チェンジマネジメントとは?チェンジマネジメントの必要性と方法

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働き方改革
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チェンジマネジメントとは?チェンジマネジメントの必要性と方法

目次

企業の永続的な経営を実現するためにも、社会の変化に耐えられる組織作りが必要です。

しかし、企業体質や従業員の考え方から、思うように変革が進まない可能性も考えられます。

新たな変革を起こしていくには、チェンジマネジメントを浸透させなければなりません。

企業という組織のなかで、チェンジマネジメントを植え付ける方法や、阻害要因について確認しておきましょう。

チェンジマネジメントとは

チェンジマネジメントとは、経営戦略の改革や組織変革の実現を、効率的に成功に導くためのマネジメント方法です。

もともとは、1990年代にアメリカで注目された「BPR(Business Process Re-engineering)」と呼ばれる業務プロセス改革を成功するためのメソッドが始まりです。

一般的に、日本企業は保守的なマインドが強く、変革に対して抵抗感をもつ割合が高いと言われています。

しかし、チェンジマネジメントの考え方を組織が身に付けると、会社の変革もスムーズに進むようになり、経営的な恩恵を受けられる可能性が高まります。

とくに、グローバル化が進んでいる現代で企業の持続的成長を目指すためにも、組織変革の重要性が高まっており、チェンジマネジメントの実践が求められています。

>BPRの進め方と目的とは?に関する記事はこちら

チェンジマネジメントが必要な背景

企業におけるチェンジマネジメントの必要性が高まっていますが、具体的にどのような理由があるのでしょうか。

自社の状況と照らし合わせながら、チェンジマネジメントが必要な背景を考えてみましょう。

ビジネスの変化に対応する

チェンジマネジメントが必要な背景に、ビジネスの変化に対応しなければならない点が挙げられます。

デジタル化による消費者の行動変化や、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ビジネスの転換期を迎えています。

これまでのビジネスでは、競合他社との競争にも勝てなくなり、今後の企業経営にも悪影響を及ぼしかねません。

時代とともに変化する社会に対応するためにも、チェンジマネジメントが必要です。

>VUCA時代とは?に関する記事はこちら

柔軟性のある働き方の実現

チェンジマネジメントは、ビジネスの変化に対応することだけでなく、フレキシブルな働き方の実現にも重要です。

感染症対策や働き方改革などを受けて、テレワークを導入する企業が増加している一方で、ニューノーマルな働き方に対応できていない企業も少なくありません。

もちろん、業種によってはテレワークが難しい場合もありますが、時代に合わせた働き方を実現していくことが求められています。

働き方の変革が進まないと、従業員の満足度が低下するだけでなく、人材の流出や会社の評判を落とすきっかけにもつながります。

>ニューノーマルの意味や変化とは?に関する記事はこちら

業務の効率化や生産性向上

日々の業務の効率化や、組織全体での生産性を高めるためにも、チェンジマネジメントを意識する必要があります。

労働人口の減少している一方で、業務量が増えているなかで、従業員の負担が増加しています。

しかし、従業員の負担が大きくなっている労働環境を放置するのではなく、ITツールの導入や自動化ツールなどを導入し、効率化を目指さなければなりません。

チェンジマネジメントを企業で実践していき、職場環境に変化を加えていくことが求められているのです。

チェンジマネジメントを阻害する要因

企業の変革に欠かせないチェンジマネジメントですが、従業員によって阻害されることもあります。

保守的な日本企業において、チェンジマネジメントを円滑に進めるためには、下記の3つの阻害要素を確認しておく必要があります。

  • タコツボドン(変革の拒絶)
  • ウチムキング(外部への無関心)
  • ノラクラ(変革の否定)

3つの阻害要素について、それぞれ詳しくみていきましょう。

タコツボドン(変革の拒絶)

タコツボドンとは、自分のテリトリーにふさぎ込んでいる状態で、変革を拒絶する阻害要素です。

自身が担当している業務や、部署・チームを超越した仕事に関心がなく、外部との関わりを持たない従業員を指します。

たとえば、組織全体で新しい働き方を取り入れる際や、業務のやり方を見直すといった場合に、変革を妨げることが多いのが難点です。

最終的には、組織力の低下を招くことも考えられることから、要注意しなければなりません。

ウチムキング(外部への無関心)

ウチムキングは、内部の評価ばかりに固執し、外部からの見られ方や関心がない状態のことです。

自身が社内でどのように評価されているのかに興味がある一方、取引先や消費者といった社外に意識を向けない従業員を指します。

ウチムキングは、世の中で何が起こっているのか、どのような変化が生じているのか、外部の情報を把握しようとしません。

つまり、社会的な情勢に基づいて会社が変革を起こす際に、組織全体での取り組みに反対される可能性があります。

ノラクラ(変革の否定)

