帯感の強化も図れるため、働きやすさから生産性向上も期待できます。
1人でタスクを抱え込まない
複数プロジェクトを管理する際には、1人でタスクを抱え込まないようにしましょう。
1人でタスクを抱えてしまうと、見落としが生じたり、心身への負担が大きくなったりして、プロジェクトの遅延や体調不良を引き起こす恐れがあります。
そのため、複数プロジェクト管理のなかで、周りに任せられるタスクは依頼し、負担を分散させることを意識しましょう。
また、メンバーのなかでタスクを抱えてしまっている人がいる場合も、同様にタスクを分散し、1人に負担が偏りすぎないように注意することが大切です。
各メンバーのタスク状況を把握するには、進捗状況を確認する、声掛けをする、メンバーから気軽に相談してもらえるように日ごろからコミュニケーションをとって信頼関係を築くなどの取り組みが挙げられます。
お互いがお互いを気にかけられるように、チームでプロジェクトを成功させるという意識の醸成も重要です。
プロジェクト管理ツールを活用する
複数プロジェクト管理には、プロジェクト管理ツールの活用がおすすめです。
複数プロジェクト管理を紙などのアナログな方法で行うと、修正が発生した際にリアルタイムで更新できなかったり、メンバーへスムーズに伝えられなかったりして、効率的とはいえません。
プロジェクト管理ツールであれば、簡単に操作できたり、メンバーへの情報共有を円滑に行えたりして、管理者もメンバーも負担なく活用可能です。
チャットツールなどコミュニケーションをとれる機能もあれば、活発にコミュニケーションを取りながら進捗状況を確認できるでしょう。
複数プロジェクト管理ならChatwork
複数プロジェクト管理には、タスク内容の把握や進捗管理の難しさといった課題があります。
これらの課題を解消し、複数プロジェクト管理を効率化するには、メンバーとの密なコミュニケーションやプロジェクト管理ツールの活用が重要です。
コミュニケーションとタスク管理の両方を実現できるツールとして、ビジネスチャット「Chatwork」をおすすめします。
「Chatwork」は、チャット形式でメッセージのやり取りができるため、メールや電話よりも気軽にコミュニケーションを取れます。グループチャットも作成でき、プロジェクトごとにメンバーを集めたチャットを作成すれば、迅速な情報共有によって進捗を把握しやすくなります。
また、「Chatwork」には、タスクの内容や担当者、期日を明確化できるタスク管理機能もあります。タスク管理機能では、自分に振られたタスクと相手へ送ったタスクの両方を確認でき、相手がタスクを完了したかどうかも分かるため、必要に応じて声掛けもできるでしょう。
ビジネスチャット「Chatwork」を活用して、複数プロジェクト管理を成功させましょう。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。