リファラル採用とは?導入のメリット・デメリット、方法や成功のポイントを解説
目次
リファラル採用とは、自社の社員から知り合いを紹介してもらうことで人材を獲得する方法です。
リファラル採用を導入することで、採用にかかるコストの削減や従業員満足度の向上に期待できます。
ただ、人間関係のサポートや採用に時間がかかる点には注意が必要です。
リファラル採用の導入手順とメリット・デメリットを解説します。
リファラル採用とは
リファラル採用とは、自社の社員から知り合いを紹介してもらうことで人材を獲得する方法です。
リファラルには「推薦」「紹介」という意味があります。
リファラル採用を導入することで、採用コストを削減できる効果が期待できます。
縁故採用との違い
縁故採用は、社員の親族を中心に紹介してもらい、採用を決める方法です。
一方、リファラル採用は社員の友人や知り合いを中心に紹介してもらいます。
縁故採用は実力よりも人間関係の縁を軸に採用されるケースが多く、リファラル採用は実力重視で採用されるという違いがあるでしょう。
リファラル採用が注目される背景
リファラル採用は、安定的な人材の獲得方法として注目されている背景があります。
業種や職種にもよりますが、現在は求職者側に有利な売り手市場の傾向にあります。
求職者は就職先の選択肢が増えるため、企業は優秀な人材を獲得するチャンスを逃す可能性があるでしょう。
また、リファラル採用は社員が人材を集めてきてくれるため、自社にマッチする人材を集めやすくなり、人材の定着化につながる効果が期待できます。
リファラル採用の目的
リファラル採用は、前述した通り、安定的な人材確保の手法として注目を集めています。
この背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、仕事や働き方に対する価値観の変化が影響しています。
近年、新型コロナウイルス感染症の拡大も後押しして、テレワークやリモートワークなどの新しい働き方や、正社員にこだわらない柔軟な働き方を選択する人が増えており、このような、働き手の価値観の変化にともない、優秀な人材を確保し、企業の持続的な成長を目指すことは、年々難しくなっています。
このなかで、自社の従業員のつながりを利用して、自社とマッチする優秀な人材を確保することが、リファラル採用の目的です。
社内の情報を知っている従業員の紹介の場合、ミスマッチも起きづらく、精度の高い採用を実施することができるでしょう。
リファラル採用を導入するメリット
リファラル採用を導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
リファラル採用を導入するメリットの一例を紹介します。
- 自社にマッチする人材を集めやすい
- 転職潜在層の人材を獲得できる
- 人材の定着化・従業員満足度の向上につながる
詳しくみていきましょう。
自社にマッチする人材を集めやすい
リファラル採用では、現場に求められるスキルをもった人材を集めやすくなります。
社員が自社にマッチする人材に声をかけるため、採用の精度を高める効果が期待できるでしょう。
社員が紹介した人材側も、企業の社風や仕事内容など、社内の実情を詳しく知れるメリットがあるため、ミスマッチも防げるでしょう。
転職潜在層の人材を獲得できる
転職潜在層とは、転職したい気持ちがあるものの、具体的な転職活動をしていない人材のことです。
たとえば、求人サービスに登録していない人などが当てはまります。
リファラル採用を活用すると、まだ転職活動に踏み切れていないものの、転職したいと考えている優秀な人材を獲得するチャンスが生まれます。
人材の定着化・従業員満足度の向上につながる
人材を紹介した社員には、基本的に紹介制度で報酬を受けとれるメリットがあります。
また、紹介者は社員と知り合いになるので、お互いに何か仕事で悩みを感じたときも相談し合えるでしょう。
職場のつながりを強化できることで、離職率や休職率を低下できて、従業員エンゲージメントを高める効果が期待できます。
リファラル採用を導入するデメリット
リファラル採用を導入を検討する際は、デメリットも理解しておく必要があります。
- 社員に負担がかかる
- 似ている人材が集まりやすい
- 採用から入社までに時間がかかる
- 制度の認識不足が起きる
デメリットにどのように対応していくのか、解消すべきなのかを事前に確認しておきましょう。
社員に負担がかかる
リファラル採用は、面接の日程調整や連絡のやりとりなど、紹介する社員に手間がかかるという課題があります。
また、紹介者から人事担当者に向けた質問が多い場合、対応に時間がとられるでしょう。
リファラル採用の導入で、業務に悪影響が出ないように、採用プロセスの簡略化を進めて、紹介者や担当者の負担を軽減することが重要です。
似ている人材が集まる