ノラクラとは、変革を起こそうとしても、できない理由ばかりを述べることで阻害を続けることです。

組織で変革を計画している際に、変革そのものの否定や、自社では実現できないといった否定的な意見を続けます。

いつまで経っても企業の変革を起こせないばかりか、周りの従業員のモチベーション低下にもつながる恐れがあります。

チェンジマネジメントを成功させる方法

企業の組織のなかには、チェンジマネジメントを阻害する要因が多いことから、スムーズに変革が進まない可能性があります。

チェンジマネジメントを成功するためにも、阻害要因をどのように克服すればいいのか、組織作りの方法を紹介します。

危機意識を持つようにする

企業でチェンジマネジメントを植え付けるには、組織全体で危機意識を持つようにします。

従業員の危機意識を高めることで、変革しなければならない必要性についての理解を促せます。

具体的には、市場における自社の位置、将来的な売上の推移、社会に起こり得る変化と自社の相関性などを分析し、どれほどの危機があるのかを伝えることが大切です。

自社が直面する危機的な状況の根拠を示し、チェンジマネジメントの意識を高めましょう。

短期的な目標を達成する

チェンジマネジメントの形成は、短期的な目標の達成を繰り返していくことも重要です。

短い期間で達成感を感じるようになると、次第にチェンジマネジメントの有用性を理解し、企業の変革を期待できます。

一方で、長期的な目標を提示することは、実現までの期間が長くなるだけでなく、従業員のモチベーション低下を招く可能性もあります。

どれくらいの期間が適切かを考慮し、組織全体で達成しやすい目標から取り組みましょう。

チームの連携を強化する

企業で変革を起こすには、チェンジマネジメントを促すためのチームの強化も必要です。

影響力の高い従業員や、企業の変革に積極的に取り組む従業員をリーダーとし、チェンジマネジメントを養います。

定期的に変革に関する会議を実施したり、阻害する従業員ともコミュニケーションを取ったりすることで、徐々にチェンジマネジメントが身に付くようになります。

>チーム連携に便利な「Chatwork」のグループチャットとは?に関する記事はこちら

チェンジマネジメントに成功した企業事例

最後に、チェンジマネジメントに取り組み、成功した企業事例を消化します。

ぜひ参考に、チェンジマネジメントを検討してみてください。

DX推進にともなう社内変革をおこなった事例

通信システム・情報処理システムおよび電子デバイスの製造・販売ならびにサービスの提供をおこなっているある企業は、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進させるために、社内変革に取り組みました。

この企業は、同プロジェクトに1,000億円以上を投資し、社内風土や体質から、システムやプロセス、制度までをも変革しようとしました。

とても大きな改革だったため、従業員からの反発や拒絶を防ぐためにも、下記の3点を重要視していました。

  • 経営陣などのトップ層がコミットすること
  • 変革の重要性を示すこと
  • 現場を巻き込むこと

DX推進の社内改革を足がけに、社内全体の変革に挑んでいる事例です。

推進方法や配慮するポイントが参考になるでしょう。[※1]

抜本的な社内改革を実施した事例

温泉旅館やホテルなどの総合リゾートを提供するある企業では、古くからの体質が抜けきらない状況に危機感を感じ、社内改革を推し進めましたが、改革を受け入れられない従業員が離職し、人員不足が発生してしまいました。

このような状況を脱却し、従業員定着率の向上・顧客満足度の向上をはかるために、同社は抜本的な社内改革に着手し、「WHY(ビジョンとそこに向かう理由)」ことに取り組みました。

そして、人を動かすためには、「経営ビジョン」が重要だと認識し、従業員に事あるごとに経営ビジョンを語り、定着を目指しました。

結果として、現場の従業員にも経営ビジョンの重要性を伝えることに成功し、黒字転換に成功しています。

経営陣だけでなく、従業員一人ひとりにまで価値観を共有することで、時代の変化に柔軟に変化できる組織構築に成功した事例です。[※2]

チェンジマネジメントの成功は社内コミュニケーションが重要

チェンジマネジメントは、企業が変革を果たすためにも欠かせない要素です。

組織によっては、変革の拒絶や否定といった阻害要因が存在するため、どのようにチェンジマネジメントを進めるか考える必要があります。

とくに、チェンジマネジメントを浸透させるためには、組織内でのコミュニケーションが重要です。

ビジネスチャット「Chatwork」は、日々のコミュニケーションを活性化させ、従業員同士で考え方を意見交換するなどの用途にも活用できるので、チェンジマネジメントを進めるうえでも役立てることができるでしょう。

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[※1]出典:日本チェンジマネジメント協会「富士通の変革は成功するのか?」
https://change-management-japan.org/2021/03/23/dxproject/
[※2]出典:日本チェンジマネジメント協会「星野リゾート社長 星野佳路氏に学ぶ チェンジマネジメントの実践法」
https://change-management-japan.org/2021/02/03/hoshino1/

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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