クッション言葉とは?クッション言葉の一覧と役立つ場面例
目次
クッション言葉はビジネスにおいて日常的に使われており、メールなどのテキストでのやりとりに限らず、対面でのコミュニケーションにおいても幅広く活用されています。
多くの場面で使われているクッション言葉ですが、ふさわしい場面や言葉を理解しないまま無意識に使ってしまっている場合もあるかもしれません。
クッション言葉が役立つ場面や場面ごとのクッション言葉一覧について解説します。
クッション言葉とは
クッション言葉とは、そのまま伝えてしまうときつい印象や不快感を与える恐れがあることを、やわらかく伝えるために前置きとして添える言葉を指します。
クッション言葉は、ビジネス枕詞(まくらことば)とも呼ばれ、本題を伝える前に相手を気遣う気持ちや敬うニュアンスを添えて、コミュニケーションをスムーズにするためにさまざまな場面で使われています。
ビジネスにおいては、相手が忙しいときに作業をお願いしたり、相手からの依頼を断ったりと、伝えにくいことを伝えなければいけないこともあるでしょう。
そのような場面にクッション言葉を使えば、失礼な印象を与えずに本題を伝えることができます。
電話や対面でおこなわれるコミュニケーションに限らず、メールやチャットなどテキストベースのコミュニケーションの際にもクッション言葉は広く使われるため、対人コミュニケーションが多い部署ではとくに意識しておくといいかもしれません。
クッション言葉が役立つ場面例
クッション言葉が役立つ場面は大きくわけて4つあります。
どのようなシーンにおいてクッション言葉を使うと効果的かを見ていきましょう。
依頼するとき
上司や同僚、取引先や顧客になにかを依頼するとき、相手が多忙である可能性や、依頼する作業に手がかかり面倒に思われる可能性もあるでしょう。
そういった場面では、依頼したいことを伝える前に「お忙しい中恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」などのクッション言葉を使うとよいでしょう。
依頼を受ける側を不快にさせず、相手の状況を慮っていることを伝えられます。
断るとき
顧客や上司からの依頼や招待を断るときは、相手の気分を害さないか、今後の関係が気まずくならないか心配になることもあるでしょう。
断ることを心苦しく思っていることや、招待してくれた相手の気持ちをありがたく思っていることを伝えたいときには、「誠に申し訳ございませんが」「せっかくのご厚意ですが」などのクッション言葉が役立ちます。
断りを伝えたあとは「またの機会がありましたらよろしくお願いいたします」などと伝えると、今後も良好な関係を続けたいことが伝わるかもしれません。
>ビジネスのお断りメールの書き方と注意点に関する記事はこちら
申し出るときや尋ねるとき
相手が必要としているかわからないことを申し出るときや、なにかを尋ねたいときには「もしよろしければ」「差し支えなければ」などのクッション言葉が使われます。
商談や打ち合わせで相手から情報を引き出したいときや、提案するときに便利なフレーズでしょう。
相手が断る余地を持たせた言葉のため、確実に答えてほしいことを聞くときには「恐れ入りますが」「恐縮ですが」を使うようにしましょう。
反論するとき
ビジネスにおいては相手の意見を聞き入れるだけでなく、反論しなければいけない場面もあります。特に取引先や上司が相手だと、反論することにより相手の心証を損ねないか不安な場合もあるでしょう。
そういうときは「申し上げにくいのですが」「出過ぎたことを申しますが」などのクッション言葉から始めて本題に入ると、相手もこちらの意見を聞く心の準備ができます。
クッション言葉一覧:依頼するときに使えるクッション言葉
なにかを依頼するときは、相手が忙しいことや負担になるかもしれないことを想定し、気遣う気持ちをクッション言葉にして伝えます。
- 恐れ入りますが
- お忙しい中恐縮ですが
- お忙しいところ申し訳ございませんが
- ご多忙中とは存じますが
- お手数をおかけいたしますが
- ご足労をおかけいたしますが
