大企業病とは?原因や症状、引き起こされるリスク、具体的な対策方法を解説

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働き方改革
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大企業病とは?原因や症状、引き起こされるリスク、具体的な対策方法を解説

目次

「意思決定に時間がかかる」「社員の仕事へのモチベーションが低い」など、組織運営に課題を感じる企業も多いでしょう。

それらは「大企業病」とも呼ばれ、企業が成長し、組織が大規模となるなかで自然に生じてしまう現象だともいわれています。

大企業病の特徴として、意思決定の遅れやチャレンジ精神の喪失、セクショナリズムの横行などがあげられます。

本記事では、大企業病とはなにか、症状や原因、克服する方法について解説します。

大企業病とは

大企業病とは、組織や社員のネガティブな状態の全般を指す用語です。

病のように蔓延し、組織内の雰囲気を悪化させたり、従業員のモチベーションを低下させたりすることから「大企業病」と呼ばれています。

企業が成長し組織が複雑になること、ルールが厳格化されていくことなどをきっかけに、自然と起こってしまうとされています。

また、名前から「大企業しかかからない」と思ってしまう人もいますが、大企業だけではなく、業績の安定している中小企業や急成長しているベンチャー企業でも起こり得ます。

大企業病の症状

大企業病といわれる症状、つまり組織内の風潮や雰囲気として、以下のような状況があげられます。

  • 意思決定のスピードが遅くなる
  • 新しいことにチャレンジする意欲がなくなる
  • 個人の仕事にしか目が向かなくなる
  • 従来のやり方に固執する
  • 顧客ニーズより社内ニーズを優先する
  • セクショナリズムが横行する
  • 責任転嫁や責任逃れが増える

それぞれの症状について詳しく紹介します。

意思決定のスピードが遅くなる

日本企業はヒエラルキー型の組織が多く、意思決定に何人もの上司の決裁が必要です。

大勢のチェックが入ることで、ミスを防げるといったメリットもあります。

しかし、意思決定やプロジェクトの進行は遅くなってしまいます。

新しいことにチャレンジする意欲がなくなる

企業のなかには、前例のないものを受け入れない傾向の企業も少なくありません。

「新しい提案をしてもどうせ受け入れてもらえない」といった無力感が、チャレンジ意欲を奪うケースもあります。

個人の仕事にしか目が向かなくなる

大企業病では、個人の仕事にしか目が向かなくなるのもよくある症状です。

自分がミスをして周りに迷惑をかけたくない、という意識が強く働くためです。

ほかのメンバーと助け合って仕事をしなくなるといった弊害があります。

従来のやり方に固執する

現状がうまく行っているのに、新しいことにチャレンジするのは失敗のリスクを抱えることにもなり得ます。

業績が安定している会社の場合、あえて新しいことにチャレンジしてリスクを冒すより、従来のままでいた方がいいと考えがちです。

従来のやり方に固執するのは、大企業病の症状のひとつです。

顧客ニーズより社内ニーズを優先する

顧客ニーズよりも社内ニーズを優先するのは、大企業病の末期症状といわれています。

大企業病が進行すると、顧客のニーズや期待に応えるよりも、社内の評価を優先して行動することが増えます。

不祥事などにつながるケースもあり、注意が必要です。

セクショナリズムが横行する

セクショナリズムとは、部署同士で協力することなく、自分たちの部署の利益を優先する状態のことです。

特定の部署が保身ばかりを考え、周囲の意見も聞き入れないといった状態では、企業全体としての利益の追求ができなくなってしまいます。

>セクショナリズムに関する記事はこちら

責任転嫁や責任逃れが増える

大企業病の症状の「意思決定のスピードが遅くなる」で解説したように、企業が意思決定するには多くの人の決裁が必要です。

意思決定に関わる人が増えれば増えるほど、誰に責任があるのかわかりにくくなります。

そのため、失敗が発覚したときに、責任転嫁や責任逃れが増えます。

大企業病を引き起こす原因・理由

なぜ大企業病が起こってしまうのでしょうか。

企業の成長に伴い発生する、以下のような状況が原因・理由といえるでしょう。

  • 社員数の増加
  • 業績の安定
  • 組織の細分化
  • 社内規定やルールの増加
  • 経営方針や理念の浸透不足
  • チャレンジや挑戦を奨励しない組織風土

