【臨床心理士監修】ヘルスリテラシーとは?健康経営との関係性や高める方法を解説

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働き方改革
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【臨床心理士監修】ヘルスリテラシーとは?健康経営との関係性や高める方法を解説

目次

「ヘルスリテラシー」という言葉を聞いた経験はありますか。

ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力のことです。

昨今、働き方改革などの影響もあり、従業員の健康への意識が高まりつつあります。

企業の健康経営のためにも重要な要素であるヘルスリテラシーについて、従業員のヘルスリテラシーを高める方法などとあわせて、詳しく解説します。

ヘルスリテラシーとは

公益社団法人東京都医師会は、ヘルスリテラシーを以下のように定義付けています。

「ヘルスリテラシー」とは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力のこと。

昨今、インターネットやSNSの発展で、だれでも簡単に健康や医療に関する情報を手に入れられるようになっていますが、さまざまな情報があふれるなかで、健康や医療について正しい情報を入手することが、ヘルスリテラシーの第一歩です。

誤った理解に基づいて、健康を損ねる行動をとってしまう例も少なくありません。

手に入れた情報をそのまま信じたり、無闇に拡散したりせず、正しく理解することも、ヘルスリテラシーを高めるうえで重要です。[注1]

日本におけるヘルスリテラシーの状況

諸外国と比較すると、日本のヘルスリテラシーは低いといわれています。

その一例として、日本は諸外国に比べて、がん検診の受診率が低い傾向があげられます。

内閣府がおこなった「がん対策に関する世論調査」によると、がん検診を受けない理由の第5位は「がんと分かるのが怖い」となっています

健康状態を維持するためには、病気やケガの早期発見・早期治療が重要です。

がん検診の重要性を正しく認識し、定期的に検診や健診を受けることは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用するヘルスリテラシーの能力のひとつともいえるでしょう。[注2]

ヘルスリテラシーの低さが及ぼすデメリット

上記のがん検診のように、ヘルスリテラシーが低いと、病気やケガの発見が遅れ、進行してしまい、大きな治療が必要になってしまうケースがあります。

インターネットやSNSでは、「○○を食べれば健康になれる」「○○で免疫力が上がる」といった、根拠のない情報が拡散されているケースも多々あります。

真偽が不明な情報が多く存在するなかで、ヘルスリテラシーが低いと、誤った情報による誤った行動をとってしまう危険性も高いです。

とくに、パンデミック発生時などには、情報の拡散力が高い現代では、誤った情報やデマが広まりやすく、社会的な混乱が生まれやすいです。

必要な情報を取捨選択するヘルスリテラシーの能力は、健康状態を維持するうえでも、パンデミックに巻き込まれないためにも重要です。

ヘルスリテラシーの重要性とは

ヘルスリテラシーは、個人が健康に長生きするために必要な能力です。

ヘルスリテラシーの重要性を知っていると、定期的に健康診断や検診を受ける習慣がつき、病気やケガの早期発見・治療も可能になります。

QOLを保つためにも、自分の健康を保つためにも、ヘルスリテラシーの重要性を認識するようにしましょう。

>QOLとは?に関する記事はこちら

ヘルスリテラシーと健康経営の関係性

働き方改革やワークライフバランスへの注目が集まる昨今、従業員の健康管理に取り組む「健康経営」への注目が高まっています。

健康経営とは、従業員の健康管理に投資し、企業の生産性向上やイメージアップを目指す経営手法のことです。

この健康経営を推進するなかで基礎となる重要な要素が、ヘルスリテラシーです。

経済産業省は、健康経営優良法人認定制度によって、健康経営に取り組む優良な法人の見える化に努めています。

この健康経営優良法人の認定要件のなかに、「ヘルスリテラシーの向上」があります。

そのため、従業員のヘルスリテラシーを高めることは、健康経営を推進する企業にとっても重要な要素といえるでしょう。

従業員のヘルスリテラシーを高める具体的な方法は次の見出しで紹介します。[注3]

>健康経営とは?に関する記事はこちら

従業員のヘルスリテラシーを高める手順

健康経営を実現するためにも重要な従業員のヘルスリテラシーを高める方法を、3つのステップにわけて解説します。

  • ステップ(1):社内のヘルスリテラシーを把握する
  • ステップ(2):従業員が健康状態に向き合う場を設ける
  • ステップ(3):ヘルスリテラシーを高められる場を提供する

