「ボトルネック」とは?ビジネス上の使い方や言い換え、解消方法について解説

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「ボトルネック」とは?ビジネス上の使い方や言い換え、解消方法について解説

目次

「ボトルネック」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

ボトルネックが生じる原因はさまざまですが、解消すると、企業全体の生産性が向上し、大きな業務改善につながるメリットがあります。

ボトルネックを解消するためには、原因を特定し、改善していくというステップが必要になりますが、TOC理論を活用することで、実践にうつしやすくなります。

ボトルネックの意味や生じる原因、解消するための理論について解説します。

ボトルネックの意味とは

「ボトルネック」とは、業務工程のなかで、もっとも生産性や業務効率を落としている工程のことを指す言葉です。

ボトルネックとは、瓶の首が細くなっている部分を意味する「bottleneck」という単語に由来します。

ワークフロー(業務の一連の流れ)の中で、業務の停滞や生産性の低下を引き起こす工程や箇所を指し、これを省略して「ネック」と呼ぶこともあります。

「あの作業がネックになっている」「あの工程がネックで、なかなか進まない」など、業務効率が悪い部分や停滞している部分について、日常的に使われることが多い言葉です。

ボトルネックが生じると、特定の工程だけでなく、全業務の進行に悪影響をおよぼすため、早急に解決する必要があります。

ボトルネックが引き起こす問題

ボトルネックとなりえる原因について確認してきましたが、職場にボトルネックが存在すると、具体的にどのような弊害があるのでしょうか。

ボトルネックが引き起こす問題についてみていきましょう。

生産性の低下

ボトルネックは、生産性の低下を引き起こす恐れがあります。

たとえば、IT業界で、システムの処理スピードに遅れが生じた場合、改善しないと、そのシステムの処理の速さにあわせて、作業を進めることになります。

処理スピードが倍速になれば、作業の速さもそれにともない、倍のスピードでこなすことができますが、処理スピードが遅くなれば遅くなるほど、作業にも遅れが生じます。

業務がうまく回らなくなると、不満をもつ従業員が増え、生産性だけでなく、モチベーションの低下も引き起こされるでしょう。

>モチベーション低下が引き起こす問題に関する記事はこちら

精神的な余裕がなくなる

ボトルネックが影響して、作業の進みが悪くなると、精神的な余裕がなくなる危険性もあります。

業務がスムーズに進まなくなると、原因を探し、解決しようとしますが、原因究明や改善に多くの時間がとられてしまうと、ほかの業務にかける時間が圧迫されてしまいます。

また、遅れが生じたぶんをとり戻すために、長時間労働を強いられることもあるかもしれません。

ボトルネックにより、さまざまな弊害が生まれることで、精神的な余裕がなくなることは避けられないでしょう。

ボトルネックが生じる原因

業務に悪影響を与えるとされているボトルネックですが、なぜ発生するのでしょうか。

ボトルネックが生じる原因の一例として、以下のようなものが考えられます。

  • 人手不足
  • 業務の属人化
  • アナログ業務

ボトルネックが生じる原因について、それぞれ詳しくみていきましょう。

人手不足

工程の業務を円滑に進めるための人材が十分でないと、ひとりあたりの業務量が多くなってしまい、ボトルネックになりやすいです。

製造業の場合、作業スピードが遅いことが影響して、製品の納品が遅れることはもちろんですが、同時に人手不足が影響して、急いで業務をこなすようになってしまうこともボトルネックの原因になりえます。

人手不足が影響して、一つひとつの作業がおざなりになってしまうと、製品の質低下がまぬがれず、最悪の場合、顧客の信頼を損ねてしまう危険性もあるでしょう。

>人手不足の原因と解消方法に関する記事はこちら

業務の属人化

業務の属人化も、ボトルネックの原因となりえます。

業務のある工程を遂行できる人が限られている場合、その人がいなくなってしまうと、業務をこなせる人がいなくなり、業務が滞ってしまうでしょう。

別の人が引き継いだ場合も、確認すべき部分や大事にすべき工程を見落としやすく、手探りで業務を進める必要に迫られるため、成果物の質や仕事の生産性が低下する恐れがあります。

>属人化とは?に関する記事はこちら

アナログ業務

アナログ業務の多さが、ボトルネックにつながっていることも多いです。

たとえば、各種申請を紙でおこなう、承認に押印が必要なものが多いなど、デジタル化できる業務をアナログでおこなっている場合、一つひとつの工程に時間がかかり、業務が停滞します。

すべての業務をデジタル化することは、短期的な視点でみると負荷が高いように思えるかもしれませんが、中長期的な視点でみると、スピードやセキュリティ、管理面など、メリットが大きいことがわかるでしょう。

>脱ハンコのメリットと実現方法に関する記事はこちら

>アナログな職場のリスクとデジタル化のポイントに関する記事はこちら

ボトルネックを解消する「TOC理論」

ボトルネックの解消を目指す際に活用できるものとして、「TOC(Theory of Constraints)理論」という理論があります。

TOC理論は、イスラエルの物理学者である、エリヤフ・ゴールドラット氏によって提唱された理論で、ボトルネックを解消し、生産性の最適化をはかろうとするものです。

ボトルネックは、従業員のメンタルや企業の生産性に悪影響をもたらすため、いちはやく解消したいものですが、TOC理論の5つのステップをおこなうことで、ボトルネックを段階的に解消でき、業務の最適化をはかることができます。

この理論の実践が、従業員間で習慣化すれば、ボトルネックを素早く解消し、高い生産性を維持できるでしょう。

TOC理論の5つのステップ

TOC理論を活用する際は、以下の5つのステップで進めていきましょう。

  1. ボトルネックを特定する
  2. ボトルネックを徹底活用する方法を検討する
  3. ボトルネックにあわせる
  4. ボトルネックを強化・改善する
  5. ブラッシュアップをはかる

