Chatwork(チャットワーク)で安否確認をする方法とは?方法別のメリット・デメリットを解説
目次
安否確認とは、地震や台風、大雨などの災害発生時に、従業員が安全な状況にあるかどうかを把握する取り組みを指します。
企業は、従業員の安全や安心を確保し、事業の継続性を判断するためにも、円滑な安否確認を実施する必要があります。
本記事では、ビジネスチャット「Chatwork」を安否確認に使う方法や手順をわかりやすく解説します。
電話やメール、安否確認システムとの比較も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
安否確認とは
安否確認とは、地震や台風などの災害発生時に、従業員が安全な状況にあるかどうかを把握することです。
近年、大型の地震や台風などの災害に見舞われるケースが増加傾向にあるため、災害が発生した際に、企業は自社の従業員やその家族の状況を把握し、翌日以降も事業が継続できるかどうかを迅速に判断する必要があります。
事業の継続可否やどのような対応が必要になるかを迅速に判断するためには、まずはじめに、従業員の状態を迅速かつ正確に把握する必要があります。
災害発生時に、従業員と連絡がとれない状況を避けるためにも、災害発生時の対応方法や連絡方法を事前に決めておく備えが大切といえるでしょう。
安否確認の重要性・必要性
災害発生時に従業員やその家族の状況を把握する安否確認は、企業にとってなぜ重要なのでしょうか。
安否確認の重要性・必要性を、3つの観点から解説します。
- 従業員の安全・安心を確保するため
- 事業の継続性を確保するため
- 安全配慮義務があるため
安否確認の目的を正しく理解できれば、高い意識をもって、安否確認に取り組めるようになります。
ぜひ従業員にも、周知・徹底をはかってください。
従業員の安全・安心を確保するため
企業が安否確認をおこなう一番の目的は、従業員やその家族の状況把握にあります。
従業員が安全な状況にいないことには、事業を継続させることはできません。
まずは、速やかに従業員の状況を確認し、今後の対応方針を指示しましょう。
災害が起こった際に、出張していたり、休暇を取得していたりなど、普段の職場と異なる環境で被災した場合にはどのような対応が必要になるのか、この先どうなってしまうのかなど、不安に感じる従業員も少なくないでしょう。
このような不安な状況下で、企業から迅速にコミュニケーションがはかられると、従業員に安心感を与えることができます。
事業の継続性を確保するため
安否確認は、災害発生後に事業を継続させるか否かや、どのような対応方針にするかを判断するためにも重要です。
また、災害によってシステムなどに不具合が生じた場合、迅速に復旧をおこなうためには、緊急対応が可能な従業員の状況を確認する必要もあります。
いち早く事業の継続性を判断するためにも、正確でスピーディな安否確認が実現できる体制を構築しておく必要があるでしょう。
安全配慮義務があるため
企業には、従業員が安全に働ける環境を提供する義務があります。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。労働契約法第5条
そのため、災害発生時や発生後に、従業員の安否確認をおこなわないと、安全配慮義務違反に問われてしまう可能性があります。
従業員が、安全に安心して働ける環境を整えるためにも、安否確認がスムーズに行える体制の構築は重要といえるでしょう。[注]
企業が安否確認で把握すべきこととは
従業員の安全と安心の確保、また事業の継続性を判断するためにも必要不可欠な安否確認ですが、具体的にどのような事柄を把握する必要があるのでしょうか。
企業が、安否確認で把握すべき項目について解説します。
従業員の状況
まず第一に、従業員が安全な状況にいるのか、怪我はしていないかなど、従業員がおかれている状況を把握する必要があります。
従業員の安否状況が確認できない限り、事業の継続性を判断することもできません。
従業員の家族の状況
企業は、従業員本人だけでなく、従業員の家族の状況も把握する必要があります。
なぜなら、従業員本人が無事でも、その家族に怪我や感染による症状がみられた場合、サポートが必要になる可能性があるためです。
従業員が安心して働くためには、従業員の家族の安否状況も確認すべき項目といえるでしょう。
緊急時の対応ができる人員の把握
従業員の安否状況を確認するとともに、災害対応や復旧作業に対応できる従業員がいるかどうかも確認する必要があります。
災害が影響して、提供しているシステムやサービスに不具合が生じた場合、速やかに復旧させる必要があります。