従業員のヘルスリテラシーが高まり、健康に生き生きと働ける従業員が増えることは、健康経営の実現だけでなく、企業が持続的に成長するうえでも重要な要素です。

企業は積極的に取り組むようにしましょう。

ステップ(1):社内のヘルスリテラシーを把握する

まずはじめに、従業員のヘルスリテラシーの現状を把握しましょう。

たとえば、全従業員に対して実施するストレスチェックなどの機会を利用して、ヘルスリテラシーのレベルをはかるなどの方法が効率的です。

ステップ(2):従業員が健康状態に向き合う場を設ける

次に、従業員自身が、自分の健康状態に向き合えるようなきっかけづくりをしましょう。

たとえば、健康診断の結果にあわせた健康指導や、ストレスチェックの結果にあわせた研修の実施などがあります。

いきなり健康への意識を高めようとしても、なかなか自分事化することは難しいでしょう。

まずは、自分の健康状態を把握させるところからはじめ、徐々に健康への意識を高められるような機会の創出が大切です。

ステップ(3):ヘルスリテラシーを高められる場を提供する

従業員が健康や医療に対して関心をもつようになったら、ヘルスリテラシーを高められる場や機会を提供しましょう。

たとえば、ストレスマネジメントの研修の実施や、生活習慣病予防を訴えるポスターの掲示、禁煙・分煙対策や、身体を動かす部活を設置するなどの取り組みがあります。

従業員が健康への高い意識を保てるような環境の構築が、ヘルスリテラシーを高めるうえで重要です。

>【社労士監修】受動喫煙防止法とは?に関する記事はこちら

従業員のヘルスリテラシーを高める具体的な方法

最後に、従業員のヘルスリテラシーを高めるために、企業側ができる具体的な取り組みを3つ紹介します。

  • 健康に関するセミナーや研修を実施する
  • 相談窓口を設置する
  • 正しい情報を発信する

まずは企業がヘルスリテラシーの重要性を認識し、従業員へも促せるようになりましょう。

健康に関するセミナーや研修を実施する

健康や医療に関するセミナーや研修の実施は、従業員のヘルスリテラシーを高める方法として効果的です。

すべての従業員に同じ研修をおこなうのではなく、性別や年齢別に異なる研修をおこなうと、より自分事化が進みやすくなるでしょう。

また、生活習慣病の予防を目的として、1日の適切な塩分量についての情報提供をおこなうなど、身近なテーマを設定する取り組みもおすすめです。

相談窓口を設置する

ヘルスリテラシーを高める方法として、社内に心身の健康について相談できる窓口を設置する方法もあります。

心身の状態で気になることがあったとき、どうしたらいいかわからず、放置してしまうケースも多いです。

相談窓口を設置して、従業員に周知することで、心身の不調に対して早期に介入できるでしょう。

>社内相談窓口の効果的な運用方法に関する記事はこちら

正しい情報を発信する

インターネットやSNSが発展し、また書籍や雑誌などでもさまざまな健康に関する情報が発信されているため、従業員のなかには、健康について誤った知識や情報を信じてしまう人も少なくないでしょう。

しかし、誤った健康情報を信じてしまうと、かえって健康を損ねる結果になってしまうケースもあります。

そのため、企業として、健康に関する正しい情報発信をすることで、従業員も正しい知識を身につけ、ヘルスリテラシーを高められます。

たとえば、ポスターの掲示や朝礼での周知などの方法で、情報発信をおこなってみましょう。

ヘルスリテラシーの向上に「Chatwork」

ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力」のことです。

企業にとって、従業員のヘルスリテラシーによる健康経営の実現は、企業の生産性向上や持続的な企業成長を目指すうえでも重要です。

積極的に従業員のヘルスリテラシー向上につとめましょう。

前述したとおり、情報化社会である昨今、正しい情報を見極めることは非常に難しくなっています。

従業員が誤った情報に惑わされることがないように、また、従業員の健康に対する意識を高めるためにも、企業側から従業員に向けた、健康に関する正しい情報の発信を検討しましょう。

ポスターの掲示や朝礼などでの周知のほかに、ビジネスチャット「Chatwork」を活用して、従業員に周知する方法も効果的です。

「Chatwork」は、チャット形式で情報共有やコミュニケーションが実現できるビジネスツールで、1対1はもちろん、グループチャットの作成により、全社員とも簡単にやり取りができます。

一斉に情報発信ができるチャットツールを活用すれば、健康に関する情報の発信や、健康診断の受診依頼も簡単に実施できます。

「Chatwork」は、無料で使用できます。

ぜひ、コミュニケーションの活性化や業務効率化だけでなく、従業員のヘルスリテラシー向上のためにも、「Chatwork」をご活用ください。

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[※1]出典:公益社団法人東京都医師会「ヘルスリテラシー」
https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy
[※2]出典:内閣府「がん対策に関する世論調査」
https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-gantaisaku/
[※3]出典:経済産業省「健康経営の推進について」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_gaiyo.pdf

※本記事は、2024年1月時点の情報をもとに作成しています。


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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

記事監修者:山崎ゆうき(やまざきゆうき)

臨床心理士・公認心理師の資格を所持。司法・障害福祉領域などでの勤務を経て、独立開業。メンタルヘルス系の記事を中心に、心理学の知識をいかした記事執筆・監修を担当。心理学の知識をわかりやすく、日常でも実践しやすい形で発信しています。

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