長時間労働の問題とは?長時間労働の発生原因と改善策

働き方改革
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2019年4月1日に労働基準法が改正され、従業員の時間外労働に上限が設けられました。職場で慢性的に長時間労働が発生している企業では、適切な労働時間にあわせた対策が必要になります。

従業員の長時間労働はますます問題視されていますが、ここであらためて長時間労働のもたらす問題と、長時間労働の対応策を紹介します。

何時間からが「長時間労働」か

労働基準法の改正で時間外労働の上限規制が設けられ、法的な罰則対象となったことで、従業員の長時間労働はますます問題視されるようになりました。

長時間労働という言葉に対する明確な定義はないといわれています。しかし、「長時間労働とは法律で定められている労働時間を超えたもの」とすると、以下が一定の基準と考えられるでしょう。

労働時間(労働基準法) 時間外労働(36協定)
一日あたり 8時間以下
一週間あたり 40時間以下
一月あたり 45時間以下
一年あたり 360時間以下

長時間労働の現状

日本では現在、どれくらいの人が長時間労働をしているといえるでしょうか。

厚生労働省の調査によると、週49時間以上働いている日本人は18.3%にのぼります。[※1]男女別でみると、男性で週49時間以上働いている人の割合は26.3%です。実に4人に1人が長時間労働をしています。

一方で、日本以外の国で週49時間以上働いている人の割合は、以下のとおりです。

  • アメリカ 15.7%
  • イギリス 11.4%
  • ドイツ 7.7%

先進国の中でも、日本は長時間労働が多い国であるといえるでしょう。

長時間労働はなぜ問題か

長時間労働がなぜ問題だといえるのか、あらためて確認しましょう。

従業員の健康を損なう

一日の限られた時間の中で長時間労働をおこなうと、当然食事や睡眠に当てられる時間が減少します。そのまま放置してしまうと、十分な休息が取れない、偏った食生活が続くなど健康状態が悪化する要因になります。

体調が優れないと精神状態にも悪影響を及ぼしますが、基本的な生活習慣の乱れを原因とする体調不良は影響が顕著です。

労働の生産性が低下する

長時間労働は従業員にとって望ましくないばかりではありません。長時間労働により疲労が蓄積すると、集中力やモチベーションまで低下し、生産性が落ちてしまいます。

また人には、仕事を円滑に進めるうえで作業効率(労働生産性)が最高となる労働時間があります。[※2]従業員に長時間労働をさせることは、生産性の低い時間にも人件費をかけて労働をさせるということになるのです。

コストに見合った生産性を得られないことは、企業全体の業績を悪化させる要因にもなるでしょう。

従業員が離職しやすくなる

長時間労働は心身ともに負担をおよぼすことから、従業員が離職を検討する原因のひとつとなりやすいです。

従業員の離職が発生すると、当然新たな人材獲得にかかるコストがかかります。さらに新しい人材を採用しても、長時間労働がはびこる職場には人材が定着しづらく、慢性的な人手不足に陥るかもしれません。

長時間労働がうまれる要因

企業にも従業員にも悪影響をおよぼす長時間労働ですが、発生を防ぐことができない理由をあらためてみていきましょう。

労働時間が管理されていないから

そもそも従業員が長時間労働をしないようにするためには、管理者や人事担当者が各従業員の労働時間を把握しておかなければなりません。

労働時間を把握していなければ、当然それを抑制する管理することはできません。

長時間労働が評価される風土がある

伝統的な企業では、「残業する人=頑張っている人」という価値観で働く人が少なくありません。そのため従業員が自分の評価を高める理由で、故意に長く労働をする事態が発生します。

また短時間で業務を終わらせた場合、「業務量に余裕がある」と思われてしまうということもあります。 評価の低下だけではなく、新しい業務を追加されることをおそれて、わざと時間をかけて仕事をする場合があるのです。

管理者の理解が不足している

そもそも長時間労働が問題であるという認識が根付いていないと、管理者は長時間労働を抑制しようともしません。

また長時間労働が問題であると分かっていても、管理職の業務の中で優先度が低く、手がつけれられていない場合もあります。

いずれの場合も、管理者自身が問題の大きさを理解していないことは、長時間労働を発生させる大きな要因です。

人手不足や業務過多

人手と業務の量が見合っていないことも見逃せない要因です。少人数で大量の業務をこなさなければならない場合は、当然ながら長時間働くことを避けられません。

長時間労働による問題点が顕在化する前に、一人ひとりの生産性を向上させるか、新たな人材を確保しましょう。

長時間労働の改善策

人手不足は企業が一朝一夕で解決できるものとはいえませんが、その他の原因については企業の努力で解決できる場合もあります。以下の例を参考にしてください。

勤怠管理システムを導入する

エクセルや手書きの業務報告書での勤怠管理は、申告漏れや虚偽申請、誤記入が起こりやすい方法です。

社員の勤怠管理を正確に把握するためには、PCやタイムカードと連動し、勤務時間をインターネット上で管理できる勤怠管理システムを導入しましょう。

評価制度の見直し

社内で長時間労働を評価する風土がある場合は、評価制度の見直しをおこないましょう。

社内で経営層が積極的に長時間労働是正に対する発信をおこなうことで、長時間労働に対する認識が変わっていくはずです。

管理職への研修・セミナーの実施

長時間労働の改善は、従業員の努力だけでは達成できません。管理職が適切な人員配置と仕事の割り振りをおこなう必要があります。

しかし、最初からすべての管理職がマネジメント力を持ち合わせているわけではありません。管理職への研修やセミナーを実施し、正しいマネジメント力を身に着けてもらいましょう。

業務効率化ツールの導入

労働時間の管理を徹底するだけではなく、従業員が短時間で成果を残せるよう、生産性向上もはかりましょう。業務を効率化するツールにはさまざまなものがありますので、以下を参考にしてください。

お役立ち資料:業務効率化ツール一覧

長時間労働の問題を解決するには管理者の努力が必須

長時間労働が続くと、従業員にとっても企業全体にとっても悪影響を及ぼします。管理者が意識を持ち、解決のための対策を講じましょう。

生産性を向上させる方法としては、ビジネスチャットのChatworkを導入することもおすすめです。チャット形式のメッセージがやりとりでき、メールと比較して社内のコミュニケーションにかかるコストを大きく削減することができます。

[※1]参考:労働時間やメンタルヘルス対策等の状況 | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/20/dl/20-1-1.pdf
[※2]参考:日本の長時間労働 国際比較と研究課題 | 小倉 一哉
(労働政策研究・研修機構主任研究員)
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/06/pdf/004-016.pdf

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Chatworkの中の人です。お役立ちコラムの編集者として、ワークスタイルの変化に伴うコミュニケーションと組織のあり方など発信していきます。

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