事前にできる備えとして、交通機関に影響が出た場合でも出社できる人を、緊急時の対応人員として定めておけば、速やかに災害対応や復旧作業ができるでしょう。
企業が安否確認をする方法
企業が従業員の安否確認をする方法は、さまざまあります。
本記事では、安否確認の方法として代表的な方法を4つ紹介します。
- 電話
- メール
- 安否確認システム
- ビジネスチャット
それぞれのメリット・デメリットも紹介するので、自社にあった安否確認の方法を検討してみてください。
電話
電話は、リアルタイムに従業員の状況を確認できる方法です。
事前に各従業員の連絡先や緊急連絡先を確認し、連絡網を作成しておくと、スムーズに連絡できるでしょう。
一方で、震災発生時などは、電話回線の混雑や通信規制により、電話が繋がらなくなる可能性や、相手が電話に出られる状況になく、連絡がとれない可能性もあります。
また、電話はひとりずつ架電して通話する連絡手段であるため、全従業員の安否状況を確認しようとすると、時間がかかってしまうデメリットもあります。
メール
メールは、一度に複数人に連絡ができるため、電話よりも効率的に、従業員に安否状況を確認できる方法です。
事前にテンプレートを作成しておけば、震災発生時にも、速やかに従業員に連絡できるでしょう。
しかし、メールは、一通ずつメールの内容を確認し、安否状況を取りまとめる必要があるため、多大な労力と時間がかかってしまいます。
また、社用のメールアドレスを受信先に設定している人がいれば、メールに気が付かない可能性があったり、プライベートで使用しているメールアドレスの開示に抵抗がある人がいたりなど、管理が困難になる可能性もあります。
入社者や退職者がいた場合、メーリングリストを整理する必要もあり、人事発令のたびにメンテナンスを実施しないと、連絡漏れが発生してしまう危険性もあります。
安否確認システム
安否確認システムとは、安否確認に特化して作られたシステムを指し、緊急時の連絡や安否情報の取りまとめをスムーズにおこなえる点が特徴です。
災害発生時にはメールや通知を自動送信できるため、スピーディに従業員へ連絡をとり回答内容を自動で取りまとめて、効率的に正確な安否確認をおこなえます。
しかし、日常的に使用しないシステムであるため、緊急時にログインができなかったり、使い方がわからなかったりなどのトラブルが生じる可能性もあります。
定期的に訓練や研修を実施し、災害発生時に使えない状況に陥らないように注意しましょう。
また、システムやサービスによっては、費用が高額になる可能性もあるため、自社に最適なツールなのか、各従業員が使いこなせるのか、費用対効果は良いかなど、さまざまな観点で慎重に検討する必要があります。
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、安否確認だけでなく、日常の業務やコミュニケーションにも活用できるツールです。
一度に複数人に連絡ができ、ツールによってはタスク管理機能などが搭載されているため、効率的に安否確認を実施できます。
また、ビジネス専用のチャットツールであれば、プライベートの連絡ツールと使い分けができるため、プライベートの連絡先を会社に教えたくない人も、安心して使用できる利点もあります。
日常的に業務で使用していれば、緊急時にログインできずに焦る状況に陥りにくく、通知を見落とす懸念も少ないでしょう。
さらに、全従業員が参加している安否確認用のチャットを作成しておけば、連絡漏れを防止でき、担当者以外でも社内の状況を確認できます。
一方で、安否確認の方法や緊急時の連絡方法のルールを事前に決めておかないと、企業からの連絡や対応方針が、チャット上で流れてしまう可能性もあります。
ビジネスチャットを安否確認に使用する場合は、事前にルールを決め、従業員に周知・浸透させる取り組みが大切です。
安否確認の方法別メリット・デメリット
ここまで紹介してきた4つの方法のメリット・デメリットを整理すると以下のとおりです。
方法 | メリット | デメリット |
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電話 |
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メール |
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安否確認システム |
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ビジネスチャット |
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安否確認を円滑に進めるためのポイント