リファラル採用は、社員に人材紹介を頼る方法になるため、紹介される人材のスキルや性格などが偏るケースが考えられます。
また、採用後に社員同士の慣れ合い、派閥が生まれる可能性もあります。
企業側は、採用選考や面接時において、現場の管理職に意見を求めるなど、慎重に人材の雇用を判断することが大切です。
>職場の馴れ合いとコミュニケーションの違いに関する記事はこちら
採用から入社までに時間がかかる
リファラル採用は、人手不足による大量雇用、緊急時の採用に向かないというデメリットがあります。
社員が紹介した人材が在職中だと、採用決定後から入社までに時間がかかる場合があります。
面接の日時調整や連絡のやりとりに時間がかかるなど、企業側が思うように選考を進められないこともあるでしょう。
制度の認識不足が起きる
リファラル採用について、社内でうまく周知が進んでいないと、社員と人事担当者の間に認識の差異が生まれます。
企業側が求めていない人材を紹介するなど、認識不足によって余計な手間や時間がかかる懸念があるでしょう。
事前に社内で制度の詳細を説明しておき、採用選考の詳細や流れをすり合わせておくことが大切です。
リファラル採用の導入手順
リファラル採用を促進するためには、正しい手順を追っていく必要があります。
- ステップ(1):制度の仕組みを整える
- ステップ(2):紹介報酬制度を導入する
- ステップ(3):社員に制度を周知する
効果的な採用活動のためにも、手順を確認していきましょう。
ステップ(1):制度の仕組みを整える
社員が紹介しやすいように、リファラル採用に関する仕組みづくりを整えましょう。
たとえば、採用したい人物像を明確にするには、企業側が採用条件や応募方法などの情報を開示しておくことが大切です。
ほかにも、社員の紹介活動や採用状況に関する情報などを管理することで、採用活動全体の流れをスムーズに進めやすくなります。
ステップ(2):紹介報酬制度を導入する
紹介報酬制度はインセンティブとも呼ばれており、紹介者ひとりにつき数十万円の支給を受け取れる仕組みです。
現金以外には、ギフト券や割引券などを渡して対応している企業もあります。
企業側は、紹介してもらうのが当たり前という態度ではなく、社員に紹介してもらったときは、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
リファラル採用の報酬の相場について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
ステップ(3):社員に制度を周知する
リファラル採用を浸透させるには、社員に向けて定期的に周知を進めることが重要です。
たとえば、メールやチャットで伝える方法、口頭や掲示板を使う方法など、オンラインとオフラインの両方を活用しましょう。
ほかには、紹介報酬制度に関する情報など、社員が紹介するメリットを伝えられると、社内に浸透しやすくなります。
リファラル採用の導入を成功させるポイント
リファラル採用を成功させるためのポイントのひとつに、ツールの導入があげられます。
ツールを導入することで、社内の運用や管理体制を効率化できます。
リファラル採用に関するツールの機能例は、下記のとおりです。
- 紹介者に応募条件を送信できる
- 紹介者の採用情報を管理できる
- 紹介活動の状況をポイントで見える化できる
活用することで、社員の紹介から応募〜採用選考など、全体の流れがスムーズになり、リファラル採用にかかる時間と手間を削減できるでしょう。
リファラル採用の導入事例
企業においてリファラル採用を導入している事例を紹介します。
情報・通信業の事例
情報・通信業の事例では、リファラル採用を活用して、採用コストの削減を実現しています。
社員に紹介を強要しないことを大切にしており、自社の事業活動において、知り合いや友人に紹介したいと思える会社づくりを進めている事例です。
電気通信事業の事例
電気通信事業の事例では、社員と紹介された人が前職の職場で働いていた縁をきっかけに、採用された事例があります。
会社情報について細部まで説明があったおかげで、紹介された人は入社前の不安がほとんどなく、入社後もスムーズに会社に馴染めたといいます。
リファラル採用を導入すると安定的な人材獲得につながる
自社のことを知る社員に紹介してもらえることで、現場にマッチする人材を獲得できるチャンスが生まれます。
採用にかかるコストを抑えられるメリットもあるため、人手不足の解消や安定的な人材獲得につながるでしょう。
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[※1]出典:就職みらい研究所「就職白書2020」
https://shushokumirai.recruit.co.jp/white_paper_article/20200611002/
※本記事は、2022年6月時点の情報をもとに作成しています。