- もし可能であれば
期日までにメールの返信がほしいときは、「お忙しいところ申し訳ありませんが、●日までにご返信をいただきたく存じます」などと使われることが多いでしょう。
添付データの確認などを依頼するときは「お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」と添えると、メールやチャットの文章が短くても丁寧な印象を与えられます。
クッション言葉一覧:断るときに使えるクッション言葉
依頼や招待を断るときは、そのまま伝えると冷たい印象を与えてしまう恐れがあります。
こちらも断りたくないという気持ちや、心苦しい気持ちをクッション言葉で伝えましょう。
- 申し訳ございませんが
- あいにくですが
- 残念ですが
- 誠に申し上げにくいのですが
- 身に余るお話ではありますが
- せっかくのご厚意ですが
- 心苦しいのですが
- ご期待に添えず申し訳ありませんが
セミナーや食事会などの招待を断るときは「あいにくですが●日は予定が入っており、参加することができません」とするとよいでしょう。
仕事の依頼を断るときは、理由と合わせて「ご期待に添えず申し訳ありませんが、費用の面で折り合いがつかず今回は見送らせていただきたく思います」という言葉を使うと、申し訳ない気持ちが伝わり相手が納得しやすいかもしれません。
クッション言葉一覧:申し出や尋ねるときに使えるクッション言葉
相手の都合や意向を尋ねるとき、また提案をおこなうときは、相手が断る余地を残して押し付けにならないよう気を遣う必要があります。
- 差し支えなければ
- もしよろしければ
- ご迷惑でなければ
商談や打ち合わせで一歩踏み込みたいときは「差し支えなければもう少し詳しくおうかがいできますでしょうか」、商品やサービスを提案するときは「もしよろしければ資料をお送りさせていただきます」といった形でクッション言葉を使うことができます。
クッション言葉一覧:反論するときに使えるクッション言葉
ビジネスの場で反論するときに大切なのは、自分の立場をわきまえつつ発言することを伝え、相手が意見に耳を傾ける準備ができるようにクッション言葉を使うことです。
- 申し上げにくいのですが
- お言葉を返すようですが
- 出過ぎたことを申しますが
- 差し出がましいようですが
「出過ぎたことを申しますが、この件は再検討が必要だと思います」「差し出がましいようですが、別の手順を踏んだ方がよいのではないでしょうか」などと伝えると、謙遜や申し訳ない気持ちが相手に伝わるでしょう。
クッション言葉を使うときに注意すること
やわらかい表現で丁寧な印象を与えるクッション言葉ですが、多用しすぎるとかえって白々しい印象になったり、本題が伝わりにくくなってしまうことがあります。
クッション言葉はメールやチャット、電話や対面などさまざまな場面で使えますが、特に文字で文章を確認できない電話や対面のシーンにおいては、意図が伝わりにくくなる可能性が高いため、クッション言葉の多用に注意をするとよいでしょう。
また、相手に確実に聞きたいことがあるときに「もしよろしければ」や「差し支えなければ」などのクッション言葉を使用すると、断ってもよいというニュアンスを相手に伝えることになり、聞き出すことができなくなってしまう場合が考えられます。
名前や連絡先を尋ねる際のクッション言葉には、「恐れ入りますが」や「恐縮ですが」などのフレーズを使用しましょう。
クッション言葉を適切に使用しコミュニケーションを円滑にしよう
相手への気遣いを示しコミュニケーションを円滑にするクッション言葉は、ビジネスにおいてさまざまなシーンで使われています。
相手からの依頼を断るときや反論するときなど、伝えにくいことを伝えなければいけない場面でも役立つため、複数のフレーズとふさわしい場面を理解しておくとよいでしょう。
状況に応じて適切にクッション言葉を使い、スムーズなコミュニケーションと良好な関係を維持できるよう心がけましょう。
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