安否確認をスピーディにスムーズにおこなうためには、事前の準備が重要です。
安否確認を円滑に進めるためのポイントを、3つ紹介します。
- 連絡方法を決めておく
- 報告事項を決めておく
- 日頃から訓練を実施しておく
事前の準備ができていないと、緊急時の対応が思うように進まず、従業員の安否確認や事業の継続性を確保するための対応が、後手に回ってしまう可能性があります。
従業員の安全・安心を確保し、事業の継続性を速やかに判断するためにも、安否確認の準備は、日頃からおこなっておきましょう。
あらかじめ連絡方法を決めておく
災害発生時に迷わないように、あらかじめ安否確認の方法を決めておく備えが大切です。
日常業務で、電話やメール、ビジネスチャットなど、複数のコミュニケーションツールを使っている企業は多いでしょう。
しかし、災害発生時にメインで連絡をとる方法を決めておかないと、通知に気が付かなったり、従業員ごとに異なる連絡方法になってしまったりなど、情報をもれなく取りまとめる対応が難しくなってしまいかねません。
災害発生時は、従業員の状況を速やかに正確に把握し、企業としての方針を決める必要があります。
緊急時に混乱を招かないためにも、事前に安否確認の方法を決めておくようにしましょう。
あらかじめ報告事項を決めておく
安否確認で連絡・報告する内容も、事前に決めておくようにしましょう。
前述した3つの内容を簡潔にまとめて、テンプレート化しておくと、緊急時に速やかに連絡ができるようになります。
- 従業員の状況
- 従業員の家族の状況
- 緊急時の対応ができる人員
報告事項を複雑にしてしまうと、すぐに回答ができず、また取りまとめにも時間がかかってしまいます。
従業員が回答しやすく、取りまとめやすい内容でテンプレート化しましょう。
安否確認の訓練を日頃から実施しておく
安否確認の方法や報告内容が決まったら、従業員に周知し、緊急時に備えて訓練をおこないましょう。
あらかじめ連絡方法や内容を理解しておくと、緊急時も焦らずに、安否確認を実施できるようになります。
また、管理する側も、取りまとめ対応の予行訓練により、緊急時に備えられるでしょう。
「Chatwork」を安否確認に使う方法
「Chatwork」とは、無料で使えるビジネス専用のコミュニケーションツールです。
チャット形式で簡単にコミュニケーションがとれ、ビジネスシーンにおいて情報共有の効率化を実現できるツールです。
また、チャット機能にくわえ、写真や動画を共有できる「ファイル管理機能」や、期日や担当者を簡単に管理できる「タスク管理機能」も搭載されているため、業務効率化も期待できます。
さまざまなビジネスシーンで役立つ「Chatwork」は、安否確認にも活用できます。
ここからは、ビジネスチャット「Chatwork」を、安否確認に活用する具体的な手順を紹介します。
「Chatwork」で安否確認をおこなう手順
「Chatwork」で安否確認をおこなう手順は以下のとおりです。
手順(2):グループチャットを作成する
手順(3):概要欄に運用ルールを記載する
手順(4):タスク管理機能を活用する
4つの手順について詳しく解説します。
手順(1):具体的な運用ルールを決める
まずは、安否確認の具体的な運用ルールを決めましょう。
なるべく具体的にルールを定めておくと、緊急時に焦らずに、安否確認をおこなえるようになります。
事前に決めておくべき項目の例を紹介します。
- 安否確認を実施する方法
- 従業員に確認すべき項目
- 緊急時の対応者・責任者
- 安否確認を実施する基準
- 安否確認時に従業員がすべき事柄
- 災害に巻き込まれた場合の対応方法
- 従業員の安否状況が確認できなかった場合の対応方法
従業員が災害に巻き込まれてしまうと、本人と連絡がとれなくなるケースもあります。
災害発生時に従業員と連絡がとれなくなるリスクも想定し、緊急連絡先の点検は定期的に実施するようにしましょう。
手順(2):安否確認専用のグループチャットを作成する
運用ルールを決定したら、次に安否確認専用のグループチャットを作成しましょう。
「Chatwork」には、複数人で同時にコミュニケーション可能な「グループチャット機能」が搭載されています。
グループチャットは、部署やチーム、プロジェクトなど、複数人での情報共有やコミュニケーションが必要になる場合、便利に活用できる機能です。
安否確認をグループチャットでおこなう場合は、必ず安否確認専用のグループチャットを作成するようにしましょう。
そのほかの情報共有用のグループチャットと同じにしてしまうと、緊急時の連絡が流れてしまったり、確認がしづらくなってしまったりするリスクがあります。