それぞれの原因や理由を詳しく解説します。

社員数の増加

社員数の増加はリソースの拡大などのメリットもありますが、以下のようなデメリットもあります。

  • 組織の一体感の低下
  • 部署の増加によるセクショナリズムの横行
  • 意思決定スピードの低下

組織構造や意思決定ルートが複雑になってしまうため、社員数の増加は大企業病の代表的な原因といえます。

業績の安定

業績の安定も大企業病を引き起こします。

「業績が安定しているのだから、あえて新しいことをするのではなく現状を維持しよう」と保守的になるためです。

業績の安定は、新しいことへのチャレンジを阻害してしまうこともあります。

組織の細分化

組織が細分化して部署が増えると、部署ごとで目標が違ってしまう現象も発生します。

各部署の利害が一致しない場合に、不要な争いも増えるなどデメリットも多いです。

各部署が協力して、ひとつの目標に向かって行動することができなくなります。

社内規定やルールの増加

企業規模が大きくなるほど、さまざまな考えやバックグランドをもった人が増えます。

多くの人が快適に過ごすために社内規定やルールが増えることで、意思決定の遅れや社員への束縛につながり、大企業病の原因となります。

経営方針や理念の浸透不足

経営方針や理念の浸透不足も、大企業病の原因としてあげられます。

企業が一体になれないことで、顧客ニーズではなく社内ニーズの優先、セクショナリズムの横行などにつながります。

チャレンジや挑戦を奨励しない組織風土

チャレンジを奨励しない組織では、社員のモチベーションも低下するなど大企業病が起こりやすくなります。

チャレンジするよりも、余計なことをして自分の評価を下げないことに社員が執着してしまいます。

大企業病が引き起こす弊害・リスク

組織内にネガティブな雰囲気が蔓延してしまう大企業病によって、以下のような弊害が引き起こされる可能性があります。

  • 意思決定スピードの鈍化
  • 優秀な人材の流出
  • 生産性の低下

それぞれの弊害やリスクについて解説します。

意思決定スピードの鈍化

大企業病にかかった企業では、組織構造の複雑さやルールの厳格化ゆえに、素早い意思決定ができなくなります。

市場の変化や顧客ニーズに迅速に応えられなくなったり、競合にスピード感で負けてしまったりなどの弊害が起こり得るでしょう。

優秀な人材の流出

大企業病が蔓延している企業では、新しいチャレンジができません。

ほかの部署とも協力しながら成果を上げたいと考える社員にとっても、大企業病では思うような仕事ができないでしょう。

結果として、モチベーションが高くスキルのある優秀な人材ほど、流出してしまうリスクが高くなります。

生産性の低下

従来のやり方への固執、モチベーション低下といった大企業病の症状が見られる会社では、新しい商品やサービスの創出・開発が困難となります。

社員にもやる気がなく、生産性の向上よりも「いかに失敗しないか」を考えるため、生産性の低下が予想されるでしょう。

大企業病を克服する方法

一度陥ってしまうと、脱却には時間がかかるといわれる大企業病ですが、克服するための方法がいくつかあります。

  • 組織構造を見直す
  • 社内規定やルールを見直す
  • 評価制度を見直す
  • 外部から客観的な意見をもらう
  • 多様性を認める文化をつくる
  • 社内コミュニケーションを活性化させる

大企業病を克服するために、それぞれを詳しく見ていきましょう。

組織構造を見直す

大企業病では、意思決定に多くの決裁が必要になるなど組織構造上の問題点があります。

セクショナリズムの問題にも組織構造は関係しています。

意思決定の権限やルート、部署のあり方など、組織構造を見直してみましょう。

社内規定やルールを見直す

大企業病にかかっている企業では、社内規定やルールが適切でないケースがあります。

自社に大企業病の症状が見られたときには、いま一度、社内規定やルールを見直してみるのがおすすめです。

評価制度を見直す

評価制度が不適切な場合、社員が「頑張ってもどうせ評価されない」「失敗しないことが大事」と消極的になってしまいます。

社内よりも顧客ニーズを優先しているか、新しいアイデアを積極的に提案しているかといった点も評価のポイントにするなど、評価制度の見直しを検討してみましょう。

>評価制度に関する記事はこちら

外部から客観的な意見をもらう

大企業病の改善には、外部から客観的な意見をもらうのも効果的です。

外部の人であれば、社内の人が気づかなかった点にも気づける可能性があります。

たとえば、コンサルタントの活用などを検討してみましょう。

多様性を認める文化をつくる

大企業病を発症している企業では、周囲と異なる考えをもつ人へのあたりが強い傾向にあります。

しかし、新しいアイデアをもった社員の存在は、新しい企業価値を生み出す可能性を秘めています。

異なる考えや価値観があることを歓迎し、多様性を認める文化をつくることで大企業病の克服につながります。

社内コミュニケーションを活性化させる

大企業病の克服には、社内のコミュニケーションを活性化させるのも効果的です。

社員への聞き取りをおこない、自社がどのような症状を発症しているのか把握しましょう。

現状や現場ニーズの把握は、大企業病の解消に役立ちます。

また、各部署の連携、多様性を認め合うなど、社員同士のコミュニケーションを活性化させるだけで解消できる症状もあるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化に「Chatwork」

大企業病とは、組織や社員のネガティブな状態のこと全般を指す用語です。

意思決定の遅れ、社員のチャレンジ意欲の低下などさまざま症状があり、企業にとって大きなデメリットになります。

大企業病は、さまざまな取り組みによって克服することも可能です。

コミュニケーションを活性化させるだけで解消できる症状もあります。

社内コミュニケーションを取るには、チャットツールの活用が効果的です。

ビジネスチャット「Chatwork」では、複数人へ同時に素早くメッセージを送れます。

ルーム内であれば、特定の個人宛のメッセージもルーム内の全員が閲覧できるため、どのようなコミュニケーションが取られているのか把握することも可能です。

大企業病の対策に、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。

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