「助かります」は目上の人・上司に失礼?ビジネスにおける正しい敬語表現を解説
目次
「助かります」は、目上の人や上司に使うと失礼になることがあります。
言い換えるときの敬語表現には、「ありがとうございます」「恐れ入ります」といった言葉がおすすめです。
相手から「助かります」と言われたときは、どのように返事をするのが正解なのでしょうか。
ビジネスにおける正しい敬語表現を知るためにも「助かります」の言い換え表現を解説します。
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「助かります」は目上の人・上司に失礼な表現?
「助かります」は敬語ですが、丁寧語にあたるため、基本的には目上の人や上司には使わないほうがベターです。
「助かります」は「相手のサポートによって、自分の負担を軽減できた」というふうに、上から目線に捉えられることがあります。
言葉自体は「助かる」+「ます」を付けた丁寧語に該当するため、同僚や年下の後輩に使う分には問題ありません。
「ありがたいです」もビジネスシーンには不向きな表現
「ありがたいです」という言い方は、相手に配慮する目的で使われますが、目上の人や上司に使うのは控えましょう。
「ありがたい」の言葉には「めったにないことに感謝する」「物事が都合よく進んでうれしい」といった意味合いがあるからです。
「○○いただけると幸いです」などの別の言い方に変えることで、丁寧な伝え方にすることができます。
ビジネスでの言い換え方について確認していきましょう。
>「ありがたい」のビジネスでの使い方と言い換え表現に関する記事はこちら
「助かります」を言い換える敬語表現と例文
目上の人や上司に「助かります」の言葉を使いたいときは、どのような表現を使うのが適切なのでしょうか。
「助かります」の言い換えとして使える敬語表現を7つ紹介します。
- ありがとうございます
- 恐れ入ります
- お願いいたします
- 感謝申し上げます
- 幸いです
- 幸甚に存じます
- ○○していただけませんか
ビジネスで使える表現を確認していきましょう。
ありがとうございます
何かしてもらったときは、シンプルに「ありがとうございます」という言葉を使うのが無難です。
目上の人や上司、取引先や顧客など、立場や年齢にかかわらずあらゆる場面で使えます。
使い方の例文は、下記のとおりです。
- ご協力いただき、ありがとうございます。
- フィードバックのほど、ありがとうございます。
- 早々にご連絡をいただき、ありがとうございます。
「ありがとうございます」は、感謝の気持ちを伝えられるので、日頃から積極的に使うことで、人間関係を円滑に進めやすくなります。
恐れ入ります
目上の人や上司に対して、感謝や恐縮する気持ちを伝えたいときは「恐れ入ります」という言葉を使いましょう。
使い方の例文は、下記のとおりです。
- 折り返しのご連絡をいただき、恐れ入ります。
- お忙しいところ恐れ入ります。
「恐れ入ります」は、そのままお願いするよりも柔らかい表現になるので、ワンクッションおいて本題を伝えられます。
お願いいたします
相手にお願いするときは「お願いいたします」という敬語表現を使いましょう。
- ご確認のほどよろしくお願いいたします。
- ご検討のほどよろしくお願いいたします。
- ご査収のほどよろしくお願いいたします。
「お願い」+「(する)いたします」という丁寧な言い方になるので、目上の人や上司にも使うことができます。
感謝申し上げます
相手に感謝の気持ちを伝えたいときは「感謝申し上げます」という言い方が丁寧です。
使い方には、下記のような例文があげられます。
- 心より感謝申し上げます。
- 誠に感謝申し上げます。
また「大変」「誠に」「心より」といった言葉をつけることで、より相手に感謝の気持ちを伝えやすくなります。
ほかの言い方では「お礼申し上げます」という言い方もあります。
幸いです
「助かります」の言い換え表現として「幸いです」は、無難で使いやすい言葉です。
たとえば、下記のような例文があげられます。
- x日までに、ご返信をいただけると幸いです。
- ○○の件について、ご意見をいただけると幸いです。
ほかの言い方では「幸いに存じます」「幸いでございます」という言い方もあります。
- x日までに、納品していただけますと幸いに存じます。
- 〇〇の件について、ご連絡をいただけますと幸いでございます。
「存じます」は「思う」の謙譲語になるので、目上の人や上司にも使える丁寧な表現です。
幸甚に存じます
幸甚(こうじん)には「大変助かる」「とてもありがたい」といった意味合いがあります。
使い方の例文は、下記のとおりです。
- 本日は〇〇にお呼びいただき、幸甚に存じます。
- ご報告をいただけますと、幸甚に存じます。
「幸甚に存じます」という言い方は、目上の人や上司にも使える丁寧な表現ができます。
○○していただけませんか
誰かに依頼したい意味で「助かります」を使うときは、別の言い方として「~していただけませんか」という言葉を使いましょう。
例文は、下記のとおりです。
- ○○の仕事をしていただけませんか。
- ○〇の件について、x日までに納品いただくことは可能でしょうか。
もう少しフランクな言い方のほうがいいときは、「~していただけると幸いです」という言い方でも問題ありません。
「助かります」と言われたときの返事
相手から「助かります」と言われたときは、どのような返事をするのが正解なのでしょうか。
返事の仕方について「感謝されたとき」と「依頼されたとき」のシーン別に見ていきましょう。
感謝を伝えられたとき
目上の人や上司から「助かる」と伝えられたときは、こちらも感謝や恐縮の気持ちを伝えることが大切です。
たとえば、下記のような例文があげられます。
- とんでもないことです。
- お役に立てて光栄です。
「とんでもない」という言葉には「まったくそうではない」という意味、また「光栄」という言葉には「名誉に思う」という意味合いがあります。
感謝を伝えられて当然という態度でなく、相手に感謝や敬う気持ちを伝えられるでしょう。
依頼されたとき
目上の人や上司から「〇〇してくれたら助かる」と伝えられることがあります。
依頼を承諾するときの答え方は、下記のとおりです。
- かしこまりました。
- 承知いたしました。
「わかりました」と伝えるよりも、丁寧な伝え方ができます。
一方、依頼を断るときの伝え方は、下記のとおりです。
- 大変申し訳ございません。x日は予定が~(断る理由を述べる)
- ご検討させていただきましたが~(断る理由を述べる)
いきなり断りを入れるのではなく、クッション言葉をおくことで、相手を気遣う言い方になるため、言葉の印象を和らげる伝え方ができます。
目上の人・上司に「助かります」は失礼に値する
「助かります」は、目上の人や上司に使うと失礼になるので、基本的には使わないようにしましょう。
言い換え表現としては、「幸いです」「ありがとうございます」といった言葉があげられます。
また、相手から「助かる」という言葉を投げかけられたときの返事は「とんでもないことです」「かしこまりました」といった言い方がおすすめです。
ただ、メールの文章で固い表現を使うことが多いと、連絡のやりとりにコミュニケーションコストがかかることがあります。
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