グループチャットを安否確認に使う場合は、情報を見失わないようにするために、必ず安否確認専用のグループチャットを作成するようにしましょう。
>Chatworkのグループチャットの作り方に関する記事はこちら
手順(3):概要欄に運用ルールを記載する
安否確認専用のグループチャットを作成したら、チャットの概要欄に運用ルールを記載しましょう。
手順(1)で決めた運用ルールを記載しておくと、グループチャットに後から参加した人が、チャットの目的を把握しやすくなります。
手順(4):タスク管理機能を活用して安否確認を実施する
「Chatwork」で安否確認を実施する場合は、「タスク管理機能」を活用する方法が効率的です。
タスク管理機能は、グループチャットに参加している全員に対して、タスクを追加できる機能です。
また、タスクは、PCだけでなく、スマートフォンからも確認・完了できるので、休日や深夜などでも、安否確認を速やかに実施できます。
安否確認にタスク管理を活用する場合は、「どこで」「どんな災害が発生したのか」を記載し、従業員に対して、「安全な状況であればタスクを完了してください」と依頼しましょう。
従業員のタスク完了を、「安否確認の完了」とすると、取りまとめも簡単に実施できます。
また、「x月x日x時までに」「翌日x時までに」タスクの完了がみられなかった場合は、緊急連絡先に連絡するなどのルールも決めておくと、従業員側もタスク完了漏れを防止できるしょう。
「Chatwork」での安否確認がおすすめな理由
ビジネスチャット「Chatwork」は、安否確認だけでなく、日常の業務やコミュニケーションにも活用できるビジネスツールです。
日常的に利用し操作に慣れている場合、非常時だけ使用する安否確認システムと比較して、ログインに手間取ったり、使い方に迷ったりせず、円滑に安否確認がおこなえます。
また、電話やメールの場合、一斉連絡ができなかったり、取りまとめに時間がかかったりして、従業員への指示内容がなかなか行き渡らず、タイムラグが生じてしまう可能性があります。
一方、「Chatwork」を活用すると、グループチャットで同時に連絡ができ、また、担当者以外もチャットの内容を確認できるので、社内の状況を従業員全員が把握できます。
社内の状況がわからないと、「明日からの業務はどうなるのか」「○○さんは無事なのだろうか」などの不安が生じてしまいがちですが、「Chatwork」なら状況を把握しやすく、安心にもつながります。
前述した「Chatwork」を安否確認に使う方法を参考に、「Chatwork」を活用した安否確認をぜひ検討してみてください。
「Chatwork」を安否確認に使用している事例
最後に、「Chatwork」を実際に安否確認に活用している事例を紹介します。
本記事で紹介する企業は、タスク管理機能に加えて、写真や動画のやりとりができるファイル管理機能を活用して、安否確認を実施しています。
リモートワークやテレワークなどを導入していると、災害発生時に、従業員がどこにいるのかの把握が難しいですが、この企業では、スマートフォンの位置情報をスクリーンショットして共有する運用を実施し、災害発生時に従業員がどこにいるのかを把握する運用をおこなっています。
また、「Chatwork」の導入目的や運用ルールを明確に定め、従業員に周知・浸透させる取り組みで、情報共有や業務の効率化にも成功しています。
ぜひ、導入事例を参考に、「Chatwork」の導入を検討してみてください。
安否確認に「Chatwork」を活用してみましょう
安否確認は、災害発生時に、従業員の安全・安心を確保し、事業の継続性を保つために重要な取り組みです。
災害が発生した時に焦らないように、どのような方法で、どのように実施するのかを事前に決めておくようにしましょう。
ビジネスチャット「Chatwork」は、社内外のコミュニケーション活性化や業務効率化に役立つビジネスツールで、本記事で紹介した通り、安否確認のツールとしても活用できます。
非常時にも、使い慣れているツールで安否確認を実施すれば、従業員も迷わずに、安否状況を連絡できるでしょう。
「Chatwork」は、無料で利用開始できます。
まずは活用してみて、どのような業務が効率化できるのか、コミュニケーションが活性化されるのかを、実感してみてはいかがでしょうか。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[注]出典:e-Gov法令検索「労働契約法 第5条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000128
※本記事は、2023年10月時点の情報をもとに作成しています。現在のChatworkの機能とは異なる可能性がございますのでご了承ください。