それぞれのステップの内容とポイントについて、詳しく解説します。

ステップ(1):ボトルネックを特定する

まずは、なにがボトルネックになっているのかの特定からはじめましょう。

ボトルネックは、明らかである場合もあれば、顕在化していない場合もあります。

顕在化している場合の特定は容易ですが、顕在化していない場合は、まず現状を洗いざらいリストアップすることからはじめる必要があります。

「作業スピードが遅くなるタイミングがある」「完成品の質にばらつきが生じる」など、現状の課題を段階的に解明をしていくなかで、ボトルネックとなりえている部分を明確にすることができます。

「人手不足」「能力不足」のように安易にボトルネックを決めつけることはできますが、あてが外れていた場合、ボトルネックは解消できず、無駄なコストがかかってしまう恐れもあります。

まずはボトルネックになりえる部分の仮説をたて、検証をすすめるようにしましょう。

ステップ(2):ボトルネックを徹底活用する方法を検討する

ボトルネックが明らかになったら、現状のままで実現可能な「ボトルネックの活用方法」を考えましょう。

特定したボトルネックが、実際にどれくらいの悪影響をおよぼしているのかを見積もり、改善方法を計画立てることで、本質的な活用方法を浮き彫りにすることができます。

計画を立てる際は、「人材を増やす」「システムや設備を導入する」などの、新たなリソースを投入する方法ではなく、現状の環境のなかで、生産性や業務効率を最大化するために、どのようなとりくみができるのかを検討しましょう。

ステップ(3):ボトルネックにあわせる

次に、ボトルネック自体の改善ではなく、ボトルネックとなっている工程以外の部分を最適化し、ボトルネックをカバーできないかを検討しましょう。

製品や作業工程の種類によっては、ボトルネック自体の解消が難しいものも存在するため、ボトルネックの解消を目指すよりも、ほかの工程を効率化する方が、全体最適となる場合もあります。

効率性をたもっている部分からリソースをもらい、ボトルネックをカバーすることで、すべての工程の作業効率を均衡にすることができるでしょう。

ステップ(4): ボトルネックを強化・改善する

現状のままで実現できる活用方法を検討したうえで、さらに改善余地がある場合は、新たな設備や人材増員などで、ボトルネックの改善を目指しましょう。

3つ目のステップまでは、企業にあるリソースを集めることで、ボトルネックが解消するかを検証するものでしたが、このフェーズでは、現状のリソースではカバーしきれない部分について、検討をおこなうものです。

ステップ(5):ブラッシュアップをはかる

1から4までのステップで、どのようにボトルネックが改善されていったのかを見直し、検証をおこないましょう。

見直しで、さらに改善できそうな部分を発見した場合は、再度改善をはかるなど、ブラッシュアップをおこないます。

このステップを継続的に繰り返しておくと、別のボトルネックが生じた場合にも、迅速な対処が可能になるでしょう。

ボトルネック解消のためのおすすめフレームワークやツール

ボトルネックの解消には、以下のようなフレームワークやツールを活用することがおすすめです。

  • ODSC
  • ワークフローシステム
  • Chatwork

それぞれを詳しく紹介します。

ODSC

ODSCとは、Objective(目的)、Deliverable(成果物)、Success Criteria(成功基準)の頭文字を取った言葉で、プロジェクト運用を成功させるためのフレームワークの一つです。

プロジェクトを開始する際にODSCを定めることで、手段よりも目的に集中することができるようになります。

たとえば、目的の達成を目指すことで、部分最適となる一部の改善よりも、他の工程を改善したほうがよいと気がつくことができるかもしれません。

ODSCは、目的を達成するために本来解消すべきボトルネックを発見したり、全体最適を目指したりするうえで重要な考え方といえます。

ワークフローシステム

ワークフローとは、業務の流れやプロセスのことを指します。

ワークフローを明確にすることで、ボトルネックとなっているプロセスを発見したり、改善すべき箇所を見つけたりしやすくなります。

また、ワークフローシステムを導入することで、プロセスそのものを自動化し、業務効率を改善することもできるでしょう。

>ワークフローシステムに関する記事はこちら

Chatwork

Chatworkとは、コミュニケーションの効率化や情報共有を円滑にするためのビジネスチャットです。

複数人でコミュニケーションが可能なため、ボトルネックとなりうる他部署との連携や情報共有を円滑にすることができます。

さらに、日々のコミュニケーションを密にすることで、ボトルネックの発見や、解消に向けたやりとりもスピーディーにおこなうことができるでしょう。

ビジネスチャット「Chatwork」でボトルネックを解消しよう

ボトルネックは、生産性やモチベーションの低下をもたらし、精神的な余裕も奪うなどの悪影響があるものです。

ボトルネックの解消を目指す際は、要因を安易に決めつけず、現状の洗い出しや特定を丁寧におこない、改善のステップを踏むことが重要です。

現状のリソースだけでは、ボトルネックの解消が難しい場合は、新たな人材や設備投資を検討し、改善を目指しましょう。

ボトルネック解消への第一歩として、オンラインコミュニケーションツールを活用する方法があります。

なかでも、ビジネスチャットは、簡単にはじめられ効果につなげやすいツールです。

ビジネスチャット「Chatwork」なら、離れた場所にいても円滑なコミュニケーションが実現できます。

会話のようなスムーズなやりとりがオンライン上でできるため、申請書類のやりとりや、データ共有など、アナログ業務のボトルネック解消にも役立ちます。

また、リアクション機能を活用して、既読したことを伝えられるので、意思疎通のスピードアップにも効果的です。

ビジネスチャット「Chatwork」を活用し、ボトルネックを解消しましょう。

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